高速回転する方舟の片隅で。

勢いしかない駄弁り映画ブログ。

ダイヤモンドというより鈍い黒鉛。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』感想。バレあり。

f:id:berserkun:20170927093107j:image今夏一番の問題作。

絶望の実写化。

しかし意外にも「ベネ」な出来。

総括、ファンは見ても見なくても良し。

ファンじゃないならどっちでも良し。

感想はほぼ銀魂と同じだ!!

 

ジョジョの奇妙な冒険

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今さらになって説明するまでもない

超傑作ジャンプ漫画

「マイナー界一のメジャー」と言われていたのも今は昔。

アニメ化も無事に為され、若年層の知名度はかなりのもの。

個人的な付き合いは10年ほど前まで遡る。

当時世界で一番低知能と言われる中学生だった俺は

それはもうジャンプ漫画にどハマりしていた。

現行も過去も関係なしに単行本を買い漁る日々。

メジャーどころには悉く手を出す見境のなさだったのだが

そこで出会ったのがジョジョの奇妙な冒険だった。

ファンの間でも共通する「入り口となる絵柄が特徴的すぎて受け入れられない」という最初にして最後のハードルを超えた後は

その世界観にどっぷりと浸かることになるのであった。

当時ジャンプにて連載されていた臓もて王サーガ』というパロディまみれの作品が大好きだったことも手伝って見事にジョジョ好きは加速した。f:id:berserkun:20170927052515j:imageもはや伝説の人気投票回。

とにかく俺のオールタイムベスト5に入りかねないほどに大好きな作品。

それがョジョの奇妙な冒険』だ。

しかし今でこそ市民権を得たもののニッチな作品であることは変わりない。

ファンの中にも原作至上主義派は非常に多い。

アニメ化が発表された当初もネットが荒れに荒れたのは記憶に新しい。

いざ世に出てみれば納得をせざるを得ないほどに原作愛に溢れた傑作だったわけだがf:id:berserkun:20170927050647j:image高すぎたハードルを超えてきた好例。

しかし実写化となれば話は別。

2次元→2次元はなんとかなるだろうが

2次元→3次元は文字通り次元が違う。

近年実写化ラッシュだったために戦々恐々とする日々。

なにより邦画とファンタジーは非常に食い合わせが悪い。

加えてこだわり強めなファンに受け入れられるものか。

そんな中、実写化のニュース。

内臓を捻り潰されたような衝撃であった。

ジョジョの中では唯一日本が舞台な第4部。

それはまぁいいのだが、主演が山崎賢人f:id:berserkun:20170927093141j:imageよく見る宣材。

賛否を通り越して「むしろこれで納得するファンがいるのか」という気持ちになった。

山崎賢人自体は好きでも嫌いでもないのだが

こうも漫画原作が続くと「ヘイト集めすぎて大爆発しないか?」という変な心配まで出てくる。f:id:berserkun:20170927093210j:image全部、山崎賢人

マネージャーが優秀なのか馬鹿なのかはわからないが、決まってしまったものは致し方ない。

なにより俺は二次創作も割と愉しんできた。

やりたいこと全部詰めな外伝小説JORGE JOESTARも楽しんだくらいだ。f:id:berserkun:20170927050736j:image(悪)夢のスーパージョジョ大戦。

真面目なファンは読まない方が賢明だ!!

 

まぁ今回も別物と割り切ろう。

それになによりブログのネタにもなる。

…ということでスパイダーマン ホームカミング』の2回目をわざわざ蹴ってレイトショーに駆け込んだ。

劇場一大きいスクリーンで観客は俺以外に3人。

それも皆、若い女性。

というなかなか愉快な状況の中で

近年稀に見る集中力でガッツリ観賞した。

…まぁ意外と言ったらあれかもしれんがかなりの良作だった。

低すぎるハードルのおかげか、観賞状態の良さが加点要素だったのかはわからんが

とにかく一見の価値はあった。

ちなみに今回も銀魂同様に原作ファン向けな記事だ。

忠実+α=大成功。『銀魂(実写)』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。

というかファン以外は観に行くのか?

まぁ山崎賢人ファンと山田孝之ファンは行ってもいいかもしれんな!

