最強米軍vs最凶幽霊群。『スペクトル』感想。バレあり。
通用しない常識なんざ投げ捨てろ!
とりあえず弾がブチ込めるなら勝てる!!
ミリタリーとファンタジーが高次元で激突する!!
Netflixに登録して早2ヶ月程。
期待以上のラインナップに狂喜乱舞したのも記憶に新しい。
とりあえず目当てだったアメコミドラマをざっと観終えて一息ついていたところ
『劇場公開もソフト販売もなし!Netflix配信限定!』
という景気の良い宣伝文句の作品が多々あることに気がついた。
他所様の作品だけでなく独自の展開もするとは
「さすがアメリカ、金はあるところにはあるな!」と何気ない気持ちでひとまず本作を観賞してみたところ。
エラく度肝を抜かれた。
「え、なんでこれ劇場公開されてねぇの?!!」
と思ってしまう程に最新映画と比べても遜色ないハイクォリティさ。
というかレンタルビデオ店の片隅に転がってるC級作品が映画ならこれも完全に映画だ!
110分間、瞳孔開きっぱなしだった。
そんな刮目すべきあらすじ。
アメリカ。
国防高等研究計画局という舌を噛みそうな研究所で働く1人の天才科学者。クライン博士。
若き天才科学者。熱い正義感の持ち主。
とある日、天下のCIAからお呼びがかかる。
「東欧のモルドバで不可解な現象が起きている」
「手を貸してくれ」とのこと。
不可解なものを見たら解明せざるを得ないのが科学者の性。
それに特に断る理由もなかった。
一も二もなく現地に向かう。
モルドバ。
そこではなにやら市民と反乱軍が大騒ぎな世紀末状態。
そこでいつものように米軍が出張ってきたものの
その「不可解な現象」のせいでなにもできない状況であるという。
さっそくその「現象」が映った映像を見てみるクライン。
それは全世界のyoutuberが涎を垂らしかねない衝撃さだった。
「不可解な現象」というかもうバッチリ幽霊。
しかも佇んでいるだけではない。
なんと明確な敵意を持っている。
そしてこの物体に接触すると即死とのこと。
「いや…もう悪霊でファイナルアンサーだろ…」
と言いたくなるが、舞台はあくまで現代。
そんなオカルティックな話をしている場合ではない。
それでもみんなの意見は割れに割れる。
現場の技師は「カメラの故障」と言い張り
CIAの女は「ステルス装備を纏った反乱軍」と頑なに意見を変えない。
市民は「戦争の悪霊」と信じきっている。
そんな中。
クラインは至って冷静に「どれも偏った意見だ」
「俺が解決する」
とりあえず現場至上主義なクラインは
やたら物分かりのいい兵士達の協力により軍に同行することに。
さっそくその「現象」が現れた地点に赴くも、そこは酷い有様。「やっぱりヤバくない…?」という予感。
この手の場面からなにも起きずに帰れた例を俺は知らない。
当然無事に帰れるはずもない。
実際ヤバいことになる。
全員の予感通り、次から次へと仲間達がやられていく。そりゃもうバッタバッタと!
そんな中、すっかり戦場カメラマンと化したクライン。
そのやたら高性能なカメラに「現象」が映り込む。もう誰がどう見ても幽霊だった。
ちなみにこの「現象」は現地では幽霊の意味で「アラタレ」と呼ばれているらしい。
「とにかく「アラタレ」も撮れたし帰ろう!」
「対処できる強さじゃないし!」
と装甲車に乗り込むもそこは地雷原だった。
装甲車は速攻スクラップになり、走って逃げるしかない一同。「ヤバいって!」
見えない敵に怯えながらも
辿り着いた先は要塞のような工場跡。
そして中には2人の子供がいた。
「なぜ生き残っていられる?」という疑問もそこそこに外を見ているとなにかがおかしい。
とある地点からアラタレの進行が遅れている。
その足元には大量の鉄クズがあった。
「アラタレの弱点は鉄だ!!」と気がついたこの子らの親が撒いたものらしい。
正体はわからんものの、弱点は判明した。
なにより実体があるなら殺せるということだ。
やられっぱなしは米軍にあらず!
と意気込む面々。
とにかく脱出地点まで向かうために
工場にある部品で「鉄クズがばら撒かれる弾丸」や「手榴弾」をDIYする米軍の面々。
もちろんクラインも負けてはいない。
高性能カメラをサーチライトに改造する。これで照らせばアラタレが映る凄いライト。
なんか方向性が全然違うような改造だが
気にしたら負けだ!
いざ、脱出地点へ!!!
ラウンド1。開幕!
先ほどまでとはうって変わって非常にいい勝負を繰り広げる。
「血が出るなら殺せる」とは偉大な先人が放った名言だが
その精神は未だに健在だった。
ヤってヤラれての大騒ぎ。
なんとか脱出地点に辿り着くも
お手製の武器は軒並み弾切れ。
ライトも故障してしまう。
そこにアラタレの一群が現れる。なかなかの絶望感。
万事休すか…と思いきや!!援軍、到着!
クラインが指示した通りのライトと装備を積んだ戦車やヘリが駆けつけてくれた。
「勝ったわ!これ!!」
と景気良く大砲をブチ込む戦車。
しかし一筋縄ではいかないのがアラタレだった。
アラタレ の たいあたり !
戦車はスクラップになってしまう。「おい!!なにしにきた!!」
掌を返し急いでヘリに乗り込もうとする一同。
しかしここで悲劇が起こる。
なんとアラタレによって無慈悲にも少年が殺されてしまう。
その怒りを押し殺せるほどクラインは腑抜けではなかった。
ヘリの風圧により足止めを食らっているアラタレに向き直る。
そして身につけていた「鉄クズを詰めたガラス瓶」を一斉に叩き割る!演出も相まって震えるカッコよさ!
クラインが正真正銘のヒーローになった瞬間だ。
それにより現場のアラタレ群は全滅。
その場を後にする一同であった。向かった先は難民キャンプ地。
残りの米軍も集ってくるも戦況は芳しくない。
どうやら各地にアラタレが出没。
もう地獄絵図だと。
しかしここでクラインが天才科学者の本領を発揮する。
「わかったぞ…あの正体が」
「あれはボース凝縮によって生み出された兵器だ」
「個体、気体、液体、どの性質も併せ持つ」
「陶器や鉄などの自然物質を通り抜けられなかったのはそのためだ」
「???」な米軍と観客。
まぁとにかくだ!
理論がわかれば対策も立てられる!
幸いここには大量の兵器がある!!
と本作二度目となる大DIY大会が開催!
たった数時間の試行錯誤にて。
四足歩行兵器に高性能ライト。
電磁パルスを発射するSF銃。
難民キャンプ地とは思えない設備で次々に超科学兵器を量産していく!!もはやこの人と同レベルな天才度。
そして正体と共に生産方法も判明。
どうやら近くの大規模な発電所が怪しい。
こうして世界を救うために名もなき兵士達が立ち上がるのであった。
超科学兵器を片手に!!
ファイナルラウンド、開幕!!
全面戦争、勃発!!!
…というもの。
あらすじでわかる通り、理論武装された整合性第一の方には向いていないだろう。
しかし「軍隊 vs 幽霊」という夢のマッチングに惹きつけられた中学生魂を持っている人は
必ず満足する出来だ。
シリアス一辺倒な作風でありえない夢の対決を描き出す無謀さ。
そしてそのためにジャブジャブCG技術を使いまくる出し惜しみのなさ。
圧巻。劇場で観たいなぁ!!!
しかもオカルト方面に寄せることなくあくまで科学に徹する剛腕さ。
これを見て思いつくのは以下の作品だろう。
『バトルシップ』
日米連合海軍 vs エイリアン。
最先端だけでなくアナログも駆使してエイリアンと渡り合います。
なんとも頼もしい背中。
最近テレビ放映が中止になりtwitter上が阿鼻叫喚騒ぎだったのも記憶に新しい。
そして…
巨大ロボ vs KAIJU という夢。
怪獣の出現に危機を覚えた人類がどデカイロボットを製作し、真っ向から殴り合いを展開する。
全男子の寝る前の妄想を具現化させた快作。
オタクに金持たせたらどえらいものができる見本市でもある。
本作も含め、未知の存在に人間の意地を見せつけるというテーマ。
整合性をノリと勢いで跳び越える大胆さ。
永劫愛されるべき熱いバカ映画だ。
さらにはそれぞれ大きな共通点がある。
キメ技が存在する。
クライマックスにて。
アラタレが融合し強大な竜巻と化す。
それに対抗すべく米兵がとった策は…
持ちうる電磁パルス砲を全直結!
一撃にかける!!というストレートなものだった。
発射!!!
衝撃で吹き飛ぶのも気にしない漢気。
この向こう見ずな無鉄砲感。
もはや笑うしかない格好良さだ。
まぁ逆に言えばこの辺が合わないのならやめておいた方が賢明とも言える。
しかし
「勢いで駆け抜ける映画が好き」
「ミリタリーものが好き」
「『メタルギア』が好き」
「そろそろ幽霊に負けてばかりの映画界に飽き飽き」
といった方々には問答無用でオススメだ。
このためにNetflixに登録する価値は間違いなくある!と断言できる。
観よう!!!
