超人だらけなアメコミ帰宅部。『ジャスティス・リーグ』感想。ネタバレあり。
「独りじゃ、世界は、救えない。」
オンリーワンでナンバーワン。
この世界、どこを切っても超人だらけ。
人間やめた帰宅部ガチ勢が世界を守る!!
アメコミクラスタは気絶しろ!!
ネタバレなし感想。
シリーズ初見さんへ。
過去作云々は無視して構わない!
ド派手な超人達が暴れ回るのを楽しもう!!
シリーズファンは安心して劇場へ。
DCEUの最高傑作だから!!
あけましておめでとうございます。
こんな辺境の映画ブログにお越しくださって本当にありがとうございます。
相変わらずどの層に届いているのかはさっぱりですが
今年は更新ペース上げていきます。
気が乗れば!!
新年一発目からかなり長めなのでご容赦を。
いつも通り暇なら売るほどある人だけ読んでくれ!!
近年増加するアメコミオタク(俺含む)達。
最近の映画作品を説明する際、例えば『アベンジャーズ』ならまず「アイアンマン」について。「キャプテン・アメリカ」について。それぞれ単体作がつくられて丁寧な下積みがあって…だからこそ集合したとき燃える。さらにはその続編も〜 などとついつい長ったらしく語ってしまうダメな癖がある。
元々かなりの歴史がある「アメコミ」という文化。
わかってほしさにハードルを上げてしまっては身も蓋もないことは理解しているものの好きは止められない。
まぁ押し付けはよくないと思いつつもやはり順序立てて説明したくなる気持ちはある。
とはいえここは俺のブログでもあるので好きに語らせてもらうが!!
さて。DCEUも大詰め。今回で5作目となる。
アメコミに詳しくない方からすれば『アベンジャーズ』のパクりとも言われてしまう本シリーズ。
原作では全てにおいてこちらの方が先発だが
まぁどう考えてもライバル会社の成功に業を煮やしたようにしか思えないな!
とりあえずざっと今までのおさらい。
1作目。
『マン・オブ・スティール』
世界一有名なヒーロー「スーパーマン」誕生譚。
自分探しから始まりダイナミックなドラゴンボールに終始する傑作。
その仰々しさに一定のファンはいるものの
「ヒーローにしては人命軽視しすぎ」
「作風重すぎ」という批難も多かった哀しきスタート作。
2作目。
↑の数日後。
やりすぎたスーパーマンを始末するために史上最も躊躇しない「バットマン」がシリーズ初登場。
無茶苦茶なバトルや相変わらずなドラゴンボール感など見所は多いが
「今後のシリーズ展開に必死すぎて本筋が疎かになりすぎ」との批難を再び浴びまくる。
しかし終盤にて全てをかっさらう「ワンダーウーマン」のゲスト登場のおかげもありなんとか体面は保った。
3作目。
視点をガラリと変えて今度は悪役サイドに。
バットマンに捕らえられた最凶死刑囚どもがチームを組み6000歳の魔女と闘うお話。
お洒落で再現度満点な「ジョーカー」や「ハーレイクイン」などで全世界の女子のハートを鷲掴みにした。
興行収入的にも大ヒットを記録。しかし相変わらず原作ファンからは大不評。
『デッドプール』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という強豪すぎるライバルの影響もあり
「悪に徹しきれてない」
「音楽の使い方がド下手」
などメタクソに叩かれた。
さらにセル版DVD&Blu-ray限定で未公開カットを含めた完全版をリリース。
「守銭奴」と大炎上したのも記憶に新しい。
4作目。
『ワンダーウーマン』
ヒーローとして自立することになったWW1時代のダイアナを描く。
整合性を気にする必要ないそのストーリーと「強い女性」という時代にマッチングしたそのテーマからシリーズ最大級のメガヒットをとばす。
むしろ開き直りとも言える無我の境地を全世界に叩きつけた。
そしていよいよ本作。
そんな濃いメンツが大集合する。
まぁ作品数を見る限り明らかに突貫工事感が否めないが、『アベンジャーズ』勢に比べて(本国では)知名度は高い連中。
それにちんたらやってられないのも本音だろう。
やたらと観客の声を次回作以降に反映するその様はサービス良いのか自信がないのかわからない。
しかしむしろその行き当たりばったりな闇鍋的雰囲気こそがDCの神話然とした世界観に合っている気もする。
まぁ考えすぎか!!
ともあれ一度は地の底まで落ちたファンの批評を『ワンダーウーマン』で持ち直したDCEU。
この勢いに乗れ!!とばかりに公開された本作は一言で言えばどうにかしていた。
近年のバブルを打ち崩すような整合性より勢いを重視したその出来。
長ったらしく語りがちなアメコミ作品。
しかし本作を説明する際は一言で事足りる。
「オタク、ヤンキー、一匹狼、学級委員長、番長、生徒会長がいろいろ乗り越えて仲良しになって地球を救う!!」
これだけだ!!
要因としては製作中に監督の身内に不幸があり、奇しくもライバル社でもある『アベンジャーズ』監督のジョス・ウェドンが追加撮影したこともあるだろうが
きっと本質はそうではない。
再三ネットで叩かれすぎてもう開き直ったんだろう!!
正直な話、俺はDCEUには期待していなかったのだが
そんな全編に溢れる「どうすりゃいいのさ」精神にしてやられた。
もはやこれは2017年公開のアメコミ映画でもトップクラスの傑作だ。
誰がなんと言おうと!!!
そんなヤケクソ感満載のあらすじ。
「ブルース・ウェイン」は闘っていた。
最凶最悪な治安の地元「ゴッサムシティ」を今日も「バットマン」として自発的警護しているものの、そこに蔓延っていたのは明らかに人間ではなかった。
ぶっちゃけモスマンだった。
「とうとう都市伝説すら相手どることになったのか!」と観客は驚くがバットマンは動じない。
無表情で都市伝説相手に殴る蹴るの暴行を加え、なんなく捕縛するのであった。
調べるうちに「どうやらこいつはモスマンじゃねぇ、宇宙人だ」と気がついたバットマンは早速相談相手でもある、とある女性を訪ねることにする。
「ダイアナ」も闘っていた。
セミッシラという女だらけのスパルタ島出身の彼女はほぼ不老不死。
世界大戦で人類の愚かさに一度は失望するも
希望の光を追いかけるのをやめずに今日も弱き民を救うのであった。
今朝の相手はとある建物にダークナイトスタイルで押し入る複数の男共。
銀行強盗かと思いきやどうにも狙いは爆弾テロらしい。
早速騒いでる人質を数人見せしめに殺そうとする…
そこにお馴染みのテーマソングとともに正面から扉をブチ破ってくる女傑。
彼女こそがバットマンも頼りにするヒーロー。
「ワンダーウーマン」であった。
マシンガンの一斉掃射を弾き返し
「単純な速さと力」という相手からしたら悪夢そのものなワンダーな暴れっぷりでなんなく制圧する。
そんな思い切ったヒーロー活動もそこそこに
実家から既読無視できないエアメールが届く。
どうやら実家の物置に隠してあった世界を揺るがす箱がロキみたいなやつに奪われた、とのこと。
モスマンの相談に来ていたバットマンと共に「なんとかしなきゃ精神」に火がつく女神。
とりあえずいつぞやの衝撃映像片手に「仲間集めしよう!」と地球の未来を賭けたデートを強行するのであった。
「アーサー・カリー」は呑んでいた。
この漢。
出で立ちはパンクロッカーさながらだが
ウォッカを瓶で流し込みながら真冬の海に飛び込み人助けする様はどう考えても人間ではない。
それもそのはず。
アーサーは海底深くに存在するアトランティス帝国の1人息子であった。
それに目をつけたブルースが勧誘に来るのだが
「金」という全人類共通の欲しいものNo.1にも釣られることはなかった。
金を一笑に付すやつは信頼できる。人外でも!!
むしろクジラでも釣りに行ってくるとばかりに海中にバタフライで消えていくのであった。
ついでにその足で久々に帰郷してみるとそこは劇的ビフォーアフターな荒れっぷりだった。
気の置けない使用人に話を聞いてみるとこちらも全宇宙垂涎ものの箱がパクられた、とのこと。
そのまま母親の話を引き合いに出されたアーサーは居ても立っても居られなくなる。
どうやら蝙蝠おじさんが言っていたことと関係があるらしい。
とりあえず居候ついでに「アクアマン」としてチーム加入を決意するのであった。
「バリー・アレン」は走っていた。
今日もオタクの夢、秘密基地でスナックをつまみながらK-POPでも観よう!!と意気込んでいた。
しかし基地に入るとそこにはブルースがいた。
「わざわざ暗闇の中で待ってたんかこいつ」と思わずにはいられないが、そこで問答無用の核心を突かれる。
「お前めちゃくちゃ速いらしいな」と。
仰々しく飾ってあるコスチュームからしてバレて当然なのだが
「これが証拠だ!」と蝙蝠型の手裏剣を投げつけられて観念するバリー。
それどころか能力さながらな速さで「フラッシュ」として仲間入りを即決するのであった。
いいコミュ障っぷり。
「ビクター・ストーン」は悩んでいた。
元アメフト部エースだったものの事故に遭い瀕死の状態に陥っていた。
さらに運の悪いことに親父はマッドサイエンティスト。
…というか『ターミネーター2』のダイソンだった。
「整った設備がある!検体もある!」と一も二もなく全身を魔改造されてしまう。
具体的にはiPhoneが粗大ゴミに見えてしまうくらいのわがままハイスペックボディになってしまった。
この身体じゃ部活はもとより日常生活もままならない。
それに親父はダイソンだし!!
夜になる度に街中を徘徊する日々だった。
そんな折に現れた1人の女性。
並々ならぬオーラを感じとったのかざっくり開いた胸元に気を取られたのか話を聞いてみると
「今、地球がヤバい」らしい。
「どうせ俺なんか理解されない」と厨二病さながらだが
本人からしたらたまったものではない。
なによりこれは妄想で済まされるレベルではない。
しかしダイアナはダイアナで機械担当が欲しいところ。
そんな熱意に押されたのか男の性には勝てないのか
「こんな自分を必要としてくれるのは彼女だけ」「それににこいつも人間やめてるらしいじゃないの!!」
と渋々ながら「サイボーグ」として協力を決意するのであった。
こうしてひとまず集まってみた5人。
しかし突発的に始まった飲み会さながらに話がまとまる気がしない。
ひとつずつ整理していくと
とりあえず敵は宇宙から来たヤバいやつ。
狙いは地球に3つあるキューブみたいな箱。
過去にも侵略にお邪魔してきたようだがその際は諸先輩方がなんとか撃退してくれたらしい。
偉大な先人達による第一次宇宙大戦。
しかし再び侵略にきた。
ダイアナとアーサーの実家から箱を盗んだのもこいつらだ。
最後の一個はどうやらビクターの違法手術の源らしくなんとかそれだけは手元にある。
しかしこれを死守しようにも困ったことにヒーローの数が明らかに足りない。
どうしたものか…
ここで史上最も悩まないブルースがひとつのヤバい提案をする。
「そのキューブでスーパーマン生き返らせるか」
この人道を思いっきりスルーした作戦。
当然賛否…というか基本的に「否」の意見で荒れに荒れる。
筆頭は高潔な女傑、ダイアナ。
「やってることヒーローじゃないわよ!それ!!」
しかしブルースは動じない。
「100年も元カレ引きずってるメンヘラは黙ってろ」
口喧嘩の禁忌である過去の恋愛を引き合いに出されたダイアナは手加減なしのボディブローを叩き込むのであった。
いや、そりゃそうだ!!
