正しくも美しい、宇宙一のバカ映画。『銀魂(実写)』感想。バレあり。
待望??の実写化!
意外?!にも完璧な出来!!
不安なファンも今すぐ劇場へ!!
今回の記事は『銀魂』の原作、及びアニメファン向けになっています。
まぁ原作知らない人は観に行かないだろうし!
昨今は実写化ラッシュ。
驚きは少なかった。
とはいえ飽き性な俺にしては珍しくずっと読んでる漫画が原作、ジャンプフェスタにて初アニメ化した際には現地に赴いたくらいにはファンであるために多少の不安は拭えなかった。
『るろうに剣心』が大ヒットしてからというものの、特にジャンプ系がこぞって実写化しまくっている現状。
どれもが成功…とは言えないだけにもやもやした日常を送っていた。
そんな中、公開されたキャラビジュアルの数々。
実写化にありがちなコスプレ感も少なく
結構良さげで驚きつつも安堵した。
監督は『33分探偵』や『勇者ヨシヒコ』シリーズなど俺の好みな作品を手掛けている福田雄一なだけあって
「もしかするともしかするな!」と期待していたのも束の間、予告が公開された。
映画『銀魂』予告2【HD】2017年7月14日(金)公開 - YouTube
なんともいえない違和感と不安が再び襲ってきたのを覚えている。
それでもやはり大好きな原作、そしてキャスト陣なだけあってシカトを決め込むわけにはいかない。
まぁダメでもネタにできるのが「銀魂」
我慢できなくなった俺はおなじく銀魂ファンの友人を道連れに公開日初日に駆け込んだのであった。
結論、一言で言えば「よくやった!!」な出来だった。
本作は作中屈指の名長篇「紅桜篇」をそのまま実写化。
総集編とも言われかねないアニメ劇場版も過去に公開されているだけあってそこに不安はなかった。
しかもオリジナル要素はほぼなし。
それどころか恐ろしいまでに展開、台詞は原作をなぞらえているのであった。
話の流れとしては「カブト狩り」でざっとしたキャラ説明をした後に「紅桜篇」へと繋がる。
特に違和感もなく、それどころか納得の出来栄えであった。
正直、話の流れはまんま原作やアニメと変わらないのでその点は説明不要かと思われる。
とにかく実写ならではの見どころ。
キャスト陣の紹介をしようかとも思う。
ここから下はネタバレ満載なために未見のファンはブラバ推奨。
とにかくサービスデーの日にでも行けば満足間違いなしな出来だ。
今すぐ観に行こう!!!
「坂田 銀時」as.小栗旬
〈伝説のダメ侍〉
説明不要の主人公。
正直キャスト発表を聞いたファンは皆「まぁ平均点かな…」と思ったはず。
これまでも「工藤新一」「ルパン三世」「織田信長」「河童」など数々の漫画原作の主人公を演じてきただけにその安定感は抜群。
実際平均点なのだが、それも観ているうちに納得するしかないほどのハマりっぷりになってくる。
唯一のマイナスポイントは「小栗旬之助」の実写化は絶望的、ということくらい。
…まぁ、支障はないな!!
「志村 新八」as.菅田将暉
〈ツッコミメガネ掛け〉
可も不可もなく新八。
むしろそれが満点に近い。
感嘆する普遍さ。良し。
「神楽」as.橋本環奈
〈チャイナ戦闘マシーン〉
「よくぞキャスティングしてくれた!」とテンション上がった1人。
原作からして美少女設定。
そしてこの「あえて」こそが銀魂イズム。
アイドルらしさは一切捨てた文字通り「捨て身」な迫真の演技を見せてくれる。
声のトーンはまるで違うも、終盤に進むにつれてなぜか似てくる。
コツつかんだのかこっちが慣れたのかはわからんが!
「桂 小太郎」as.岡田将生
〈過激派バカ〉
まさしく長髪が似合うイケメン。
隠れ実写化製造機なだけに安定した落ち着き。
いい具合にバカ正直な桂を熱演。特に不満なし。
それどころか終盤のショートヘアはアホほど似てる。すごい。
「志村 妙」as.長澤まさみ
〈眠れる獅子〉
隠れたコメディリリーフ。
穏やかさはまんまお妙さん。
「実際いたらこんなだろうな…」と納得。
ブチギレたときの演技は本当にまんま。すごい。
「近藤 勲」as.中村勘九郎
〈ゴリラ〉
キャスト発表のとき一番「?」な人選だった。
ただうっとおしさはほぼ同じ。
それどころか身体の張りっぷりは随一。
そのうち見慣れてくる勢。
個人的には「鈴木亮平」一択だっただけにちょっと惜しい。致し方ないが。
「土方 十四郎」as.柳楽優弥
〈鬼の中間管理職〉
なぜかビジュアル見た瞬間に腑に落ちた配役。
違和感は声のトーンくらい。
あまりにアニメで固定されすぎてるが故にの。
それでも他はほぼ土方。
まぁ喫煙者目線だと「タバコ吸い慣れてないんだろうなぁ」とは思ってしまう。よく赤マルにしたな。
「沖田 総悟」as.吉沢亮
〈ドSファンタジスタ〉
ぶっちゃけ童顔なイケメンなら誰でも良かったといえばそう。
まぁ評判も上々らしいし、成功の部類。
ビジュアルも声もそっくり。良し。
「高杉 晋助」as.堂本剛
〈狂宴テロリスト〉
監督からすると納得な配役。
掴めないミステリアスさはさすがの一言。