燃えよう!!!
『バトルシップ』ロスを埋めつくせ!!
優等生ヅラしてる予告↓
Spectral | Official Trailer [HD] | Netflix - YouTube
向こう見ずなtwitter↓
面倒だから全員殺せ!『SAFE』バレあり。感想。
絶対に怒らせてはいけない漢、覚醒。
ドン底からの究極の倍返し。
敵対組織は1つとは言わず3つ潰せ!!
最高の不死鳥ムービー!!
ネタバレなし感想。
ステイサムが少女のために悪徳組織を3つ潰します。
以上!
男たるものとは。
やれ「草食系」やら「仙人系」やらジャンル分けがやたら盛んな昨今。
もはや定義がガバガバすぎてなにが正解なのか全くわからなくなってくる。
肉食がいいのか悪いのか
明るいのがいいのかミステリアスなのがいいのか…
まぁ正解を提示されたところで大人しく従う気はゼロではあるが
そんな中でも燦然と輝く大正解がひとつある。
ステイサム系男子だ。
この漢がモテなければもう世界は終わりだろう。
まぁ支持してるのは9割方男性な気もするが
それでも性別問わず嫌われることは絶対にない。
とはいえステイサム映画は「大体どれも一緒」と思われがちではある。
しかし本作のステイサムは一味違う。
「漢とはなにか」
「カッコいいとはなにか」
そんな曖昧な疑問にファイナルアンサーを叩きつけてくれるのは勿論
「ドン底からの這い上がり方」すら身体を張って教えてくれる。
生きていれば高い壁にぶち当たることもある。
しかしそれも本作のステイサムからすれば取るに足らないレベルの低さに見えてくる。
そんなお世辞にも「SAFE」とは言えないあらすじ。
ニューヨーク。
ステイサム in 地下闘技場。
今回のステイサムは元刑事。
しかしとある理由で退職していた。
今の生活費は闇ファイトで稼いでいるのであった。
とりあえず今日も元気にリングに上がるものの
相手をワンパンで沈めてしまう。
「まぁステイサムだし…」と思ってしまうが
プロモーター達は違った。
どうやら負けるはずの八百長試合に勝ってしまったらしい。
しかし「相手が弱すぎんだよ!」と
当たり前のように逆ギレするステイサム。
その場のプロモーター達を威勢良くぶん殴り
堂々と帰路につくのであった。ギザギザハートステイサム。
こんな嫌な日は誰かに愚痴りたくなるもの。
早速嫁さんに癒してもらおうと電話をかける。
…が出ない。なにか嫌な予感がする。
当然、この手の予感は当たるのが映画内のルール。
とりあえずトランスポーターさながらにマッハで帰宅するも
なんと愛しのハニーは殺されていた。
八百長試合に大金を賭けていたロシアンマフィアが見せしめとして動いていた。
「いつものステイサム」ならここで情け容赦無用のキリングマシーンと化すはずだった。
しかしよっぽどショックだったのか
その場に崩れて目に涙を浮かべてしまう。ステイサムの目に涙。只事じゃない。
「俺を殺すなら今のうちだぞ…」
か細い声で呟くステイサム。
「確かに!」という観客の声。
しかしそんなことを尻目にマフィア達はこう嘯く。
「これからお前を一生監視してやる」
「喋ったやつは殺す」
「孤独に生きるんだな」
また随分まわりくどい復讐だな…とも思うが
今のステイサムには何も応えられなかった。
笑いながら立ち去るロシアンマフィア共をバックに呆然とするしかなかった。
それでもいつまでもくよくよはしていられなかった。
着の身着のまま家を出るステイサムだったがそれは悲劇の始まりでもあった。
いそいそとホームレスの集会所に出向くも
翌朝、隣で寝ていたホームレスが殺されているという最悪の寝起きドッキリを食らう。
その直後、路上で財布をスられる。
入ったコンビニの店員は生意気。
もう倍プッシュどころではない不幸の連鎖が巻き起こる。
いつものステイサムなら歯牙にも掛けなかっただろう。
それぞれ一言ジョークでも吐いて終わらす案件ではあった。
しかし今は珍しく弱気なステイサム。
もう渇いた笑いしか出なかった。
それでも負のスパイラルは止まらない。
往来で騒ぎを起こしたために
昔の同僚でもあるNY市警に見つかってしまう。
どうやら現役時代に正義心を出しすぎたために
腐敗しきった市警連中からは恨まれているらしい。
これも「いつものステイサム」なら何も問題はなかった。
しかしここまで負の連鎖が続いてはもう抵抗する気力すらなかった。
あっけなくリンチされてしまう。全てに絶望。ドン底ステイサム。
やってきたのは地下鉄のホーム。
後は電車の前に飛び込むだけだった。
しかしここでとある光景を目にする。
1人出歩く少女。そしてそれを追う怪しい男達。それはあのロシアンマフィアだった。
それを一瞥するや否やステイサムの殺る気スイッチが入る。
「えっ!なんで?!」という観客の声。
そんな疑問も置き去りに
彼らが乗り込んだ電車へとエクストリーム駆け込み乗車!!デキる漢は常識に囚われない。
そして勢いそのままに車両を進んでいき
マフィア達の前に君臨する。ホラーにも程がある再邂逅。
相手がなにか言い放とうとするも
そんな戯言を聞く耳はもう持っていなかった。
なんの躊躇なく暴力をお見舞いしていく。
本編開始20分。
ステイサムが「いつものステイサム」にトランスフォームした瞬間だった。理由はわからんが!!
とにかくここから前半の鬱憤を晴らすかのごとく暴力装置と化すステイサム。色味も吹き飛ぶこの衝撃。
さらに復活した切れ味は身体能力だけではなかった。
あのジョークセンスも同時に戻ってきていた。
「お前はあのゴミ野郎か…」と言われようものなら
「違うな、ゴミを集めるんじゃない」
「処分するんだ」
と奪った拳銃の引き金を軽く引く。
もう完全に病み上がっていた。
完全にドン引きな少女。
とりあえずもれなく全員殺した後に
有無を言わせず事情を聞いてみると
どうやらこの子は天才少女。
とある重要なパスワードを唯一記憶している、とのことらしい。
それで「ロシアンマフィア」「チャイニーズマフィア」さらには件の「悪徳警官」達に狙われている、とのことだった。腐った野郎共。
そんな恐ろしい三竦み状態を知っても
ステイサムは全く揺るがなかった。
むしろ「前半の憂さ晴らしにちょうどいい」
とばかりにこれ以上なく奮起する。
こうして天才幼女を連れたステイサムによる
真昼の大運動会が開催されるのであった。
盛り上がってきたなぁ!!
…まぁあらすじを見てわかる通り
滅茶苦茶にもほどがある映画なのだが
これほど「いつものステイサム」が愉しい映画もない。
前半に鬱憤を溜めに溜めての解放。
爽快にならずにはいられない。
そして開始20分ほどでトランスフォームしてからは
一切弱音も愚痴もなく最後まで突っ走る。
強大な悪徳組織が3つ相手という圧倒的な不利な状況でも
10%のトンチ、10%のジョーク、そして80%の暴力で問題を解決しまくる様には
「痛快」以外の言葉を失う。
しかしそれだけならよくあるアクション映画として終わっていたかもしれない。
本作の魅力はこれだけではない。
前述した通りに
「漢とはなにか」ということを
嫌というほど教えてくれる「参考書映画」でもある。
例えばなんの接点もない少女を助けた理由。
実は知り合いだった?それともなにか隠された秘密でも?と普通は勘繰りたくなるもの。
しかしその答えは簡潔。
「俺を救ってくれたからだ」
少女はもちろん観客も理解不能な理由ではある。
しかしそれを理解しているのはステイサム自身だけで十分だ。
そして恩義を感じたならお釣りがくるほど返すという義理堅さ。
一度決めたら敵対組織が3つだろうがやり遂げる漢気。
押し付けがましいかもしれないが
有言実行してる時点で誰にも口を挟ませない隙のなさ。
さらにはラストでは
無事に3つの組織を壊滅させた後に一言。この安心安全なアフターケアの充実度。
正しいと信じたら最後まで、な一貫性。
さらにはおまけ的に
デートでの正しい紳士の振る舞い方も学べる。
本作のステイサムは運転が上手い。
まぁステイサムだし。
作中で遺憾無くそのテクニックが発揮されるのだが免停どころか「即、監獄行き!」レベルの
1人ワイルドスピードを大通りで開催!!
「運転の上手さは口ではなく実際に見せつけろ」
「やるなら派手にやれ!」と言わんばかりに!
まぁこれが正しい反応。
でもステイサムだから!!
さらには小洒落たBARの使い方。
中盤。
敵しかいないBARに単騎で入店するステイサム。
とりあえずカウンターに座り
マスターにフォークを注文する。
もちろんスイーツを食べるためではない。
そして不意に隣に座っていた男に話しかける。
「このひとときをなんて言うべきかな?」
「どんなひとときだ?」
「これから人を殺すときだ!!」
間髪入れずにフォークを喉元に突き刺し
流れるように銃撃戦、スタート!!