それを見てオタついているバリー。
人間を見下している節があるアーサー。
我関せずなビクター。
チーム結成直後にバラバラなアウトサイダー達であった。
一方。敵のステッペンウルフは悩んでいた。
DCのサノスこと「ダークサイド」にパシられて地球にきたもののちょこまかと人間共が邪魔をしてくる。
恐怖を餌とするモスマンも「恐怖そのもの 」であるバットマンには意味がない。
ダイアナの実家では『ローグ・ワン』ばりの死のバトンリレーを見せつけられた。
スーパーマンがいない今だからこそチャンスなのに手下は意思疎通ができない虫人間のみ。
なにより完全に影が薄かった。
完全に中間管理職の悲哀が滲み出ているステッペンさんであった。
しかし「このままではいかん!なにより手ぶらで帰れば社長に殺される!!」と
ひとまずヒーロー達を皆殺しにするべく女子が見たら卒倒レベルのモスマンの大群を召喚するのであった。
おぞましい風景。
そしてそんな異変に気がついたヒーロー達。
ブルースは「もう話し合ってる場合じゃない!」とスーパーマン復活大作戦を強行!!
手探り状態ながらなんとか鋼鉄の漢を蘇らせるが…
…どうにも様子がおかしい。
というか明らかにヤバかった。
最強の漢の寝起きは最凶だった。
ひとまず抑えつけよう!と奮起するメンバー(バットマン抜き)達。
チームの初仕事が「スーパーマン捕獲」というチュートリアルにしては最高難度なミッションに手こずりに手こずる面々。
相手は比喩抜きで光速で動くハルクと化している最凶の怪物。
とりあえずその場の行き当たりばったりで宥めようとするも
アクアマンは片手で軽くいなされ
ダイアナは頭突き勝負の後に沈められ
初見のフラッシュすら完璧に見切られる始末。
一発もらえば完全即死な攻撃を繰り出してくる文字通りな超人(スーパーマン)に手も足も出ない面々であった。
しかしそのどうしようもなくなってきたギリギリのタイミングでバットマンが駆けつけてくる。
作戦立案者の癖に仮病をかましていたかと思っていたが、どうにも「最終兵器」を携えてきたらしい。
それは生前、スーパーマンの恋人であった「ロイス・レーン」であった。
その懐かしの顔を一瞥するなり大人しくなるスーパーマン、もとい「クラーク・ケント」であった。
穏やかケント。
何はともあれひと段落できたメンバー。
大仕事が終わったテンションのまま打ち上げを開催し各々の悩みを打ち明ける。
そのセラピーにて「なんだ、悩んでるのは自分だけじゃなかったんだ…」と急激に仲良くなった面々。
それぞれすっかり気持ちは晴れた。
想定外ではあるもののなかなか悪くない「チーム」として一致団結!!!
部活名「ジャスティス・リーグ」が世界を救う!!!
とにかく観ていて思うのはしがらみから解放されたということ。
今までのDCEUはとにかく後続の作品のために様々な伏線を張ってきた。
まぁそれもいいのだが単独作としては無意味なものも多かった。
さらにはダークでシリアスなトーン。
どちらも上記した通り独自の「闇鍋感」が漂ってきて嫌いではなかった。
それでもやはり「スーパーマン」が出てくる以上、どこか底抜けに明るい雰囲気を期待してしまうのもまた事実。
しかし今回は物の見事に痒いところに手を届かせてくれた。
クライマックスの超決戦はスーパーマンも参戦してくれるのだが今までの湿っぽさを全て吹き飛ばす大暴れっぷり!!!
ワンダーウーマンとアクアマンが2人がかりでも足止めがやっとのステッペンウルフを
「おいおい、大丈夫か?」と余裕たっぷりに笑いながら一方的にボコボコにする強さを魅せつけてくれる。
さらに近場の住民をマンションごと避難させるなどもうその器は桁違いにデカい。
安心感は孫悟空さながらだ!!!
「あいつさえ来てくくれば…」感、ストップ高!!
殺意で澄んだ瞳。
『ダークナイトトリロジー』など過去の作品では割とメンタル弱めだったが
本作ではマジで悩まない。
むしろ「相手は人間じゃないからセーフ」理論で羽虫共を重火器で粉々に吹き飛ばしていく。
20年もやってればそりゃあうじうじしている暇なぞない。
作中にて執事のアルフレッドに「ペンギンの方がよっぽど楽だった」と言われるが殺しを解禁した今回の方がよっぽど楽そうだ!!
ちなみに「ペンギン」とはゴッサムでも群を抜く犯罪帝王さんです。
作風が明るいのはフラッシュのおかげもあるだろう。
今までのアメコミ映画では考えられなかったチーム入りの即決っぷりから始まり地球の未来よりスナック菓子に目がないその若者感。
オタクな若者といえばMARVELに「スパイダーマン」がいるが、ナード感ではこちらに軍配だ。
どちらも驚異の新卒。どちらもオタク。どちらもお喋り。仲良くなれそう。
初仕事の際に「実は敵と闘ったことがない」とカミングアウトするなど押せ押せな面々とは一味違った顔も見せるのも素晴らしい。
それに対して「とりあえず行ってこい」「行けばわかる」と鬼のようなことを言うバットマンも素敵だが!!
愉快なベテラン選手と新卒タッグ。
その明るさに感化されるのがサイボーグだ。
フラッシュとは「ティーンエイジャー」という共通点もあり共にスーパーマンの墓荒らしに励んだりと割と最初から仲は良い。
そして白人に喋りで圧倒される黒人という斬新さ。
先陣を切ることはないが、そのクールさと存在感はピカイチだ。
なにより正真正銘の人外2人。
ワンダーウーマンとアクアマン。
それぞれ人間と折り合いをつけるのに苦戦するも
良い笑顔だ!!抱かれたい!!
アクアマン抵抗不可能な「自白自縛」によって可愛い本音を喋ってしまい急激にチームと打ち解ける。
開き直りの我が物顔。
この仲直りの速さ。
例えばライバル社でもあるMARVEL発の傑作映画では
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
『アベンジャーズ』シリーズ13作目。
『キャプテン・アメリカ』三部作の完結篇でもある。
今までギリギリ仲良くやってきたヒーロー達。
しかしさすがに我慢の限界がきたのか、チームが分断してしまう悲劇が起きた。
アイアンマンを筆頭とする文化系チーム。
キャップを筆頭とする体育会系チーム。
どちらも名実共に世界トップクラスであることは間違いない。
しかし仲良くなってもやはり方向性には多少のズレがあったりもする。
高校でいえば全国レベルのパリピな文化サークルとインハイ常連のリア充運動部が口論の末にド派手に大喧嘩してしまうようなもの。
当然その歪みは後々尾を引いてしまう。
それに引き換え本作。
メンバーの誰もがその限りではない。
というかリア充は1人もいない。
キャラが濃いのはMARVELと共通しているが、ヒエラルキーでいえばアウトなやつらばっかだ。
突き飛ばしが得意な足が速いオタク。
サーフィンと酒が好きなヤンキー。
一匹狼な元運動部のエース。
バイト(ヒーロー活動)をこなす学級委員長。
地元を守るには手段を選ばない金持ち番長。
そして再選された地球の生徒会長。
言ってしまえばどいつもこいつもが帰宅部だ。
しかしだからこそお互いに通ずるものがある。
思えば俺が中三の頃。
世代的にニコニコ動画開設がドンピシャなのだが、物の見事に学年全員がどハマりしたことがある。
全国レベルのラグビー部のレギュラーがアニメのためにごっそりと退部して顧問の先生が酒に溺れる事件も起きた。
しかしその共通点によりオタクとヤンキーとスポーツマンがアニメについて熱く語らっているのを何度も見てきた。
金髪オールバック、筋金入りのヤンキーなS君が左腕にデュエルディスクを装備しながら登校したきた衝撃は忘れられない。
アニメ方面はさっぱりだった俺だが、そんな各方面の友人がファミレスで集結したときは嬉しかった。
そんな昂りが本作にはある。
我ながらわかりにくいが!!!
まぁMARVELが小洒落たBARで打ち上げするならこっちは夜通しファミレスで語り合うよ!!な映画ということだ。
確かに近年のアメコミの盛り上がりは半端ではない。蘊蓄を語りたくなってしまうのも人間の性だ。
しかしそんな小賢しいことを勢いでぶち壊す爽快さ。
前述した「闇鍋感」と相まっていろんな意味である種の理想的ヒーロー映画として完璧に出来上がっている。
終盤にてバットマンが「想定外だ…」と漏らしたことに対してアルフレッドが優しく「それがチームですよ」と諭したことに全てが集約される。
とにかく一から十までぐちぐち重箱の隅を突くような真似がバカバカしくなるアッパームービーと化した本作。
このハイテンションさ!!好きだ!!
むしろアメコミに詳しくない人にこそ見てほしい!
まぁここまで気に入ったのは俺が帰宅部だったことも大いに関係あるだろうが!!
ちなみにエンドロール後。
アメコミ映画のご多分に漏れずオマケ映像が2つある。
1つはスーパーマンとフラッシュの徒競走対決。
なかなかに和めるワンシーンなのだが
もう1つが衝撃的だ。
あっ!デスストロークだ!!
凄腕の殺し屋にしてバットマンの宿敵。
本名はスレイド・ウィルソン。
外見と本名でお気づきかと思うがデッドプールの元ネタさんだ!!
「俺ちゃんは"ウェイド"・ウィルソンな!」
経歴までほぼ一緒。まぁパクりだな!
同一人物説まで飛び出るほどに!!
ライバル社のデップーの方が知名度高いのは皮肉だが!!
そして…
あっ!レックス・ルーサーだ!!
『BvS』にて暗躍していた天才青年実業家。
スーパーマンの宿敵でもある。
原作リスペクトのヘアースタイルはさすが。
この二大巨悪な2人が手を組むことを示唆して物語は終わる。
『Justice League 2』が楽しみだなぁ!!
余談。
本作を観賞したのは12/15。
ご存知超大作映画『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の公開日でもあり「ディズニーが21世紀FOXを買収した」歴史的記念日でもある。
そんな折にどちらのライバルとも言える『ジャスティス・リーグ』を観られたこと、そしてなによりこれらの衝撃に埋もれない出来だったことは永劫忘れないだろう。
世界的には完全に食われているとしても!!!
シリアスを装う予告↓
漢気vs天変地異。『ジオストーム』感想。バレあり。
↑本国版ポスター
↓日本版ポスター
本国版こそが大正義だ!!
全世界、異常気象。立ち向かうは1人の漢。
この冬、漢気が神をも超越する。
世界に晴天を強制しろ!!
天井知らずの有言実行に失神必至!!
ネタバレなし感想。
予告から受けるディザスター感は後半までお預け。
中盤は割と会話も多め。
無理に4Dにする必要は特になし。
今回は3D吹き替えで観たが、特に違和感はなし。
2Dでも3Dでも字幕でも吹き替えでもお好みで。
ただなんとなくの暇つぶしには最適。
ツッコミどころばっかなので整合性気になる方は立ち入り禁止だ!!
言わずと知れたラストスパルタである。
『300』より。
300人の少数精鋭で10000の軍勢に立ち向かうその様は「量より質」こそが大正義ということを教えてくれた。
そして近年ではセガール化が激しい御仁でもある。
筆頭は『エンド・オブ』シリーズだろう。
テロリストに占拠されたホワイトハウスに残された最後の希望。
それは大統領SP、「マイク・バニング」であった。
殺る気スイッチ、オン。
テロリストの断末魔と新たな殺戮マシーンの産声がハモった傑作アクション。
前作から数年。
引退を考えていたマイクの最後の仕事は
イギリスの首脳会談に出席する大統領の警護。
しかし瞬く間にテロリストにより英国は焦土と化してしまう。
生き延びた大統領とSPによる地獄のサービス残業の幕が上がる!!