何気に身長もピッタリ。
少し狂気が足りない気もするが、その妖艶な雰囲気は満点。
醸し出すオーラはさすがの一言。最高。
「岡田 似蔵」as.新井浩文
〈座頭の人斬り鬼〉
完璧な実写化勢、その1。
ビジュアルも雰囲気もそのまま。
特筆すべきはその喋り。
そのままアニメで使えるほどに全く同じ。
研究しまくったのが伝わってくる。
文句なしのハマリ役。120点。
「来島 また子」as.菜々緒
〈浪速の2丁マシンガン〉
完璧な実写化勢、その2。
正直、キャスト発表の際は身長高杉とは思ったものの
本編では一転、来島そのもの。
特に声のトーンは本家と瓜二つ。
「吹き替え」と言われても気づかないくらい。
似すぎてて笑えてくるレベル。完璧。
ちなみに露骨なお色気シーンあり。たまらん。
「武市 変平太」as.佐藤二朗
〈変態〉
完璧な実写化勢、その3。福田組筆頭。
発表のときからハマリ役の予感しかなかった。
そして実際そうだった。
いつもの佐藤二朗そのままといえばそうだが
逆に「武市そのまま」とも言える。
顔は似てないのに喋りと存在感はまさに実写化。
文句なしの成功例。
「村田 鉄矢」as.安田顕
〈大声鍛冶屋〉
なぜか発表時に腑に落ちた人。福田組常連。
大声で喋るのはそのまま。文句なし。
終盤では演技力の高さも手伝って下手しなくても泣けてくる。完璧。
この女優さんは初めて存じ上げたがかなり好み。
配役としても違和感なし。
髪色を茶髪にしたのは名采配。好き。
「平賀 源外」as.ムロツヨシ
〈隠れたジョーカーカード〉
本作の影の主役。福田組常連。
本来「紅桜篇」には一切出番ないのに謎の登板。
さらに年齢もまるで違うというバクチキャスティング。
しかしその実、作中一のコメディリリーフ。
本編と関係ないことを逆手にとり
やりたい放題に危ないネタをブチ込む。
そこには紛うことなき『銀魂』スピリットが。
100点満点。
トータルで観て名配置なキャストしかいない奇跡。
さらに改悪はほぼゼロ。
とにかく現時点でできる最高の『銀魂』であるとハッキリ言える。
実際「カブト狩り」のパートでは
「ちょっとヤバいな…」と思っている観客も
話が進むにつれ少しずつ笑いが増していき
最終的にはかなり暖かい空気になった。
初日に観に行ったのだが、観客はほぼ女性。
おそらく原作ファンだろうが
それがあそこまで笑うとは大成功だろう。
予告篇でひとつの不安要素でもあった殺陣だが
ガチ時代劇をやるには製作陣にはノウハウがない。
かといって派手さを組み込んだ『るろうに剣心』方式ではあちらに勝てない。
という問題点を
「集中線を入れたような特殊効果」
「剣筋をCG加工」
「さらにとにかく非現実的なまでにブッとぶ」
ことにより難なく克服。
新たに「漫画的殺陣」とも言える手法を編み出した。
チープさも相まって非常に『銀魂』らしさを感じさせるアクション。
予想外の嬉しい誤算だ!!
そして『銀魂』といえば忘れてはならないのが
やはり危なげなネタの数々だろう。
さすがに大作映画ということもあって控えめか…と思いきや
序盤から当然のごとくパロディ祭り。
「1000年に1人の美少女」から始まる様々なメタネタを普通に入れてくるサービス精神。
さらに終盤ではその危険さが加速する。
最終決戦に臨む銀さん。
しかし向かった先は平賀源外…というかムロツヨシの工房。
そして源外の顔を見るや否や
「この体じゃ100パー無理」
「命が惜しい」
「信長の倍は生きたい」
「なんかすげぇ強いカラクリ貸せ」
などとサムライ映画の主人公らしからぬ弱音のオンパレード。
そして福田作品らしいぐだぐだな絡みもそこそこに銀さんはとある強大すぎる「カラクリ」を発見する。
それは「どこぞの専用機」だった。
通常パロディものでは多少ビジュアルいじったりするのだが
そこにはビックリするほど完成度高いアレの姿!
正直本作で一番実写化成功してるほどだった。
そういえば最初のアニメ化でも原作にない要素として「モビルスーツ」が出てきたが
まさかその要素を拾ってくるとは感嘆する他ない。
ガンダム回より。
一体何人のお偉いさんが頭を下げたのか!
さすがにそのザクは「赤い彗星っぽい人」のものだったので断念。
代わりに源外が出したのは…
悪魔の実だった。
しかしこれと「海賊王にはならねぇからなぁ…」と却下されてしまう。
最終的にはダメ押しのごとく戦艦に乗り込む銀さんにナ○シカっぽい空飛ぶカラクリを託す始末。
ナウ○カつきで!!
これ!! 絶妙に違うらしいが。
さすがいろいろボカされていたが
隣のスクリーンではジブリ最新作をやっているというのにこのブッコミ。
ここで感服したファンは多いだろう。
とりあえず現状で出来うることは全てやったであろう本作。
日本の実写化ではほぼありえない「ファンが楽しめる」作品に仕上げてきたのは感激だ。
原作未見の方はどう思うかわからんが
福田雄一の作品好きなら観て損はないだろう。
友人達とワイワイしながらぜひ!!