これぞ本当の「ハプニングバー」と言いたくなるほどの大暴れっぷり。
笑うしかない大殺戮、開始!!
あの様を文章で表すのはほぼ不可能。
ひとつ言えるのは
「テンションはもはやトランスフォーマーに近い」
ということくらいだ。こんな具合で暴れます。
この「ハプニングはBAR側からではなく己から起こせ!」という漢気。
まぁ日常で使ったら確実に全てが終わるだろうが
それでもいつかは実行したくなる清々しさだ。
とにかく全編に溢れる
「向かってくるやつは敵だろ!」
「もう殺そう!!」の精神。
共謀された雀卓状態で絶対絶命なはずだが
そこはブチギレステイサム。
「むしろわかりやすくていい!」
とばかりにキルゼムオールを不言実行する。看板に偽りなし。
その様は
「『トランスポーター』の面倒見の良さ」
「『アドレナリン』のキレっぷり」
「『ブリッツ』の電撃性」
「『メカニック』の殺意」
「『エクスペンダブルズ』の漢気」
をそれぞれ兼ね備えている。
一言一句、異議無し。
トータルすると
ワイスピのステイサムに迫る勢いだ。デッカードっぽい一枚。
嫁さん含め仲良くしたやつは死んでいく。
家も財布もない。
「ロシアンマフィア」「チャイニーズマフィア」「悪徳警官」に命を狙われている。
こんな不景気景気極まりない環境に陥ってもなんとかなる!元気があれば!!
とにかくうだうだしててもやる気は出ない。動け!!感じたままに!!
フルスロットルで己の信じた道を突き進めば
きっと人生は開ける。
そんな素晴らしい「人間賛歌映画」と信じて疑わない。俺は!!
例え観賞後には何も残らなかったとしても!
とにかく壁にぶつかってしまった1日の終わりにでも
ぜひ観賞してほしい皆殺しアクションの傑作。
ストレスがごっそりなくなるぞ!!
全力でオススメだ!観よう!!
大体わかる予告 ↓
著しく漢気が欠如したtwitter ↓
【80年代】のラストピースは【漢気】だ!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』バレあり。感想。
脳髄が蕩ける渋さ。
あの陽気な連中が帰ってきた!!
ノリと景気の良さはそのままに。
スケールは果てしなく広大に。
完璧な続編だ!!!
今回はいつにも増して真面目なあらすじなどはなし。本気で他のブログ行くことをオススメします。
それと「リミックス」という日本独自なサブタイトルがつけられた件に関しては他のブログやtwitterで散々なじってくれてるので当ブログでは語るのは控えます。
当ブログは「日本公開されただけでもありがたい」という日和見なスタンスでいきます。
さて、早いもので前作公開は3年前。
作中ではほぼ時間は進んでいないっぽいが、当シリーズはMCUの一部。
マーベルシネマティックユニバース(MCU)とは? - 高速回転する方舟の片隅で。
『シビルウォー』という一大事件が合間に起きているものの当シリーズの舞台は遠く離れた銀河の果て。
そんなことは影響するはずもない!!よってリンクはほぼなし、という潔さ。
ごちゃついたシリーズの中でも前作さえ見ていれば間違いなくMCU入門編としておすすめできるような超傑作として仕上がっていた。
思えばMARVELは俺流アレンジが非常に上手い。
原作をそのまま実写化する、というよりは様々なエピソードをいい塩梅で調理してくれる。それでいて原作へのリスペクトも怠らない配慮。さらには様々な要素を取り入れる柔軟さ。
ヒット作が続くのも頷ける話だ。
前作で言えば見事な「俺ら流スターウォーズ」を見せてくれた。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』バレあり。感想。新たな宇宙大戦争だ!! - 高速回転する方舟の片隅で。
しかし今作では驚きの方向に舵を切る。
予想だにしなかった嬉しい誤算な方向転換。
今作はまさかのMARVELによる「俺ら流エクスペンダブルズ」だ。
要因は主にこの2人の参戦。“スネーク”〈カート・ラッセル〉“ランボー”〈スタローン〉
もうこのご両人を同時に拝んでしまうとあの映画を連想せざるを得ない。
『デッドフォール』
〈LET'S DO IT!〉という直球さ。
ざっくり言ってしまえばよくあるバディアクションなのだが、通常バディものはそれぞれ性格や特技などは真逆、そんな凸凹な2人が最終的に手を組み事件解決。というのが暗黙の了解的に存在する。
しかしそんな当たり前が通用する2人ではない。
凸凹感は申し訳程度。
結局2人していつもの暴力で事件を粉砕する。貴重な眼鏡スライ。
今こそ見よう!死にそうな昼下がりにでも!!
噂によれば『エクスペンダブルズ』の当初のキャスティングでカート・ラッセルに声をかけたらしいスライ。
しかし「アンサンブルキャストには興味ねぇ!」と突っぱねられてしまった過去がある。
その後、奇跡の暴力アンサンブルのワイスピシリーズにノリノリで参戦していることの説明がつかんが!むしろこれ以上のアンサンブルを探す方が難しい。
このときのスライの胸中はどうだったかはわからない。
まぁ良いイメージは持っていなかっただろう。
その魂をエクスペンダブルズにぶつけたであろうことは想像に難くない。圧倒的完成度の初期メン達。
これぞ元祖奇跡の暴力アンサンブルだ。
ここにカート・ラッセルが入ってたかと思うとゾッとするなぁ!
しかしそれから若干の年月が経ちどちらもまるくなったのか…もしくは今現在飛ぶ鳥を落とす勢いのMARVELからの誘いは断れなかったのか。
ともあれカート・ラッセルとスライがこうして同じ作品で見られるというのは非常に感慨深い。もはや大量破壊兵器の二丁拳銃。
しかし個人的見解になるがエクスペ勢やワイスピ勢はどうもファンタジーとの食い合わせが悪い。
例えばヴィン・ディーゼル。本シリーズではグルートの声優を務め、奇しくもワイスピではカートラッセルとの共演も果たした近年右肩上がりの漢。
『ワイルドスピード』『リディック』『トリプルX』などをそれぞれ再起動させてきた有能ではあるが…
新作『ラスト・ウィッチ・ハンター』はそうもいかなかった。
800年間魔女狩りを続けているハンターを演じているのだが相も変わらずに仏頂面でスポーツカーを乗り回す徹底された役づくり。ワイスピとの違いは武器は刀剣。敵は魔女。ということくらい。
そしてヴァンダム。ベルギーの開脚帝王。
ドルフ。ロシアの核弾頭。
このご両人が手を組んだ歴史的共演作といえば『ユニバーサル・ソルジャー』だ。…まぁ良くもないが悪くもない。
派生作の多さはまるでMARVELを先取りしたかのよう。
ステイサムですら。英国の下町っ子。
名作率ほぼ100%なはずな漢。
しかし唯一の黒歴史とも言えるのが『デス・リベンジ』だ。安いロードオブザリングな世界観で農民ステイサムが頑張る。やたら近年的な佇まいで。
ちなみに『2』の主演はドルフだ。世界的ファンタジーなはずなのにラストバトルは一軒家。
「俺の主演作で面白いのは3つか4つだよ」とはドルフ本人曰く。さすがIQ180だなぁ!!
シュワちゃん×SF=『ターミネーター』などの傑作もあるが、やはりこの手のアクション俳優の本領はいかにゴツい近代兵器を振り回せるかにかかっていると思う。
しかし意外というかなんというかエクスペ&ワイスピ勢はアメコミものに出ていたりもする。
前述の通りグルートの声優はヴィン・ディーゼル。今作ではベイビーなためにヴィンの音声は加工されているが。
そしてMARVELと言えば忘れられないこの漢。
最高のハマり役でありビールとの相性抜群な『ブレイド』スナイプス。最近MCUに組み込むためにスナイプス残しでリブートされるとの噂。わかってるなぁ!!
初代パニッシャーであり『ARROW』にもヴィランとして参戦、さらに『アクアマン』のライバルとしてDCEUにまで殴り込む予定のドルフ。勝てそうもないオーラ。
どんな仕事も断らない核弾頭級な謙虚さ。
さらにはあのステイサムにもドラマ版『デアデビル』の宿敵ブルズアイのオファーがきていたらしい。見たかった!!ぜひに!!
そしてシュワちゃんも。『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』にて悪役を好演。
能力よりも寒いギャグで観客と興行収入を凍てつかせ、シリーズを永久冬眠に追い込むスーパーヴィランっぷりを見せつけてくれた。
さて、本命のスライ。プライベートでもオーラ満載。
オレ流ヒーローが多いイメージだが、かつてイギリスの傑作グラフィックノベルの実写化を買って出た過去がある。『ジャッジ・ドレッド』
「新世紀は、ここから始まる。」
「究極の正義は、ためらわない。」
と80年代満載のキャッチコピー!
