マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは?
今回はかなり大雑把な「バース」の説明記事です。
間違ってるところあればご指摘お願いします。
現在、日本にも定着した「アメコミ」という文化。
大雑把に言ってしまえば「スーパーヒーローが悪者を退治する」というもの。
しかしその歴史は引くほどに深い。
一口に「アメコミ」と言ってもそのジャンルは非常に多彩だ。
イメージ通りの「アクション」もあれば「政治もの」もある。「恋愛要素」もあれば「復讐もの」もある。世界を揺るがしかねない文学作もある。
そもそもなんでこんな一大文化になったか。
ひと昔前のアメリカ。
頭の凝り固まったお偉いさんが「政治的に悪影響」という何かが間違っている理由で出版物を検閲しまくる事態が起きた。
この自由の国とは到底言い難い現状。
そこでクリエイター達は抜け道を探した。
「子供向けの出版物は閲覧緩いっぽい」
「じゃあ『ヒーローもの』っていう体で好き放題やろうぜ」
かくして外は子供、中身は大人なコナン君さながらな文化が誕生した。
そしてそんな漫画を読んで育った新たなクリエイター達は次の願望を持った。
「動いている姿が観たい」
そしてそれは次々と実現しアニメ、ドラマ、映画などこれまた多方面に渡ってメディアミックスされてきた。
とはいえどれもがひとつ、ないしは少数のキャラに焦点を絞ったもの。
まぁ時間的制限がある以上、致し方ないのだがそれでは物足りないと誕生したのが
(Marvel Cinematic Universe)
通称「MCU」
まずは会社のあれこれについて。
現在アメコミの大手企業は2つある。
ひとつは「DCコミックス」スーパーマン、バットマンなどアメコミを知らずとも名前は知ってるレベルのスーパーヒーローを有する最大手企業である。
そしてもうひとつが「MARVEL」アイアンマン、キャプテン・アメリカ、X-MEN、スパイダーマンなどこちらも超有名なヒーローが所属。
アメコミに詳しくないと全部一緒の会社と思ってしまいかねない。
まぁ日本で言えばジャンプとマガジンのような関係だと言って差し支えないだろう。
しかし日本の漫画と大きく異なる点がある。
それが「権利の帰属場所」だ。
日本の漫画、例えば「ドラゴンボール」でいえば
アニメ化などする場合には両者が頷かなければ実現は不可能。極論を言えば作者がOKしなければアニメもゲームも開発はできない。
対してアメコミ。権利は全て会社が持っている。
というより固定の作者はいない。
もちろん創造したクリエイターはいるが、まぁ権利は持っていない。
これがどういうことかというと例えば『スパイダーマン』の新刊を出す場合。
会社がGOサインだけ出せばもう出せる。
そこから脚本担当、作画担当、カラー担当など各方面のプロを招集して創り上げていく。
芯となる人間がいないので話によって設定がガラッと変わったり、死者が生きてたり、そもそも事件がなかったことになったりすることがしばしば見られるのはこのためだ。
しかしメリットもある。
会社が全キャラの権限を持っているのでコラボがしやすいということだ。
日本でも数々のコラボ漫画がある。
『ドラゴンボール』と『ONE PIECE』の『CROSS EPOCK』などがそれに当たるだろう。短編ながらキャラの魅力爆発の傑作。
一見の価値あり。
しかしこれを達成するまでのハードルは高い。
まずは集英社が企画を立てる。
そして鳥山明、尾田栄一郎 両者に承諾が得られて初めて実現する。
対してアメコミでのコラボのハードルは笑えるくらい低い。
会社がGOサイン→実現。これだけ。
ほぼ単体作を創り出すのと変わりない。
さて。前置きが長くなりましたが
そんなアメコミ会社。基本的にはコラボしまくれるようにか権利の問題か面倒くさいのか全てが同一の世界観で行われている。
MARVELでいえばアイアンマンが飲んでいるときにもキャップは闘い、スパイディは宿題をし、X-MENは悩んでいる。そしてそれらが宇宙規模で行われている。
当然その魅力を実写化するのには時間がいくらあっても足りない。
そこでMARVELは考えた。
「よし、映画で大河創ろう」
具体的には
キャラひとりひとり個別に映画つくる。
下地ができたら集合映画をつくる。
また新キャラの映画つくる。
さらに集合させる。
これらをほぼ無制限に繰り返す。
というアメリカしかできない無茶な計画だ。
スピンオフではなく全てが本筋であるという膨大さ。
日本ならまず通らない企画だがそこは自由の国、アメリカ。
とりあえず自国を象徴するかのようなヒーロー『アイアンマン』を製作、公開した。
そしてこれが大ヒットした。死ぬほど!!
それから次々と新作映画を連発。
そのどれもが大ヒット、そして今に至る。
元はマイナーヒーロー。
今じゃ信じられないが!!
…というわけで簡単に言えばMCUとは「様々な映画をリンクさせて大集合させてを繰り返すコラボ前提の大規模シリーズ」ってことです。
ちなみにMCUでは大きな一区切りを「フェイズ」と呼びます。知らなくても支障ないけど!
以下、そんなMCUのまとめ。
軽いネタバレありなので未見の方はご注意を。
【映画】
〈フェイズ1〉
『アイアンマン』
天才エンジニア兼巨大軍事産業社長。
三足めの草鞋は、スーパーヒーロー。
今や現実世界でもヒーローな「トニー・スターク」が初登場。
世界有数の金持ちがいかにしてヒーロー「アイアンマン」として目覚めたかが丁寧に描かれる。
武器商人という複雑なキャラながら人間味溢れるナイスガイは全世界を虜にした。
今観ても決して色褪せていない全方位無敵な傑作。
全てはここから始まった。
天才生物学者。内に秘めたるは、最強の獣。
緑の怪物「ハルク」が初登場。
普段は穏やかな天才生物学者「ブルース・バナー」はある日、とある事故に遭う。
それにより負の感情を引き起こすと身体が怪物に変化してしまう後遺症を患ってしまう。
後に登場する『アベンジャーズ』にて主演交代&他の作品とのリンクは少なめ、と不遇な作品ではあるが立派にMCUの一部。
むしろ公開当時の評価は『アイアンマン』に勝るとも劣らないほどに高かった。
日陰作といえどもその完成度はかなり高い。
『アイアンマン2』
早くも登場、大人気社長。
前作ラストにてヒーロー宣言を堂々ブチかましたトニーに新たな災厄が降りかかる。
大人気作の続編、後の集合映画『アベンジャーズ』への橋渡しという高いハードル難なくクリアした傑作。
ここから毎回アーマーのテクノロジーが超進化していくのがお約束となる。
相棒の「ローディ」が「ウォー・マシーン」としてデビューする。
後にメイン級の活躍をしていくことになる「ブラック・ウィドウ」もここで初登場。
『マイティ・ソー』
別次元から降臨せし雷の神、登場。
雷神「マイティ・ソー」が初登場。
化学がメインだったMCUの世界観に神話の世界を一気に融合させたある種の博打作。
その設定の大胆さとは裏腹に小綺麗にまとまっている佳作だが、今となっては少し影が薄めなのが残念。
とはいえシリーズを揺るがすメインヴィランでもある「ロキ」やいぶし銀な「ホークアイ」が初登場と重要な作品でもある。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
高潔な戦場の英雄、現代に蘇る。
アベンジャーズの大黒柱「スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)」が初登場。
舞台は第二次世界大戦まで遡りシリーズの根幹となる歴史が語られる。
スタークの父親やキューブの存在など他作品とのリンクも少しずつ登場。
後に重要キャラとなる「バッキー」も初登場。
話としてはわかりやすい冒険活劇。
今までの中では一番コミックらしい作品。
シリーズが積み重ねられるほどに評価が上がっていく不思議な作品でもある。
『アベンジャーズ』
全員、集結。
いよいよ積み重ねの本領が発揮される。
宇宙から来た「ロキ」との戦いのためにヒーロー達が「アベンジャーズ」として手を組む。
「アイアンマン」に軽口叩かれる「キャップ」
「ハルク」にブン殴られる「ソー」
そして本格参戦する「ブラック・ウィドウ」や「ホークアイ」
など夢の共演が次々と実現する。
クライマックスの集合には燃えること必至。
集合作というだけではなく、それぞれに見せ場ある絶妙なバランス感覚も持ち合わせている大傑作。
ここからシリーズのファンになった人も多々。
〈フェイズ2〉
『アイアンマン3』
鋼鉄の漢の行く末は。
すっかり有名になった『アイアンマン』の3作目にして完結篇。
『アベンジャーズ』後のトニー周辺を描く。
負の遺産との闘い、ヒーローとしての決意など綺麗な大団円を迎える。
原点に立ち返るトニー、ラストの「ホームパーティ・プロトコル」など見所満載。
個人的にシリーズでもトップクラスに好き。
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』
無邪気な雷神、再び降臨。
『アベンジャーズ』後の雷神様の周辺。
地球でヤンチャしたロキの後始末に始まり、実家を揺るがす一大危機をエンタメたっぷりに描く。
こちらも1作目同様影は薄めな作品ではあるが
一歩間違えれば地球が終わるレベルの大事件ではある。
地球のレギュラー勢の見納め作でもある。残念。
この辺りから単体作でも国を跨ぐ規模になる。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
今度の敵は、全世界。全てを疑え。
『アベンジャーズ』後のキャップ周辺。
前作の歴史に加えて今作では「政治」が語られる。
前作で死んだはずの「バッキー」 新たな相棒「ファルコン」 そして「ブラックウィドウ」らが国家を揺るがす陰謀に立ち向かう。
全シリーズでも最も評価が高い作品のひとつ。
様々なアクション、話運び、キャラクターなどが絶妙かつ完璧にまとめられた映画の教科書的な作品でもある。
ぐうの音も出ない傑作。未見の方は是非。
銀河の果てで。ならず者達の饗宴。
ここにきて新キャラが次々と登場。
舞台は銀河の彼方。
幼少期に宇宙船に拉致られた「ピーター・クイル」は今では立派なトレジャーハンターとして宇宙を股にかけていた。
そこで腐れ縁的に
凄腕の女暗殺者「ガモーラ」
監獄の破壊王「ドラックス」
喋るアライグマ「ロケット」
植物生命体「グルート」
などと出会う。
そしてひょんなことから全銀河の危機に立ち向かうことになる。ノリで。
舞台が舞台なので「アベンジャーズ」勢との絡みはなし。
逆に言えば入門編としても完成された一本。
そして今度はMCUの世界観を宇宙方面に広げた作品でもある。
全編ノリノリな音楽映画の側面も。傑作。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
再び、集結。今度の敵は外か身内か。
前作にて地球外の敵相手に共闘したヒーロー達。
しかしその正義感はひとつのモンスターを生み出していた。
集合映画『アベンジャーズ 』の2作目。
それぞれ大事件を乗り越えたヒーロー達が再び集結する。
物語的には橋渡しの役割が強いが、それでも
相変わらずな夢の共演、そして一致団結っぷりにワクワクさせられる傑作。
実質「それぞれの2.5作目」とも言える。
さらには各キャラの掘り下げ、そして「ヴィジョン」「マキシモフ兄妹」が初登場。
『アントマン』
最小ヒーロー、成り行きで誕生。
新たなヒーローの誕生譚。
主人公「スコット・ラング」は義賊な行いで逮捕歴がある人生詰み気味な凄腕の盗っ人。
しかしとある日。
盗みに入った場所には不可思議な「スーツ」があった。
それは着た者の大きさを自在に操るスーパースーツであった。
世界の事情よりも自分のため、そして可愛い娘のために頑張る等身大のヒーローが誕生した。
世界的にも「アベンジャーズ」が認知された中でのお話。
いろいろな意味で「身の回り」にフォーカスされた作品。
共感のしやすさやそのコメディ性から評価はかなり高い。
作品のリンクは薄めだが、要所要所で世界が地続きであることがサービス的に描かれる。
逆に予習がいらない映画でもあるので入門編に最適かもしれない。
〈フェイズ3〉
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
地球最大の内戦、開幕。
哀しきヒーロー同士のぶつかり合い。
ひとつの事件からヒーロー達が分裂、闘う事態にまで発展してしまう。
『キャプテン・アメリカ』の3作目であり、完結編。
そしてその登場キャラの多さから「アベンジャーズ2.5」とも揶揄される作品。
今までシリーズが積み重ねてきた政治的背景、現実がヒーロー達に重くのしかかる。
MCUでも一、二を争うシリアスさだが
新キャラ達の共演、そして脚本の完璧さに感動を禁じ得ない超傑作。
後に重要なポジションに就くであろう「ブラックパンサー」が初登場。
さらにまさかの「スパイダーマン」も緊急参戦。
多少複雑な権利問題をクリアしたことに多くのファンは驚きと感動を覚えた。
様々な意味でターニングポイントとなる作品。
天才外科医、魔術師に転職するってよ。
「スティーヴン・ストレンジ」は世界有数の凄腕外科医。
しかしとある事故からその「神の手」を失ってしまう。
現代医学では治療不可なことを悟ったストレンジが最後に頼ったのは「魔術」であった。
新キャラ「ドクター・ストレンジ」誕生譚。
魔術、多次元宇宙、精神世界などMCUの世界観を一気に拡張した作品。
「アベンジャーズ」とのリンクは薄めながら
そのスケールの大きさは今後の展開を期待させてくれる。個人的傑作。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
銀河のならず者、再び。今度はファミリーだ!