一言で言えば「人間をやめたSPがテロリストを皆殺しにする」に終始するこのシリーズ。
正義側とは思えないその大暴れっぷり。
正座せずには観られない安心安定な作風。
聞くところによると3作目の製作も決定!!
どうやら今度は大統領機がヤバいらしい!!
とにかくこれらに共通するのは「なんとかしてくれる」頼もしさだ。
「敵を殲滅する」と言えば確実にしてくれるし
「大丈夫だ」と言えば絶対に大丈夫なその安心感。
そんなジェラルドさん。
なんと本作ではいよいよ「神」と相対する。
厳密に言えば「全世界の天候を制御する衛星装置」なのだがまぁほぼイコールで神だろう。
しかしなんといっても別世界では「超合神」という名実共に神だったジェラルドさん。
相手にとって不足はない。
『キング・オブ・エジプト』より。
迷作な名作。観よう!昼下がりに!
しかし今回の役どころは一介のエンジニア。
さすがに今度ばかりは「なんとかする」のは難しいんじゃなかろうか…
しかしその不安は開始数分で吹き飛んだ。
本作のジェラルドさんには娘がいた。
そして出発の際に「必ず帰ってくる」と約束してしまった。
さらに駄目押しのようにその「神」の創造主でもあった。
もう隙がなかった。
ここまで負ける要素がないともはや笑うしかないが!!
そんな完封すら予感させるあらすじ。
全世界は未曾有の異常気象に悩まされていた。
度重なる無茶でボロボロになった地球からの倍返しにお手上げ状態だった。
だがそれも数年前までのこと。
とある天才エンジニアが創り出した全方位型天候制御装置「ダッチボーイ」によって世界は救われていた。
指先ひとつで地球上の天候を制御できる優れもの。
しかしそんな一歩間違えれば地球を支配できうる装置を世界放っておくわけもない。
数日後にはアメリカの手を離れ世界の共有財産になる予定だった。
そしてそのプロジェクトの責任者。
「マックス・ローソン」世渡り上手なエリート。
今日も周りには内緒な恋人サラとイチャつきながらも出世街道を驀進中であった。
「サラ・ウィルソン」職業は大統領SP。
職業柄、付き合っているのは秘密。
しかしその平穏は突如崩れ去る。
台湾にいる友人のダニエル・ウーから猶予を辞さない電話が入る。
「ヤバい。異常気象だ」
どうやら路面で目玉焼きが出来てしまうほどに気温が上昇しているらしい。
さらに間髪入れずに常夏の国リオには津波が凍り出すほどの大寒波が襲う。
この夏、最大の寒波到来。
もう残された手はひとつしかなかった。
ダッチボーイの創造主でもある兄を頼るしかない。
「ジェイク・ローソン」
というかジェラルド・バトラー。
マックスの兄にして天才エンジニア。
現場をわかってないお偉いさん方に暴言を吐き捨て、今は隠居中。
とりあえず右に倣えな弟に説教をかますのもそこそこに二つ返事で宇宙船に乗り込むジェイク。
うかうかしていると全世界の異常気象が合体し「ジオストーム」なる巨大竜巻が地球を襲いだす。
なぜダッチボーイはおかしくなったのか?!
真犯人は誰なのか!!?
ジオストームは阻止できるのか!??
今、「漢気の神」と「天候の神」による場外乱闘のゴングが鳴る!
やる気スイッチ、全開!!!
予告にあるような天変地異さはやはり圧巻だ。
中盤は話がメインで少しダレることもなくはないが
世界各地が自然災害に見舞われていく様は「マジでヤバい」としか言えない。
おそらく数年前の日本なら公開は見送られていただろう。
そのハリウッドの技術をふんだんに使ったビジュアル面だけでも映画代の元は取れそうだが
声を大にして言いたい見所はもうひとつある。
主人公達の漢気だ。
皆それぞれ思考から行動に移すまでの速度が尋常ではない。
コンビニに行く感覚でダッチボーイに乗り込んだジェイクはやる気ない新卒を叱咤することに始まり、コナン君ばりの捜査力を発揮してズバズバ真相に近づいていく。
ほぼ勘で真相に辿り着きます。
明らかに一介のエンジニアには収まらない器だが、問題は直接現地に乗り込んで解決する徹底された現場主義さには黙って頷く他ない面々であった。
勢いあまって宇宙側の黒幕すら説教してブン殴る漢らしさ。
ラストには「ダッチボーイの再起動には手動が必須」というアルマゲドン方式を採用していた尻拭いは自分でする!!とたった1人で自爆確定の宇宙船に残ることも即決!!!
感化されたように「ここが私の家だから」と居残りを共に決意する女所長にも男泣き確実だ!!
結局、2人とも助かるとしても!!
そんな漢気は地上の2人にも伝染する。
言ってしまえば黒幕は大統領の側近なのだが
腹心。エド・ハリス。
悪そうだ!!
クライマックスはそいつが率いるテロリストとたった2人で大統領の争奪戦を演じることとなる。
しかし日本には大粒の雹が降り
砂漠地帯には大洪水が押し寄せ
ロシアは熱帯地区となり
各地では竜巻が発生しまくり
香港ではマグマが吹き出る始末。
さらにここアメリカでは地面に稲妻が休みなく降り注いでいるという最悪な有様。
そんな中、後部座席に合衆国大統領を乗せテロリストとカーチェイスせざるを得ない状況。
もう完全にどうにかしていた。
しかしその状況でも1mmたりとも動じずに「些細な問題を排除します」とバック走に切り替えた後に
ターミネーターすら絶句しかねない精密射撃を涼しい表情でやってのけるサラ。
マックスはマックスでラストにだらだらと演説をかます黒幕をブン殴る。
大統領も黙って2人を祝福するしかなかった。
確かに話としては滅茶苦茶もいいところだ。
ダッチボーイが再起動した瞬間に1秒もかからずジオストームが消え去るなどご都合主義も満載かもしれない。
正直なところ展開はおろか次のセリフすら予測できるほどにありがちではある。
おそらく全世界が悪天候に襲われるビジュアルだけ先行して撮られたことは想像に難くない。
それでもこの時代にここまで頭の悪い映画が大金を投じて製作されたことには感謝しかない。
全編、どこを切っても偏差値は2くらいしかないが
今の社会に足りないものはこれじゃないだろうか!!
作中でも現実でも無謀な企画を無謀に完遂するその漢気。
性別も年齢も国籍も関係ない。
やると決めたら真っ直ぐに己の道を突き進むその格好良さ。
無理難題にブチ当たったときに観返したくなる傑作だ!!
観よう!!コーラ片手に!!
道理を押し通す予告↓
映画『ジオストーム』本予告【HD】2018年1月19日(金)公開 - YouTube
道理などないTwitter↓
沈黙のW悪夢。『沈黙の監獄』感想。
ネタバレは関係ないあらすじ。
2億ドルがある刑務所行ってみたテロリスト達。
しかしそこにはセガールがいた!!
ストンコもいた!!
相手目線だとただの極限ホラー!!!
有言実行とはこういうことだ!!
今、絶望がマッハに加速する!!
日常嫌気がさすことも多い今日この頃。
縛りプレイを強要されがちな現代社会において「自由に生きたい」というのは人類共通の夢だろう。
「そんなことはない。楽しくて仕方ない」と言われたら返す言葉もないが!!!
「いっそのこと全てを捨てて犯罪者になろう」とまではいかないが、ワイスピのファミリーやルパンを羨ましく思うことも多い。
しかし彼らのようになるために超えなくてはならない壁の数は10や20ではきかない。
その中でもとりわけ必要な要素が「運」だろう。
これがなかったら今ごろワイスピのファミリーは一家離散してることだろうし、ルパンも数々のお宝を奪えてなかったかもしれない。
というか下手したら死んでるな!!
それだけならまだしも極限まで運がなかったら犯罪者達はどうなるのか。
そんな腐ってもセンター試験に出ないような問題に
ひとつの決定的アンサーを叩きつけるのが本作『沈黙の監獄』だ。
本作の敵となるテロリスト達。閉鎖間際の秘密刑務所に2億ドルの価値がある囚人がいることを嗅ぎつける。
武器は運び出され、看守はごく僅か。
セキュリティも最低限。
それは簡単なミッションのはず…だった。
しかし彼らには「運」がなかった。
絶望的なまでに!!
なんとその刑務所にはセガールがいた。
おまけにストンコもいた。
全ての劣勢を覆すジョーカーカードが2枚。勝ち目、ゼロ。
災害レベルのどうしようもなさ。
まぁこの御二方を知らない方はいないと信じたいが
そこまで俺もポジティブシンキングではない。
順調に出世を重ねているようなエリート様達は間違っても触れないだろう。
しかし俺のように真昼間から午後ローを齧りつくように観ているダメ人間からすれば恩人であり親友でもある。
とりあえずざっと紹介させてもらおう。
『霊長類最強の男』『歩く死亡フラグ』
『Mr.沈黙』
数々の映画にて主人公を演じる。
ほぼ全てが独立した作品ながら
どれも「過去にとんでもない経歴を持つ最強の男」役を演じる。
ラスボスすらノーダメで完膚なきまでに叩きのめすその無双っぷりはそれまでの映画の常識をひっくり返した。
様式美とも言えるその様から主演作のほとんどに独自の邦題として『沈黙』がつく。
ちなみにシリーズとして繋がっているのは『沈黙の戦艦』と『暴走特急』のみ。
「むしろそこには『沈黙』つかねぇのか…」は禁句。
同種の人間やめた方々が大集結する『エクスペンダブルズ』シリーズからの再三のオファーを断り続ける。
悪く言えばナルシズムな猿山のボス。
しかしそれこそセガール。
「ストーン・コールド・スティーブ・オースチン」
『最凶のタフ野郎』『テキサスのガラガラ蛇』
愛称は「ストンコ」と可愛らしい。
元伝説のプロレスラー。現在では俳優として活動。
『エクスペンダブルズ』では悪役を好演。
名場面のひとつであるスタローンとの禅問答は必見。
「雇い主は誰だ?!」
「お前の美容室!!」
「仲間は誰だ?!!」
「お前のママだ!!!」
ちなみにこの直後のタイマンにて勢いのあまりスタローンの首の骨をへし折るアクシデントを起こす。
その場面をそのまま使うスタローンも凄いが!
そんな「地震雷火事親父」をひとまとめにしたような名実共に『最強』と『最凶』な2人が門番をしている刑務所。
死刑より非道い目に遭うこと間違いない!!
それがテロリストならなおさら!!
結局この2人の対応に終始せざるをえなくなるのだが
もう同情してしまうほどに絶望しかない。
「おい、聞いてないぜ…」な敵。
目の前にはセガールがいる。命からがら逃げ遂せたら今度はストンコがいる。
ここまで如実に「前門の虎、後門の狼」を体現した図を見たことがない。
虎や狼なんて可愛いものじゃないが!!
あらすじとしては
「俺たちは使い捨てだ」とエクスペンダブルな会話で仲良し度をアピールする2人。
今日も暴動を起こした囚人を無表情で瞬殺するなどデキる男っぷりを見せつけていた。
所長にぐちぐち言われるも上から目線で悪びれるそぶりは一切なし。
そんな平和なときも束の間、内通者がいることが判明。
同時に2億ドルの女囚人が護送されてくる。
どこぞのハンソロばりに「嫌な予感がする」宣言した通りに所内の隙をついてテロリスト達が潜入してくる。
プランはぐだぐだなもののなんとか運に任せてさっさと仕事を終えようとするが…
どさくさに紛れて脱走する囚人達。
敵はセガール&ストンコ。
明らかにパワーバランスが崩壊した三つ巴の争いの幕が上がってしまうのであった…
…まぁ無理だな!!ご愁傷様!!