荒れ果てた近未来で警察官、裁判官、死刑執行人を一纏めにした主人公「ジャッジ・ドレッド」を熱演。
これ以上ないくらいキリングマシーンな仕事選びだが、原作では一度も脱がないヘルメットを開始20分程度で脱ぎ、いつものタンクトップスライが大暴れ!という原作至上主義なファンが見たら卒倒必至な迷作でもある。スライに任せたらそりゃこうなる!!としか言えない。
実際好きだよ!!俺は!!
まぁ2012年にガチめにリブートされ傑作として生まれ変わってしまったために原作ファンはもちろん、映画好きからも忘れられてしまった哀しき作品でもある。2012年版『ジャッジ・ドレッド』
「ヤベぇ女が支配する雑居ビルに殴り込む」の一言なド直球アクション映画。
激しいアクションが好きなら文句なしにオススメだ。
…とまぁ、ファンタジー同様になかなかにヒーローものとも食い合わせが悪いことも多々。
まぁそこは素がヒーローだから!という強引な理論で押し通させていただこう。
事実、史上最大の同窓会と謳われた『エクスペンダブルズ2』のキャッチコピーは『俺たちは、変身しなくても強い!!』だった。圧力、無限大!!
同年公開の『アベンジャーズ』に真っ向から喧嘩を売る姿勢。
この潔さは貫き通された漢気の表れでもあると信じて疑わない。まさか数年後にリーダーが出張ってくるとは夢にも思わなかったな!
ともあれ、一見水と油に見えるこの2つの要素。
しかし当シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のテーマはズバリ「80年代」だ。
例えば主人公であるピーターは幼少期に地球から攫われてしまった過去がある。そこで唯一の地球との繋がりを忘れないようにか当時(80年代)の映画や音楽がこれでもか!と話題に上がる。
そんな本シリーズ。80年代を代表する根っからのヒーローが噛み合わないわけもない。
結果として物の見事に調和しているのであった。
というか本作では初っ端からラッセル!!場転してスライ!!またラッセル!!と「あれ、これMARVEL映画だよな?」と問いたくなるような話運び。
さらにはそんな2人に引きずられるかのように他のメンツも漢気が加速していく。
前作ラストにおいて「ファミリー」となったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。
宇宙には「気を遣う」という概念などない!とばかりに口を開けば罵詈雑言のオンパレード。
「バカ」だの「ブス」だの「ゴミパンダ」だのとにかく酷い。
まさかMARVELにてここまでの男子校スピリットが見られるとは思いもしなかった。
しかもその精神はピンチに陥ろうが忘れられることはない。むしろ加速していく。
中盤にて敵に囚われてしまう「ゴミパンダ」ことロケット。
周りの人間はバンバン宇宙空間に放り出され殺されていく圧倒的危機の最中でも一切屈さないどころか徹底的に敵の親玉を煽っていくスタイル。
それももうコテンパンに!
釣られて他の雑魚勢も笑ってしまうほど。
この余裕さ、軽妙さ。
もはやステイサム感すらある。
そういえば途中で多勢の敵に襲われたときには『メカニック』ばりの即死トラップをばら撒きつつ『ワイルドカード』並みの容赦ない肉弾戦を披露していた。ほぼイコールな両人。
アライグマかいかついおっさんか、なだけだ!
そんな中でも一際「80年代」感が溢れているのがカート・ラッセルだ。
登場シーンからしてもうヤバい。
宇宙空間にて無数の敵軍に追われることになってしまったガーディアンズ。操縦はピーターとロケット。船内で「宇宙一のパイロットは俺だ!!」という子供すぎる意地の張り合いが行われつつも小惑星間を潜り抜け見事に殲滅する。見事!!COOLだ!!!
しかし敵は黄金の国。
そんなことで資金が尽きるはずもなくそれまでの数倍の宇宙船軍に囲まれてしまう。
万事休すか…と思いきやその数百にも及ぶ軍隊が一気に壊滅する。
その攻撃の元を見るとなんと宇宙に素肌で立ち尽くすカート・ラッセルが!!
思考停止して笑う他ないGotGと観客であった。
一見すればギャグすれすれなこのシーン。
異次元に引きずり込まれたこの感覚。
強烈な既視感を覚えずにはいられない。
そう!!『エクスペンダブルズ2』におけるチャック・ノリスだ。チームEXPでもお手上げだった戦車軍をどこからか一掃し、優雅に歩いてきたあの衝撃と全く同じだ。
さらにラッセルは出オチだけで終わる漢ではない。
なんとラストにはピーターと光速の殴り合いをおっぱじめる。
両者とも凄まじいパワーを持ちつつも素手オンリーな潔さ。イメージ図。マジでこのまんまだ!!!
劇場で失神しかけたのは久方ぶりだ。
これぞ ザ!80年代!!
『コマンドー』に始まり『エクスペンダブルズ2』に至るまで、漢同士の喧嘩は拳と相場は決まっている。
当然その息子であるピーターも負けてはいない。
序盤では良い父親を演じていたラッセルに心を許してしまうも、その実「宇宙中の女を孕ませまくる&産まれた子供が出来損ないなら殺す」という文春でも処理しきれないレベルのスキャンダル帝王だったことが判明。
しかも最終的に自分の母親を殺していたという反吐が止まらないドクズであったことを知る。映画史上類を見ない最低父親「エゴ」
名は体を表しすぎだ!!
当然ヘラヘラキャッチボールをしているわけにはいかない。
観客が事態を飲み込むより早く『男たちの挽歌』ばりのオーバーキルの光速二丁拳銃を叩き込む。『マグニフィセント・セブン』でも早撃ちだったがこちらはレーザー銃。比喩抜きで光速。
そして上記の殴り合い、という流れ。
本作何度目かになるMARVEL忘れが到来する!!
そして忘れてはならない漢。スライ。
役どころは宇宙のならず者集団「ラヴェジャーズ」の首領。
前作にてブイブイ言わせてたヨンドゥすら怯えてしまう程のリーダーという立ち位置。
もう登場からして頷く他ないキャスティングだ。
それだけのカメオ出演か…と思いきや、終盤にとんでもない大玉花火を打ち上げてくれる。
ラストの武装シーンはもう「宇宙版チームEXP」と言って差し支えないほど!!
…とまぁここまで何人の方が呼んでくれたかわからんが、以上が「MARVEL流エクスペンダブルズ」と断言できる所以だ。
80年代の最後のマスターピースは「漢気」だ!!
さらにそれだけで終わらないのが天下のMARVEL。
なんとここに家族愛すらブチ込む暴挙を決行する。
最も根幹をなしているのはピーターの父親を巡るドラマだ。
ずっと行方知らずだった実の父親に会えてうっかりガーディアンズすら捨てそうになってしまうピーター。
しかしここに紆余曲折あったヨンドゥが絡んでくる。
前作から引っ張られていた「なぜピーターにだけ甘いのか」問題の真相が判明したとき、観客の涙腺は決壊する。
生みの親であるエゴ。
育ての親であるヨンドゥ。
どちらが本当に自分のことを愛してくれているのか。
ラストの自己犠牲と卑怯すぎる回想シーン、そして「お前の父親はあいつ(エゴ)だが、親父は俺だ…」という名台詞。
音楽も相まってかなり腰にくる。
今作で株を上げたのは間違いなくヨンドゥだ。口笛で操る矢「ヤカ」の使い手。
さらに今回はなんとピーターだけではなくロケットとも抜群の絡みを見せてくれる。名実ともにガーディアンズの良き親父。
中盤の見せ場である脱獄シーンのかっこよさはアクションとしてもアートとしても満点すぎて泣けてくる。横並び。そして余裕な脱獄。
名作アクションの鉄則だ。
もう観賞後には今までのMARVEL映画で感じたことのない感情に襲われるほどだ。
他にもガモーラとネビュラの姉妹ドラマ、ガーディアンズのファミリー愛、そしてグルートの子育て奮闘記etc…と、とにかく最初から最後まで徹底された様々な家族愛描写の数々。
そしてそれらを度を超えた現時点最高峰のCGで包み込む。息を呑むとはこのこと。
画面の美麗さだけでも劇場に行った価値はあった。
80年代、家族愛、アクション、ドラマ、美麗すぎる景色…ともすればぶつかり合ってごちゃつきそうなところを全てギリギリのさじ加減で上手く配合する器用さ。
よく考えてみれば前作とは全く毛色の違う仕上がりになっていた。
それでも始めと終わりがよければ全てよし!!
前作以上に陽気なアクション、コメディ、ミュージカルが高次元で融合した惚れ惚れするオープニング。そしてグダグダしない幕引き。
スパッと終わりエンドロールへ。しかもそのエンドロール中には多数のオマケ映像。
MARVELではポストクレジットは恒例だがそれにしても恐ろしいほどのサービス精神。
観終わった後の清々しさは他の比ではない。
お洒落で泥くさく、そして最高にカッコいい。
完全に独自の、そして唯一無二の超傑作だ!!
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』では一体どう絡んでくるのか。
そして完結篇である『Guardians of the Galaxy vol.3』はどうなるのか。
そしてスライは再登場するのか。
今まで以上にこれからのMCUは目が離せなくなりそうだ!!