邦題は『リミックス』だが、原題は『vol.2』なので要注意。
前作のノリはそのままに、いやそれ以上に。
一作目から時間が経ちすっかり仲良くなったファミリーの様子が描かれる。
こちらも「アベンジャーズ」とのリンクはかなり薄め。
代わりにキャラ、世界観の掘り下げが丁寧に描かれる。
特に「シルベスター・スタローン」と「カート・ラッセル」の参戦はファン(俺含む)を大いに感嘆させた。
これでもかとブチ込まれる80年代感にしてやられた人はかなり多い。安定の大傑作。
『スパイダーマン:ホームカミング』
真打ち、登場。親愛なる隣人の独り立ち。
『シビル・ウォー』にて衝撃のデビューを果たした「スパイダーマン」こと「ピーター・パーカー」の単独作。
学生との二重生活、若さゆえの無茶、そして様々な成長を綺麗にまとめあげた。
期待の新星に相応しい青春ヒーロー映画。
幾度か実写化された過去のスパイダーマンとの区別のためにいろいろと新要素が追加されているが、そのどれもが大好評。
特に社長との絡みはシリーズを追っているファンからすれば感涙もの。必見。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』
銀河をひっくり返すサプライズパーティ。
『マイティ・ソー』シリーズ3作目にして完結編。
少し地味目であった前2作の借りを返さんばかりのスーパー娯楽作。
「ソー」に「ロキ」そして「ハルク」と核弾頭級の面々が勢揃い。
全てをひっくり返すような大暴れを行き当たりばったりで楽しむロードムービー。
その振り切りっぷりは全世界の度肝をぬきつつも大歓迎された。
ラストにはまさかの…?
『ブラックパンサー』
国王で、ヒーロー。最強黒人ヒーロー誕生。
シリーズ随一の良識人がいよいよ単体デビュー。
『シビル・ウォー』にて鮮烈なデビューを果たした新ヒーローの待望となる独自シリーズ1作目。
MCUも大詰めな中、『キャプテン・アメリカ』から引き継いだ「政治」の要素を突き詰めた作品。
様々な要因から本国では記録的大ヒット。
【スピンオフドラマ】
『エージェント・カーター』
最高の漢が愛した最高の女性。
『キャプテン・アメリカ』1作目に登場したキャプテン・アメリカの恋人「ペギー・カーター」が主役のスピンオフドラマ。
舞台はキャップが死闘を演じた世界大戦後。
「S.H.I.E.L.D.」の前身組織でもある秘密機関「SSR」で働くペギーを描く。
トニーの父親「ハワード」や、あの人工知能のモデルである執事「ジャービス」などMCUファンが喜ぶ要素満載。
映画ほどの派手さはないものの、世相を反映したような丁寧なドラマ。一見の価値あり。
『エージェント・オブ・シールド』
無茶ぶりを常人チームが処理します。
『アベンジャーズ』にて死亡したかに思えた「コールソン」捜査官はギリギリで生き延びていた!…というトンデモな設定で幕を上げる。
「アベンジャーズ」をサポートする秘密組織「S.H.I.E.L.D.」をメインに据えたドラマ。
大事件の後処理やサポートの様子を連ドラ形式で楽しめる。
あの事件の裏側など映画とのリンクも多々。
とはいえドラマの中では一番のファン向け作品。
最新シリーズでは「もはや映画勢の手を借りた方がいいんじゃないか」レベルの大事件が頻発しているが、それをどうにかするこいつらもこいつら。
レギュラーキャラはほぼオリジナルながら
アメコミファンな垂涎ものののゲスト出演もあり。
最新シーズンではあの「悪魔の走り屋」も…?
【Netflixドラマ】
舞台は全て『アベンジャーズ』後のNY。
『デアデビル』
悪魔の棲む街で。悪魔は、何処に?
舞台はNY決戦後の「ヘルズ・キッチン」
盲目の弁護士「マシュー・マット・マードック」は心優しい善良な市民。
しかし彼には影の顔があった。
視覚以外の研ぎ澄まされた感覚と父親譲りの格闘技スキルで夜な夜な悪を討つヒーロー「デアデビル」でもあった。
映画では物足りなくなりがちなヒーローとの二重生活にフォーカスした傑作ドラマ。
ネットドラマということで容赦のないシリアスな展開、そして過激なアクションは映画にはない見所。
傍若無人で、脆い。等身大女性ヒーロー誕生。
NYの一角で探偵業を営む女性「ジェシカ・ジョーンズ」には公にできないスーパーパワーと過去があった。
必ずしも「ヒーロー」が歓迎されるわけではない世界。
そこで1人の女性として苦悩し、立ち向かい、ときには絶望するその様は感情移入必至。
こちらもドラマならではのアダルティックな雰囲気満載。愛憎模様がこれでもかと描かれる。
『ルーク・ケイジ』
哀しき過去を背負った優しき破壊王。
元御曹司、現在はホームレスで最強の達人。
『ディフェンダーズ』
裏「アベンジャーズ」誕生。
以上の4名が奇跡の集結。
名実共に「裏」アベンジャーズな面々。
それぞれ抱えている事情は違うものの、正義を愛する気持ちは同じ。
強大な敵を前に嫌々手を組むことを決意する。
『アベンジャーズ』とはまた違った夢の共演が多々。
『パニッシャー』
最恐の復讐鬼。最強の自警団。
「フランク・キャッスル」は元海兵隊員ながら今は善良な市民だった。
しかしとある事件をきっかけにとことんまで悪を憎む復讐鬼となってしまう。
「殺しすら厭わない」という他のヒーローとは一線を画すその信条は観る者の心に強い爪痕を残す。
『デアデビル season2』にて強烈なインパクトを残した「パニッシャー」が単独デビュー。
過激なダークヒーローなだけにネットドラマとの相性は抜群。
今後の展開に期待が高まる。
(今後も追加予定)
…とこのように今では映画18本、ドラマシリーズ8本という怪物大河に成長した。
早いもので最初の『アイアンマン』が10年前の2008年。
そして今年。節目となる10年目になるわけだが
全てが集結する歴史的超大作が封切られる。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
10年の積み重ね。最強の、その先へ。
24時間の予告再生回数がギネスに載る全世界待望の歴史的超大作。
全てが集結し、大爆発する。
今から楽しみだなぁ!!
余談。
MCUの映画には2つの「お決まり」がある。
1つは様々なMARVELヒーロー達の「創造神」こと「スタン・リー」が作中のどこかにカメオ出演している。
これを探すのも毎度の楽しみ。
もう1つは必ずエンドロールの後に「おまけ映像」がある。
それも複数ある場合が多い。
ひとつ観ただけで席を立ってしまう方も多いが、最後の最後に重大な「引き」が描かれることもあるので 劇場が明るくなるまでは絶対に見逃し厳禁だ。
エンドロール後によく出てくる(気がする)
「S.H.I.E.L.D.」長官ニック・フューリー。
ちなみに今回の記事。
当ブログ一発目の校正記事でもあるが
なぜ書こうかと思ったかというと
「マーベル・シネマティック・ユニバース」で画像検索するとトップに来るのが移転前の当ブログ。
まさかと思いつつも見返してみたら
文章が拙すぎて恥ずかしかったからだ。
Googleに晒される日が来るとはなぁ!!
嬉しいような恥ずかしいような!!
とりあえずこれからもこんな底辺ブログをよろしくお願いします。
晒しても1mmも得がないTwitter↓
負の遺産。螺旋殺戮の行く末は。『ジグソウ:ソウ・レガシー』感想。バレあり。
毎度お馴染み、手間暇かけた殺戮ポルノ。
サスペンスの皮を被った痛快娯楽作。
まさかの復活、不死鳥マルチ!!!
ネタバレなし感想。
シリーズ未見でも問題なし。
グロさは(今までに比べると)控えめ。
耐性ないとキツい。
とりあえず「生のありがたみを思い知らせるために罪人を攫って命がけのゲームやってるヤバい殺人鬼"ジグソウ"がいた」ってことだけわかってれば十分。
ちょっと興味あるって方は↓ダイジェストをご覧の後に観賞をどうぞ。
たった3分でシリーズをおさらい 映画『ジグソウ:ソウ・レガシー』ソウ集編映像 - YouTube
『3』観られた人なら絶対大丈夫。
シリーズファンならむしろ物足りない。
というか不満爆発するかもしれません。
当記事は今までのシリーズはもちろん『君の名は』のネタバレに触れています。ご注意を。
正直なんのことかさっぱりわからない。
俺も一度なかなか美人な女性に勧誘された経験がある。
「一緒に幸せになれる」とのことだったので待ち合わせした足でホテルに直行したところ、とんでもないことになったしょうもない黒歴史がある。
結果逆ギレして事なきを得たが、それ以来あまり良くは思っていない。
まぁ個人でやる分には好きにしろとしか言えないが
そんな連鎖商法。経営者側には美味しいのか映画界にもひとつの金字塔がある。
それが『SAW』シリーズだ。少ない元手で大儲け。ひとつ観たら次も観ないことにはもやもやするそのつくり。そして教祖様的な大きな存在。
まぁ連れ込まれる先はカフェではなく処刑場で、待ち構えているのは殺戮兵器という多少の違いはあるが!!