ちなみに今夏から実写化ラッシュが激しい。
7/14、本作『銀魂』に始まり
『東京喰種』
なかなか良さげ。ちなみにロケ地は地元。
地雷その1。CGのみ好評。
『亜人』
良さげ。監督以外は。
『斉木楠雄のΨ難』
かなり良さげ。楽しみ。
『鋼の錬金術師』
地雷その2。地雷源。
このように枚挙に暇がない。
そして多々被ってる役者陣も多い。
特に『銀魂』と『斉木楠雄』
この時点で5人被ってる必然さ。
監督入れたら6人。まぁ文句はないが!!
このライバルの多さ。
そして「漫画原作もの」というどうしたって風当たりの強いジャンル。
その最中、筆頭としてこれ以上ないクオリティで世に出してくれたことには感謝するしかない。
むしろ『ジョジョ』や『ハガレン』のハードルが上がったようにも思える。
余談。
本作において唯一と言っていいほどの残念な点。
「福田作品」で主演が「小栗旬」
どうやったって「山田孝之」が出張ってくるだろうと勘繰っていた。
しかし唯一無二なハマリ役になりそうな「高杉晋助」は「堂本剛」
個人的には
小栗旬との身長差。
そして狂気さ。
『新宿スワン』より。劇場で震えた記憶。
どれをとっても文句なしだっただけに少し残念だ。
今夏は『ジョジョ』の方にかかりっきりか…と思いきや
なんと「エリザベスの中の人」という電撃サプライズ!!
姿は見せないが、一度だけ喋る場面があるのは原作ファンならご存知だろう。
そこにはドスの効いたあの声があった。
この場面。
どうやら舞台挨拶などでは明かされているらしいが
俺は知らなかっただけに衝撃だった。
そしてなにより嬉しかった。
おそらく一番美味しい役柄なだけに嬉々として演じてくれたのだろう。
ありがとう、山田孝之!!
もうひとつの余談。本作ラスト。
原作通り銀さんが桂に「お前はルパンか」と言い放って終幕なのだが
その場面で笑っていたのは俺1人だった。
忘れちゃだめだぞ!
小栗ルパン!!!
ぼくらの、なつやすみ。『パワーレンジャー』感想。ネタバレあり。
ぐうの音も出ないカッコよさ。
考えるな、感じろ!!
ハリウッドの全力お子様ランチ。
野郎は強制的に退化する!
女性は暖かい目で見守ろう!!
「戦隊ものをハリウッドでガチでつくろう!」
という意気込みの本作。
「こういう金の使い方は非常に素晴らしい!!」と絶賛せざるを得ない。
それでも幼少時代には戦隊ものどころか仮面ライダーやウルトラマンなどの特撮には一切触れてこなかった俺としては当初、スルー案件であった。
しかしこの度、非常にありがたいことに試写会が当たった。
キャストや監督、吹き替え陣、そしてアントニオ猪木という豪華舞台挨拶にもどこか余裕をかましてしまった俺。
しかしそれも上映開始するまでだった。
いざ本編が始まると俺の大好きな要素の目白押し。
まさに大好物のジクソーパズルな超大作だった。
全てのピースが噛み合って行く様はまさに爽快の一言。
気がつけば食い入るようにどっぷりハマってしまった次第だ。
もう映画の神様に感謝する他ないが
よく考えてみればこの「日本への逆輸入」パターンにはあの『トランスフォーマー』や『パシフィック・リム』があった。
偉大な先輩方。夏だな!!
同属の映画としてそれに勝るとも劣らない熱量を持っているのは想像に難くない。
相変わらず学習しない自らの愚かさを省みながらも
本作はそんな脳内小学生のためにつくられた傑作だ。
さてあらすじ…といきたいところだが、なにも難しいことはない。
まずは個性バラバラな若者5人が補習クラスにて出逢う。
「ジェイソン・スコット」
〈レッド・レンジャー〉
元アメフトの花形選手。
街中の人気者だったがパトカーとカーチェイスする、という若気の至りで謹慎処分。
補習クラスに参加することになる。
元QBだけあって抜群の統率力を誇る。
熱血脳筋だけでは終わらないのが今風な感じ。
まさに王道的主人公。
ちなみにザック・エフロンに激似。
「キンバリー・ハート」
〈ピンク・レンジャー〉
学園の元マドンナ。めちゃくちゃ美人。
当然のごとくチア部所属…だった。
SNSにて友人のハメ撮りを流出させるという超ド級の炎上案件を引き起こし、失墜。
補習クラスへ出向となる。
気が強めだが女の子らしい一面も。
ぐうの音も出ない平成感。王道。
「ビリー・クランストン」
〈ブルー・レンジャー〉
自閉症の天才。
コミュニケーション能力に難があるために補習クラスに。
テンプレな天才。
マイペースで空気が読めないためにいじめられていたが、スーパーパワーでなんなく報復。
調子に乗る様はまさに面白黒人。
しかしジョークが一切通用しないというあるまじきオリジナリティがある。
まぁ結局ギャップで一番笑いをとるが!
一風変わりつつも結果、王道的。
「トリニー」
〈イエロー・レンジャー〉
ミステリアス系女子。
引っ越しばかりですっかり冷めきってしまい、家族とも周りとも仲良くすることを諦めている。
その達観した様子は最も現代っ子っぽい。
そして若干メンヘラ入ってる気がしなくもない。
でも笑うと可愛い。
闇堕ちするかと思ったがそんなことはなかった勢、その1。
「ザック」
〈ブラック・レンジャー〉
不良なアジアン。
しかしいじめっ子とは別ベクトル。
むしろ一匹狼に近い。
口は悪いがどこかヘタレ。
頼りになるんだがなんないんだが。
初期のヤムチャ感がハンパない。
病弱な母がいる。今どき驚きの親孝行息子。
歳上女性からは一番人気出そう。
闇堕ちするかと思ったがそんなことはなかった勢、その2。
以上、それぞれ「体育会系」「マドンナ」「オタク」「メンヘラ」「ヤンキー」という個性の強さ。
このキャラも人種も文字通り多種多様なメンバーがひょんなことからスーパーパワーを得る。
そして抱えている悩みもそれぞれありながらも
ひとつの共通点をキッカケに仲良くなっていく王道さ。
わかっていながらも熱い。
はしゃぎつつ即、仲良しに!