漢気まみれの予告 ↓
アイツらが帰ってきた!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編 - YouTube
漢気が欠落したtwitter ↓
映画における「元」の強さ。『RCU』というif。
夢にも程がある対決!!
決着つくのか?!これ!!
映画とはフィクションである。 まぁ当然だが。
専門家じゃないので詳しくは知らんが「やつし」という一種のテクニックがある。
「一見みすぼらしく見えるが実は…!」というアレだ。
穏やかそうなおじいさんの正体が…な水戸黄門。
肉体の圧倒的なハンデを物ともせず大男を少年が倒す少年漫画。
とにかく日本人はこの手の描写に弱い気がする。
ご多分に漏れず俺も大好きなのだが
特に映画での「とある描写」に弱い。
それは「引退>>>超えられない壁>>>現役」というものだ。
普通に考えれば余程のことがない限り、引退勢がビシビシ現場で凌ぎを削っている現役勢に勝てるわけはない。
しかしその余程のことがとにかく起こるのがフィクションというもの。
「一昔前の先輩達はマジでヤバかったぞ…」とはどこに行っても耳にするフレーズだが
それは映画の世界でも例外ではない。
アクションとの親和性も高いのか古今東西、様々な漢がそのテーマの元に大暴れしてきた。
今回はそんな俺の心の胸ぐらを掴んで離さない一例をご紹介させていただこう。
もはや個人的まとめだが気にしないでくれ!
《ジョン・ランボー》
『ランボー』シリーズより。
史上最強のベトナム帰還兵。
社会派ドラマだった1作目の雰囲気はどこへやら。
2作目以降はひたすらにキリングマシーンに徹する永遠の「男の教科書」
ベトナムゲリラ部隊、旧ソビエトの一個師団、ミャンマー軍相手に単騎で圧勝する。
人間ではないなにか。武神。
《ケイシー・ライバック》
『沈黙の戦艦』シリーズより。
最強のコック。
引退してのびのびと料理長をしているが、その強さは健在。
世界を脅かすテロリスト共が名前を聞いただけで震え上がる「歩く死亡フラグ」
ラスボスですらノーダメージ&情け無用にボロ雑巾のごとくしばき倒す様は圧巻の一言。
もはや形式美。人というよりは災害に近い。
《ジョン・ウィック》
『ジョン・ウィック』シリーズより。
『ジョン・ウィック』バレあり感想!中二魂持ってるなら見ずに死ねない!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
元伝説の殺し屋。
妻を亡くし、贈り物である犬と静かに暮らしていた。
しかしとある事件を皮切りに再び覚醒する。
「鉛筆一本で3人殺した」という武勇伝を持つ。
それも納得の無双っぷり。
「ガン・フー」という近接格闘術と射撃術を組み合わせた俺ジナルなスタイルを持つ。
その無駄のなさはまさにプロフェッショナル。
《デッカード・ショウ》
『ワイルド・スピード』シリーズより。
『〜SKY MISSION』から本格参戦。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
過去に英国の極秘特殊部隊に所属。
しかしあまりにも強すぎたために存在を抹消された。
「影(シャドウ)」の異名を持つ。
最強のファミリーにやられた弟の敵討ちに乗り出し
世界を股にかける一味相手にたった1人で互角以上に渡り合う漢の中の漢。
ステイサムのパブリックイメージの集大成ともいえる。
世界各地で神出鬼没にファミリーを殺しに現れる様はもはやホラーモンスターさながら。
銃火器を手足の如く扱い、運転技能もピカイチ。
総合戦闘力はシリーズの中でも頭ひとつ抜けている。
まさしく「歩く大量破壊兵器」
《チャ・テシク》
『アジョシ』より。
元特殊部隊出身の質屋さん。
孤独に暮らしていたが隣の少女と仲良くなる。
…が、その子が攫われてしまい静かな怒りと共に復職。
優男風のパーマヘアをバリカンで刈り込むシーンは鳥肌もの。
目にも止まらぬ速さによるナイフ捌きで相手を膾切りにする。韓国、マジでヤバい。
《ジョン・メイトリクス》
『コマンドー』より。
説明不要の軍神。
その寵愛している娘が拉致されてしまう。
当然、逆鱗に触れ最終的には74人を殺戮する魔王すぎる漢。
名言を吐きまくるお茶目な一面も。
もはや語り尽くせないほどの文化。
…などなど。
もうとにかくこの手の映画が好きすぎて貪るように見漁っているわけだが、ふと気がつく共通点がある。
「CIA無能説」
アメリカでは不祥事が多いのか嫌われてるのか知らんが、アクション映画で黒幕だったり悪いことしてるのは大概CIAだ。
しかしそんな中、ひとつの暗黙の了解もあった。
「CIAのアウトサイダーはマジでヤバい」
『ボーン』シリーズより。
記憶を失い長いこと自分探しの旅をしている漢。
休まる暇のない日々の中で自らの過去を求め続ける。
しかし記憶は無くとも身体に染みついた特殊技能は衰え知らず。
そう、彼はCIAの極秘計画により誕生した究極の戦闘兵器だった。
多種多様なスキルはもちろん、無駄を一切省く徹底さ。
逃げながらも相手を追い詰める圧倒的鬼ごっこスキルも持つ。
彼の前では後手に回るしかない。恐ろしき有能。
《ブライアン・ミルズ》
『96時間』シリーズより。
元CIA特殊工作員。
しかし仕事にかまけすぎて家族とは疎遠に。
それでも不器用ながら一人娘と接する。
が…その娘が人身売買組織に拉致されたことで現場に恐怖のカムバック。
鬼神の如き強さと情け容赦のなさ、さらには運すら味方につけ数少ない手掛かりから国際的組織をたった1人で壊滅させる。
「必要ならエッフェル塔でもぶっ潰す!」
《ロバート・マッコール》
『イコライザー』より。
昼はホームセンターで働き、夜は物静かなダイニングバーで読書をする優しき漢。
しかしそんな彼には必殺すぎる一面があった。
暴力を厭わないクズにも一度だけチャンスを与える優しさを持つが、改心の余地がなければ徹底的にブチのめす。
戦闘描写こそ少ないが事後は大概恐ろしいことになっているため無双しまくっていることが嫌でも伝わってくる。恐怖の仕事人。
《マイク・ハウエル》
『エージェント・ウルトラ』より。
ハッパを好む2つの意味で草食系なコンビニ店員。
居住区の外に出られないほどの引きこもり体質でもある。
しかしその実、CIAの洗脳計画「MKウルトラ」の被験者だった。
記憶を失くしていたが、とある日「合言葉」によって再起動。
スプーンとヌードルで追手を始末する。
手榴弾を投げ返す。
フライパンを投げ、跳弾で死角の相手を撃ち抜く。
などなど、とにかくやりたい放題な強さ。
CIA曰く「最強の被験体」
右から
《フランク・モーゼズ》
《ジョー・マシスン》
《マーヴィン・ボッグス》
『RED』シリーズより。
引退後、のんびりと暮らしていたフランク。
そんなある日の早朝。
特殊部隊員によって家を蜂の巣にされる壮絶な寝起きドッキリをかまされる。
しかし5秒ほどでなんなく全員始末。
その後現役時代の仲間であるジョーとマーヴィンを引き連れ、再び現場に舞い戻る。
長い現場経験によって培われたスキルと衰え知らずの戦闘力でどんな困難でもあっさり切り抜ける。
醸し出し続けている圧倒的な余裕オーラに違わぬ無敵っぷり。
…といったところだ。全く素晴らしい!!
最近の映画では複数のキャラを共演させるユニバース方式が流行ってきているのは以下の通り。
現在、洋画界と海外ドラマ界を取り巻く恐るべきドル箱!!!マルチバースとは!? - 高速回転する方舟の片隅で。
が、もしもこいつらが共演したら。
そんなRCU(Retired CIA's Universe)が実現したら。
嬉しくて死ねる自信がある。
普段は皆穏やかでのんびり雑談でもしてそうだが
いざ何者かに狙われたら数秒で話が終わりかねない。
…まぁ危機管理能力がそれぞれズバ抜けすぎていてなんてことなく窮地を脱しそうではある。
そもそもこいつらをまとめて敵に回して2時間耐えられる組織があるとは思えない。
それこそ地球生命体クラスじゃないと!
映画としては駄作になりかんな!!
それでも劇場に10回は駆け込むが!!
今回なにがなんやらな記事になってしまったが
上記の作品を未見の方がいたらぜひぜひ観ていただきたい。
どれもこれも紛うことなき傑作だ。
観たことある方もこんな妄想をしながら再度観賞してみるのも悪くはないと思う。
やる気の出ない昼下がりにでも!
溶けるほど暇なtwitter↓
全てが、BREAKする。『ワイルド・スピード ICE BREAK』ネタバレ特盛り感想文。
車大喜利映画、いよいよ8作目。
整合性は大爆発で蹴散らせ!!
もはやディザスタームービーさながら!
なにがなんやら超大作!!!