俺の記憶が正しければ数年前に『ファイナル』が封切られたはずだが、近年の全世界共通な深刻すぎる悩み「ネタ切れ」によりこの度、復活!!
ちなみに『ファイナル』は日本独自のタイトル。監督に確認をとってつけた、とのこと。
本作で裏切られちゃったけど!!
思えばサスペンススリラーだったのも『2』まで。
『3』からは「僕らが考えたびっくり処刑術博覧会」になっていた。
一応追いかけてはいたはずなのだが、正直なところ欠片も記憶にない。
『1』の「真ん中の死体が真犯人でした!」には驚かされたのは記憶にあるものの、それ以降は惰性で追いかけていたと言った方が正しい。
さて。そんなシリーズ待望(?)の新作。
本作は予告を見る限りどうやら新シリーズの体をなしていた。
あまり興味はなかったが、嬉しいことにムビチケ2枚が当たった。無駄にするのもなんなので観賞ポイントついでに最終日に駆け込んだ。
しかしこれがなかなかな傑作だった。
驚きのあまり翌日にわざわざ遠出してまで2回目を鑑賞したほどに気に入ってしまった。
先に言っておくとこの高評価っぷりはハードルの低さに他ならない。
真面目なファン(いるのかは知らん!)が観たら首を捻ること請け合いだ。
そもそも新作をつくる意義もあまり見当たらない本シリーズ。
アンケートをとれば大抵は「惰性で追いかけていた」と答えそうなもの。
それなのに俺が本作を気に入れたのは「半端なファン」であることに他ならない。
「まぁ72点くらいの出来だろう」と思っていたらまんま72点だったピッタリ感が心地良かったのかもしれない。
言ってしまえば吉野家の新作牛丼が予想以上でも以下でもなかったような。
そんな期待も予想も裏切らないあらすじ。
のうのうと生きている罪人を攫ってきてはデスゲームを仕掛ける究極の殺人鬼「ジグソウ」が死んでから早10年。
熱狂的な信者はいるものの事態は収束していた…かに思えた。
とある男女5人が目覚めるとそこは謎の部屋。
首にガッチリと繋がれた鎖。
そして目の前にはチェーンソーの壁。
呆気に取られる間もなくスピーカーから安定感のあるボイスで「ゲームを始めよう」とのお達しがかかる。誰がどう見てもリアルガチでヤバい状況だった。
とりあえずオープニング戦で1人死ぬその様から完全にお遊びではなさそうではある。
その後も「注射器をブチ込め! 」「脚を切り落とせ!」「なんとか生き延びろ!」などめちゃくちゃなゲームの数々。為すすべもなく命を散らしていく参加者達であった。
そしてそんな猟奇殺人を担当する刑事が数名。1人、また1人と被害者が肉片となり発見されていくその猟奇的な事件を追っていくうちに、あの殺人鬼の蘇りを確信せずにはいられない物的証拠の数々が出てくる。結構ぞろぞろと!
本当に「ジグソウ」は復活したのか?
おそらく存在する「共犯者」は誰なのか!?
この映画、キチンとオチはつくのか?!!
観客の思いをほぼ無視しながら、今!
殺戮のジェットコースターがスタートする!!「ゲーム ヲ ハジメヨウ…」
…というもの。
端的に重要な根幹を言ってしまえば本作では『君の名は』方式が採用されている。
ゲームパートと警察パートが交互に進行していく演出もそうだが、なにより互いの時系列が全然違う。
大オチを言えば本作のゲームは10年前、「ジグソウ」のデビュー戦でもあった。
まぁ序盤でゲームの被害者達が誰も「ジグソウ」の名前を出さない時点でうっすらそんな気はしたし
時系列シャッフルは過去作でも使われていたネタだったと思うが、まぁ気のせいだろう!!
そして10年後の現在に新鮮な死体が次々と現れていたのはジグソウの後継者ローガン・ネルソンが似た罪人を用いてもう一回同じ「ゲーム」をしていた、とのこと。こいつが真犯人です。
正直「え、それ意味ある?」と言いたくなってしまう二度手間さだが、これこそ本シリーズ独特の雑味だ。
そもそも話の整合性がキッチリ取れていたのもシリーズ前半戦のお話。
正直ファンは別にそこまで期待しちゃいないだろう。
それよりも見所は上記した「ゲーム」に終始する。
本シリーズならではの猟奇性、残虐性、そして割と穴だらけなルールなどの独自性はきちんと受け継がれている。
全体的にエグさは控えめに、スタイリッシュさは増し増しになっている気がしないでもないが
それを目当てなファンはそこそこ満足するだろう。
とはいえエグさを求めている熱狂的なファンからしたら物足りないかもしれない。
しかしこのご時世。新規ファン獲得のためには致し方ないとも言える。
とはいえファン向けのサービスシーンがないわけではない。むしろ悶絶ものの場面がある。
中盤にてジグソウの大ファンだという女の子が出てくる。
その娘の「コレクション」がこれだ。過去作に出てきた「殺戮兵器」の数々。
ここまでズラッと並べられると圧巻の一言だ。
話にはあまり関係ないにしても!
そして脚本のガバさは相変わらずだ。
誰がどう行動するか…というか誰も知るはずがない被害者達の過去のあれこれを熟知している段階で
もはや本気で「神」としか言えないジグソウ。相変わらず映画製作者の視点持ち。
しかし本作はシリーズの前日譚でもある。
そこには過去最高にイキイキとしたジョンさんの姿が!!
オーラ満載に持論を展開する「ジグソウ」の姿が見られるだけでも元は取れたはずだ。
きっと!!
そしてラストにチカチカし始める画面。
一応の謎解きでついていけなかった観客向けへの完全ネタばらしパートなわけだが
ここで問答無用でテンションが上がるのはなんやかんやでシリーズファンなのか「やっと終わりか」と思うからなのかはわからない。
そろそろ自分でも何言ってるかはわからなくなってきたのでまとめるが
トータルすると話の筋が通ってるかは微妙。
一通り「ゲーム」が見られて全貌が明らかになる解決篇にはワクワクを禁じ得ない。
序盤にも言ったが予想も期待も別に裏切られることはない。
それでもシリーズファン、新規の観客どちらにも配慮していることは十二分に伝わってくる。
ある種グロ映画の火付け役ともいえる本シリーズだが、今や海千山千の亜種が氾濫している。
決して見られたものではない駄作が多い中、数年ぶりに何も変わらず新ネタを引っさげて帰ってきてくれたことには感謝を禁じえない。
そこにはテンポの良さだけでは説明できない「なにか」があった。
数年ぶりに会った親友が結婚していながらも中身は学生のときのままだったような懐古感とでも言おうか!
本作はそんな謎の感動を味わえる傑作、と俺は胸を張って言える。
誰がなんと言おうとも!!!
まぁギャ-ギャ-言いながら友人同士で酒でも飲みながら見る分には満足できるだろう。たぶん!!
雰囲気満点な予告↓
雰囲気残念なTwitter↓
ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter
身の程をわきまえる大事さ。『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』軽めの感想。バレあり。
まさかのファンタジー&サスペンス!
観客のモチベーションが行方不明!!
「だから何?」は禁句な謎ムービー!!
ネタバレなし感想。
まぁ予告観てワクワクした方は観ていい…かも?
俺と趣味嗜好が似ている方には全くオススメできません。
デートムービーにも向いてません。
染谷将太さんのファン向け作品。
ちなみに阿部ちゃんはあまり出てきません。
原作ファンの方は大丈夫です。おそらく。
今回、褒めていません。
この映画が好きな方は読まない方がいいです。
もっとキチンとしたブログは山ほどあるのでそちらにどうぞ。それでは。
聞き馴染みのある言葉に「歴史的超大作」ということがある。
まぁ当ブログでも度々出てくるが、基本的にはあまり信用はできない言葉でもある。
今回の『空海』もそのような触れ込みだった。正直なところ予告を見る限りそこまで好きなジャンルでもなかった。
しかし少し調べてみると「この映画のために街をつくった」「中国では死ぬほど大ヒットした」「秒で製作費を回収した」など景気の良い話がぼろぼろと出てきた。
とはいえこの手の頭を使いそうな映画は苦手な俺。
スルー案件だったが、ありがたいことに試写会が当たった。
こうなったのも何かの縁。
無駄にするのももったいない。
なによりつまらなければ大ヒットするわけない、意外な掘り出しものかもしれない。といそいそと観賞させていただたいた。
上映後…というか上映中。
俺の脳裏を占めているのは「だから何?」の一言だけだった。
とにかく肌に合わない映画に顔を出したことを猛省させてくれる生徒指導室のような映画だった。
予告である程度の覚悟はしていたのだが
本編ではそれ以上に古代中国とファンタジーが加速していた。
『三国無双』という諸葛亮がビームを撃ちまくって一騎当千になるゲームは大好物なだけに
同ジャンルな本作は一安心…かと思いきや
本作はそれとは違ったベクトルだった。
まさかの名探偵空海。幻術が飛び交う古代中国。化け猫が大量殺人をやってのける。
…など 見所もなくはないのだが
正直なところあらすじはほぼ覚えていない。
まぁ要約すれば「楊貴妃の死を空海が探る」という話だったと思う。
とりあえずキャラ紹介。空海。実在したお坊さん。今回はまさかの探偵役。
幻術を見破る、妖魔を打ち破る、真相に一直線など有能にして万能。
終始動揺ゼロな鋼のメンタルを持つ。
いつも「私はわかってますよ」的な斜に構えた笑みを浮かべるやれやれ系主人公。
白楽天。今回のワトソン役。
確か詩人さん。正義漢。よくいる助手的キャラ。
楊貴妃。すごい美人。
設定と声から不二子ちゃん感がすごい。
阿部ちゃん。回想に登場。
楊貴妃の死の真相に関わった重要人物。
…以上のメンバーがあれこれ動くのだが、話の山があまりないために特筆したいことはない。
かといっていいところがないわけではない。
本作の特長でもあるビジュアルは息を呑むくらいに美麗だし、独特のダイナミックなカメラワークは映画の雰囲気によく合っている。このキャッチコピーはその通り。
特に終盤にて幻術を使いこなす四捨五入したらミュータントな兄弟が登場する辺りはハリウッド顔負けの圧巻さだ。『X-MEN』から輸入されたような「龍兄弟」
なんかすごい幻術を使う。
なにより役者さん達の演技はかなり素晴らしいのもあって退屈はしない。
この映画にハマる人がいるのもわかる。
それでも俺が合わなかったのは「趣味嗜好」の一言に尽きる。
とはいえ原作は「夢枕獏」の小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』だ。
同著でも『餓狼伝』はめちゃくちゃ好きなので期待してしまった節は否めない。漫画版は作画:板垣恵介という豪華さ。
こちらは有無を言わさない傑作。
「こっちを実写化してくれれば…」と思わずにはいられない。ちなみに未完。
兎にも角にも人を選ぶ謎映画。
決して駄作ではないが、どの層に受けるのかは全くわからない。
ノンフィクションというわけでもなく
アッパーに振り切っているわけでもない。
圧縮すれば30分程度で終わりそうなカルピス映画でもある。
惜しむらくはもっと史実方面、あるいはバカ映画に舵を切ればハマったかもしれない。
それでも10人に1人は傑作という人が出てきそうな作品だ。
残念ながら俺は9人の方だったが、まぁ予告観て我慢できなくなった方は観てみてもいいかもしれない。保障は一切しませんが!!
