高速回転する方舟の片隅で。

勢いしかない駄弁り映画ブログ。

邦画の意地。最先端一直線。『亜人』ネタバレあり感想。

f:id:berserkun:20170909232015j:image不死身vs不死身の極限バトル。

漫画原作は今年何度目なのか。

それでも素晴らしい出来。

脚本の荒さはスタイリッシュさと「リセット」でうやむやにしろ!!

MVさながらなハイテンションジェットコースタームービー!!

 

さて。

「ありがたいことに試写会当たった → 観に行った」という今年何度目かの幸運が巡ってきた。

もはや慣れたものだったが、今回向かったのは初の東京国際フォーラム

その雰囲気は普段の試写会と全く違った。

会場のキャパの大きさもそうだが、観客はほぼ女性。男との割合は1:99以上。

どうやら本編上映の前にはキャスト登壇の他に、主題歌を担当したバンドの生演奏もあるという話だった。f:id:berserkun:20170911160452j:imagef:id:berserkun:20170911162244j:imageキャストとバンド。全員いました。

この完全アウェイな状況。そして「芸能人は別世界にいるからこそ面白い」という持論。

しかしここでシケたツラはしていられない

「アウェイだろうが楽しめるものは楽しめ」と頭の中のデッカード・ショウに囁かれた俺はとにかくハシャギ倒した。f:id:berserkun:20171213203934j:image『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。

世界を股にかける極悪ファミリーをたった1人でシバきあげる漢の中の漢。

とにかく上映開始前までにここまで盛り上がったのは初体験。

「なかなかいい経験だったなぁ…」とかボンヤリ考える中、いよいよ本編が始まった。

今度は煽り抜きで俺が盛り上がる番だった。

とにかくアクションに次ぐアクションの連続。

さらにクオリティも佐藤健×るろ剣チーム」なだけあってそこそこ期待はしていたのだが

全く裏切られることはなかった。

というか邦画の新たな可能性を見たくらいだった。

ちなみに俺は原作未見なので設定のズレなどは全くわからん!!

それでも「いいものを見たなぁ!!」と景気の良い気分にはなれた。

ある意味では映画から入ったのが功を奏したのかもわからんが

そんな加速しっぱなしのあらすじ。

f:id:berserkun:20170911155548j:image主人公。我らが佐藤健

交通事故に巻き込まれた際に亜人であることが判明。

それにより現在、政府機関にて囚われていた。

ここで一つの不安でもあった「かったるい日常パート」はすっ飛ばされていることも判明。

テンポの良さに心を躍らせつつも話を聞いてみると「亜人」とは人類の希少種。

「何度死んでも生き返り、決して死なない」というチートにも程がある体質を持っているため人間からは畏怖の対象となっているようだった。

さらに政府機関はその特異性から人道無視の人体実験を行っている様子だった。

「まぁそらそうだろ…」としか言えない状況にワイスピのような電撃訪問者が現れる。f:id:berserkun:20170911155516p:image綾野剛。同じく「亜人

不敵な笑みを浮かべつつも正面突破で研究所に遊びにくる。

どうやら亜人集団のリーダーでもあるらしく仲間集めをしている、とのこと。

当然なんとか対処しようとするものの相手は「亜人」という無茶苦茶な存在。

言ってみればHPゲージが無限にある相手とのエンカウントゲームなら確実に負けイベだが

それだけではなくヤル気も戦闘力も桁違いな綾野剛が相手ということもあり、僅か数分でほぼ全滅してしまう政府関係者達であった。

そして「我らが亜人サークルに加入しないか」との誘いを受ける佐藤健

こんな酷い目に遭わせた政府を憎んでいるために一度はノリそうになってしまうものの「そこまで残忍な倍返しはちょっと…」と勧誘を蹴る。

それに腹を立てた綾野剛当然大人しく帰るわけにはいかなかった。

かくして開始早々、「亜人」vs「亜人」の異次元バトルが開幕する。

さらにそれだけでは留まらず、亜人の隠された能力が明らかにもなる。f:id:berserkun:20170911155653p:imageまさかのスタンド、発現!!