そしてそこに迫り来る悪役。
「リタ・レパルサ」悪い女。
実は先代パワーレンジャー。
やたらとゴールドを集めている。
無機物から配下の雑魚をつくる能力で闘う。
ちなみに素手でもそこそこ強い。
そこはかとなく漂う風俗堕ち感。
ビジュアル、武器、小物感。そして詰めの甘さ。
どれをとってもぶっちゃけ「女版ロキ」
「地球はアタシのものよ!!」
このままじゃ地球がヤバイ!
数日の修行を経て一致団結した面々。
「やるっきゃない!!」
そして変身!!
「世界救ってみっか!!」
…という王道もいいところな「完全」懲悪ものだ。
とにかく本作の特色として徹底した「明るさ」が挙げられる。
昨今の流行りとして「とにかくシリアスに」という風潮がある。
ヒーローだって一般人。
悩むこともある。
ときには塞ぎ込んでしまうこともある。
人間関係でドロつくこともある。
さらに言えば本作の主人公は悩み多きティーンエイジャー達。
そちらにフォーカスされても文句は言えない状態だった。
しかし監督はわかっていた。
ティーンエイジャーの一番の特徴は「向こう見ずなバカさ」だということを。
もちろん「子どもと大人の中間」という面も描かれる。
しかし「それはそれ!!これはこれ!!」
と言わんばかりに後ろ暗い悩みの数々をスーパーパワーで吹き飛ばす。
確かに急にスーパーパワーを得たら戸惑うだろう。
いきなり嬉々とするのは厨二病か頭のネジが外れたやつだけだ。
キチンとその戸惑いの部分もおざなりにはされてない…が!!!
1時間後にはいじめっ子をブッ飛ばす。
さらにはそれを嬉々として武勇伝として語る。
放課後にはハイテンションでスーパーハイキングを決行する。
これ以上なく嬉しそう。当然だ!!!
断崖を飛び越える。意味はない!!
これだろう!!若者なら!!
確かに「大いなる力には大いなる責任が伴う」だろう。頷く他ない正論だ。
それでも
「そんなことは後回し!今はハシゃごう!!」
というのが正しきティーンエイジャーの姿でもある。
この手の「若気の至り」をスッキリするほどに見せつけてくれた作品は未だかつてなかなか見受けられない。
前半は主に特訓込みの青春ドラマなのだが
子ども向けということもあるのだろうかドロドロした愛憎劇は皆無。
この笑顔!!
バカやって笑って仲良くなる。
この湿気ゼロの爽やかさ。
もはや青春部活映画だ!
実際自分で考えてみても「こんなんだったなぁ!」と思わずにはいられない。
正直このパートだけで1本撮ってもらっても十分に楽しめそうなほどだ。
ちなみに個人的な一番の見所は特訓がてらの女性陣によるケーキ争奪戦。
一瞬、2人がサモハンとドニーさんに見える!!
マジで!!
『葉問』より。
これだ!!
どうかしてるなぁ!我ながら!!
そして後半のヒーローパート。
ブルーが死んだり生き返ったりしつつも纏まった5人。
この逆境からの倍返し。
わかってはいるが燃えずにはいられない。
登場はもちろん…
“Superhero Landing”!
高まるなぁ!!!
とりあえず手始めに雑魚どもをキレッキレにも程がある素手格闘にてボコボコにし
1週間の特訓の成果。凄いなぁ!!
少しでも劣勢になろうものなら秘密基地の倉庫から最終兵器「ゾード」を引っ張り出す容赦のなさ。
恐竜をモチーフにした大量破壊兵器。
「ゾイド」じゃなくて「ゾード」なのがポイント。
元ネタなのかオマージュなのかは知らん!!
しかし横並びはいつ見ても滾る。
それぞれ一機ずつぶっつけ本番で操縦!!
結果、雑魚共は塵芥に!
普段は冷静なピンクも新車を与えられたかのようなテンションに。
そりゃこうなるよな!
斜に構えてる場合じゃない!!
そのまま舞台を荒野から街中に移し最終決戦、スタート!!
結構な数の死者は出てるが気にしない!
申し訳程度に父親は救うが!!
それでも特撮とはこうあるべきだろう。
というかティーンエイジャーのデビュー戦なんだし他人に構ってる暇なぞない!
地球と自分の方が大事だ!!!
しかしあっさりやられてくれるリタじゃない。
無数に岩石兵を生み出し、融合する離れ業を見せる。
進撃の黄金兵。デカい。
これには連携攻撃もなかなか効かない。
ガタイ=強さ。
それどころかこれ以上ない窮地に追い込まれてしまう。
しかし…
5人が真の正義に目覚めたのか、それとも生への執着か。
5機が合体!! 流れで!!
これぞ変型ロボの醍醐味。
理屈無用の熱量と圧力だ!!
そのまま真正面からの殴り合いに発展!
ビームもサーベルもいらん!
ロボだろうが喧嘩は素手に限る!!