 

さて。

ストーリーとしては『第一章』ということもあり

第4部の導入から始まり

キャラ、背景解説→vsアンジェロ→vs虹村兄弟

の流れといえばファンには伝わるだろう。

正直サブタイトルが「前編」ではないだけに

おそらく三部構成ということを考えると

これしかないな、という纏め方だ。

というかストーリーラインはほぼ完璧といっていいだろう。

原作のエピソードを上手く取捨選択し、重要な場面を拾い繋げている。

若干途中で三池監督の癖でもある間延びした箇所もなくはないがドラマ的な盛り上がりを考えると許容範囲。

細かい変更点などはあるものの

原作ファンでも不満はほぼ出ないと言って差し支えない。

それよりも問題はキャスティングだ。

銀魂のときにも書いたが実写化の最大のハードルでもある。

逆に言えばここさえ超えてしまえばなんとかなる、とも言えるが!

結論から言えばキービジュアルを見たときの違和感は観賞後の今も拭えてはいない。

それでも頑張ってはいるな!!というのはひしひしと伝わってくる。

とりあえず例のごとく1人ずつ見ていこうかと思う。

f:id:berserkun:20170925071651j:image東方仗助第4部のジョジョにして主人公。

演じるはすっかり実写化俳優な山崎賢人

別ベクトルではあるものの顔が綺麗なのは素晴らしい。

それでもやはり目につくガタイの違和感。

ここは素直に設定通りに今流行りのハーフタレントを使えば…と思わずにはいられない。

それでも喋り方や表情のつくり方から努力は見られたような。

影の薄いジョジョも新鮮といえば新鮮。

f:id:berserkun:20170925071710j:image広瀬康一同じく主人公にして語り手。

演じるは神木隆之介

雰囲気を考えると彼しかいない。数年前なら。

多少の学ランのキツさはあるもののまぁまぁな及第点。

ただ演技力は流石の一言。伊達じゃない。

f:id:berserkun:20170925071727j:image虹村億泰当初は敵だが後に仲間に。

演じるは新田真剣佑

もはや本名からしジョジョっぽい。

正直今回まで存じ上げなかった俳優さんではあるが

どちらかといえば仗助っぽさがある。

それでもそのイケメンフェイスを気にせずに億泰を熱演。

ちなみに真剣佑君はあのサニー千葉のご子息らしい。

羨ましいなぁ!!

f:id:berserkun:20170925071736j:image山岸由花子演じるは小松菜奈

うっすら見覚えがある女優さん。

今回はあまり出番はないものの

そのヤバそうな女感は100点。

サイコなメンヘラオーラがエグい。

実写化とはこういうこと、という見事なお手本。

出番が増えるであろう次回作に期待。

f:id:berserkun:20170925071747j:image虹村形兆演じるは岡田将生

銀魂』に引き続きの実写化出演。

顔の綺麗さでは出演陣の中でもトップクラス。

少々綺麗すぎるがそれが、バッドカンパニーの司令塔っぽくもある。

個人的には可も不可もなく。

ちなみに岡田君はジョジョファンらしい。

あの名台詞も聞けます。

f:id:berserkun:20170925071804j:image空条承太郎演じるは伊勢谷友介

ご存知3部ジョジョにして仗助の甥。

オーラと頼もしさは流石だが少々線が細い。

f:id:berserkun:20170925071812j:imageアンジェロ。演じるは山田孝之

もはや今回の主役。

オープニングはここから幕を開ける。

連続殺人犯にして水と一体化するスタンド「アクア・ネックレス」の使い手。

そしてなによりゲスい小者。

よく考えるとビジュアルが似てるわけではないのに普通にものにしてるのが凄い。

どこから見てもただのアンジェロ。

安定感といいこれぞ実写化。文句なし。

ちなみに形兆とよく絡むのだが配役も相まって銀魂』を連想する。f:id:berserkun:20170927093304j:imageこれと同キャストな奇跡。 

f:id:berserkun:20170927050207j:imagef:id:berserkun:20170927050209j:image東方朋子&良平。それぞれ仗助の母と祖父。 

演じるはそれぞれ観月ありさ國村隼

演技力の高さと安定感◎

しっくりくるとしか言えない。

これぞ名サポート役。

ちなみに観月ありさ"4代目"の実写"サザエさん"。f:id:berserkun:20170927050229j:image狙ってるのか!!まさか!