おそらく精神力が具現化したような存在だが、一般人には不可視なところもほぼほぼスタンドだ。

その力に戸惑いながらもなんとか使いこなし、命からがら逃亡に成功する佐藤健であった。f:id:berserkun:20170910125048j:image「やべぇって!!これ!!」

さて。f:id:berserkun:20170911155751j:imageこの見るからにヤバい綾野剛

ただの戦闘狂の綾野剛ではない。

その真の目的とは「虐げられた亜人と共に神経ガスを東京上空から散布し人間に復讐する」という物騒極まりないものだった。

手始めにそのガスを所持している会社に飛行機を突っ込ませる。

この地下鉄サリンと9.11の暗黒即死コンボ。

都民を震え上がらせるには十分だった。

まぁヒカキンはネタにして再生回数稼いでいたが!f:id:berserkun:20170910125108j:imageついに銀幕デビュー。

 

一方、佐藤健

こちらの人生プランは「病弱な妹と共に穏やかに暮らしたい」という至極真っ当なもの。

その病気の妹を治すために医者を目指し、現在は研修医というところまできた。

しかしそんな平穏が「亜人」によって壊されてしまった。

やりようのない哀しみと怒り。

ここで頭の中のなにかがキレた。

「やられっぱなしは気に食わん」とばかりに片田舎にて修行を開始する。f:id:berserkun:20170911162422j:image少年漫画の鉄則。

もうこれ以上、綾野剛率いる亜人サークルの極悪非道な企みを知らんぷりは出来ない。

なにより妹にも魔の手が忍び寄っている始末。

もう綾野剛を殺す他なかった。

承太郎を彷彿とさせる「お前は俺を怒らせた」モードに入った佐藤健は勢いそのままに、敵でもあったはずの政府関係者の元にアポなし突撃する。f:id:berserkun:20170911155833j:image亜人対策チームの長。玉山鉄二

挨拶もそこそこに

「協力してやるから成功した暁には俺と妹を自由にしろ」

承知しなかったり約束を反故にすればお前の家族を皆殺しにする

という主人公とは思えない悪夢の一通協定を強引に結ぶ。

そんな脅しに頷くしかない玉山鉄二であった。

かくして「敵の敵は敵」理論でアンチ綾野剛サークルを結成した佐藤健とSAT。

果たして佐藤健はミッションを完遂し

妹との平穏な日常を取り戻せるのか?

後退のネジをハズした研修医が、今!!f:id:berserkun:20170911155850j:image殺る気満載の不死身な殺戮マシーンと化す!!

 

いいなぁ!!わかりやすくて!!

上記したが『亜人』に触れるのは本映画が初。

正直意識高めだと高を括っていたが、その実は良い意味でB級だった。

いや、原作は違うのかもしれんが少なくとも本作は俺の大好物だ。

ドラマは二の次三の次。

終始アクションでゴリ押す豪腕っぷり。

舞台挨拶では黄色い歓声を上げていた会場の女性客も本編が始まるやいなや黙る他なかったのも無理はない。

とにかくストーリーの都合上、一言で言えば鬼ごっこ(殺しあり)な本作。

表向きの主人公は佐藤健だが衆目の視線は全て鬼役の綾野剛に持っていかれる。f:id:berserkun:20170911162708j:imageとにかく一から十までふざけ倒したエキセントリックなハイテンションさ。

作中の笑いの80%は綾野剛発信だ。

正直この手の悪役はジョーカー以降腐るほど目にしてきたが致し方ない。f:id:berserkun:20170911162723j:imageあれ以降増えた気がする悪人自らの手による自撮り。

そもそも悪役顔と思っていただけにこの大騒ぎっぷりは嬉しい限りだ。

 

そして佐藤健も負けてばかりではない。

作中では基本逃げてばかりな普通の研修医のはずだが、時間を追うごとに何故か身体能力がメキメキアップグレードされていく。

やたら現場慣れした作戦を立ててみたり、取り扱ったことがない拳銃をぶっつけ本番で使いこなしたりf:id:berserkun:20170910125156j:imageすっかり特殊工作員