本作が『パシフィック・リム』に並んだ瞬間だ。
さらにそれだけでは飽き足らずフィニッシュにはバックドロップまで見せつけてくれる。
中盤の特訓シーンの伏線も相まって体温が5度は上昇するキメ技だ。
街の被害は知らん!!
そしてそのまま逆光をバックに立ち尽くす合体ロボ。
粛清、完了。
ちなみにリタはこの合体ロボのフルスイングビンタにて大気圏外に。
容赦ねぇなぁ!!
まさか舞台挨拶に猪木が来たのが伏線だったとは!!と思わずにはいられない。
そしてエンディングではそれぞれ親友としてハッピーな日常を歩む。
さらには新たなレンジャーになりうる転入生が…?
と完璧すぎる幕引き。
熱く、爽やかに、続編への橋渡しも。
もう唸るしかない。
まぁ完全に勢いとテンションの高さだけで終始突っ走る本作。
しかしその作風こそが「ティーンエイジャー」というものを表現している、と言っても過言ではない。
もはやどこを切ってもまさに「夏休み映画」の要素しか出てこない。
最終的には『スタンド・バイ・ミー』からの『パシフィック・リム』という、まさにバックドロップ級の急転直下を脳天に食らわせてくれる傑作。
夏だからこそ観よう!!!
暑さを「熱さ」で吹き飛ばせ!!
はしゃごう! 騒ごう!!
少年になろう!!!
「It's Morphin' Time!!」
ノリノリな予告編↓この通りだ!!
ハリウッド版スーパー戦隊が変身!『パワーレンジャー』予告編 - YouTube
ちなみに吹き替えだと「ブルー」は杉田智和。
もっかい観るっきゃねぇ!
全く少年から成長しないtwitter↓
殺し屋インターハイ、開幕。『ジョン・ウィック:チャプター2』バレあり。感想文。
前作は序章でしかなかった。
比喩抜きで!!
理想的、かつ真っ当な続編。
とりあえず予告篇で少しでもピンときたら観よう!
前作未見でも全然大丈夫だ。
アクション好きなら絶対に劇場へ。
前作好きなら死んでも観ろ!!
映画とはビジネスである。
故に、成功した映画には続編がつきものだ。
もちろん観客もキャストも製作陣も、誰もがさらなる成功を夢を見る。
しかしそう簡単に事が運ぶことはなかなか難しい。
同じことをしたのでは続編の意味がない。
しかし突拍子すぎるのも顰蹙を買う。
『ランボー』『エイリアン』『ターミネーター』(どれもキャメロンだ!凄いな!)のように思い切って方向転換を図るのも手だが
正直一か八かのところがある。
そもそも傑作だからこそ続編の話が出る。
その決して低くないハードルを越えられた作品はそう多くない。
「まぁ結局、一作目が一番面白いよね」とはよく聞くセリフだ。
そんな中。
「キアヌ、マジギレ。完全復活!」な
『ジョン・ウィック』が世界中で大ヒット。
『ジョン・ウィック』バレあり感想!中二魂持ってるなら見ずに死ねない!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
当然の流れで続編が待望される流れに。
正直なところかなり不安であった。
ただのアクション映画ならいざ知らず。
この映画の魅力のひとつに「独特の世界観」があるからだ。
例えば殺し屋限定サービス。
他の映画では見られないような多少のファンタジーが絶妙に織り混ざった世界観。
そしてそこで繰り広げられるやたら地に足の着いたアクション。
本作の魅力を活かしたままに意義のある続編などつくれるのか…とファンとして無駄な焦りを抱えつつ試写会へと足を運んだ。
しかしそんな器の小さい細々とした杞憂は上映開始と共に吹き飛んだ。
「お前らの観たいものはこれだろ!!」というキアヌと監督の心意気のつるべ“撃ち”状態。
痒いところに手が届く、どころか思いっきり掻きむしるような快感に襲われっぱなしだった。
そんな「最高にわかってる」あらすじ。
前作の5日後。
犬の復讐はスッキリ遂げたものの車はパクられたまま。前作ラストから引き続く激おこ状態。
一度復帰したキアヌは止まらない。
挨拶がてらいっちょ奪還に向かうのであった。邪魔者は轢こう!!
どうやら現在キアヌの愛車は前作で始末した組織のボスの兄弟の下にある、とのこと。
当然相手方はキアヌの現場復帰を聞きつけ焦りに焦りまくっている。
手下が「所詮、車一台でしょ?」と言おうものなら
「お前はなにもわかってない! あいつは…」
「鉛筆で3人殺したんでしょ?知ってますよ」
「その伝説は控えめなんだ!!」
とブチギレ!!
そこにノックもなしに単騎で乗り込んでくるキアヌ!
クライマックス級のゴリゴリアクションの末に車を奪還する。そこになんとかキアヌを始末しようとする手下達。
ここから地に足の着いたワイルドスピードが始まる。クラッシュすれば車体は凹むし、ドアも取れる。
しかし気にしない!!
せっかく奪還した愛車がスクラップになるのもお構いなしにマフィア共を殲滅していく。
当然、カーアクションだけではない。
設定上は5日後だが、どうみても一年はトレーニングを積んだような動きで雑魚共をバッタバッタとなぎ倒していく。監督とキアヌ曰く「今回はアクションに柔術を組み込んだのさ!」とのこと。
なるほど、確かに投げまくりだ。コンクリの地面に!