注意。
本シリーズには思い入れが多すぎて珍しく褒めちぎり一辺倒じゃありません。
賛否両方、さらにバレありあり。
未見の方、邪推が苦手な方はブラバ推奨です。
ただ俺は「本作、ひいてはシリーズが大好きだ!!!」ということは胸を張って言えます。
まぁ寝そべりながらでも流し読みしてくれれば幸いです。それでは。
観るもの全ての感情を多面方位に揺さぶり最終的には血も涙も枯れ果てた人間の涙腺すら決壊させた『ワイルド・スピード SKY MISSION』から早2年。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
ブライアンの卒業という完璧なる幕引きが功を奏したのか、もしくはステイサム効果か。
世界興行収入第6位という快挙を成し遂げたのは記憶に新しい。
そんな化け物シリーズの最新作。
期待するなという方が無理な話だ。
なんと週末興行収入では『スターウォーズ7』『ジュラシックワールド』を抜き去りシリーズ最高。
総合興行収入ランキングでもすでに21位。
これを我慢する悟りは持ち合わせちゃいない。
知らぬ間に当たっていた4DX無料券を握りしめ
同じくシリーズファンの友人と劇場へ滑り込んだのであった。
2時間後には喜怒哀楽を通り越した圧倒的【無】に包まれることになるとは知らずに…
そんな感情が死ぬあらすじ。
キューバ。
前作にて実は結婚していたことが判明したドムとレティ。遅めのハネムーンで羽を伸ばしていたが、従兄弟のボンクラがやらかした尻拭いをすることになる。
それは車関連のイザコザ。
当然ジャンケンなどで決める世界ではない。
ドムは従兄弟のオンボロ車、相手はボートのエンジンを積んだ怪物車でのストリートレースが開催される。シリーズ恒例、ゼロワンスタート!
まぁ街中の応援もあり全観客の予想通りドムが勝つのだが、ここで久方ぶりのニトロで車を大炎上させながら爆走するドムには「あっぱれ!」以外の言葉を見失う。 なるほど、いいオープニングだ!
そんな地獄すら観光名所にしていくスタイルのハネムーンの陰に妖艶な女がいた。マッドマックス系女子。サイファー。
もちろんただのシャーリーズ・セロンではない。
「有能さ」「冷徹さ」そして「可憐さ」を兼ね備えたスーパーウーマン。
なんと無謀にもドムに接触しファミリーから引き抜こうとする。当然突っぱねるドムであったがとあるスクープ写真を見せつけられるや否やあっさり籠絡されてしまうドムであった。 「マジかよ…」なドム。
そして場面は変わり「映画御用達の大量破壊兵器、電磁パルス砲を奪還せよ」とのミッションに就くファミリー。
今までのノウハウ(主に行き当たりばったり)を活かし派遣バイト感覚でなんなく奪取する。DVDプレイヤーから出世したなぁ!!
しかしなにやら様子がおかしいドム。
なんとホブスを半殺しの目に遭わせ電磁パルス砲を持ち去ってしまうのであった。常人なら即死な殺人未遂。
全責任はホブスにある当ミッション。
戸惑いもそこそこに収容されてしまう。 手錠を古くなった輪ゴムのように引きちぎったりしながらも大人しく独房に入るホブス。 しかしそこには
「おいおいこんなとこでなにしてんだ…?」
なんと目の前の独房にステイサムというサプライズが!!
そこには前作ではたった1人で多数の機銃に睨まれたロハスとは程遠い独居房にいたはずの宿敵ステイサムがいた。
もちろん仲良く挨拶する間柄ではない。
ガラス越しに歪み合う両者。 「またブチのめされに来たのか?」「俺の地元じゃ喧嘩で爆弾は使わんがな!」「俺の地元じゃ女に助けてもらいはしねぇがなぁ?」
…などと草食系男子くらいなら軽く殺せそうな暴言の応酬が始まる。
徹底した口の悪さで漫才を繰り広げる2人。
前作の死闘すら2人にかかればただの喧嘩らしい。
とにかく次から次へと名言が飛び出すマシンガントークのバーゲンセールな応酬を見せつける。
2人とも口喧嘩でも強い、という名シーンだ。
その後なぜか勝手に空くホブス部屋の扉。
当然、看守達が飛んでくる。「俺じゃない!!!」
口ではそう吠えながらも身体は正直なのか看守どもを叩き伏せるホブス。さすがは暴力捜査官(元)
その最中、どさくさ紛れにステイサム映画御用達「痺れる棒」で
コントロール装置を部屋の中からショートさせるステイサム。万能ビリビリ棒。
これにより全独房がフルオープン。看守と囚人、そしてホブス、ステイサムによる真夜中の大運動会がスタートする。
脱獄に向けて走って跳びまわるステイサム。SASUKEスタイル。「来いよ、あん?」
そしてそれを追うホブス。ゴム弾を筋肉で弾くルーク・ケイジさながらな脳筋肉弾戦車。「待て、コラァ!!」
かくして映画史上類を見ない障害物競走が開始する。
看守と囚人も相当手強いはずだが、この2人にかかればただの低いハードルに成り下がる。
当然のように無傷で脱獄する両者。
心置き無く殴り合いか…と、いいところで邪魔が入る。「予定より遅いが、まぁ…合格だ」
相変わらずな胡散臭さもそこそこに核弾頭すぎる2人組は連行される。
そこにはあの憎きファミリーがいた。もちろん拒否反応を起こす面々だが、そんなことはお互い様。
どういうことか説明するノーバディ。「ドムを見つけるには並大抵のことじゃ無理だ」
「そこでドムに対する嗅覚が尋常じゃない2人に来てもらった」
とのこと。
因縁など御構い無しに「ハゲにはハゲぶつけよう」と説明になってるんだかなってないんだかわからん演説をブチかまし仲介するノーバディ。嫌々感満載ステイサム。
その後ラムジーが便利すぎる監視システム「ゴッドアイ」をさらにアップグレード。
ステイサムの協力もありドムの居場所を見つけ出すが、そこは今自分たちがいる秘密基地。
「まさか…」と思うも束の間。
ワイスピ名物の爆発訪問をかまされる。挨拶がわりの爆発。シリーズあるある。
特殊な爆弾のせいで再起不能になるファミリー。
あえなく「ゴッドアイ」はドムとサイファーに盗み出されてしまうのであった。強敵すぎるタッグ。
何故ドムはファミリーを捨てたのか?
果たしてサイファーの目的とは!?
そしてホブスとステイサムはやられっぱなしで終わるのか??!!!終わるわけねぇ!!!
ガッタガタなファミリーが今、シリーズ最悪の危機に立ち向かう。
ホブスとステイサムを筆頭に!!「ヤルしかねぇ!!」
…というもの。
ブログ頭にて賛否あると唱えたが
ことアクション描写においては圧倒的に「賛」だ。
オープニングでは車体と漢気を大炎上させる弾丸ストリートレース。普通のアクション映画なら確実にクライマックスなド派手さだがそこはワイスピ。
涼しい顔で済ませたドムからも気迫が感じられる。ラストは炎上バック走。わけわからん!
そして畳み掛けるような刑務所シークエンス。
ロック様とステイサムという現在最も脂の乗ったハゲアクション俳優による極上「エクスペンダブルズ」なひと時。もはや現代アートさながら。
正直ここだけで1本つくってほしいくらいの完成度の高さだ。
無論、見所はそれだけではない。
中盤。ニューヨークにて。
サイファーの狙いはロシア大統領の持つ核の発射コードだったことが判明。
それを奪いに行くドム。
正直今まで手垢がつくほどやりきられた作戦なだけにどうするのか…と一瞬不安になるが
サイファーは世界一のハイテクテロリスト。リケジョです。こう見えても。
なんと街中の車をハッキングし大統領車を追う通称「ゾンビ作戦」を大決行!!無数の無人車がリムジンを追うという作戦名に恥じぬゾンビっぷり。
しかも路上にいる車だけでなく立体駐車場からも雨のように降り注いでくる徹底さ。思考停止してしまう恐ろしい画面力。
これぞワイスピだ!!
このシーンだけで何台潰しているのか。
金はあるところにはあるんだな…という月並みな感想しか出てこない。
まぁ正直「そんなことできるなら大統領車ハッキングすれば済むんじゃないか?」と考えずにはいられないが
ワイスピ的にはこちらが正解だ!絶対に!!