余談。試写会から数日後。
まさかのペアチケットが当たるという事態に陥った。
無駄にはしたくないから行くしかない!!
こうなったらとことん付き合おう!!
余談中の余談。
作中で一番驚いたのはこのシーン。仲間内でも一瞬流行るくらい印象的だったのだが、なんとこれ「治療に針必要だから取ってくれ」というだけのシーンだった。
このケレン味は評価せざるを得ないな!!
とにかくビジュアルで押し切る予告↓
前代未聞の治外法権ムービー、上陸。『ガーディアンズ』バレあり。感想。
ビジュアル以上のド直球さ!!
その迫力にヒーロー映画好きも初心者も同じく失神する!!
今冬、治外法権が映画界を支配する!!
全世界に果たし状が叩きつけられた!!
世界よ。これがロシアだ。
舐めてかかるな!!死ぬぞ!!!
ネタバレなし感想。
ポスターや予告は話にならないほどの王道さ。
予習復習が面倒な人にこそおすすめ!!
年始はこれでキメろ!!
めちゃくちゃ面白いから安心して劇場へ!!
数年前。
ロシアからとんでもない動画が全世界に叩きつけられた。
GUARDIANS Official Domestic Trailer (2017) Russian Superhero Movie HD - YouTube
明らかにどこかで見たことがあるような超人達が好き放題やっているその動画。
一部でバズったのも記憶に新しい。
まぁどこぞの学生が身内だけで楽しんでいるインディーズ映画だろうと高を括っていた。
しかしどうにもそうではない。
むしろロシアが本気出したらしい。
いろんな意味で観たくて仕方なかったのだが、某最大手アメコミ企業への喧嘩祭のような作品。
興味はあったのだが題材的にもDVDがリリースされれば御の字と思っていた。
それがなんとこの度、狂気の全国ロードショーが決まった。
このセンスが良すぎるともキマっているとも言える英断。
おそらく『ラ・ラ・ランド』の成功で担当者が出世し、新人がその席に就いたのだろう。
まぁ節操がないと言ってしまえばそれで終わりだが、この手の映画を劇場公開できるようにあれこれ動き回ってくれたことにはとにかく感謝しかない。
当然観たい映画リスト入りしていたのだが
ありがたいことに試写会が当たった。
新年一発目に相応しいかどうかはわからんが
相手にとって不足はないのは確かだった。
カフェインを大量摂取して臨んだのであった。
そして90分後。
劇場は異様な雰囲気に包まれていた。
一言で言えばどうかしている映画だった。
相手にとって不足がないどころかお腹いっぱいになった。吐き気を催すほどに!!
10週して褒めるところしかない超傑作でもあった。
ちなみに総製作費は3億ルーブル。
日本円でいくらかは知らん!!
とりあえずそんな洗練されたあらすじ。
冷戦下のソヴィエト。
全世界の予想通りのテンプレとして人道をガン無視した超人兵士計画「パトリオット」を推し進めていた。
しかしあるあるネタのように研究所が大爆発。
その責任者でもある博士が被害にあった。
当然なにもないわけがない。
その事故により超能力を得ることになった博士であった。クラトフ。電磁波を自在にコントロールし、目につく全ての電子機器を意のままに操れる万能能力獲得。
もちろん「はい、そうですか」と落ち着けはしない。
自分をこんな目に遭わせた世界を許してはおけない、と完璧に自業自得な逆恨みを決意!!
復讐と自己顕示欲丸出しになにやらヤバい衛星を乗っ取りに動き出すのであった。
そんな未曾有の危機を政府が放っておけるわけがなかった。
「超人には超人ぶつけよう」とヒーロー脳に毒された考えで急遽、対抗チームを組むことにする。司令塔。エレナ。ロシアン美女。
もちろん一般兵などではお話にならない。
都合のいいことに「パトリオット」の被験者が4人いるじゃないの!!と書類手続きがスルーされた勧誘が始まる。
レア。念動力で鉱物を操る賢者。
サイコキネシスで岩を飛ばしたりアーマーにしたりする落ち着いたおっさん。しかし終盤では電撃鞭使いに電撃転職する柔軟さも兼ね備える。
ハン。超音速を誇る剣の達人。
蝶の羽ばたきが止まるほどの速度で移動し、カッコいい独特刀で一閃する。おそらくクール担当。普通にめちゃくちゃ強い。
本気出すときは白目を剥く癖がある。
アルスス。獣のパワーを持つ天才科学者。
その気になれば熊になれる。理性は半々。怒りの矛先を銃撃するガトリング砲を背負って戦う。
一応リーダー的な立ち位置な雰囲気もある。
ちなみに終盤には完全に熊化する。鬼に金棒以上な熊にガトリング砲!!
クセニア。擬態能力で忍び寄る美女。
身体を透明化することができる。温度変化にもかなり強い。あと不老。人間辞めかけな体術で闘う。
以上、急遽招集がかけられた4人。
それぞれバラバラに思い思いに田舎暮らししていたものの、祖国の危機に悩む余地はなかった。
ある者は自分探しのため。ある者は復讐のため。ある者は暇つぶしのため。
手を貸すことを4人全員が即決!!あらかじめ決められていたチーム名「ガーディアンズ」として頑張ることを胸に誓うのであった。やったるで!!
…というもの。
ひとつ言えることはこの映画、近年でも稀に見るほどに内容がない。
王道を超えた王道さで90分間ひたすらに突き進む。
「ヤバい敵を超人がチーム組んで迎え撃つ」
近年のヒーロー映画はいろいろ要約するとこうなるが、本作は冗談抜きでそれ以外言うことがない。
もう200km/hのど真ん中ストレートな勢いだ。
ここまでの豪速球を投げられると観ている側としてはもう笑うしかない。
もう正直言ってしまえばぶっちゃけMARVELのガンパクりだ。挑戦状というより果たし状。
今や天下のディズニー傘下なのによくぞここまで!と賛辞を送りたくなるほどに!!
例えば登場キャラ達。
皆それぞれ一桁の足し算で成り立っているようなキャラクターだ。
説明するのもあれだが!!
クラトフ=マグニートー+ドクター・ドゥーム
『X-MEN』より。
磁界王。磁力を操るヴィラン。
『ファンタスティック・フォー』より。
天才科学者なヴィラン。
レア=ザ・シング+ウィップスラッシュ
『ファンタスティック・フォー』より。
岩男さん。
『アイアンマン』より。
電撃鞭使いな天才科学者。
ハン=バッキー+クイックシルバー
『キャプテン・アメリカ』より。
ソ連が生んだ最強の暗殺者。
『X-MEN』より。
超高速で走り抜けるナイスガイ。
アルスス=ロケット+ハルク
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』より。
遺伝子操作されたアライグマ。重火器使い。
『アベンジャーズ』より。
内に獣を飼う哀しき天才科学者。
クセニア=インヴィジブル・ウーマン+ブラック・ウィドウ
『ファンタスティック・フォー』より。
透明化できるスーパーレディ。
『アベンジャーズ』より。
ロシアの美女スパイ。体術はピカイチ。
…このように言ってしまえば『X-MEN』で『アベンジャーズ』で『ファンタスティック・フォー』な方々。
奇しくも最近『X-MEN』と『アベンジャーズ』の合流が噂されているが、それよりも早く融合を果たしている。
もはやアメコミに詳しくなくても既視感しかないが
別にそれを隠すこともない清々しさ。
普通はどこかにアレンジを加えたくなるものだが
そんな誤魔化しは一切しない無垢さ。
というか序盤から明らかにアレな多脚戦車が出てくるあたりもうそういうことだろう!!ここまでやられたら怒る人間はいなくなるだろう!!おそらく!
しかしそんな全方位既視感しかない中でも
他に類を見ない圧倒的オリジナリティが本作にはある。
もうとにかく異常なほどにテンポが良いことだ。というか良すぎるほど!!
敵の正体は開始3分で明かされ
チームメンバー達も一声かけただけで二つ返事でなんなく了承する。
そして気づかないうちにチーム「ガーディアンズ」が結成され、気づかないうちにモスクワが火の海と化している。
いつのまにか専用装備が開発されていて
近年ありがちなチーム内でのいざこざは一切ないままに、ヒーロー達のバックボーンは一言二言で済まされる。
そして軽いセラピー後に最終決戦。
普通はドラマの1つや2つ入れたくなるものだがそれもないという徹頭徹尾筋が通った潔さ。
ラストには近年のヒーロー映画において必須である合理さを全て排除した合体かめはめ波で幕を下ろす始末。一切の誇張なしでこれ。
ご都合主義なぞとうに超えた!!
確かに丁寧にドラマパートを積み重ねるのは映画的にも正しいかもしれない。なにより感情移入もしやすくなる。
それでもこのインタビューと前戯をすっ飛ばした総集編AVのようなつくり。
「なんとなく察せ!!」
「もうお前らの観たいとこだけ観せてやる!!」と言わんばかりの開き直りっぷり。
こちらも「確かにそうだ!!」と頷かざるを得ない。
もはや大手企業には逆立ちしてもつくれないだろうこの無我の境地さ。
アクションやビジュアルは大真面目なだけに何処かシリアスな笑いに包まれるが決してそれらは嘲笑ではない。
好きすぎて真似しちゃった感がそこら中から漂ってくるせいでどこか俺らの仲間のような気がしてくるからだろう。
なんというか、大作映画を観た後の寝際にベッドでする妄想の集合体のような。
クレイジーではあるが引くことはない。
「むしろもっとやれ!!」と応援したくなってくる。
とにかく全編多大なるオマージュにまみれた最高な映画だ。
近年、複雑膨大化するアメコミ文化。
まずはあれ見てこれ見て〜といちいち予習復習が当たり前になっている現状。
もちろんそれも嫌いではないがそんな中、手ぶらで気楽に見られるヒーロー映画が出てきた。
それも超大作の傑作として。
むしろこれを見ずして何を見るのか!という禅の境地にも達しかねない本作。
エンドロール後に当然のように差し込まれる次回作への引きも混みで愛に溢れた作品だ。
ヒーロー映画を観たことがない人。
ヒーロー映画に詳しい人。
どちらも気絶しかねない衝撃が待っているが
とにかくぜひ劇場に行ってほしい!!