もはや「前作では舐めプしてたんじゃないか…?」
と思えてしまうほどのアップグレードぶり。
ただ続編としては大正解と言わざるをえない。
とにかく開始早々に組織をひとつ潰すという口が塞がらないオープニング。
そんなデッカードの如き無双っぷりもそこそこに帰路につく。今作のキアヌ≒この方。
「形だけの続編ではない!!」と観客に叩きつけたのも束の間。
ひとりの男が訪ねてくる。「サンティーノ・ダントニオ」
どうやらキアヌとは同じ釜の飯を食ったサークル仲間らしい。
嫌な予感がするもどうにも無碍にはできないキアヌ。
そして予想どおりに「とある殺しの依頼」をされる。
「いや、俺引退したから…」と断るもなにやらゴツい金メダルを目の前に出されて押し黙ってしまうキアヌ。何を隠そうこのメダルは「誓印」といい
殺し屋ソーシャル内では鉄の掟の証でもあるらしい。しょんぼりキアヌ。
それはこれがある限り足を洗えない、という厄介な鎖の象徴でもあった。
簡単にいえばこれを見せつければまた依頼ができる、というもの。
例の如くあの独特な世界観だ。
ワクワクしてきた!
かくしてその依頼とは
「権力を握った俺の実姉を殺してくれ。そうすれば全権が自分にまわってくるから」
もう家族愛もへったくれもないものだった。
後に判明するのだが、この標的とはキアヌも昔馴染み。
全く気が乗らないものの掟は絶対な王様ゲーム的世界。岸辺露伴のようにはいかず。
渋々首を縦に振るキアヌであった。
しかしそんなキアヌを信じていないのか、このサンティーノ。
なんと家を出るや否やキアヌ宅にロケランをブチ込む。「いや、死んだら元も子もねぇだろ!!」と思ってしまうが
そこはキアヌ。愛犬と共に一命は取り留める。
しかし愛する嫁との想い出がつまった我が家は一瞬にて廃墟に。
当然キアヌは「もうこいつ仕事の後に個人的に殺す」モードに突入。
犬のためにロシアンマフィア殺した漢の家を爆破するサンティーノもそうだが
この状況で仕事はきっちり受けるキアヌもキアヌ。
とにかく腹に一物、どころか百物は抱えた状態で物語はスタートするのであった。
とりあえずいち早くサンティーノを殺したくてたまらないキアヌは手早く依頼を片付ける。
…が、それで終わるような生易しい業界ではない。
報復を見越したサンティーノはキアヌの首に700万ドルの懸賞金を掛ける。そして各地の殺し屋達に一斉送信されるメール。
当然そんな美味しい話に食いつかない裏社会人など存在しない。
かくしてニューヨーク中の殺し屋に狙われることになってしまったキアヌ。
この世界に再び引きずりだされた怒り。
そんな世界でしか生きられない哀しみ。
そして八方塞がりにも程がある途方のなさ。
その全てを殺意へと変換し
「復讐」という名の兵器を背負い込み
修羅の道へ舞い戻るのであった。
殺せ!殺せ!!殺せ!!!
もうあらすじだけでもたまらないが
特に刮目すべきはその規模。
前作ではvsマフィアであったが
今作ではニューヨーク中の殺し屋をたった1人で相手どる。
まさに地区大会から全国大会へ。
よって敵の強さもキャラの濃さもアクションの比重も超甲子園級に。
個人的に大プッシュしたいのは彼女。「アレス」(演:ルビー・ローズ!)
『トリプルX 再起動』にて俺のハートを強盗のようにかっさらっていった彼女が緊急参戦。通称「クリ勃起」というカリスマ性溢るるイカれたスナイパーを熱演。
俺の中ではヴィンとドニーさんに並ぶ程に大好き。
その御仁が今度はキアヌと。
それもラスボスに近い役割で。
「最高」という他ない。
前情報はほとんど入れてなかったために
出演を知ったのは上映直前。
俄然、前傾姿勢で観賞せざるを得なくなった。
今まで通りに本作でもその男前度はMAX。
聾でありながらもその腕前はピカイチ。序盤からキアヌを睨みつけっぱなしの圧倒的存在感。
ラストバトルは「鏡の部屋」という満点のサービス。絶頂するしかない。
個人的な話だが手話経験がある身としてはその設定にすら惚れる。
まさに終始、俺得なキャラだ。
そしてキアヌのライバル的存在として「カシアン」
キアヌとおなじくルールに則る一流プロな殺し屋。
どうやら顔馴染みでもある様子。
というかこの世界では現実以上にキアヌの名前が知れ渡ってる節がある。
作中、幾度に渡って死闘を繰り広げるが
途中ホテル内に突入してしまった際には一時休戦をする律儀さもある。殺し屋御用達「コンチネンタル・ホテル」内では殺しはご法度。
支配人にBARを勧められて大人しくサシ飲みをする素直さ。
かと思ったら一転、駅や電車内では血で血を洗う殺し合いを演じる。
その他にも幾多の名もなき殺し屋が登場する。
路上バイオリニスト、スモウレスラー、ホームレス etc...
もう適当に銃ぶっ放せば殺し屋に当たるレベルで!
前作にも増してファンタジー度は上がったがこれも正しい続編の形。
そして…
「バウリー・キング」
…というかローレンス・フィッシュバーン。
「おひさ!!」
もう明らかに只者ではない。
その名の通り裏社会の王にしてホームレスの王。
ニューヨーク中に狙われてしまったキアヌをフォローする。
銃弾を7発だけ装填したハンドガンを渡すだけだが!