一見すればただの無双アクションにも見える。
しかしその実は漢の行持が詰まった映画でもある。
近年のアクション俳優は二極化が激しい。
『エクスペンダブルズ』という大規模な同窓会が開かれたためでもあるだろうが売れる売れないがはっきりしている。
その中での2人。
セガールは今や過去の人と呼ばれてしまっている。
同期が同窓会で一山当てたのもあるが
近年のブームの煽りを受けて演技力抜群の俳優達がアクション畑に乗り込んできたのが大きい。
「リーアム・ニーソン」「デンゼル・ワシントン」などが良い例だ。
96時間おじさん。
無傷無双おじさん。
ひと昔前ならセガールの独壇場だったような映画に次々と出演。
そしてそのどれも当然の如く出来が良い始末。
正直俺もそちらに浮気していた…というよりもはやそっちが本命になりかけていた。
ストンコもなかなか作品に恵まれずB級映画に出演する日々。
歳下でもある「ロック様」や「バティスタ」がどんどんのし上がっていくのを見守るしかない。
ワイスピや数々の主演作が大ヒット。
MARVEL映画や『ブレラン』最新作に出演。
そんなこんなで閑古鳥が鳴きかねない2人。
しかし今こうして手を組んだ。
「俺たちはまだまだ現役だ!」との声が聞こえてくるようだ!
そんな意地をぶつけられる敵はたまったものじゃないが!!
実際、腐ってもセガールとストンコ。
とにかく見所はこの2人に終始する。
人権団体すら黙らせるほどに「手加減」というブレーキがない一方的な制裁まみれ。
そのブレなさは以下のセリフに集約される。
セガール「殺してくるから、殺してる。」
この言い返す隙のない潔さ。
一例。
セガールが2億ドルの女を連れていると
よせばいいのに脱走した囚人が絡んでくる。
月並みだが「女を寄越せ」と言ったもの。
それに対して「お前のお袋で愉しめ」と破壊力抜群な言葉と共に鉛弾を全身にブチ込むセガール。
その後銃撃戦となるものの弾が切れた囚人の1人。
なんと無謀にもナイフのみでセガールに挑む。
いわば『コマンドー』から受け継がれる様式美だが
そんなことセガールは知ったこっちゃない。
涼しい顔をして腕をヘシ折った後に
「痛かったか?なんだ、弱虫だな」
と吐き捨てる。いや、痛いだろ!!!そりゃ!!
頷く他ない有能さ。
そしてそんなセガールに呼応するようにストンコ「見つけ次第、皆殺しにしてる。」
とこちらもこちらで非常に潔い。
この悪夢は劇中、幾度となく有言実行される。
鎖で雁字搦めにして首をヘシ折る所業を無表情で行ったかと思えば
セガール映画御用達のキッチンにての格闘を請け負う。
いわば「DIE所」な戦闘シーンを挟む頼もしさ。
スプレー缶を用いたお手製火炎放射器に始まり
レスラー時代を思い出すような熱湯攻撃。
果てはガスボンベにてDIYミサイルまで!
「そこまでするか!?」の連発だ。
このように2人して問答無用情け容赦なしなタフガイっぷりだが、そのキャラ付けは完璧だ。
刑務所に護送されてきた女囚人は2人いる。
片方は2億ドルの運び屋。
そしてもう片方はテロリストの内通者で敵。
その女に不意を突かれ割とボコられるストンコ。
自分から女を殴ることはしない騎士道精神の塊かと思いきや、散々やられた後に
「参ったな。惚れちまったぜ」と痺れる一言。このドM精神とも言える余裕。
女に手を挙げられてもむしろ許す優しさ。
「観ているこっちが惚れる」名シーンだ。
とはいえ男には容赦ない。
ラストバトルは内通者の裏切り者。
序盤にて仕事ができない無能っぷりにイラついていたストンコは憂さ晴らしとばかりに歓喜する。
「やっとお前をブチのめせる」と笑顔で吐き捨て、その言葉通りにその丸太のような腕でシバきまくる。
さらに軽々と掴み上げた後に『悪魔のいけにえ』ばりに懸垂器具にブッ刺す漢らしさ!!
そして一言。
カッコいいなぁ!!
意味は全くわからんが!!
しかしこの極悪とも言える所業。
最近うじうじと悩むヒーローが多い中、ここまで思い切りの良さは是非見習っていきたいところだ。
勿論セガールも負けてはいない。
ぶっちゃけこちらは平常運転なのだが
その無慈悲さは近年でも群を抜いて素晴らしい。
ラストバトル。
親玉と一対一で銃撃戦を繰り広げるものの
当然のようにお互い弾切れになる。
素手での殺し合いで勝てる相手ではないと踏んだボスは観念したように武装解除。
「これは善悪の問題じゃない。この金をどう使うかは自由だろ?」
「というかぶっちゃけ半分やるから見逃してくれ!」
という理詰めの命乞いをしてくる。
しかしそれに対してセガールは「あぁ」と生返事しかしない。
そればかりか「俺はお前を信用できない」と問答無用で拳を叩き込み一発でボスの戦意を喪失させる。即死チョップ。こうなります。
しかしこれだけでは済まさない。
いくら情けなくても敵はテロリスト。
そのまま掴み上げ、トイレ内の壁という壁に脳天を叩きつけまくった挙句に関節をキメる。
合気セガール。容赦なし!!容赦なし!!!
もうオーバーキルもいいところだが、さらには冥土の土産に俺流説教をかます。気分がノッてきたセガール。
そんな一方通行説教のオチは「お前はもう死んでいる」とどこぞの世紀末覇者流死亡宣告。
それを聞き恐怖で精神崩壊したのか
「さっき善悪は関係ないと言ったが俺は悪人だ!」
とどうしようもない懺悔を始めるしかないボス。
しかしそんな開き直りでセガールが許したことはない。
おそらくこれからも!!
「そうか。俺は善人だ」と愛想ゼロで言い放ちセンサーボムの山にボスを放り投げ大爆死させる!!!!
「いやむしろ悪魔超人じゃねぇか!!」な所業をかすり傷ひとつ負わずにやり遂げるセガールであった。
「悪人側にも事情が〜」「命の価値は〜」と言い出す方には死んでも向いていないかもしれない。
確かにその理屈は正しいかもしれない。
しかし世の中というものは思い通りにはいかない。
人生、腹立つ相手を問答無用で殺処分したい夜も来る。
本作は窮屈な俺らの代わりにそんな「超えてはならないライン」を悠々と跨いでくれる傑作だ。
とにかく終始「ホラー映画を相手目線で撮ってみた」な展開で進む本作。
「エンカウントしたら即死な青鬼が2体いる刑務所で生き延びられるか?」という実況者向けゲームな実写化作品と言えるかもしれない。
主人公補正もかかってる「青鬼に金棒」レベルな無理ゲーだとしても!!
しかしいろんな意味での漢の意地が垣間見れる、決してB級アクションと切り捨てられない作品なのは間違いない。
とにかく「1人では50点でも共演すれば100点!!おまけして120点!!」な道理を黙らせる圧力を持った傑作アクション。
やることがない昼下がりにでも観よう!!
ちなみに一番よく動いてたのは主人公側No.3なコイツ。
コリン・ファレルにそっくりだなぁ!!
沈黙するしかない予告↓
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魔法の沙汰も"愛"次第。『美女と野獣(2017年版)』ネタバレあり。感想文。
ディズニーの本気中の本気!!
真正面から全世界No.1級の超優等生映画!!
雪崩れ込む豪華絢爛さに溺死しろ!!
今回の記事はディズニーファンの方々はあまり読まない方がいいかもしれません。
別に貶しているわけではありませんが。
むしろめちゃくちゃに褒めていることだけはわかっていただければ幸いです。
真面目な感想が読みたい方は
今すぐ他のブログかSNSへ行こう!!
山ほどあるから!!
ほんの数日前。
全世界の映画ファン震撼の大ニュースがネットを駆け巡った。
それは「ディズニーが21世紀FOXを買収する」という驚愕のもの。
これがどう凄いか、なにが変わるかというと。
1番は「MARVEL映画」だろう。
再三に渡って説明してきたように、アメコミ界には二大巨頭の出版社がある。
その片方が「MARVEL」なのだが
現在は空前絶後の実写アメコミバブル。
原作をこれとするシリーズが2つある。
ひとつは『アベンジャーズ』シリーズ。
「MCU」という略語はこれ。
当ブログでも腐るほど目にする怪物大河。
映画だけで現在17作、ドラマも含めると全て消化するのに丸一週間は必須な長寿シリーズ。
いわゆる「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」「スパイダーマン」などがここに入る。
映画制作は紆余曲折ありながらも
今は「ディズニー」が行なっている。
もうひとつが『X-MEN』シリーズ。
その名の通り「X-MEN」が主役の映画大河。
現在映画でいえば作品数は10作。
2018年には新作が3本公開される、割とチャレンジ精神溢れるシリーズだ。
こちらの制作は「21世紀FOX」が行なっている。
原作ではガンガン共演しているこの2つ。
『AVENGERS VS X-MEN』夢のコミック。
しかし「映画」となると映画の制作会社が絡んでくるために気軽にコラボができない。
ここで上記のニュース。
「ディズニーが21世紀FOXを買収」してしまえば
全ての「大人の事情」が消え去り共演が可能になる。
まぁ言ってしまえば古今東西未曾有の超弩級な大作映画が出来上がりかねない。
それぞれの会社のトップが割と好意的な発言をしていたり
MARVELの重鎮スタン・リーが「なんとかする」という漢気満載な発言をかましたり
「今後のMCUは全く作風が異なる」という発表があったりでかなり期待度は高い噂でもある。
他にもメリットとしては『スター・ウォーズ』の一件が挙げられる。
正直こっちはファン歴短めなのでよくわからんが
『1』〜『6』までは「21世紀FOX」
『7』〜は「ディズニー」
が権利を有しているらしい。
つまり買収が成功すればその全てが「ディズニー」にいくということ。
下手すれば近いうちに「MARVEL」と「スター・ウォーズ」ブランドが「ディズニー」傘下に全て収まりかねない。
想像しただけで恐ろしいがそれだけではない。
ディズニーはいまや「ピクサー」すら掌握している現実。
アニメ方面でももう天下は取っているようなもの。
さらにはオリジナルブランドのキャラの数々。
近年ではそれが次々と実写化され始めている。
そのどれもが大成功していることを鑑みるに
「ディズニーは世界征服でも企ててんじゃねぇか?!」と言いたくなってくる。
さて。いつも以上に前置きが長くなったが。
今回は遅ればせながらそんなノリにノッているディズニー実写化ブランドのひとつ
『美女と野獣』を観てきました、というお話。
長々と書き連ねたが、正直なところディズニーに特別な思い入れはない。
20歳の頃に男5人で2泊3日で遊び倒したのが最初で最後の思い出だ。
映像化作品もそりゃあ傑作であろうことは想像に難くないが
いざレンタルビデオ屋に行くと「筋肉」「重火器」「火薬」の方向に足が向いてしまうダメな癖がある。
しかしこの度、贔屓にさせてもらってる映画館のチケットが当たった。
なんか毎回行くたびにアンケート答えて貰ってる気もするな!
それでも無駄にするのは流儀ではない。
というかただの貧乏性な俺。
こちらも未見だった『ラ・ラ・ランド』との豪華2本立てがあると聞きつけて駆け込んだのであった。
平日の早朝に!!
それでも満席な賑わい通りに
どちらも紛うことなき大傑作だった。
とりあえずアウトプットしないことには興奮で死にかねない。
あまりこのブログらしくない記事になるが、ご容赦願いたい。
未だに誰が読んでくれてるかわからんが!!