全てが吹き飛ぶぞ!!!俺はもう一度行く!!!
余談。
上映後にアメコミライターである杉山すぴ豊さんと
アメコミフィギュア最大手の豆魚雷さんのトークショーがあった。
試写会参加条件がアメコミファン(自称可)ということもあり、全編「わかる」話ばかりだった。
帰る際にはA1サイズのポスターまでプレゼントしてくれて大満足だった。
それだけ本作にはいい歳した大人を突き動かす「何か」があるということだ。
良い試写会始めだったなぁ!!
口コミで褒めまくる他ない!!
油断できない予告↓
1/20(土)公開『ガーディアンズ』予告編 - YouTube
天空にガトリング砲を放ちたいTwitter↓
ラ・ラ・ライアン・ゴズリング。『ナイスガイズ!』感想。バレあり。
駄目人間×暴力人間の最悪タッグ!
終始する脱線に次ぐ脱線!!
話の8割は本筋関係なし!!
ハリウッドNo.1の監督、シェーン・ブラックが送る最高級の人間賛歌!!
これぞ男子向けな「裏・ラ・ランド」だ!!
今年頭。
とあるミュージカル映画が世界を席巻した。
『ラ・ラ・ランド』
公開されるや否やアカデミー賞最有力候補となり、世界はその歌と踊りに魅せられた。
アカデミー賞最多ノミネート数を誇るその傑作さにやられたのか、女性だけでなく野郎共も取り憑かれたように世界規模の「踊ってみた」が投稿されたのも記憶に新しい。
片や俺はというと
映画好きではあるものの、その脳内は「暴力」「銃火器」「爆発」で占められているためにそこまで興味はなかった。
「主演のライアン・ゴズリング史上最高傑作!」と謳われていたところで
俺のNo.1は『L.A. ギャングストーリー』だと信じて疑わなかった。
個性的な刑事達がマフィアよりマフィアすぎる手段でマフィアと闘うLA版『七人の侍』な傑作。
ジョシュ・ブローリン、アンソニー・マッキー、マイケル・ペーニャと密かなアメコミ役者勢揃い。
その中でもT-1000役で有名なロバート・パトリックが演じる二挺マグナムを操る「次元」さながらな老刑事は必見だ。
痺れるカッコよさ!!
そのうち書こう!!当ブログでも!!
その他にもライアン出演のラブロマンスで言えば『ラブ・アゲイン』が驚くほどの名作だったためにハードルが上がっていた。
3組の男女によるラブコメディ。
余裕綽々に観賞していると終盤のミステリさながらな怒涛の伏線回収に呑み込まれるぞ!!
そんなわけで劇場に足を運ぶまでには至らなかったのだが、ありがたいことにとあるミニシアターの鑑賞券が当たった。
ちょうどその時期にこちらも名作の『美女と野獣』との2本立てがやっていたので、早朝から突撃したのは以前も書かせていただいた。
魔法の沙汰も"愛"次第。『美女と野獣(2017年版)』ネタバレあり。感想文。 - 高速回転する方舟の片隅で。
…まぁ結論から言わせてもらえばこちらも超傑作だった。
というか観始めて数分後に気がついたのだが
主演はライアン・ゴズリング&エマ・ストーン。
上記した2つの作品でも恋仲役を演じていた2人。
『L.A. ギャングストーリー』より。
『ラブ・アゲイン』より。
ピースがハマっていくようにどんどん好きになっていく俺がいた。
元来ミュージカルが嫌いでもない。
むしろ音楽は好きなだけに今やiPodにサントラぶち込んでノリノリになっているほどにハマってしまった。
ぜひ筆をとろうかと思ったのだが、ミュージカル映画を文章化できるほどの文才が俺にはない。
『美女と野獣』は得意のアベンジャーズとステイサムでお茶を濁せたが、こちらはド直球のラブミュージカル映画。
「とにかく観てくれ!!」に終始してしまうことは目に見えている。
さて。前置きが長くなってしまったが
今回は変わりにこちらを紹介させていただく。
『ナイスガイズ!』
まずビジュアルからして無骨なおっさんと腑抜けたライアンという『ラ・ラ・ランド』からのご新規さんを徹底的に拒む気満々な素晴らしさ。
あちらは性別を超えて惚れる空気感を醸し出していたがこちらは全てを諦めたかのようなダメ人間さ。
オープニングからしてスーツのまま入浴した状態で爆睡しているこの愚かしさ。
しかし日本ではこの2つがほぼ1週間違いで公開された奇跡。
ちなみにこちらも2本立てで観賞したのだが、もう1本は『ハードコア』だった。
SYNCHRONIZED "KILL"ING.『ハードコア』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
奇しくもこちらはこちらで「美女と野獣」と言っても差し支えない内容だった。
こちらの「野獣」はサイボーグ化された殺戮兵士だが!!
ラインナップからして脳細胞が死滅した男子向けであることは確かだ。
そんな間違っても教育には良くないあらすじ。
舞台は1970年代のロサンゼルス。
ホランド・マーチは探偵とは名ばかりのダメ人間だった。
今日もエリート様は死んでもやらない洗濯も兼ねた入浴スタイルで目を覚ます。
仕事はあるものの、それは老人を騙すギリギリのライン。
シングルファーザーなだけに手段を選んでいる場合ではなかった。
その一人娘。ホリー。
今回のお仕事はとあるお婆さんから依頼された「とある少女を探して」というもの。
とりあえず探偵らしく怪しげなBARに侵入しようとするもガラスで手首を切るなど全方面ダメダメな捜査を開始するのであった。
ジャクソン・ヒーリーは腕っ節ひとつで仕事する示談屋。
今日も未成年をハッパ中毒にしていたロリコンを有無を言わさずブン殴る豪快極まりない仕事をしていた。
そんな有能さが巷では評判なのか、とある少女から新たに仕事が舞い込む。
それは「私を嗅ぎまわっている連中をブチのめして」というもの。
割と雑な捜査の末に数分でマーチの元へたどり着くヒーリー。
「はじめまして」の挨拶がわりに顔面にパンチを打ち込んだ後に左腕を開放骨折させるデキる男っぷりを見せつけるが、こんな無能にあそこまで依頼人が怯えるのもおかしな話。
とりあえず金1割脅し9割な交渉の末に手を組むこととなったアウトサイダー×2。
嫌々感と渋々感満載。
父親よりよっぽど有能なホリーも加わり3人で捜査を開始することにするが…
そこには国家を揺るがす壮大な陰謀が隠されていた!!
狙ってくるのは最凶の殺し屋。
敵は警察すら掌握している強大な権力者。
こちらの武器は口先と意地のみ!!
呑まなきゃやってられない絶望珍道中の幕が上がる!!
「人生はクローズアップすると悲劇。ロングショットでは喜劇」とは誰かの名言だが、正にその通りな本作。
細かく見ればこれだけ詰んでいる状況もない。
マーチは嫁に逃げられ酒とタバコの毎日。
中盤ではとうとう家まで失う。
仕事は詐欺まがいなもので決して胸を張れるようなものではない。
一人娘には論破される日々。
ヒーリーは暴力でしか生きられない切なさがある。
正しいことをしようにも染み付いた癖はなかなか抜けない。
出会った探偵は無能中の無能。
そんな状況で相手は国家的な権力者。
全員目が死ぬのも無理はない。
その精神は全篇失われることはない。
とにかく口を開けば悪態か愚痴しか出てこないような八方塞がりな状況。
気を使う精神的余裕もない。
とにかく2人して上映時間の9割は喋り倒す。
さらにそれだけでは飽き足らないのか少年少女の口からも下ネタがガンガン飛び出す始末。
下ネタしかない寄り道。
そんな道中は当然穏やかではない。
流れ弾で無関係の人間も軽々と死んでいく。
特に終盤はピタゴラスイッチばりに各方面に多大なる損害を及ぼしていく。
そんなことも「即死だからセーフ」理論でなんなくかわしていく2人。
見て見ぬ振りは基本。
言ってしまえばもう全編「不謹慎」で構成されているようなものだが、監督を見ればそれも腑に落ちる。
聞き馴染みがない方も多いかもしれないが
低偏差値映画をこの上なく愛する映画ファンからしたら高校時代のツレのような安心感がある。
『リーサル・ウェポン』や『ラスト・アクションヒーロー』の脚本を書いたことでも有名だが
なにより特筆すべきはその監督業。
『アイアンマン』や『シャーロック・ホームズ』で世界的大ヒットを飛ばす前のロバート・ダウニー・Jr.主演。
ダメな役者がひょんなことから泥棒デビュー。
「役作りのために探偵と行動を共にしてたらとんでもない大事件に巻き込まれる」という筋書き。
世界一の天才社長や史上最高の名探偵とは違い、こちらは人生に迷いまくりのダメ人間を好演。
めちゃくちゃ面白いのでおすすめ。
『アイアンマン3』
単体作完結編にして最高の盛り上がり。
絶妙に雰囲気が過去作と違うがそれがたまらなく素晴らしい。
片腕片脚のみアーマー装備での闘いや社長の頭の回転全開の素手での死闘、さらには絶頂間違いなしの「ホームパーティ・プロトコル」まで。
興奮しかないラストバトル。
その男子のツボを連打しまくったつくりには鳥肌が立ちっぱなしになること請け合い。
シリーズで一番観ているくらいには好きだ!!
こちらも書こう!!いつか!!
そんな信頼できる漢が撮った本作。
今まで以上に人間賛歌な側面がある。
主人公達は決してスーパーヒーローではない。
共感できるところも多いダメ人間だ。
寄り道に次ぐ寄り道をかまし、ときには逃げ出すことすらある。
それでも必死に立ち上がり挑戦し続ければラストのマーチのように「たまには勝つこと」もある。
俺は泣いたよ!!このラスト!!
思えば『ラ・ラ・ランド』は「夢」「ダンス」「涙」で構成されていたが
こちらは「現実」「暴力」「笑い」で成り立っている。
外側だけ見れば真逆とも言える要素の数々。
しかしどちらも本質は一緒とも言える。
届く客層が大幅にズレているだけで!!
確かに一から十まで「最高にどうしようもねぇ」有様ではある。
オチも「頑張っても何も変わらなかった」という酷いものである。
合理的か否かで言えば圧倒的に「否!!」な作品だ。
しかしその悲劇を笑い飛ばすラストは人生のひとつのアンサーでもあると思えてならない。
これが人生!と言わんばかりの!!
『ラ・ラ・ランド』を観た後は「踊ってみた」くなるかもしれんが
本作を観た後には「あがいてみた」くなる。
そんな最低で最高の傑作だ。
観よう!独りの夜にでも!!