さらに…
あの「ジャンゴ」がまさかのサプライズ出演。
「コンチネンタル・ホテル」inローマの支配人。
残念ながらアクションシーンはないのだが
その存在感は全く衰えていない。
このように濃い新キャラが「これでもか!」と投入されている。
さらにそれだけではなく嬉しいことに前作からのキャラもおざなりにされていない。
このことからも製作陣がいかに世界観を大事にしているかが伝わってくる。
「オーレリオ」
キアヌ馴染みの自動車修理屋。
ちょい役だが相変わらずの仲の良さ。
オープニングにてスクラップになったキアヌの愛車の修理を請け負う。
「直るのはクリスマスだな。2030年の」
ちなみにあの巡査も。前作と合わせても出演時間1分程度だが、続投させる隙のなさ。
今作ではロケランにて破壊されたキアヌ宅をガス爆発で済ます気配りの良さを見せてくれる。
「おいおい…」感は健在。
…などなど。
さらにはそれを壊すことなく新たな要素も続々登場するサービス精神。
「ガンセラー」
店構えはほぼほぼワインセラー。
一流ガンソムリエが在籍。
注文通りの「一品」を揃えてくれる。
試飲ならぬ試射も出来る周到さ。
ここでバイトしたいなぁ!!
「仕立て屋」
一見、高級スーツ店。しかしここは裏社会。
「スーツは男の戦闘服」とは額面通り。
本気の戦闘服を仕立ててくれる。
憧れるオーダーメイドっぷり。
配送サービスもやってます。
とにかく本シリーズならではのオリジナリティが損なわれるどころか拡大していく。
その世界観で繰り広げられる
「目には目を、殺意には殺意を」
なアクションの数々。
もはや戦争ものだ。
もうエクスペンダブルズに入隊してもおかしくないほどのレベルアップぶり。
見所のひとつ。高速マガジンチェンジ。
ノーCGというから驚きだ!!
その過激さが顕著に現れるのが中盤。
キアヌが名もなき殺し屋タッグに襲われる。
前作、そして序盤にて語られたあの武勇伝がいよいよ顔を出す。
手持ちの銃は弾切れ。2人に囲まれ絶対絶命。
しかしキアヌの目線の先にはあれがあった。
そう、鉛筆だ。
有無を言わさずそれを手に取り
躊躇なく倒れた相手の耳にブチ込む!
さらに掌でキチンと奥まで押し込む!
それだけでは終わらずに
壁に鉛筆を突き刺した後にもう1人の頭をそこに叩き込む!!当然のように!!
これぞ伝説の「鉛筆殺し」だ。
刃牙でも描かれていた別解釈の「ペンは剣よりも強し」の実写化と言っても過言ではない。イメージ図。大体同じ。
しかしむしろこの殺伐とした状況ではこれが正しい。
よもやここまでアウトレイジだったとは笑うしかない。
実際に俺の横で観てたおばさまは「ひっ!」と呻いていた。
このあくまで「倒すため」ではなく「殺すため」の技術の数々。
他のアクションとは一線を画しつつ、それでいて
「武勇伝は控えめに、それも他人に語らせろ!」
という漢気が見てとれる。
このファンタジーの中にある生々しいまでのリアリズム。
それは最後まで失速することなく貫き通される。
ラスト。
「コンチネンタル・ホテル」にてとうとう憎きサンティーノを追い詰めるキアヌ。
ようやく殺せる…が側にはホテルのボスもいる。
当然、頭には「ホテル内では殺しは御法度」という鉄の掟がよぎる。
それを見越してかヘラヘラとしているサンティーノ。
うだうだ講釈を垂れようとする…が!
目が合うなり即!発砲!!!
当たり前のように眉間に鉛玉をブチ込むキアヌであった。
通常よく見かけるラストシーンでは銃を向けながらも悪役がだらだらとのたまうことも多い。
なのにこの潔さ。
確かに再びこの世界に引きずり込み、さらに家をロケランで廃墟にしやがった野郎の言い分など聞いてる暇はない。
「いや、いいから早く撃ち殺せよ」とはよく抱いてしまう感情だが
ここまで早いと唖然を通り越して天晴れだ。
このラストシーンでの引き金の軽さ。
やはり即決できる漢はカッコいいな!!
例えそのせいで裏社会から全面追放を食らったとしてもだ!!
エンディングではそのまま愛犬と共に街に消えていくキアヌ。
この先どうなるかは誰にもわからない。
まぁ本国では大ヒットしたんだから間違いなく続編はつくられるだろうが!
ちなみに「コンチネンタル・ホテル」を舞台にしたドラマも企画中。キアヌもちょっと出るらしい。
とにかくどんな逆境だろうが修羅場だろうが
キアヌはその持ち前の機転と戦闘力、そしてフットワークの軽さ、なにより容赦のなさで
これからも乗り越えていくことだろう。
伝説は、まだまだ終わらない。
『ジョン・ウィック:チャプター2』
本日7/7より全国ロードショー。
今度は家かよ!『ジョン・ウィック:チャプター2』予告編 - YouTube
死んでも観よう!!
地区予選落ちなtwitter↓
この素晴らしき、殺し屋の見本市。『ヘッド・ショット』感想。バレあり。
『ザ・レイド』meets『ボーン』!
混ぜるな危険。
サスペンスの代わりにアクションゴリ盛り!
ハリウッドからの恐ろしき出戻り!!
2011年。
とんでもない映画がインドネシアから世界に叩きつけられたことは以前、当ブログにも書かせてもらった。
『ザ・レイド』ネタバレ意味なし!書き殴りの感想! - 高速回転する方舟の片隅で。
ガチで10年に一度の映画。
作中の9割がアクション。
最強格闘技「シラット」が炸裂。
そして2014年。
待望となる続編がつくられた。
『ザ・レイド GOKUDO』
舞台をビルから刑務所、街中などオープンワールドに移し、さらにアクションを盛りに盛る!