そこも含めて完璧だ!!!f:id:berserkun:20170927050310j:image

…とまぁ合っていたりいなかったり高低差激しい面々ではある。

だが長年のファンであればあるほどに自らのイメージとズレが出てくるのは目をつぶるしかない。

例えば俺の中で承太郎は阿部寛or長瀬智也だった。f:id:berserkun:20170927052348j:image阿部寛

ガタイ、頼もしさ、声の渋さ。

そして日本人離れした顔つき。完璧だ!!

f:id:berserkun:20170927045226j:image長瀬と松岡。

どことなく承太郎とポルナレフっぽい。

しかしイケメンだなぁ!!!

というかTOKIOf:id:berserkun:20170927045249j:imagef:id:berserkun:20170927045256p:imageスターダストクルセイダーズ感ある。

あんまり賛同してもらえないが!!

他にも億泰。

f:id:berserkun:20170927052430j:image個人的には桐谷健太一択だった。

そして吉良吉影

f:id:berserkun:20170927045814j:image本作にはまだ登場しないが

こいつこそ伊勢谷友介だろう。

影のある潔癖な精錬さ。

さらにいえば俺の長年のイメージはこれだ。

f:id:berserkun:20170927045823j:image吉良吉影北村一輝

川尻浩作が伊勢谷友介

完璧だな!

というか北村一輝は万能な気もする。

f:id:berserkun:20170927050139j:image承太郎も同時にこなせるし!!

 

…しかしそれでも「現在ジョジョを邦画として実写化するならこうするしかない」最大級の出来であることだけは言える。

 

例えばロケ地。

原作からして日本が舞台ながらどこか異国情緒がある世界観。

「それなら海外ロケだ!」と本作はスペインにて撮影敢行。f:id:berserkun:20170927094948j:imageそれによりキャストは全て日本人ながら、どこか不思議な空気感を醸し出すことに成功している。

そのまま実写化する、というよりは雰囲気を大事にする方に舵を切ったのは英断といえよう。

事実、どこを切ってもジョジョ感が満載の絶景だった。 

正直これだけでも元はとれたようなものだ。

 

そしてなにより重要なファクターである

「スタンド」の表現。

いわゆる具現化された超能力なのだが

良くも悪くも漫画的表現であるこれをどう落とし込むのかと思った。

CGか特殊メイクか、最悪画面に映さずに演技力合戦か…とある程度の覚悟はしていたが

f:id:berserkun:20170927095007j:image

「完璧!!」としか言えない出来。

邦画史上No.1と堂々と言えるだろう。

というか海外に出しても全く見劣りしないクオリティだ。

ここだけは全原作ファンが納得するであろう出来。

これによりスタンドバトルがどれも全て見所となる奇跡。

よくぞやってくれた!!

特に「アクア・ネックレス」の質感は見事。f:id:berserkun:20170927095105j:imageというか日本にこんな技術あったのか!すげぇ!!

多数の公式動画が上げられてるので一見の価値ありだ。

 

トータルで言うと

脚本○ スタンドやロケ地◎ キャストは所々◯

という普通に楽しめる佳作だ。 

それでも前評判の悪さ、「もう実写は…」というファンの声に圧されて大コケ。

さらに間の悪いことに今夏は洋画の大作ラッシュ。

 騎士王vs海賊王。夏休み頂上決戦!! - 高速回転する方舟の片隅で。

「これ観るなら他の観るわ」という意見には一切反論はできない現状だ。

それでもサービスデーに肩の力抜いて観る分には十分元は取れる…とは思う。

俺は割引駆使してほぼタダで観たが!!

それでも続編製作のためには是非一人でも多くの方に見てほしいところではある。

個人的には続編登場必至な吉良吉影役の俳優が気になるし!!

まぁジョジョ好きの友人同士なら酒のツマミ程度にはなる本作。

無碍にバカにできない傑作だ。

ただハードルは下げていこう!!

まだ劇場でやってるかは知らんが!

 

怪しげな予告編↓

映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』予告1【HD】2017年8月4日(金)公開 - YouTube

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