その後、13日の金曜日のジェイソンをメガシンカさせたようなスタイルで物理的に発射コードを奪取するドム。 主人公です。これ。
もうなにからなにまでサービス精神旺盛だ。
思えばカーアクション映画だったのも今は昔。
『MAX』あたりで雲行きが怪しくなり
『MEGA MAX』からは車を使った大喜利に成り上がった本シリーズ。
回を増すごとに「車使う必要ある?」と無粋な疑問を漢気と景気の良いアクションで吹き飛ばしてきた。
『MEGA MAX』では街中を頑強すぎる金庫を振り回しながら暴走し
『EURO MISSION』では戦車や飛行機と闘い
『SKY MISSION』ではビル間を跳び回り街を焼け野原にしながらドローンと闘ってきた。
もうやりつくしただろ…と思いきや
本作のラストでは原子力潜水艦を相手どる。このラストバトルはもう筆舌に尽くせない。
夢か、幻か!な映像体験。
もはや観てもらうしかない。
とにかくアクションにおいてはシリーズ最大だ。
その点に関しては120点と言えるだろう。もはや舞台が雪原になっただけのマッドマックス。
さらにワイスピといえばアクションだけではない。
「出席率高めの同窓会映画」という側面も持ち合わせている。
本作ではそちらの点でもかなり評価できる。
まず今回の大きな見所として。
ドムがファミリーを裏切ってしまった理由なのだが、なんとエレナが囚われていた。さらに子供もいたという倍プッシュな事実。
元ホブスの部下にしてレティが失踪している間ドムの彼女だったわけだが、まさかデキていたとは衝撃だ!!
冒頭でのレティとのいちゃいちゃが伏線だったとは思いもよらなかった。
徹底して「ファミリー」というのが大きな要素だった本シリーズ。
それがここにきて新たな「家族」が出てくるというサプライズ。
しかもそれはドムだけではない。
なんとステイサムもだ。
途中で明らかに只者ではないオーラを醸し出しドムに接触してくる美熟女。 ヘレン・ミレン。英国の大女優。
正体は終盤にて明らかになるが
なんとステイサムの母親だった。
それもまさしく英国の肝っ玉母さんだ。衝撃のシーン。
「ママ」と呼び、頭が上がらないステイサム。
まぁ『RED』での「銃火器の女王」っぷりを見ていたら納得の配役だ。イギリス人だし!『RED』シリーズより。
ワイスピ好きなら問答無用でオススメ。
さらに終盤。
飛行機に囚われているドムの子供。
その元に2人の漢がファルコンさながらな軽装で乗り込んでくる。オーパーツなフライングスーツにて。なんなく機内に乗り込みヘルメットを取る2人。
1人はステイサム。そしてもう1人は…あっ!オーウェン・ショウだ!!
『EURO MISSION』にてファミリーと死闘を演じた仲であり、ステイサムの弟。
まさかの植物人間からの大復活。
ここに無敵の兄弟が揃った。
テロリストしかいない厳重警備なサイファーの飛行機に武力潜入するのだが
腐ってもラスボスを務めた2人。
赤子の前でまさに赤子の手を捻るように制圧していく。子供に罪はねぇ!!と言わんばかりに。ここに最強ベビーシッターが誕生した!子供は笑顔であやし、大人は暴力であやす。
2回目になるが、ここだけで1本撮ってほしいくらいだ。
一応『SKY MISSION』において暗躍していたこいつや
ショウ兄弟はサイファーに下に見られていた過去があり、それに対してブチギレているのだが。
にしてもこの2人が揃う。
さらにドムの子供を助ける為に闘う。
頭の配線が完全にショートする!
さらにラスト付近に『MEGA MAX』以降消息不明だったレオ&サントスまで登場する。
わざわざこの2人を出してくれるとはもう感謝しかない。
とにかくワイスピ特有のアクションや出席率においては満点超えだ。
これだけでも十二分に観る価値はある!と断言できる。
ここからは無粋な邪推。
ただのファンのわがままだが。
しかしそれでも鑑賞後、真っ先に襲われた感情は「違和感」であった。その原因を探ってみた結果、どれもひとつに集約される。
『ブライアン・オコナー』の不在だ。 演じるポール・ウォーカーが亡くなってしまったためブライアンは前作にて卒業。顔見せすらできない現状。
作中ではどこかで幸せに暮らしているはずなのだが扱いは限りなく死亡扱いに近い。
話題に出すのはタブー。ラストでドムは子供に『ブライアン』と名付けるのも感動はしたがどこか空気感がおかしい。
もちろんその穴を埋めようとしたのだろう。今までブライアンが行なっていた役回りはそれぞれが担当していたりしたが、そのせいでキャラ崩壊が起こってしまっている。
例えばホブス。前作にて娘がいることが判明。
本作の冒頭では娘が所属するサッカーチームのコーチをしている。
あの剣幕で少女チームの鬼教官しているという微笑ましくなる親バカっぷり。素晴らしい掴みでもあるのだが、やはりどこか前作のブライアンを彷彿とさせてしまう。
今までにない親の面を見せ、子煩悩なパパっぷり。
カットインの仕方など完璧に意識されていたため本作の主人公はホブスという意思表示でもあるのだろうが、それでも違和感を禁じ得ない。
ラストでは捜査官に戻る…かと思いきや娘のために堂々たる休暇宣言。それを喜ぶ父娘。
前作にて電撃筋肉引退をし、それを勇気づけていた娘はどこにいったのか。
ドムを逮捕したことを娘に自慢していたホブスはどこにいってしまったのか。
ホブスはどこまでいっても結局仕事人間であり娘はそれを寂しく思いながらもそんなパパが大好きじゃなかったのか。
もしくはそんな前作までの埋め合わせなのか。
ブライアンが担っていた子供と葛藤というタスクがホブスに移ってしまった弊害だと思う。
さらにエレナの扱い。前作にてステイサムの襲撃から身を呈して守るほど大切に思っていた部下。
なんと本作では悲劇の死に見舞われてしまうのだが、それに対して言及がない。
今までのホブスならドムに摑みかかるほど怒るはずなのに。
どこか日和見してしまっている印象を受ける。
そしてステイサム。本作において衝撃的なのは「ドムが敵に、ステイサムが味方に」という点であろう。
確かに戦闘力、運転技能を鑑みればドムに対抗できるのは現状ステイサムを差し置いて他にはいない。
ホブスとのいちゃいちゃ、最強ベビーシッター、そして家族登場、とかなり主人公に近い扱いである。
が、しかし。
やはりファミリーの一員であるハンを殺したことからだけは目を背けられない。
前作ではヒリヒリするくらいの恐怖の権化として描かれていただけに、今作での笑顔満載な実は良い人だった描写にはやはり違和感しかない。
あまりifの話は好きじゃないが。
もし前作においてステイサムが弟の復讐として目をつけたのがドム1人だったら。
他のファミリーには目もくれずドムだけに執着し漢として命の奪い合いをしていたなら。
今作でサイファーという強大な敵を目の前にして手を組む、という展開もすんなり入ってきた気がする。
しかしそれにしても最後のBBQにまで参加していたのは解せない。
子供を命張って助けたのはわかるが、あそこで直接届けるのもらしくない。
奇しくも預かっていたあの「ペンダント」を子供の首につけて家の玄関前などに置いて立ち去っていたなら。
キャラも崩さずに「らしさ」が表せたと思う。
そもそも孤高な一匹狼であった前作とはキャラのアプローチ方が真逆だ。
唯一テズが「こいつのファミリー入りは認めねえ」と反発していた…が。
ドムが敵に、レティは一時期ステイサム弟の軍団への移籍経験あり、ホブスは刑務所にていちゃつき済み、ノーバディは力を認めている、ラムジーに至っては因縁なし、といった有様。
唯一の救いであったローマンは今作では徹底された無能描写。
残念ながらそんな声が届くわけもない。
ここでブライアン不在がさらに浮き彫りになる。おそらくブライアンなら周りの目も気にせずに突っかかっていたはずだ。
ブン殴っててもおかしくはない。
ハンのこと、ドムのことを熱弁しファミリーの目を覚まさせてくれたはずだ。
その後、敵になってしまったドムと車で向かい合うファミリー。かなり熱い場面ではあるがあれこそブライアンのために用意されていたシーンであると思う。
今までケンカはしつつもいつも横並びで共に走ってきたドムとブライアン。そんな2人が向き合ってハンドルを握らなくてはいけない憤り、そして哀しさ。
ゾッとするほどの名シーンになっていただけに惜しさが一番にきてしまう。
その後、唯一ステイサムだけがドムを走って追うのだが。
前作での名セリフ「素手でやると思ったのか?」を今度はドムが発するのはかなりグッときた。
しかし本来あそこで追うべきは確実にブライアンだろう。
ステイサムでも、そして残念ながらレティでもない。
元々敵同士、しかしファミリーになりさらに血縁上も「家族」になった2人。
これ以上ないほど強い繋がりを持つ彼らが
新たな「子ども」という「家族」のために袂を分かつ。
せっかくドムを相手どるならいっそのことそのくらいの絶望は見たかったというのはわがままだろうか。
ドムが裏切り、ステイサムが味方に。
しかもドムには子どもがいた。
そんな状況で最も哀しみ、最も激昂し、そして最も喜ぶべきブライアンが不在なのはどうしても物足りなさを感じてしまう。
そして極め付けは『リトル・ノーバディ』だ。おそらく今後のブライアン枠。半人前だが終盤では成長した姿を見せる。
白人の好青年。使う車は青のGT-Rっぽいなにか。
服装も同じようなスタイル。
連想するなという方が無理だ。
しかし歴史には敵わない。
結果的に「ブライアンなら今のなんなく避けただろうな…」などど様々な点で無粋な邪推をしてしまう。
とにかく所々でブライアンがちらついてしまう。その穴をなんとかしようとしているために余計に浮き出てきてしまう。
繰り返しになるが俺は本作が大好きだ。
しかしシリーズではなく全く新しい映画としてつくられていたら…と考えずにはいられない。
特にホブスとステイサムパートはかなり面白い。ここ数年でもズバ抜けているくらいだ。
しかしどちらもシリーズから見ると浮いてしまっている。面白いのに不要でもある、というジレンマ。
結果的に前作よりもブライアンロスに苛まれてしまう本作。
しかしそもそも簡単に断ち切れるわけもない。
出演陣も、製作者サイドも、そして観客も。
手探りで新たなルートを探す他ない。
そのための新三部作なんだろう。
個人的にはドムの裏切りは一作目のラスト付近で判明した方が面白かったかな、とも思える。
かなりの強い引き込みだっただけに今作ラストで戻ってきてしまったのは喜びつつも物足りなさを覚える。正直一家離散してもおかしくないと思っていただけに。
しかしまだサイファーも生きている。
ドムには子どもができた。
ステイサムの家族は皆手強い。
次作、そして完結篇である次々作が楽しみでもあり不安でもある。
しかしきっと大丈夫だろう。
絆と漢気で全てをなんとかするファミリーにこれからも期待せざるを得ない。大丈夫だろ!!なぁ!!