そんな阿鼻叫喚のあらすじ。
昔々のあるところ。豪華絢爛なお城がありました。
そこに住まうは成功率120%な超イケメン王子。
イケメン、金持ち、プレイボーイ。
今日も使用人やらを集めて乱痴気騒ぎをしていた。
今にも乱交が始まりそうなほどに盛り上がっていたところに飛び入り参加者が現れる。
この場にそぐわない怪しげな老婆。
どうやら「外の吹雪に耐えきれない。匿ってほしい」とのこと。
しかし顔が良いからと言って中身も良いとは限らない。
この王子も御多分に漏れなかった。
というか超高校級のクズだった。
一晩の宿の代金の薔薇を一瞥すると「身の程をわきまえろ」と無下に門前払いし、使用人を盛り上げつつも老婆をことごとく嘲笑うのであった。
俺ならTwitterで泣きべそかく事態だが、老婆は違った。
なんと小林幸子並みに光る生命体へと変貌し
その場にいる命あるもの全てに容赦なく呪いをかける中世風倍返しを実行する。
「えっ…ちょ、ま」
その呪いによって王子は醜い野獣に、使用人達は家具や調度品に変えられてしまう。
「見ず知らずの人にも優しくしろ!!」とディズニーらしからぬ強制体罰を見せつけるのであった。
そんなお伽話もそこそこに
もう1人の主人公。
ベル。
村一番の美女にして変わり者。
ファンタジーな世界観でただ1人現実社会のような堅実さを胸に、今日も歌ったり踊ったり本を読み耽ったり人生を謳歌しているのであった。
パパとも仲良し。
しかしそんな美女を放っておけるわけがない。
外界からチャラさと自尊心の塊が訪ねてくる。
ガストン。
ストーカー規制法が存在しない世界観をいいことに押しの強すぎるナンパを隙あらばベルにかましまくる。
しかし外見だけのペラい男と一瞬で見抜いたベルは適当にあしらうのであった。
渋谷原宿あたりでよく見かける光景。
そんなある日。
ベルのパパが山へ芝刈りに行くとなにやらいつもと違う異変があった。
なんと大木が爆破されて新しい道が出来てるじゃないの!!
これ幸いとばかりにそちらに踏み入るもそこは件のお城。
完全にアウトな外見。
側から見たらただの寂れたお城。
しかしそこはポルターガイストが跋扈するド級の事故物件でもあった。
とりあえずベルにお土産として頼まれていた薔薇だけ頂戴し家路に着こうとした。
しかしそこに現れるは野獣。
およそ主人公には似つかわしくない慟哭を発しながらベルパパを牢屋にぶち込むのであった。
一方、村で帰りを待つベルだったがそんな危機をどことなく察知する。
現代なら父親の帰りが遅ければサービス残業か風俗と相場は決まっているが舞台は中世。
しまいには乗り物の飼い馬だけ帰ってくる始末。
「こうしちゃいられない!」と馬に飛び乗り現場へ急行するベルであった。
「事件は現場よ!!」なベル。
なんとか城まで辿り着くもののそこは天下無双のトラップハウス。
あえなく野獣に捕らえられてしまう。
しかし野獣の「盗っ人は終身刑」という俺ルールに我慢ならなくなったベルはトンチを利かせて自らが身代わりになることを決意する。
代わりに釈放されたベルパパももちろん黙ってはいられない。
ひとまず村に帰宅した後にガストンに応援を求めるが…
こうして始まった悪夢のルームシェア。
住所はホグワーツばりに物が動き回る前人未踏のトラップキャッスル。
相手は常識とジョークが通用しない最凶の怪物。
頼れるのは己の知恵と勇気のみ。
教科書が存在しない世界で、今!
エマ・ワトソンが奮起する!!!
この「美女と野獣」というものは幾度となくアニメ化&映画化されているらしいのだが、触れたのは本作が初。
「〜が今までと違う」「大胆な改変が〜」などという感想は一切出てこない。
しかしおそらくは枠組みは変えずにド直球で勝負してきているだろうことは伝わってくる。
とにかく一番に目につくのはそのビジュアルだ。
まぁビジュアルを文章化できるほど俺には文才がないのでこればっかりは見てもらうしかないが
「もうとにかくヤバくて凄い」
あまり型に嵌めるのは好きではないが「女子のかゆいところに手が届きまくる」ような豪華絢爛さは確実にある。
舞台美術に始まり、衣装、景色、メイクなどどれをとっても素人の俺ですら凄味がありありと伝わってくる。
それをディズニー全力のCGで包み込んでいるのだからもはやひれ伏すしかない。
さらには全篇ミュージカル仕立てなご機嫌さ。
歌に踊りに高すぎるレベルでぐうの音も出ない。
…とまぁ語らせてもらったがこれだけならいつものディズニー映画。悪く言えばイメージ通り。
少なくともブログに書くことはなかっただろう。
厳密に言えばいつものディズニーだった…
中盤までは!!
ここからまさかの漢気方面に舵を切る!!
続き。
割と城に馴染んできたベル。
(元)使用人達はみな気が良いことはわかった。
しかし肝心の主人が気に入らない。
居ても立っても居られなくなったベルは城からの脱走を図ることにする。
しかし城の周りは野良狼の巣であった。
ディズニーらしからぬ殺意満載の眼力。
別の世界では三つ首の大型番犬を手懐けた経験もあるが、こちらでは通用しない。
なにより杖がない。
狼に囲まれるベル。万事休すか…なそのとき!!
あっ!!野獣さんだ!!
ベルを助けに来たのか殺しに来たのかは不明だが、完全に渡りに船であった。
野獣は狼の群れを一瞥するや否や、リーアム・ニーソンさながらな闘志をその瞳に燃やす。
『THE GREY 凍える太陽』より。
雪山でリーアムが狼からサバイバルします。
まぁあちらはまだ分別のあるリーアム・ニーソンだったが、こちらは文字通りの野獣。
具体的には「ちぎっては投げ!叩きつけ!」の大暴れをかましてくれる。
こちらもらしからぬ眼力。
しかし一応元は人間。戦闘訓練も皆無。
背後からの一撃で沈んでしまう。
とはいえひとまず助かったベル。
これ幸い、とばかりに馬での逃走を図ろうとするがそれでは筋が通らない。
傷だらけの野獣に対して「立ちなさい」と鬼軍曹のような言葉を投げかけ、共に城へ帰還するのであった。
そしてそれからというものの2人の仲は急接近。
共通の一波乱あると仲良くなる「文化祭理論」か
野獣のドM根性かはわからんが!!
ジョークを飛ばすことに始まり、村とは比べ物にならないレベルの蔵書をベルに貸し出したり、一緒にご飯食べたり、野獣式雪合戦をしたり。
とにかく結婚まで秒読みな2人であった。
しかしそれが気に食わない男。
ガストン…というかルーク・エヴァンス。
どうにも彼は世の中は自分中心に回っていないと気が済まない性格らしい。
ひとまず村人を自らを崇め讃えるミュージカルで支配した後にベルパパに急接近する。
ナルシシズムミュージカル。
しかしそこで「お前に娘はやらん」という毎秒世界のどこかで発せられている門前払い文句を食らったガストンはわかりやすく激昂する。
具体的にはベルパパに殺人未遂な事件を起こした挙句に精神病棟にブチ込もうと画策。
やっていることはディズニースレスレなレベルだが村人達はそのガストンを盲信。
最終的には野獣を血祭りにあげようと一揆まで企てる始末。
お子様厳禁な火焔ミュージカルで決起集会した後にガストン筆頭に城に乗り込むことになる。
「よーし、殺しに行くぞ!!」
しかしそれを良しとしない連中がいた。
(元)使用人 兼 御庭番衆である。
それぞれ姿形は変えられてもご主人様への忠義心は微動だにしない。
それどころかシングルファザー家庭で育ったことに同情心すらあることも同時に判明。
城に乗り込んでくるガストン&村人と一戦交えることを決意する。
ここからディズニーがMARVELで培ったノウハウが連鎖的にお披露目される。
ぶっちゃけここからは城を舞台としたニューヨーク決戦だ!!
『アベンジャーズ』より。
それぞれの持ち味を活かしつつ連携的に外部の敵を撃破していくその様はほぼイコール。
ポットな彼女は空中から熱湯散布し多方面に容量無視の熱湯攻撃。
皿の彼は皿屋敷ばりに枚数カウントしながらの遠距離攻撃。キャップのシールド並みの飛び出し。
洋服ダンスの女中さんは幽波紋レベルの強制早着替え。恐怖しかない着せ替えバトル。
グランドピアノの音楽家は鍵盤をマシンガンの如く速射しまくる。装填音は重火器そのもの。
さらには下手したら即入院レベルののしかかり攻撃や下半身、終了。
香港映画のような段上からの蹴り落としまで。ナイススタントマン!!
とどめは燭台の使用人がオイルに引火し城中を大爆発させる始末。「レディ…」「GO!!!!!」
この夢のような大決戦っぷり。最高な闇鍋感。
「いや、やりすぎだろ!!」と思わざるを得ないが、それぞれが手を組んで立ち上がる様には涙を禁じえなかった。
さらに火のついた漢気は敵にも飛び火する。
野獣を殺すべく別行動をとっていたガストン。
ここにきてまさかのワイスピ魂を発揮する。
なんと野獣の背中に至近距離で銃弾をブチ込む!!何発も!!!
「いや、それありなの?」という観客の声もそこそこに
邪悪なスマイルで野獣を追い詰めるガストン…というかオーウェン・ショウ。
演技プラン、変更。
別世界の兄貴っぽい顔も見せてくれます。
しかし「ベル」という希望の光と「愛」…
そしてなにより「漢気」を理解した野獣はこの程度では倒れない。
むしろ「絶対あいつ殺すわ」モードに突入し、ハルクのごとく城の城壁を飛び移りまくる。
さらには首を絞め上げながら断崖にオーウェンをぶら下げるハルク。
もう完全に人間やめてるその様に震え上がりながら命乞いをするしかないオーウェン。
その命乞いが効いたのか「ディズニー映画」だったからなのかはわからんが
殺すまではしない優しき野獣。
…とはならなかった。
しかしオーウェンの卑怯さは止まらない。
許してくれた野獣に対してよせばいいのにフリーザ理論でまたまたショットガンをブチ込んでしまう。
徹底した狡さ。好きだ!!
しかしそんなことは許さない。
おそらくあの「ハハッ」なネズミが!
天罰とばかりに足場が崩れ去り『ダイ・ハード』のハンスの如く人生に幕を下ろすのであった。
ちなみに後のスネイプ先生。
一応の決着はついたものの野獣は瀕死。
実は呪いには時間制限があり、もう少しで永遠に人間に戻れなくなってしまう。
使用人たちも永遠に調度品のまま。
その呪いを解く鍵こそが「相思相愛になること」
つまりは「愛」なのだが、まぁここまで身を呈して守ってくれた漢に惚れない女の子はいない。
死の寸前、客観的にはほぼアウトなタイミングでようやく真の相思相愛となれた2人。
それをどこからか見ていた全ての始まりのエンシェント・ワン風な魔女。
MARVEL(元)最強魔女。
どこぞの偉大な魔法使いも「愛じゃよ、愛じゃ…」と宣っていた通りに"愛"は全てを超える。
その万能魔法によってめでたく野獣はイケメン王子(性格矯正済み)となり
全員、綺麗に元の姿に戻る。
そしてみんなで歌って踊って
ハッピーエンド!!
この着地点の王道すぎるディズニー感。
いや、天晴れだなぁ!!!