酒とタバコ片手に!!!
余談。
監督のシェーン・ブラックは俳優としても活躍しているのだが、そのデビュー作は『プレデター』だ。
これだけでも十分応援するに足りるのだが
なんと次回の監督作は『The Predator』だ!
リブートでもあるこの作品。
どうあがいても傑作になる予感しかない。
人の出世には興味ない俺でもこれは素直に応援したくなる!!
これからもよろしく頼むぞ!!
ダメさフルスロットルな予告↓
ラッセル・クロウ、ライアン・ゴズリング共演!映画『ナイスガイズ!』予告編 - YouTube
ダメさノンブレーキなTwitter↓
世界は、狂気を。待っている。『ゴーストライダー2』感想。バレあり。
MARVELきっての最凶アンチヒーロー!
力の源は悪魔より授かりし無双のパワー!
全篇、情け躊躇なし!
悪人は問答無用で消し炭にしろ!!
空前絶後のアメコミ映画ブーム。
まぁ腐るほど言ってきてるが、年に何本も公開されている現状はなかなか巡り逢えるものではない。
その筆頭としてはやはり『アベンジャーズ』シリーズが挙げられるだろう。
現在映画だけでも17作という驚異の大河作品群である。
政治や化学、果ては神話や魔術まで様々な観点からつくり出されるその世界。
どれも「ヒーローもの」という共通点がありながらもそれぞれが違ったジャンルで楽しませてくれる。
そしてこれだけ連発されながらその全てが満点な出来だというからひれ伏す他ない。
しかしただ一つの物足りなさがある。
あまりに全員が優等生すぎる。
国際的前科者や宇宙のアウトローなど不良チックなヒーローもいることにはいるが
やはり内面は優等生。
喧嘩はしても道理は踏み外さないという安心安全設計。
まぁ今や天下のディズニーの傘下になってしまっているMCUにそこまで求めるのは酷な話ではある。
しかしこっちとしては血が吹き出すような躊躇ゼロのヒーローものが観たいのもまた事実。
そんな声が届いたのか、原作会社は同じながら映画会社はライバルな『X-MEN』シリーズがやってくれたのは記憶に新しい。
『デッドプール』
全編無駄口と自己中精神まみれな楽しくもエグいアンチヒーロー。
全てをジョークと弾丸で吹っ飛ばす痛快作。
『ローガン』
今までの鬱憤を晴らすウルヴァリンの卒業作。
あの能力で本気出したらそら血飛沫祭りだ!!
いろいろと新機軸を打ち出している両シリーズではあるが
エクスペンダブル感は『X-MEN』に軍配が上がる。
しかしその地点は通過していた1人の漢がいたことは以前当ブログでも取り上げさせてもらった。
『パニッシャー』
対悪人専用人型最終決戦兵器。『パニッシャー:ウォー・ゾーン』バレあり感想。 - 高速回転する方舟の片隅で。
現在ひしめく様々なシリーズとは無関係に孤軍奮闘する漢の中の漢。
「地獄の断頭台」というヒーローにあるまじき二つ名を持つ。
ヒーロー映画というよりはむしろステイサム映画に近いそのつくりは一部のファン(俺含む)を唸らせた。
そして俺が虜になった理由はもうひとつある。
前年に公開された『ゴーストライダー』がアレな出来だったからだ!!
まさかのニコラス・ケイジ主演。
前述した『パニッシャー〜』と同様に有象無象のシリーズとは無関係。
この「ゴーストライダー」というキャラ。
「悪魔と契約した孤高の走り屋」というスタイルからずっと気になっていた。
しかしその期待とは裏腹に映画はほぼニコラス・ケイジのアイドルPVと化してしまった。
能力を得るまでに1時間以上かける丁寧なつくり。
先代ゴーストライダーとの並走など見所もなくはないのだが
まぁ、ぶっちゃけ退屈だ!!
ニコラスファンの友人は高まっていたが!
そんな黒歴史とも言えるこの大失態。
どうにかならんか…と思っていた翌年の2008年。
上記の『パニッシャー ウォー・ゾーン』や『ダークナイト』『アイアンマン』など今のアメコミバブルを予感させる傑作が次々と誕生した。
もうすっかり忘れてしまっていたのだが
なんと2012年に続編兼リメイクとして緊急復活!
ブームに乗っかったのかはわからんが不運にも同年には『アベンジャーズ』が公開。
ぐうの音も出ない歴史的超傑作。
再び歴史に埋もれてしまうことになるのだが、それはもったいない。
むしろそこにぶつけてきた漢気に刮目するしかない!!
少しでも世間様にこの素晴らしさをわかっていただきたい、と思い今回筆を取るに至ったわけだ。
「こんな辺境のブログでやっても…」は禁句で頼む!
そんな玉砕覚悟のあらすじ。
ジョニー・ブレイズは暇を持て余していた。
前作にてノリだけで契約してしまっていた悪魔の力をクーリングオフできるわけもなく、いつその力が顔を出すか怯えながらバイクで世界を流す日々だった。
八方塞がりニコラス。
そこに登場する1人の漢。
モロー。孤高の破戒僧。
ノーヘルでバイクを乗り回す道交法を極限まで無視する押しの強さで
半ば、強引にジョニーと意気投合。
そこでひとつのおつかいを言い渡される。
世界を揺るがすかもしれないシングルマザーとその子供を守ってくれ、とのこと。
世界の命運が掛かっている2人。
「悪魔の力」というあまり人助けタイプではない自身を鑑みるものの
どうにも相手は自分にこの能力を授けた張本人らしい。
悪魔のボス。ロアーク。
顔色は二日酔いなヴィジュアル系だが一応凄いやつ。
そうとなれば話は別だった。
「諸悪の根源殺してクーリングオフするか!」
と悪魔の走り屋は俄然、奮起。
敵はある意味、同僚ともいえる悪いやつら。
そんなことは悪魔にはまるで関係なかった。
ブレーキの文字を置き去りに音速でブチ殺せ!
エンジン、フルスロットル!!!
正直観賞したのは結構前なのでうろ覚えではある。
ただ複雑に思惑や伏線が入り乱れるタイプの作品ではなかったことは確かだ。
あまり詳しくはないが
日本にも「仮面ライダー」というご当地ヒーローがいる。
「バイクに乗っている」「敵から授かった力」などの共通点がなくもない。
しかしこちらは間違っても日曜朝に放送して良い内容ではない。
この業火に包まれた髑髏というビジュアル。
ライダースを着こなした挙句にチェーンで飾り付けるというファッションセンス。
ぱっと見は明らかに善人ではない。
というか深く知っても別に善人ではない。
まぁその能力の源は「悪魔」なわけだから仕方ないのだが、それを隠すこともない。
前作では割と常識人であったジョニーだが
今作では監督を「マーク・ネヴェルダイン&ブライアン・テイラー」タッグに任命。
言わずと知れた『アドレナリン』シリーズの最強タッグだ!!
ステイサム作品でも狂気度で言えばNo.1。
ちなみに1作目はR15指定、2作目に至ってはR18指定という素晴らしさ。
ヒーロー映画をよくそんな監督に任せたものだ。
しかし良くやった!!
これにより前作のあれこれは壮大にリセット。
根底の設定とニコラス・ケイジだけ残すという狂気しかない采配を振るってくれた。
完璧だな!!
当然その狂気は作品を覆い尽くす。
ヒーローものらしく戦闘シーンが多々あるのだが、どれもこれも瞬殺という潔さ。
というか触れただけで人間は消し炭。
もう歩いてるだけでも核兵器級にヤバいのだがそれだけでは飽き足らないのか
遠距離の相手には鎖を使いこなし縛り上げる。
相手の重火器は地獄の業火で打ち消す。
終いには鉱石採掘用の超大型重機を地獄仕様に魔改造し嬉々として雑魚を一掃する。
この天下無敵なやりたい放題さ。
オーバーキル確実な必殺技「ヘル重機」
このワガママさにはラスボスであるロアークすら敵わない。
クライマックスはワイルドスピードすぎるバイクチェイスの果てに鎖で巻き上げ、高所から脳天直下な逆バンジーで圧殺!!
この後、とんでもないことになります。
おまけにゲロや小便まで業火という隙のなさ。
明らかにやりすぎだが、これだ!
俺が求めていたワルさは!!
確かに悪人すら救えたらそれは素晴らしいことかもしれない。
全方面に気遣いができるヒーローが求められているのもわかる。
結果的に引き金を一回引くのにも躊躇してしまうヒーローが出てくるのも理解できる。
加えて現在はネット社会。
ちょっとした落ち度で炎上しかねない。
しかし「そんなことは知らん!」
「相手は悪魔だぞ!!」
と自ら大炎上した挙句に
躊躇なく相手を皆殺しにする様には今のヒーロー達にない「なにか」がある。
それを「愚か」「向こう見ず」と批判するのは簡単だ。
でもこんな力があったら存分に使いたくなるのも事実だろう!!
結局「大作シリーズとはつるまない」一匹狼根性が災いとなり興収的には奮わなかった本作。
シリーズも打ち止めとなってしまった。
しかしそこは天下のMARVEL。
こんなナイスガイを放っておくわけもない。
パニッシャーはNetflixドラマとして蘇ったが、こちらは民放ドラマ
『エージェント・オブ・シールド』
にて狂気の復活!!
シーズン4より。
設定とニコラス・ケイジはリセットされたもののその凶悪さは健在。
バイクから高級車に乗り換え夜の闇を疾走!
ドラマの制作会社は異なるもののどちらもMCUの一部。
つまりは『アベンジャーズ』と同一世界にいる奇跡。
もしかしたらそのうち映画勢と相見える日が来るかもしれない。
いや、来てくれなきゃ困る!!!
2人、そして『ブレイド』がスクリーンで暴れ回ってくれるときが今から待ち遠しい。
MARVEL三大アンチヒーロー。
ニコラス・ケイジは泣いていいぞ!!
余談。
最近当映画の監督が近年のヒーロー映画に物申したらしい。
Former Marvel Director "Bored" With Marvel Studios Films
意訳すると
「技術もずば抜けて素晴らしい。大好きな役者も数多く出演している」
「それでも長すぎて退屈で性に合わん。良さがさっぱりわからん。ダメだ」
「もっと『ローガン』や『デッドプール』のようなR指定がつくられるべき」
「なぜ『スーサイド・スクワッド』をR指定でつくらなかった?」とのことだ。
相変わらず尖ってるな!!良いぞ!!
最後にお詫び。
今回の記事。
「明日から真似したくなる漢の映画」様とほぼ同じ内容になってしまった。
ゴーストライダー2〜男なら、己の中の悪魔を解き放て‼︎〜 | 明日から真似したくなる漢の映画
俺にとって神のような素敵すぎるブログ。
もともと影響されて始まった当ブログ。
正直ただの劣化コピーなので問題あれば全消去します。
本当にごめんなさい!!