ちなみに4DXは最高!!!の一言でした。
完全にアトラクションだった!!
¥3000の価値はある!!お釣りがくるほど!
ノリ満点な本作の予告↓
映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』予告編 - YouTube
関係ないが本編にないシーンを予告に入れるのは勘弁な!!これいつ来るのか無駄にドキドキしてたぞ!!
「やれやれ…」
手探り感満載なtwitter↓
『エージェント・カーター』紹介。感想文。
シックなポスター。痺れる!!
MCU。
再三当ブログでも取り上げている怪物ヒーロー大河シリーズである。本筋は映画(現在14作!)なのだが
それ以外にもドラマシリーズが跋扈している。
〈Netflix〉による
《ディフェンダーズ》新たなヒーロー達による見応えありな骨太ドラマ。
『デアデビル』
『ルーク・ケイジ』
…とそれぞれ単体でドラマシリーズ化。
その後〈ディフェンダーズ〉として合流という映画と同じ流れ。
画像では二次会終わりみたいなテンションだが猛者揃い。
期待の超傑作である。
そのうちそれぞれ当ブログでも書きます。
好きだし!
さて、それとは別にテレビ局にて放送されているスピンオフドラマが2つある。
1つめ。
『エージェント・オブ・シールド』アベンジャーズに所縁のある特務機関〈S.H.I.E L.D.〉の日常任務を描いたドラマシリーズ。
映画の裏側などを細かく描写する。
現在本国アメリカでは4シーズン目に突入。
なんとあの“悪魔の走り屋”も…!?
そして2つめ。本作。
『エージェント・カーター』知る人ぞ知る《ペギー・カーター》のお話。
Netflix勢はがっつり新たなヒーロー達の話だが『〜シールド』と『〜カーター』は違う。
どちらも主役は映画からのキャラ。
言うなれば世界観を広げるためのファン御用達作品である。
この2つは見なくてもシリーズには一切影響はないが!!
それでも観る価値はある!と断言したい!!
ファン補正かかってるせいかもしれんが!!
まぁMCUの詳しいことはこちらを見ていただくとして→マーベルシネマティックユニバース(MCU)とは? - 高速回転する方舟の片隅で。
前置きが長くなったが!
あらすじと人物紹介。
『キャプテン・アメリカ ファーストアベンジャー』にて。
シリーズ重ねるごとに観返すと評価が上がっていく名作だ!!
観よう!!今こそ!!
〈キャプテン・アメリカ〉こと《スティーブ・ロジャース》といい感じになっていた《ペギー・カーター》。 ラストで切ない結ばれ方を。
しかし映画でも描写されたように愛しの〈スティーブ〉は国を護るために自らの命を懸け、消息を絶ってしまう。
決意した漢の目!
このシーンの会話はもう号泣だ!!
実際は70年ほど氷漬けにされ、後に現代に復活するのだが!
誰もが驚く大ニュース。
しかしこんなこと予想もつかない当時の社会的には死亡扱いされる。
しかし落ち込んでばかりもいられない。
今日も表向きは電話交換手と偽り、秘密警察〈S.S.R〉に出勤するのであった。
キャリアウーマンペギー。
この〈S.S.R〉という組織。
映画でちょくちょく出てきたエンドロール後の御用達組織〈S.H.I.E.L.D.〉の前身組織である。
しかしそこは完全なる男社会。
戦後という時勢もあり、女性であるペギーは不遇な扱いを受けてしまう。任される仕事といえばランチの注文、ファイリングくらい。
しかし!
そんな社会の荒波を鉄のような信念と熱き魂で泳ぎきる!!
そんな折、“古い友人”から頼みごとをされる。
しかしそれはあまりにも厄介すぎるインポッシブルなミッションであった…
一旦、人物紹介。
《ペギー・カーター》
本作の主人公。
〈キャプテン・アメリカ〉の恋人であり優秀なエージェント。
男社会でも決して諦めることのないヒーロー。
男顔負けの戦闘能力と機転が売り。
《ハワード・スターク》
ご存知〈トニー・スターク〉のパパ。
やはりというかなんというか〈スターク〉であることを痛感できる。
女好きで口が達者。
そして天才発明家にしてトラブルメーカー。
まさにこの父にしてあの子あり。
天才なのか阿呆なのか。
ペギー曰く、“両方”とのこと。
〈スターク家〉に仕える優秀な執事。
名前でお察しの通り〈トニー・スターク〉の人工知能執事〈J.A.R.V.I.S.〉のモデルとなったお方。
演じている俳優も日本版声優も違う人だがやはりというかさすがとべきか〈J.A.R.V.I.S〉っぽい。かなり。
本作では〈カーター〉のサポート役。
優秀ではあるが茶目っ気がある。
ミッションと家庭を両方させる凄い人。
何気にファン多そう。
上記での“古い友人”というのは〈ハワード〉。やっぱり。
彼が国際指名手配犯になってしまい〈ペギー〉が在籍する〈S.S.R〉に追われるハメになってしまう。
しかしご存知の通り〈スターク〉はとにかく兵器とトラブルを創り出すことにかけては一流だが踏み越えてはならない一線はわかってる…はず。
彼を信じた〈ペギー〉は執事〈ジャービス〉をお供に秘密警察と国際指名手配犯との二重スパイを決行する! やるわ!!
…というもの。
さすがにスピンオフらしく映画とのニヤけるリンクが多々ある。
そもそも主人公勢がキャップと社長の近親者。
劇中では〈キャプテン・アメリカ〉は不屈のヒーローとしてラジオドラマ化されてるし
〈ハワード〉はほとんど〈トニー〉と瓜ふたつ。
〈ジャービス〉に至っては〈J.A.R.V.I.S〉のモデルと納得するしかない存在感。
これだけでも映画のファンは観る価値がある!!
しかし特筆すべきは本作ならではの世界観。
とにかく本作では映画のような特殊能力を持った超人は出てこない。
ド派手なアクションがあるわけでも
世界規模の悪巧みを考えるヴィランがいるわけでもない。
しかしそこには自らの信念に基づき懸命に世界のために闘うヒーロー達が確かにいる。
脇役達もおざなりにされていない。
〈S.S.R〉職員。
血の気の多い連中だ!!
新たな友人〈アンジー〉。
サバサバした良き女友達。
…などなど。
舞台は男が強い社会情勢。
しかし現在では強い女性が立ち向かうヒーローものが主流。
この相反する、といっても過言ではないふたつの時代の色調が見事に合致し
今のトレンドそのものなヒーロードラマをこれ以上ない形でつくりあげている。
さらにはこの時代ならではの制約、例えばスーパーテクノロジーなんかはほぼ出てこない。
遠く離れたモスクワとタイプライターでやりとりできるのが驚愕されるほどだ。
しかしそれが超人のいない世界観とマッチしていて非常に心地が良い。
さすがの世界観の構成能力だ!!
映画のシリーズファンはもちろん、女性にこそおすすめしたい傑作ドラマ。
シーズン2で打ち切りになってしまったのが非常に悔やまれる。
ちなみに本作観賞後に『シビルウォー』を観ると〈ペギー〉の葬儀がかなり胸に響く!!
このシーンの重み。
不屈の闘志はキチンと受け継がれた!
そりゃあキャップも折れなくなる!!
当初はこの「スピンオフ必要か…?」と思っていたが
必要だった!!!!
そして『アイアンマン2』を観ると厳格なふりしてる〈ハワード〉で笑えてくる!!
後の〈ハワード〉。
散々っぱら遊びまわって落ち着いたおじさん。
似た者親子だよ!!まったく!
とにかく
ニクいな!!MARVEL!!
なドラマ。
ひとシーズン8話というお手軽さなので
ぜひぜひまったりと観賞していただきたい傑作ドラマです。
シーズン1予告↓
海外ドラマ『エージェント・カーター』予告編 - YouTube
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