とにかく俺が普段触れないような要素すら万人ウケするように絶妙調理をしてくれた超傑作だ。
強いて欠点を挙げるならば
こんなストレートに清々しいまでの実写化をされたら今後の「美女と野獣」は変化球でしか映像化できなくなりそう、ということくらいだ。
個人的には野獣役にステイサムを配置した『微女と猛獣』が観てみたい気もする。
…まぁこれだとあれだな!!
ただの『トランスポーター』だ!!!
こんなん観たいなぁ!!!
女性客は皆無だったとしても!!
まぁこんな残念な脳みそな俺でも楽しめる「超王道」「超傑作」「超エンタメ」映画な本作。
家デートで観れば良い雰囲気になること間違いなしだ。
「結局中身」なことを思い知れ!
欠点ゼロの豪華絢爛な予告↓
欠点だらけの貧相なTwitter↓
命、燃やしてみるのはどうでしょう。『探偵はBARにいる3』バレあり。感想。
探偵どうでしょう第三弾!!
シリーズ最大の危機が探偵を待ち受ける!!
シリーズ恒例のヒロインによる漢気大爆発も過去最大級!!!
道民以外も見逃すな!!
ネタバレなし感想。
シリーズ未見でも全く問題なし。
独特の雰囲気に浸ろう!!
アクションが観たければアメコミ行こう!!
大泉洋。北海道の怪物。
俺の地元は千葉なのでその凄さは正直わからんが道民の友人からすれば神のような存在らしい。
最近遅ればせながらカルト的人気を誇る『水曜どうでしょう』を観たのだが、人気の秘訣を垣間見た。深夜にぐだぐだ流し見するにはもってこい。
その素晴らしさについては他所様のブログなどで語り尽くされていることだしここでは置いておこう。
しかし友人曰くひとつの不満があるとのこと。
「どうにも最近のどうでしょうは甘い」らしい。
大泉洋が全国区になり多方面で活躍しているだけに既存の企画がやりにくい、無茶させるわけにもいかない現状。
確かにファンからしたら由々しき問題だろう。
しかしかといってドラマや映画方面で手を抜いているわけではない。
むしろ『どうでしょう』が甘くなるほどに扱いがぞんざいになっている気がする。
そう痛感させられるのが『探偵はBARにいる』シリーズだ!!
タイトルにもあるように本作で『3』となるこのシリーズ。
並みの俳優なら難色を示しかねない身体の張りっぷりを問答無用で叩きつけ続けている。
徹底された巻き込まれ体質である大泉洋をこれ以上ないほどに上手く調理している、いわばファン御用達な作品でもある。
本来邦画はあまり観ない俺だが、このシリーズは追っている。理由はわからないが!!
ひとつ言えることは夜遅くに酒片手に缶ピース吸いながらまったり観るのになかなか適している傑作、ということだ。
とりあえず肝となる主人公が2人いる。
探偵。本名不詳。
割といつもの大泉洋。武器は口先と人脈の広さ。
そして意外にモテる。
『2』では麻美ゆまとセックスし今作では北川景子と寝るという日本男児の夢を叶えまくるような男なのだが基本的に三枚目な役柄だ。
まぁキャスティングの時点で誰もがわかるな!
下半身には忠実だし腕っ節も平均程度。
人情と人脈の広さだけで渡り合っているきらいがある。
高田。探偵の助手。
農大の助手にして空手の師範代。基本的にやる気は皆無なマイペース野郎だがやるときはやる。
そしてめちゃくちゃに強い。ズルい良キャラ。
この2人がまったりしつつも事件に挑むのが大筋だ。
まぁどこぞの小栗旬よりもよっぽどルパンしてる感じが嫌いになれない所以だろう。 それっぽい一枚。
日本の探偵ものといえば『探偵物語』が真っ先に思い浮かぶが、奇しくも「探偵、天パ、松田」という共通点。「永遠に、自由(アウトロー)。」
カッコいいなぁ!!!今こそ観よう!!
あちらはあちらで焼け付くほどのハードすぎるボイルドさがあったが、こちらも負けてはいない。
本シリーズは簡単に言ってしまえばこの2人を中心としたハードボイルド劇なのだが、一筋縄ではいかない見所がいくつかある。
上記した通りに主役2人のキャラが恐ろしく立っていることもそうだが毎度のゲストヒロインの「漢気」こそ見所だ。
おそらく俺はここに最も惹かれているのだと思う。
考えれば考えるほどにそれぞれがステイサムばりに漢気を爆発させる。
まぁ毎度のことながら何を言っているかわからんだろうが付き合っていただければ幸いだ。
1作目。ヒロインは小雪。
あまり意識したことはない女優さんだが終盤にとある漢気大爆発を見せる。
すったもんだありながらもずっととある復讐を企てていたことが終盤にて判明するのだがその手口が非常にステイサムだ。
なんと式場にウェディングドレス姿で乱入し拳銃を乱射する、というジョン・ウー式倍返しを決行!!大抵この手の映画はネタバラシパートで睡魔に襲われるものだがこれは眠っている場合ではない。
このワイスピステイサムイズム。『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
スーツ姿でマシンガン片手にセレブリティパーティに参加。招待状は銃弾だ!!!
両者とも正装に銃火器という痺れる一貫性。
やはり一世一代の大勝負にはこのスタイルが正しいと言わざるをえない。
正直ストーリーは全く覚えていないのだがこの場面だけはときたま観返したくなる熱量がある。
2作目。ヒロインは尾野真千子。
割とグイグイくるタイプのヒロインで探偵にも食ってかかることも多い。勝ち気で男顔負けの口の悪さとこの眼力。
これはブリッツステイサムだな!!暴力刑事vsエセサイコ野郎。『ブリッツ』バレあり感想。 - 高速回転する方舟の片隅で。
基本口より先に手が出る凶暴性、口の達者さ。
サイコ気取りな犯罪者を言論の暴力で叩きのめした後に射殺する。一応、現職の刑事。
ちなみに画像のシーンは「オープニング早々、車上荒らしのキッズたちをホッケースティックで瞬殺した後のセラピーにてカウンセラーに逆ギレ中」という名シーン。
そして本作。ヒロインは北川景子。
これは終盤の大オチになってしまうが、今回の北川景子は割と悪女である。ヤクザと繋がり大金をせしめようとする狡さをズバズバ発揮しまくる。
しかしその理由が泣ける!!
なんと「赤の他人の子供のため」というもの。
彼女には子供が産めなかった過去がある。
その失意の最中、たまたま見かけた子供。
我が子の出産予定日とその子の誕生日が全く同じだった。
他人から見ればたったそれだけの理由。
しかし当人からすればそれだけで「命を燃やす理由」には十分だった!!!探偵すら訝しんでいる全方位敵まみれな逆境にも関わらず単身でヤクザと渡り合うその胆力。
それだけでは飽き足らずラストには銃撃戦までおっ始める始末!!!
もはや四捨五入するまでもなくセイフステイサムだ。面倒だから全員殺せ!!!『SAFE』バレあり。感想。 - 高速回転する方舟の片隅で。
目が合っただけの見ず知らずの子供に恩義を感じ、悪徳組織3つを相手取る。
組織の数、そして壊滅のさせ方(北川景子は法的に、ステイサムは物理的に)の違いはあるものの、漢気のベクトルは一緒だ。
何度でも言うが漢気に性別など関係ない!!
自分でもどうかしてる比較の数々だったが少しでも理解していただければ幸いだ。
しかし主役2人も「彼女らばかりに漢気を発揮させているわけにはいかない!」とばかりに毎回終盤に漢気の連鎖反応を見せることも多い。
ヒロインがステイサムならこちらはスタローンとシュワルツェネッガーだ。
シルベスター大泉。
腕っ節の有無という大きな違いはあれど、その折れない心はスタローン魂を継承していると言える。
そして人脈の広さ。
スタローンには「消耗品軍団」という歩く核弾頭なレジェンズが多々いる。当ブログお馴染みな画像。
しかし大泉洋も負けてはいない。
こちらにはゲイとオカマとヤクザがいる!!!
どちらも日陰者かもしれない。
しかし大事なのはその中身だ!!
なにより割と失敗もする人間味。
考えればスタローンも失敗は多い人生だった。
「しくじり先生」に出演すれば2時間SPができてしまうほどに!!
誰よりも身体を張ってきた過去があるが、そのベクトルがおかしな方向に行ってしまったこともある。『刑事ジョー ママにお手上げ』より。 当然ラジー賞だ!!
しかしロッキー曰く「なによりも重い"人生"というパンチにも負けずに進め。そうすれば勝てる」精神は受け継がれている。『ロッキー・ザ・ファイナル』より。
俺の人生の指針だ!!サンキュー、スライ!!
本作の大泉洋は服を剥かれるわ雪に塗れるわで決して格好は良くない。「どうでしょう」感ストップ高!!
それでも必死に依頼人のために全力を尽くす。
その様はみっともなくともバカにはできない。
例え報酬が1万800円(税込)だとしても!!
そしてその相方。アーノルド高田。
本シリーズのアクションをほぼ一手に請け負う仕事人だが、空手の師範代だけあってシリーズ通して負けなしという無敵艦隊さ。
機械さながらに無表情で敵を屠っていくその様はもはや「ターミネーター」と言っても過言ではない。
『1』のオープニングでは邦画にあるまじきスピードでチンピラを秒殺し『2』では多勢相手になんなく圧勝。
そして金属バットで脳天カチ割られても5秒ほどで復活するマシーン感。
感想も「いってぇ…」のみ!!いよいよ探偵から直々に「ターミネーターかお前は」とお墨付きをもらう始末。
そして本作。アクションの演出は今までと変わり「スローな殺陣をハイスピードカメラで撮る」という独自撮影が行われている。正直成功してるかどうかは賛否分かれそうだがそれも雑魚戦の話。
今回は今までいなかったような強力な好敵手がいる。波瑠。風貌と名前から作:松井優征オーラが凄いがその実力は化け物な究極の戦闘狂。
序盤の手合わせでは高田をして「勝てね。あいつ強いわ」と言わしめるほど。
しかしラストのタイマンでは高田の鮮やかすぎるドロップキックで打ち沈む。影で行なっていた似つかわしくない努力のおかげで!!
勝てないかもしれなくともめげずに真顔で立ち向かうこの潔さもターミネーター魂だ。
言ってしまえば本シリーズは「スタローンとシュワちゃんがステイサムのために頑張る」という作品であるとも言えるだろう。『大脱出』より。
こちらは「漢達は監獄にいる」な名作だ!!
…まぁ、いろいろと否定したい気持ちもわかるが!!!
なんか『ミックス。』のときもこんなんだったな!!すまない!!!
さぁ、人生のリベンジマッチだ。『ミックス。』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
とにかくシリーズ史上最高な出来とも言える本作。
いよいよモンキーパンチからのお墨付きをもらい勢いづくばかりだ。いいなぁ!!!
この魅力を文章で伝えるのは難しいが、独特の雰囲気にハマればこれ以上楽しい映画もない。
大人なハードボイルドさに「友情、努力、勝利」という少年漫画エキスをトッピングした傑作だ。
本作は奇しくもあの大作映画『鋼の錬金術師』と同日公開なわけだが、こうなったらハシゴしよう!!
どっちにも大泉洋出てるし!!!『東京喰種』に引き続きの漫画原作。仕事選ばねぇな!!こいつも!!!
ちなみにエンドロール後にもおまけ映像がある。
さすが高田だな!!と思わざるを得ない展開だがこれで続編がつくれるな!!見逃すな!!!
まだまだこの2人が観たい!!
命を燃やす予告↓
燃えカス以下なTwitter↓
ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter
高速カルタで問答無用のカタルシス。『ちはやふる 上の句&下の句』感想。バレあり。
「闘うヒロイン特集」番外編!!
ただの文化系青春スポ根ラブコメ…じゃない。
その実、畳の上を疾走する高速総合格闘技!