狂気満載な予告↓
狂気を欲するTwitter↓
超人だらけなアメコミ帰宅部。『ジャスティス・リーグ』感想。ネタバレあり。
「独りじゃ、世界は、救えない。」
オンリーワンでナンバーワン。
この世界、どこを切っても超人だらけ。
人間やめた帰宅部ガチ勢が世界を守る!!
アメコミクラスタは気絶しろ!!
ネタバレなし感想。
シリーズ初見さんへ。
過去作云々は無視して構わない!
ド派手な超人達が暴れ回るのを楽しもう!!
シリーズファンは安心して劇場へ。
DCEUの最高傑作だから!!
あけましておめでとうございます。
こんな辺境の映画ブログにお越しくださって本当にありがとうございます。
相変わらずどの層に届いているのかはさっぱりですが
今年は更新ペース上げていきます。
気が乗れば!!
新年一発目からかなり長めなのでご容赦を。
いつも通り暇なら売るほどある人だけ読んでくれ!!
近年増加するアメコミオタク(俺含む)達。
最近の映画作品を説明する際、例えば『アベンジャーズ』ならまず「アイアンマン」について。「キャプテン・アメリカ」について。それぞれ単体作がつくられて丁寧な下積みがあって…だからこそ集合したとき燃える。さらにはその続編も〜 などとついつい長ったらしく語ってしまうダメな癖がある。
元々かなりの歴史がある「アメコミ」という文化。
わかってほしさにハードルを上げてしまっては身も蓋もないことは理解しているものの好きは止められない。
まぁ押し付けはよくないと思いつつもやはり順序立てて説明したくなる気持ちはある。
とはいえここは俺のブログでもあるので好きに語らせてもらうが!!
さて。DCEUも大詰め。今回で5作目となる。
アメコミに詳しくない方からすれば『アベンジャーズ』のパクりとも言われてしまう本シリーズ。
原作では全てにおいてこちらの方が先発だが
まぁどう考えてもライバル会社の成功に業を煮やしたようにしか思えないな!
とりあえずざっと今までのおさらい。
1作目。
『マン・オブ・スティール』
世界一有名なヒーロー「スーパーマン」誕生譚。
自分探しから始まりダイナミックなドラゴンボールに終始する傑作。
その仰々しさに一定のファンはいるものの
「ヒーローにしては人命軽視しすぎ」
「作風重すぎ」という批難も多かった哀しきスタート作。
2作目。
↑の数日後。
やりすぎたスーパーマンを始末するために史上最も躊躇しない「バットマン」がシリーズ初登場。
無茶苦茶なバトルや相変わらずなドラゴンボール感など見所は多いが
「今後のシリーズ展開に必死すぎて本筋が疎かになりすぎ」との批難を再び浴びまくる。
しかし終盤にて全てをかっさらう「ワンダーウーマン」のゲスト登場のおかげもありなんとか体面は保った。
3作目。
視点をガラリと変えて今度は悪役サイドに。
バットマンに捕らえられた最凶死刑囚どもがチームを組み6000歳の魔女と闘うお話。
お洒落で再現度満点な「ジョーカー」や「ハーレイクイン」などで全世界の女子のハートを鷲掴みにした。
興行収入的にも大ヒットを記録。しかし相変わらず原作ファンからは大不評。
『デッドプール』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という強豪すぎるライバルの影響もあり
「悪に徹しきれてない」
「音楽の使い方がド下手」
などメタクソに叩かれた。
さらにセル版DVD&Blu-ray限定で未公開カットを含めた完全版をリリース。
「守銭奴」と大炎上したのも記憶に新しい。
4作目。
『ワンダーウーマン』
ヒーローとして自立することになったWW1時代のダイアナを描く。
整合性を気にする必要ないそのストーリーと「強い女性」という時代にマッチングしたそのテーマからシリーズ最大級のメガヒットをとばす。
むしろ開き直りとも言える無我の境地を全世界に叩きつけた。
そしていよいよ本作。
そんな濃いメンツが大集合する。
まぁ作品数を見る限り明らかに突貫工事感が否めないが、『アベンジャーズ』勢に比べて(本国では)知名度は高い連中。
それにちんたらやってられないのも本音だろう。
やたらと観客の声を次回作以降に反映するその様はサービス良いのか自信がないのかわからない。
しかしむしろその行き当たりばったりな闇鍋的雰囲気こそがDCの神話然とした世界観に合っている気もする。
まぁ考えすぎか!!
ともあれ一度は地の底まで落ちたファンの批評を『ワンダーウーマン』で持ち直したDCEU。
この勢いに乗れ!!とばかりに公開された本作は一言で言えばどうにかしていた。
近年のバブルを打ち崩すような整合性より勢いを重視したその出来。
長ったらしく語りがちなアメコミ作品。
しかし本作を説明する際は一言で事足りる。
「オタク、ヤンキー、一匹狼、学級委員長、番長、生徒会長がいろいろ乗り越えて仲良しになって地球を救う!!」
これだけだ!!
要因としては製作中に監督の身内に不幸があり、奇しくもライバル社でもある『アベンジャーズ』監督のジョス・ウェドンが追加撮影したこともあるだろうが
きっと本質はそうではない。
再三ネットで叩かれすぎてもう開き直ったんだろう!!
正直な話、俺はDCEUには期待していなかったのだが
そんな全編に溢れる「どうすりゃいいのさ」精神にしてやられた。
もはやこれは2017年公開のアメコミ映画でもトップクラスの傑作だ。
誰がなんと言おうと!!!
そんなヤケクソ感満載のあらすじ。
「ブルース・ウェイン」は闘っていた。
最凶最悪な治安の地元「ゴッサムシティ」を今日も「バットマン」として自発的警護しているものの、そこに蔓延っていたのは明らかに人間ではなかった。
ぶっちゃけモスマンだった。
「とうとう都市伝説すら相手どることになったのか!」と観客は驚くがバットマンは動じない。
無表情で都市伝説相手に殴る蹴るの暴行を加え、なんなく捕縛するのであった。
調べるうちに「どうやらこいつはモスマンじゃねぇ、宇宙人だ」と気がついたバットマンは早速相談相手でもある、とある女性を訪ねることにする。
「ダイアナ」も闘っていた。
セミッシラという女だらけのスパルタ島出身の彼女はほぼ不老不死。
世界大戦で人類の愚かさに一度は失望するも
希望の光を追いかけるのをやめずに今日も弱き民を救うのであった。
今朝の相手はとある建物にダークナイトスタイルで押し入る複数の男共。
銀行強盗かと思いきやどうにも狙いは爆弾テロらしい。
早速騒いでる人質を数人見せしめに殺そうとする…
そこにお馴染みのテーマソングとともに正面から扉をブチ破ってくる女傑。
彼女こそがバットマンも頼りにするヒーロー。
「ワンダーウーマン」であった。
マシンガンの一斉掃射を弾き返し
「単純な速さと力」という相手からしたら悪夢そのものなワンダーな暴れっぷりでなんなく制圧する。
そんな思い切ったヒーロー活動もそこそこに
実家から既読無視できないエアメールが届く。
どうやら実家の物置に隠してあった世界を揺るがす箱がロキみたいなやつに奪われた、とのこと。
モスマンの相談に来ていたバットマンと共に「なんとかしなきゃ精神」に火がつく女神。
とりあえずいつぞやの衝撃映像片手に「仲間集めしよう!」と地球の未来を賭けたデートを強行するのであった。
「アーサー・カリー」は呑んでいた。
この漢。
出で立ちはパンクロッカーさながらだが
ウォッカを瓶で流し込みながら真冬の海に飛び込み人助けする様はどう考えても人間ではない。
それもそのはず。
アーサーは海底深くに存在するアトランティス帝国の1人息子であった。
それに目をつけたブルースが勧誘に来るのだが
「金」という全人類共通の欲しいものNo.1にも釣られることはなかった。
金を一笑に付すやつは信頼できる。人外でも!!
むしろクジラでも釣りに行ってくるとばかりに海中にバタフライで消えていくのであった。
ついでにその足で久々に帰郷してみるとそこは劇的ビフォーアフターな荒れっぷりだった。
気の置けない使用人に話を聞いてみるとこちらも全宇宙垂涎ものの箱がパクられた、とのこと。
そのまま母親の話を引き合いに出されたアーサーは居ても立っても居られなくなる。
どうやら蝙蝠おじさんが言っていたことと関係があるらしい。
とりあえず居候ついでに「アクアマン」としてチーム加入を決意するのであった。
「バリー・アレン」は走っていた。
今日もオタクの夢、秘密基地でスナックをつまみながらK-POPでも観よう!!と意気込んでいた。
しかし基地に入るとそこにはブルースがいた。
「わざわざ暗闇の中で待ってたんかこいつ」と思わずにはいられないが、そこで問答無用の核心を突かれる。
「お前めちゃくちゃ速いらしいな」と。
仰々しく飾ってあるコスチュームからしてバレて当然なのだが
「これが証拠だ!」と蝙蝠型の手裏剣を投げつけられて観念するバリー。
それどころか能力さながらな速さで「フラッシュ」として仲間入りを即決するのであった。
いいコミュ障っぷり。
「ビクター・ストーン」は悩んでいた。
元アメフト部エースだったものの事故に遭い瀕死の状態に陥っていた。
さらに運の悪いことに親父はマッドサイエンティスト。
…というか『ターミネーター2』のダイソンだった。
「整った設備がある!検体もある!」と一も二もなく全身を魔改造されてしまう。
具体的にはiPhoneが粗大ゴミに見えてしまうくらいのわがままハイスペックボディになってしまった。
この身体じゃ部活はもとより日常生活もままならない。
それに親父はダイソンだし!!
夜になる度に街中を徘徊する日々だった。
そんな折に現れた1人の女性。
並々ならぬオーラを感じとったのかざっくり開いた胸元に気を取られたのか話を聞いてみると
「今、地球がヤバい」らしい。
「どうせ俺なんか理解されない」と厨二病さながらだが
本人からしたらたまったものではない。
なによりこれは妄想で済まされるレベルではない。
しかしダイアナはダイアナで機械担当が欲しいところ。
そんな熱意に押されたのか男の性には勝てないのか
「こんな自分を必要としてくれるのは彼女だけ」「それににこいつも人間やめてるらしいじゃないの!!」
と渋々ながら「サイボーグ」として協力を決意するのであった。
こうしてひとまず集まってみた5人。
しかし突発的に始まった飲み会さながらに話がまとまる気がしない。
ひとつずつ整理していくと
とりあえず敵は宇宙から来たヤバいやつ。
狙いは地球に3つあるキューブみたいな箱。
過去にも侵略にお邪魔してきたようだがその際は諸先輩方がなんとか撃退してくれたらしい。
偉大な先人達による第一次宇宙大戦。
しかし再び侵略にきた。
ダイアナとアーサーの実家から箱を盗んだのもこいつらだ。
最後の一個はどうやらビクターの違法手術の源らしくなんとかそれだけは手元にある。
しかしこれを死守しようにも困ったことにヒーローの数が明らかに足りない。
どうしたものか…
ここで史上最も悩まないブルースがひとつのヤバい提案をする。
「そのキューブでスーパーマン生き返らせるか」
この人道を思いっきりスルーした作戦。
当然賛否…というか基本的に「否」の意見で荒れに荒れる。
筆頭は高潔な女傑、ダイアナ。
「やってることヒーローじゃないわよ!それ!!」
しかしブルースは動じない。
「100年も元カレ引きずってるメンヘラは黙ってろ」
口喧嘩の禁忌である過去の恋愛を引き合いに出されたダイアナは手加減なしのボディブローを叩き込むのであった。
いや、そりゃそうだ!!