もう目を見張る成長速度だ。

作中時間では数日のはずだが、これはこれでオールオッケーだ。

 

思えば共に身体能力は折り紙つきの若手俳優。 

それを包み込むのは邦画最高アクションチームのるろ剣製作陣」という完璧さ。

そして一度「るろうに剣心」にて相見えた両者が再び決戦するこの豪華さ。f:id:berserkun:20170910125227j:image実写るろうに剣心1作目より。

本作ではそのクオリティを保ちつつ、舞台を現代に。f:id:berserkun:20170911155624j:image「よっ、久しぶり!」

さらにそこにスタンドバトルも加わってその迫力は無限大。

ラストバトルは佐藤健&スタンドvs綾野剛&スタンドという素晴らしさ。f:id:berserkun:20170911155944p:image脳が処理落ちするぞ!!

それぞれが別々に同時進行で闘いながらもそれを利用したりする整理された乱雑さ。

るろうに剣心 伝説の最期篇』のラストバトルは1vs4だったが本作では戦況に応じて変化していく贅沢さ。f:id:berserkun:20170910125319j:imageこの感動、再び。

もうどこを切っても褒め言葉しか出ない。

綾野剛vsSATチームの雑魚戦もただの徒手空拳ではなく、どこかジョン・ウィックを彷彿とさせるスタイリッシュさを見せる。f:id:berserkun:20170911160033p:imageマガジンチェンジの仕方などを見るに明らかに意識している気がしなくもない。

「不死身vs不死身の闘いだと下手したら茶番になりかねない」とは舞台挨拶時の佐藤健の言葉だが、キチンと緊迫感を保ちつつ走り抜けているのは流石だ。

ちなみにラスト。

「不死身vs不死身の決着はどうするのかなぁ…」とか思っていたが

「上から特殊部隊が強襲し、2人まとめて液体窒素にて瞬間凍結させたのちに炸裂弾で粉々にする

という勢いしかない作戦にて終結する。

一応、佐藤健発案の作戦らしいが明らかに「面倒だから2人まとめて殺そう」作戦にしか見えない。

事実、玉山鉄二も「2人共処分するのが上からの命令だ」と言っていた。

しかし「そりゃあんまりだろ…」という観客の声が届いたのか、なんと戦闘中に切り落とされた片腕から…f:id:berserkun:20170910125410j:image佐藤健、復活。全裸で!!

周りが唖然とする中、一緒に殺されたことにご立腹な眼差しを玉山鉄二にトバす。

大殺戮開始か…と思いきやそこは我らが佐藤健

ひと通りガンを飛ばした後に窓ガラスより逃亡を図る。

そのまま亜人と一体化しつつ消えゆくのであった。

全裸で!!!そして完!!!

 

この潔さ。

邦画でも稀に見るアッサリっぷりだ。

エンディングでぐだぐだやりがちな昨今の風潮を一刀両断する清々しさ。最高だ。

そういえばこの逃走劇を見て「ルパンっぽいなぁ」とか考えて気づいたのだが。

玉山鉄二綾野剛は実写版「次元」と「五ェ門」だった。f:id:berserkun:20170910125437j:imagef:id:berserkun:20170910125443j:image懐かしいなぁ!!

当時から進化したな。いろいろと!!

今回は思えば剣心vs五ェ門だったわけだ。

素晴らしい!!

 

ちなみにエンドロール。

なんと綾野剛が生きていたらしき演出が。

どこまで無能なんだ日本政府は!

続編も楽しみだ。

あればの話だが!!!

 

余談。

同時期に「TAKAHIROと武井咲が結婚!!」とのニュースが入ってきた。

どっちも好きなだけに「雨宮次男と薫殿が結婚か…めでたいな!!」などと思っていた…のだが!!

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170904-00000018-dal-ent

(以下引用)

新たな映画の出演を控えていることも判明した。12、14年に公開された映画「るろうに剣心」シリーズの新作が予定されており、武井が演じたヒロインの神谷薫は外せない重要な役だ。

 

るろ剣新作!?マジかよ?!!

 

目がチカチカする予告↓

映画『亜人』予告【2017年9月30日公開】 - YouTube

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