男女問わずにがっつり楽しめる傑作エンタメムービー!!!
舐めてかかると大火傷するぞ!!
当ブログにお越しの方はお気づきだろうが俺は低偏差値映画が好きだ。
悪い奴をブン殴って銃をブッ放して高級車走らせてラストは大爆発すれば満点!!という残念な思考の持ち主である。
その趣味から映画で言えば予算が潤沢で制限が緩めな海外映画が好きであり、漫画で言えば燃え滾るような少年漫画が好きだ。
まぁ中学生のまんまと言えば正しいだろう。
そんな趣味なためにどうしても少女漫画には手が伸びづらい。
ステレオタイプなイメージだろうがイケメンと美少女の恋愛が云々よりかは血と汗と火薬が好きな俺。
少女漫画の邦画化にはなおさらのこと食指が動かない。
嫉妬で気が狂いそうになるのもあるが!
当然本作『ちはやふる』も観る気はなかった。
しかし偶然にも新作である3作目公開のニュースが目に入った。同時公開された特報も30秒というお手軽さから何気なく観たのだが。
「濃いキャラ達がフラッシュバック的に紹介される」というエクスペンダブルズ方式なつくりにすっかり魅入られてしまった。
さらに詳しく調べてみると。
新作の公開日は俺の誕生日。
さらにあのいろいろあった『ジョジョの奇妙な冒険』にて億泰を熱演していた新田真剣佑も出てるというじゃないか!ダイヤモンドというより鈍い黒鉛。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
親父さんはキアヌも崇拝するサニー千葉。
俄然興味が出てきた俺は早急に過去作2つレンタルして続けて観賞してみた。
結果、頭を撃ち抜かれたような衝撃だった。
2作合わせて4時間弱という上映時間を物ともしないほどにガッツリハマり込んでしまった。
そこには暴力と火薬こそないものの友情と青春が確かにあった。
いろいろ偏見を抱えていた過去の俺をブン殴りたくなる程の傑作だった。
本作は『上の句』『下の句』という二部構成。
もちろん話は繋がっているものの、それこそ和歌の如く独立しているようで綺麗に収束するというつくりだ。
とりあえず本作には3人の主人公がいる。
それぞれの目線で追っていこう。
主人公その1。綾瀬千早。天才かるた少女。
幼少期に出会った綿谷新の影響で競技かるたにどハマり。
後に友人となった真島太一と3人でワイワイしながら熱中するも、新は永世名人でもあるお爺さんの看病のために富山に引っ越してしまう。
太一は太一でサッカーにハマってしまい孤独な日々を過ごす。
そして現在、高校1年生となった千早。
マイナースポーツでもある「競技かるた部」を新しく発足しようと押しが強すぎる勧誘活動に明け暮れるのであった。
そして偶然にも同じ高校に進学してきていた太一を発見。有無を言わさずに引きずり込んだ後に部活発足条件でもある残り3人の仲間集めを開始するのであった。
主人公その2。真島太一。設定だけ完璧男子。
イケメン、金持ち、頭良し、運動神経抜群。
幼少期に綾瀬千早の影響で競技かるたを始めるもそこは年頃の男の子。
サッカーにうつつを抜かしてしまう。
しかし心残りなのも事実。千早が進学する高校を耳にした太一は同じ高校に行くことを決意する。
そこには昔と変わらずに明るく「競技かるた」に励む千早の姿があった。
恋心と下心を押し殺せるほど大人ではない太一はやれやれ感も出しつつ、千早と共に部活発足に乗り出すのであった。
主人公その3。綿谷新。最強メガネ君。
永世名人である祖父の影響もあり「競技かるた」に熱中する少年。
「かるたで日本一になれば世界一も同然」という理由でひたすらに打ち込む日々。
そんな折に千早と太一に出会う。3人仲良く大会を荒らしていたものの祖父の容態に異変が。
地元でもある富山に引っ越してしまう。
そして現在。
祖父の看病をしながらも「競技かるた」への熱は冷めず。
幼き頃に千早に誓った「世界一の夢」のためにも自主トレに励む日々を過ごしていた。
一方。千早と太一。
仲間集めに奔走した結果、ギリギリ3人のメンバーが集まる。
仲間その1。西田優征。Mr.ノンデリカシー。
当初はテニス部所属。しかし誰が見てもセンス皆無だったために退部。
千早と太一にやたら馴れ馴れしいのだが、実は幼少期に対戦済みだった過去がある。
その頃のアダ名でもある「肉まん君」と呼ばれる。
意外にもその実力はなかなか。A級選手でもある。
多少空気が読めないものの明るいムードメーカー。
仲間その2。大江奏。純和風オタク。
大人しめな女子。大和撫子。
呉服屋の娘でもあり「日本人女性とは」というブレない持論を持つ。
当初は方向性の違いから乗り気じゃなかったが、恋愛和歌の話で千早と盛り上がり即、入部。
初心者ながらその知識量で食らいつく。
仲間その3。駒野勉。鉄オタガリ勉。
「部活必須」な校則に従い、本人曰く「人数合わせ」で入部。
全然乗り気じゃないものの千早のピュアすぎる勧誘でちょっと興味が出てくる。
「机くん」という隠れた蔑称があるが競技かるた部の面々は普通にそれで呼ぶ。
全くの素人だがその卓越した頭脳で全てをカバーする。
この個性的なメンバーが徐々に仲良くなり、全国を目指し練習に明け暮れるのが『上の句』の大筋だ。青春だなぁ!!!
途中で青春ものらしくメンバーそれぞれの葛藤ややたら嫌味なライバルの出現、そしてチーム分裂を乗り越えたりな王道的ストーリーではある。
しかしそれをハッキリと描かれることで得られるカタルシスは並大抵のものではない。
例えば太一。万能主人公のお手本のようなスペックとは裏腹にその想いは複雑であった。
競技かるたにおいてかなり重要な「運」が全くないのだ。
そしてその理由は自分でもわかっていた。
小学生時代に学校の授業にて新とかるたで対戦することになった太一。その実力差は圧倒的。しかし千早に負け姿を見られたくないがあまりに新の眼鏡を隠してしまう。
そのことが深い負い目となって負のスパイラルを呼び込んでしまっていた。
そのことを中盤でかるた部の引率者でもある原田先生にブチまけるシーンがある。原田先生。
千早や新や太一にかるたを教えてくれた恩人。
良き理解者として皆を導く。
太一を「まつげくん」、新を「メガネくん」などアダ名で呼ぶ。千早のことは「ちはやちゃん」と呼ぶが!
そのまつげくんの言い分として。
「俺は立派な人間じゃない。隠して、欺いて、出し抜いて。神様に見放されたって当然だ」「俺なんて青春全部賭けたって新より強くはなれない」と。
それに対して原田先生が腰に来る返しをする。「神頼みってのはやること全部やった人間がするもんだ。青春を全部賭けたって強くなれない?まつげくん。賭けてから言いなさい。」
これが突き刺さった人間が何人いるのか。
俺の心がカツアゲされた瞬間だ!!
さらにサブキャラで落ち着いてしまいそうな机くんも。
地区大会決勝にて強豪と相見えることとなった瑞沢高校。
しかし対戦カードを決める作戦会議で肉まんくんがやらかしてしまう。
「なにも相手のトップにこっちのトップをぶつけることはない。机くんで消化しよう」と。
確かに勝負の世界は非情だ。
経験の浅い机くんを活躍させる意味でも有効手ではある。
しかしこの登場人物達はみな高校生。
特に当事者である机くんは納得できるわけもない。
千早に誘われたときのセリフが頭を過ぎる。「机くんじゃないとダメなの!!」という男泣かせなワードが!
それでも結局のところは「人数合わせ」でしかなかったんじゃないか、と失望してしまう机くん。
普段は「勝てばよかろう」な俺ではあるが、このときはすでに瑞沢高校への想い入れがハンパではない。
痛いくらいに机くんに感情移入してしまった。
もはや「よく反抗したぞ!!」くらいに!
しかしそこで太一が「俺もツラいんだよ!!」という勢いに任せた論点ずらしで強引に説得する。これも高校生っぽいなぁ!!
なんとか試合会場には引きずりだしたものの机くんのやる気はゼロ。なにを詠まれようがガン無視を決め込んでいた。
しかしここで千早が立ち上がる。
みんなで合宿をやった際に部員全員で感傷的な気分になった「人は孤独じゃない」という札を音速で弾き飛ばし机くんの顔面に間接ビンタを決め込む!!
それによりチームがひとつに。
そして「漢には負けるとわかっていても闘わねばならないときがある」とばかりに眼鏡をかけ直し強豪相手に奮闘する机くん!!いいなぁ!!青春って!!!
その甲斐もあって強豪を見事打ち破り全国大会出場決定!!
もう王道で絶好調な終わり方だ。
…と思いきや新に不穏な動きが。
勝利報告と過去の謝罪をしに新に電話する太一。
太一「正々堂々とお前に勝ちたい」
新「…俺は…もうかるたはしない…」
はっ!?メガネくんになにが?!
…とここで『上の句』が終わる。
もう続きが気になって仕方ない引きだ。
そんな『下の句』のあらすじ。
真相を確かめるべく新の元へ急行する千早と太一。
新が浮かない原因は祖父の死であった。「自分にとっては祖父がかるたそのもの。それが失くなってしまった。もうやる意味がない」と取り付くしまもない新。
昔馴染みの懸命な説得も心には響かない。仕方なく東京に帰ることにする2人。
それと入れ違いに1人の女子が登場する。若宮詩暢。現競技かるた界の女王。
その佇まいと圧倒的な強さから名実ともに「無音の女王(サイレントクイーン)」と呼ばれている。
新とは個人戦で毎回死闘を演じるライバルでもある。
久々に一戦交える2人だが、詩暢は新の腑抜けぶりに失望してしまう。
そして東京。
全国大会へと駒を進めた瑞沢高校かるた部。
当然今までとは桁が違うレベルの強豪揃い。
がっつり修行に励むことにするがどうにも千早の様子がおかしい。
どうやら件の「女王」のことを知り個人戦でしのぎを削りたい、とのこと。
個人戦は団体戦の後に開催される。本来なら両立は可能なのだが困ったことに「女王」は左利き。
対策として戦闘スタイルを改めなくてはならない。
それは団体戦を半ば諦めことを意味する。
しかしサイヤ人メンタルな千早としてはどうしても強えやつと戦いたい一心。
そんなこんなで合宿にも身が入らない。
そんな千早を見兼ねた太一は千早を切り捨てることを決心する。
再びバラバラになってしまうかるた部の面々。
「おいおいマジか!?」という観客も声もそこそこに迫る大会。
まぁ結局は皆収まるべきところに収まるのだが、そのきっかけをつくりだしたのは『上の句』にて勘違いドSっぷりを爆発させてた須藤暁人だ。嫌味な強敵だったが覚醒千早に瞬殺された。
千早を呼び出した暁人。
また勘違い爆発か…と思いきや「そんな弱いお前に負けた覚えはねぇ」とぶっきらぼうに門外不出のデータブックを千早にプレゼントする、というわかりやすさ。ただの踏み台からベジータになった瞬間。
これにより「あぁ…みんな頑張ってるんだ…」と至極当たり前なことに気がついた千早。
そして豪雨の中、太一に謝罪するという直球すぎる展開。
しかしこういう気恥ずかしい描写が入ると強くなるのが高校生。
原田先生の「団体戦こそ個人戦」という極論に近い後押しもあり、全てが吹っ切れた瑞沢高校は負い目なしで全国大会に出場することになる。
…というもの。
観賞前には思いがけもしなかった程にド直球なスポ根青春ものなのだが、特筆すべきはその落とし所だ。
瑞沢高校の面々は団体戦にて負けてしまうが、皆それぞれ楽しさに目覚めかなり満足する。
千早は迎えた個人戦で「個の力」のみでのし上がってきた女王に敗れてしまうものの「超人の世界」へ歓迎される。
さらに隠れて観戦しにきていた新も。
瑞沢高校の「団体戦」を目の当たりにし、過去の「みんなでやる楽しいかるた」を想う。そして新しい「理由」が芽生える。
もう全てが最高の着地点に終始する結末。
これぞ王道青春ものだ!!!