それを見てオタついているバリー。
人間を見下している節があるアーサー。
我関せずなビクター。
チーム結成直後にバラバラなアウトサイダー達であった。
一方。敵のステッペンウルフは悩んでいた。
DCのサノスこと「ダークサイド」にパシられて地球にきたもののちょこまかと人間共が邪魔をしてくる。
恐怖を餌とするモスマンも「恐怖そのもの 」であるバットマンには意味がない。
ダイアナの実家では『ローグ・ワン』ばりの死のバトンリレーを見せつけられた。
スーパーマンがいない今だからこそチャンスなのに手下は意思疎通ができない虫人間のみ。
なにより完全に影が薄かった。
完全に中間管理職の悲哀が滲み出ているステッペンさんであった。
しかし「このままではいかん!なにより手ぶらで帰れば社長に殺される!!」と
ひとまずヒーロー達を皆殺しにするべく女子が見たら卒倒レベルのモスマンの大群を召喚するのであった。
おぞましい風景。
そしてそんな異変に気がついたヒーロー達。
ブルースは「もう話し合ってる場合じゃない!」とスーパーマン復活大作戦を強行!!
手探り状態ながらなんとか鋼鉄の漢を蘇らせるが…
…どうにも様子がおかしい。
というか明らかにヤバかった。
最強の漢の寝起きは最凶だった。
ひとまず抑えつけよう!と奮起するメンバー(バットマン抜き)達。
チームの初仕事が「スーパーマン捕獲」というチュートリアルにしては最高難度なミッションに手こずりに手こずる面々。
相手は比喩抜きで光速で動くハルクと化している最凶の怪物。
とりあえずその場の行き当たりばったりで宥めようとするも
アクアマンは片手で軽くいなされ
ダイアナは頭突き勝負の後に沈められ
初見のフラッシュすら完璧に見切られる始末。
一発もらえば完全即死な攻撃を繰り出してくる文字通りな超人(スーパーマン)に手も足も出ない面々であった。
しかしそのどうしようもなくなってきたギリギリのタイミングでバットマンが駆けつけてくる。
作戦立案者の癖に仮病をかましていたかと思っていたが、どうにも「最終兵器」を携えてきたらしい。
それは生前、スーパーマンの恋人であった「ロイス・レーン」であった。
その懐かしの顔を一瞥するなり大人しくなるスーパーマン、もとい「クラーク・ケント」であった。
穏やかケント。
何はともあれひと段落できたメンバー。
大仕事が終わったテンションのまま打ち上げを開催し各々の悩みを打ち明ける。
そのセラピーにて「なんだ、悩んでるのは自分だけじゃなかったんだ…」と急激に仲良くなった面々。
それぞれすっかり気持ちは晴れた。
想定外ではあるもののなかなか悪くない「チーム」として一致団結!!!
部活名「ジャスティス・リーグ」が世界を救う!!!
とにかく観ていて思うのはしがらみから解放されたということ。
今までのDCEUはとにかく後続の作品のために様々な伏線を張ってきた。
まぁそれもいいのだが単独作としては無意味なものも多かった。
さらにはダークでシリアスなトーン。
どちらも上記した通り独自の「闇鍋感」が漂ってきて嫌いではなかった。
それでもやはり「スーパーマン」が出てくる以上、どこか底抜けに明るい雰囲気を期待してしまうのもまた事実。
しかし今回は物の見事に痒いところに手を届かせてくれた。
クライマックスの超決戦はスーパーマンも参戦してくれるのだが今までの湿っぽさを全て吹き飛ばす大暴れっぷり!!!
ワンダーウーマンとアクアマンが2人がかりでも足止めがやっとのステッペンウルフを
「おいおい、大丈夫か?」と余裕たっぷりに笑いながら一方的にボコボコにする強さを魅せつけてくれる。
さらに近場の住民をマンションごと避難させるなどもうその器は桁違いにデカい。
安心感は孫悟空さながらだ!!!
「あいつさえ来てくくれば…」感、ストップ高!!
殺意で澄んだ瞳。
『ダークナイトトリロジー』など過去の作品では割とメンタル弱めだったが
本作ではマジで悩まない。
むしろ「相手は人間じゃないからセーフ」理論で羽虫共を重火器で粉々に吹き飛ばしていく。
20年もやってればそりゃあうじうじしている暇なぞない。
作中にて執事のアルフレッドに「ペンギンの方がよっぽど楽だった」と言われるが殺しを解禁した今回の方がよっぽど楽そうだ!!
ちなみに「ペンギン」とはゴッサムでも群を抜く犯罪帝王さんです。
作風が明るいのはフラッシュのおかげもあるだろう。
今までのアメコミ映画では考えられなかったチーム入りの即決っぷりから始まり地球の未来よりスナック菓子に目がないその若者感。
オタクな若者といえばMARVELに「スパイダーマン」がいるが、ナード感ではこちらに軍配だ。
どちらも驚異の新卒。どちらもオタク。どちらもお喋り。仲良くなれそう。
初仕事の際に「実は敵と闘ったことがない」とカミングアウトするなど押せ押せな面々とは一味違った顔も見せるのも素晴らしい。
それに対して「とりあえず行ってこい」「行けばわかる」と鬼のようなことを言うバットマンも素敵だが!!
愉快なベテラン選手と新卒タッグ。
その明るさに感化されるのがサイボーグだ。
フラッシュとは「ティーンエイジャー」という共通点もあり共にスーパーマンの墓荒らしに励んだりと割と最初から仲は良い。
そして白人に喋りで圧倒される黒人という斬新さ。
先陣を切ることはないが、そのクールさと存在感はピカイチだ。
なにより正真正銘の人外2人。
ワンダーウーマンとアクアマン。
それぞれ人間と折り合いをつけるのに苦戦するも
良い笑顔だ!!抱かれたい!!
アクアマン抵抗不可能な「自白自縛」によって可愛い本音を喋ってしまい急激にチームと打ち解ける。
開き直りの我が物顔。
この仲直りの速さ。
例えばライバル社でもあるMARVEL発の傑作映画では
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
『アベンジャーズ』シリーズ13作目。
『キャプテン・アメリカ』三部作の完結篇でもある。
今までギリギリ仲良くやってきたヒーロー達。
しかしさすがに我慢の限界がきたのか、チームが分断してしまう悲劇が起きた。
アイアンマンを筆頭とする文化系チーム。
キャップを筆頭とする体育会系チーム。
どちらも名実共に世界トップクラスであることは間違いない。
しかし仲良くなってもやはり方向性には多少のズレがあったりもする。
高校でいえば全国レベルのパリピな文化サークルとインハイ常連のリア充運動部が口論の末にド派手に大喧嘩してしまうようなもの。
当然その歪みは後々尾を引いてしまう。
それに引き換え本作。
メンバーの誰もがその限りではない。
というかリア充は1人もいない。
キャラが濃いのはMARVELと共通しているが、ヒエラルキーでいえばアウトなやつらばっかだ。
突き飛ばしが得意な足が速いオタク。
サーフィンと酒が好きなヤンキー。
一匹狼な元運動部のエース。
バイト(ヒーロー活動)をこなす学級委員長。
地元を守るには手段を選ばない金持ち番長。
そして再選された地球の生徒会長。
言ってしまえばどいつもこいつもが帰宅部だ。
しかしだからこそお互いに通ずるものがある。
思えば俺が中三の頃。
世代的にニコニコ動画開設がドンピシャなのだが、物の見事に学年全員がどハマりしたことがある。
全国レベルのラグビー部のレギュラーがアニメのためにごっそりと退部して顧問の先生が酒に溺れる事件も起きた。
しかしその共通点によりオタクとヤンキーとスポーツマンがアニメについて熱く語らっているのを何度も見てきた。
金髪オールバック、筋金入りのヤンキーなS君が左腕にデュエルディスクを装備しながら登校したきた衝撃は忘れられない。
アニメ方面はさっぱりだった俺だが、そんな各方面の友人がファミレスで集結したときは嬉しかった。
そんな昂りが本作にはある。
我ながらわかりにくいが!!!
まぁMARVELが小洒落たBARで打ち上げするならこっちは夜通しファミレスで語り合うよ!!な映画ということだ。
確かに近年のアメコミの盛り上がりは半端ではない。蘊蓄を語りたくなってしまうのも人間の性だ。
しかしそんな小賢しいことを勢いでぶち壊す爽快さ。
前述した「闇鍋感」と相まっていろんな意味である種の理想的ヒーロー映画として完璧に出来上がっている。
終盤にてバットマンが「想定外だ…」と漏らしたことに対してアルフレッドが優しく「それがチームですよ」と諭したことに全てが集約される。
とにかく一から十までぐちぐち重箱の隅を突くような真似がバカバカしくなるアッパームービーと化した本作。
このハイテンションさ!!好きだ!!
むしろアメコミに詳しくない人にこそ見てほしい!
まぁここまで気に入ったのは俺が帰宅部だったことも大いに関係あるだろうが!!
ちなみにエンドロール後。
アメコミ映画のご多分に漏れずオマケ映像が2つある。
1つはスーパーマンとフラッシュの徒競走対決。
なかなかに和めるワンシーンなのだが
もう1つが衝撃的だ。
あっ!デスストロークだ!!
凄腕の殺し屋にしてバットマンの宿敵。
本名はスレイド・ウィルソン。
外見と本名でお気づきかと思うがデッドプールの元ネタさんだ!!
「俺ちゃんは"ウェイド"・ウィルソンな!」
経歴までほぼ一緒。まぁパクりだな!
同一人物説まで飛び出るほどに!!
ライバル社のデップーの方が知名度高いのは皮肉だが!!
そして…
あっ!レックス・ルーサーだ!!
『BvS』にて暗躍していた天才青年実業家。
スーパーマンの宿敵でもある。
原作リスペクトのヘアースタイルはさすが。
この二大巨悪な2人が手を組むことを示唆して物語は終わる。
『Justice League 2』が楽しみだなぁ!!
余談。
本作を観賞したのは12/15。
ご存知超大作映画『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の公開日でもあり「ディズニーが21世紀FOXを買収した」歴史的記念日でもある。
そんな折にどちらのライバルとも言える『ジャスティス・リーグ』を観られたこと、そしてなによりこれらの衝撃に埋もれない出来だったことは永劫忘れないだろう。
世界的には完全に食われているとしても!!!
シリアスを装う予告↓