まぁラストに新に向けて「俺たちは攻めカルタだぜ?」とかイキってた太一には若干赤面したが!!
覚醒千早が勝てなかった女王に連勝してる化け物だぞ!!そいつ!!!結局、作中無敗。
もはや穏やかなチャック・ノリス。
本気出させちゃダメな相手だな!!
それでも全てが予定調和というわけでもない。
特に女王との決戦中にスーパーサイヤ人2ばりに覚醒した千早には掛け値なしで鳥肌が立った。「ちはやふる」の意味がわかったとき、観客は頭を縦に振らざるを得ない。
「競技かるた」というマイナースポーツをここまで真っ当に傑作たらしめたことには賞賛する他ない。
本作は決して海千山千のかったるい学園ラブコメではない。
観賞後にはむしろ『アイシールド21』に近いな!!と思うほどに!!!『アイシールド21』
個人的には『SLAM DUNK』と並んでスポーツ漫画のNo.1。
「アメフト」というマイナースポーツ、個性的なチームメイト、そして熱い展開と多々連想する部分が多い。
未読なら今すぐ読もう!!!
男泣き必至な超傑作だ!!!
そういや阿含が「競技かるた」に参戦したら凄そうだな!金剛阿含。酒に喧嘩に女まみれな高校生。
しかし一切の努力なしで日本トップクラスに君臨するほどの天性の才能を持つ。
さらにその頭脳すら世界ランク。
曰く「天賦の超人」な漢。
無尽蔵なスタミナとカンストレベルの反射神経「神速のインパルス」により凡人を捻り潰すのが大好き。
掛け値なしでやべェやつ。
閑話休題。
将棋星人な羽生善治曰く「将棋にも思考の最中、時速300kmの世界がある」とのことだが
そんな熱い闘いが連発する本作。
邦画や恋愛ものを敬遠している俺のような人にこそぜひ見てほしい。
実際俺は完結篇の『-結び-』が待ち遠しくて仕方ない程にハマってるし!
家デートでもなんでもいいから観よう!!!
清々しいほどの青春に打ちのめされろ!!
青春しかない予告↓
青春などないTwitter↓
水と油の極上カクテル。『フレンチ・ラン』感想。ネタバレあり。
「この二人、パリ出禁。」
120点満点なキャッチコピー。
ド直球王道バディアクション。
「無骨」と「スタイリッシュ」
「80年代」と「00年代」
「CIAのアウトロー」と「天才スリ師」
全てが真逆な2人が手を組んだ!!
今現在のハリウッドでの黒人俳優といえば
俺の中に揺るぎない四天王がいる。
「サミュエル・L・ジャクソン」
ハリウッド組は大体友達。
そして「Fワード」の伝承者。
代表作は『スター・ウォーズ』に始まり『アベンジャーズ』や『ジュラシック・パーク』『ダイ・ハード』『ロボコップ』『トリプルX』など。
近年では『キングスマン』や『キングコング』まで。
そしてタランティーノ作品の常連でもある。
もう経歴が高学歴すぎるなぁ!!!
もはやどんな映画に出ても驚きはしない。
というか一週間に一度は遭遇するレベルだ。
たぶん映画が大好きなんだろう!
「モーガン・フリーマン」
なんでも屋その2。大作名作B級なんでもあり。
『ショーシャンクの空に』で名演技したと思ったらしょうもないB級アクションにも楽しそうに出てたり。
とりあえず主人公の脇でニヤニヤしてイメージ。
元気すぎるナイスジジイ。
「デンゼル・ワシントン」
衝撃の黒い学級委員長。
従来の「黒人はお喋りで面白い」というイメージを根底から覆した漢の中の漢。
アカデミー賞俳優でもありその演技力は折り紙つき。
かと思えば無双アクションものにも多数出演。
セガールをDVD棚の片隅に追いやった新機軸の最強無双おじさん。
「イドリス・エルバ」
英国からのカリスマ留学生。
『マイティ・ソー』では究極の門番役。最新作にもイメチェンして出演。
強大兄弟と破壊獣と死神と。銀河最大のサプライズパーティ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』最速レビュー。ネタバレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
『ゴースト・ライダー』では無骨な破戒僧役などアメコミ映画の常連でもある。 http://bebebeberserkun.hatenablog.com/entry/2018/01/06/120017
道交法?知らん!!
個人的にはDC原作の『ルーザーズ』がお気に入り。『ウォッチメン』のコメディアン&『アバター』『GotG』の異色異星人、そしてキャップという豪華極まりないメンツ。
『特攻野郎Aチーム』が好きならオススメだ。
ストーリーほぼ同じだし!!
そしてなんといっても極め付けはこれ。
『パシフィック・リム』
「スタッカー・ペントコスト」
漢気溢るる司令官。
有無を言わさぬカリスマ性と滲み出る漢気。
アメリカ大統領になってほしい漢、第1位。
その存在感はもはや無我の境地。
ロボットと怪獣の殴り合いと同じくらいな見所でもある。
…とまぁ近年のアクションにはこのうち誰かしらが出てるイメージがある。
そして本作の主演はイドリス・エルバ。
さらになんと暴力捜査官を演じているという素晴らしさ。
この時点で必見だ。
例のごとく劇場公開には出遅れたものの
最近はDVDリリースがやたら早い。
設定と予告から漂うB級感に浮つきながらいそいそと観賞したところ、これが素晴らしかったんだから嬉しいったらない。
というかもはやA級だった。
あらすじとしては
「パリを揺るがすテロ事件に周囲から浮きまくりの暴力刑事とアウトローなプロスリ師が手を組んで事件を解決する!!」
というシンプル極まりないもの。
わかりやすくていいな!!
とりあえず登場人物紹介。「シーン・ブライアー」
CIAの現場捜査官にして超有能暴力捜査官。
周囲からは浮いているが、当の本人は全く気にしていない。
地に足の着いた堅実的な格闘能力とホームズばりの捜査能力、そして最高の強運を併せ持つ。
「情と迷いを捨てたジェイソン・ボーン」とでも言うべきお方。
ブライアン・ミルズの現役時代はこんなんだったのかもしれないと思わせる有能さ。
恐ろしきCIAの育成能力。
ちなみに何の証拠もなくテロリスト6人を射殺したことがある。本人は後悔も反省も一切していないが!!
「マイケル・メイソン」
自らの腕に圧倒的自信を持つパリの天才スリ師。
その腕前はブライアーですら眼を見張るほど。
そして驚くことに作中では一切のミスなし。
狙った獲物はことごとく逃さない狩人。
将来は金を貯めて医者になるのが夢。
こんな真逆な2人が成り行きでタッグを組んでパリを揺るがす爆弾テログループと闘う。
つまらないわけがない!
そして実際面白い!!
実は警察署長を含む数名がテログループと繋がっていたという一応のどんでん返しもあることにはあるのだが、それはスパイス程度。
それより「主演2人のいちゃいちゃとアクションが見たいんだろ!見せてやる!!」という監督の声が聞こえてくるようなつくり。
全くもってその通りだ!
チャラついた飾り付けを一切排除した分、主役2人の魅力をしっかりと引き出すことに成功している。
例えばブライアーはこの手のアクションにありがちではある暴力捜査官だが
その行動に一切の迷いはない。
敵はもちろん一般人だろうが女だろうが邪魔or怪しければすぐブッ飛ばす潔さ。
ドアは蹴破り!他人への情けは一切なし。
さらに思い立ったらすぐ行動するフットワークの軽さ。
頭の回転の速さも手伝ってこれ以上ない有能っぷりだ。
一例として作中にて。
テロ実行犯の濡れ衣を着させられたマイケルを追うシーン。
どんな場所だろうが障害物を乗り越えるか破壊するかしながら地の果てまで追跡するブライアー。逃走シーンで震え上がったのはT-1000以来。
なんとか命からがら得意のスリテクで原付を盗んで逃走を図るマイケル。
キチンとバレないようにフルフェイスのメットを被るが…曲がった先にはブライアー。
驚く間もなく容赦なしのラリアットを食らわせて確保するのであった。この暴力に訴える速さ。
普通は「もし一般人だったら?」という考えもよぎりそうなものだ。
自分の頭脳に絶対の自信がなければできない。
「ごめん」で済めば警察はいらないとはよく言うが
ブライアーはCIA。道理は通用しない。
この頭の良さは幾度となく披露される。
濡れ衣なマイケルやテロ実行犯を確保すべく動きまわるブライアー。
わずかなことから情報を集めて居場所を突き止めるのだが、その速さがもう尋常じゃない。
基本的に30秒後には目視できる位置まで迫るデキる男っぷり。終わりを確信する眼力。
CIAが全精力を傾けても八方塞がりな中、たった1人で次々と事件を解決していく出来る男っぷりはぜひ見習いたい。
ラストは黒幕にマイケルが人質に捕えられてしまうものの交渉の余地なく発砲。
人質のマイケルに!!
それを見越して防弾チョッキを着させていたとは言え恐ろしい容赦のなさだ。引き金の軽さは一円玉並み。
しかしマイケルも負けていない。
登場シーンからして金で雇ったモデルを街中で全裸ウォーキングさせ、見惚れている観衆から金品をくすねまくる という手口の鮮やかさ。
よく「天才」と言われている割に作中では失態を犯すキャラは多いがマイケルは違う。
なんと作中でのスリ成功率は100%!!あのブライアーに認められるほど。
とはいえどちらも漫画的なほど超人ではない、というギリギリ地に足の着いた設定。
このくらいならひょっとして…?なリアリティラインが見事だ。
最終決戦ではブライアーがテロリスト集団と単騎で銃撃戦をおっぱじめるのだが
キチンと遮蔽物に隠れる、手持ちの火器は弾切れする、などの現実設計。まぁ相手からドンドン強い武器を奪っていく悪夢のわらしべ長者スタイルでなんなく突破するが!!
この2人が悪態吐きながらなんやかんやで仲良くなる楽しさ。
それが本作の特長、といってもいいくらいだ。
とにかく都合の悪いことはガン無視し
目的に向かって一直線な様は観ていて爽快極まりない。
ステイサムと同じく英国紳士感は皆無だがそれでもイギリス人の底力を見せつけてくれる傑作バディアクションだ。手のつけられない英国からの不良転入生。
そこらのB級映画とは一線を画すつくりは十二分に一見の価値ありだ。
ちなみに個人的な話だが「エレベーターシーンがある映画は傑作」というジンクスがある。
近年だけでも『ナイスガイズ!』や『ベイビー・ドライバー』と名作揃いだ。
笑いしかないシーン。嫌気しかないシーン。
ト・ト・トランスポーター。『ベイビー・ドライバー』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
そして本作にもそれらに勝るとも劣らないエレベーターシーンがある。楽しくなる掛け合いだけでストーリー的には全く不必要だが
こういった細かいところも気を抜かないのも素晴らしい。
トータルすると家デートには間違っても向かない作品ではあるが、仲の良い友人同士でなにか面白いアクション映画を観たいときなどにはうってつけな傑作だ。
あまりにも理想的な暴力刑事に盛り上がること間違いなし。
観よう!!台風の夜にでも!!!
わかりやすい予告↓
CIA捜査官×スリ!?映画『フレンチ・ラン』予告編 - YouTube
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