それもほぼ徒手空拳のみ。
これさえ観れば半年は素手格闘映画はいらなくなるほどにアクションを過剰摂取できる大傑作。
そのうち当ブログでも書こう!
もちろんそんな傑作の評判がインドネシアだけで留まるわけもなかった。
『ザ・レイド』に出演していた「ジョー・タスリム」はいち早くハリウッドへ進出。
それも人気絶頂の『ワイルド・スピード』シリーズに!『ワイルド・スピード EURO MISSION』より。
「オーウェン・ショウ」一味の戦闘隊員として出演。
台詞は少ないものの記憶に残るドロップキックをぶっ放してくれた。
さらに続編の『〜SKY MISSION』には
『ザ・レイド』のジャスト10年前に公開された
『マッハ!』より「トニー・ジャー」が電撃参戦!
10年前の「10年に一度のアクションスター」さん。
いろいろ問題はあったが実力は折り紙つき。
こんな素晴らしいアジアンアクションバブルの到来に
当然『ザ・レイド』シリーズの演者が黙っているわけもない。
主演の「イコ・ウワイス」溢れる主人公感。
そして強烈な存在感を放っていた「ヤヤン・ルヒアン」溢れる猛獣感。
この両者にハリウッドから召集がかかる。
それもあのSF超大作映画『スター・ウォーズ』から!
当時の最新作
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だ。
あの2人が「スター・ウォーズ」に出る。
一体どんなアクションを見せつけてくれるのか!
「SF」と「シラット」は噛み合うのか!?
期待もそこそこに観賞した。
ノリノリなご両人。
観賞後。
その絶望はカミーノの海よりも深かった。
理由はただひとつ。
「カンジクラブ」問題だ。
ハンソロの借金の取り立てに来た武装連中。
それも筆頭はあの2人。
「これはヤバいことになるぞ…!」とわくわくしたのだが
結果は一瞬で宇宙怪物に喰われて終わり。
開いた口が塞がらなかった。
まぁそれも一年後の『ローグワン』にて
「香港のラストドラゴン」が取り返してくれたが!
宇宙最強の漢「ドニー・イェン」
非ジェダイにもかかわらず
ストームトルーパーを素手でシバき倒す。
ブラスターをあっさり躱す。
タイファイターを撃ち墜とす。
明らかに「オーバー・ザ・スター・ウォーズ」な盲目の僧侶「チアルート・イムウェ」を熱演してくれた。アジアの意地。
しかし当時はそんなことはいざ知らず。
当人達もファンと同様、扱いに失望したのか
もしくはアクション映画はホームでの撮影に限る!
と気がついたのか。
そんな10年に1人のアクション俳優である
「イコ・ウワイス」が本拠地であるインドネシアで仕切り直した本作。
一言で言えば振り切っていた。
それは『フォースの覚醒』でがっかりしたファンへのプレゼントでもあり
自身を奮い立たせるカンフル剤でもあった。
終始ハイテンションなジェットコースターアクションムービーに仕上がっていた。
「とにかくアクションを堪能してくれ!」
という製作者の意図が見えてくるほどに
ストーリーは二の次三の次。
そんな四の次なあらすじ。
砂浜に打ち上げられた謎の男。
病院で献身的な看護師さんの手当てのおかげもあり目を覚ますが…やっぱり記憶が失くなっていた。
そんな中、襲いかかる謎の刺客達。
絶対絶命か…と思いきや!身体に染み付いていた殺人術で刺客を一瞬で叩きのめす!!
一体俺は何者なのか?
失われた真実は何なのか?
「まぁ只者ではないな!!」という観客の声もそのままに
闘いに身を落としていくのであった。
…というもの。
まぁ映画ファンならお気づきだろう。
このあらすじ。ほぼ『ボーン』シリーズだ。
潔いほどに!!
これを観たアクションジャンキーがつくった映画であることは想像に難くない。
もちろん断じて丸パクリなどではない。
偏差値を低く、話は簡潔に。
その分、アクションを山盛りにする俺ジナル性。
オールオッケーだ。
とにかく簡単な人物設定と舞台背景が説明された後は次々と刺客が襲いかかってくる。
それも徐々に強くなっていくステージクリア方式のアクションゲームの体を成している親切設計。
とにかく敵対する追っ手の紹介だけさせていただこう。
それで十分だし!!
Round1.ヤベぇやつ。噛ませ。
Round2.ヤベぇやつ×2。兄弟にも似た仲の良さ。
Round3.ヤバくて強ぇやつ。
幹部その1。特殊警棒使い。
Round4.ヤバくて強くて切ねぇやつ。
幹部その2。ナイフ使いレディ。
Final Round !!ビッグボス。尋常じゃなく強いやつ。
いい上司は現場にも出る。
…と段階を追っていくごとにヤバさが加速していく。この語彙力のなさ。わかるぞ!!
とにかく『ザ・レイド』と同様に
「アクションだけ観たい」というわがままが叶う本作。
AVのインタビューを早送りするような気が短い人向けの映画だ。
何も考えたくない昼下がりにでも観よう!
発泡酒片手に!!
余談。
一番驚いたのが劇場公開から早3ヶ月程度でDVDリリース&Netflix配信開始というフットワークの軽さ。
一部の都会民を除いたアクション好きに対する行き届いた配慮の良さ。
ありがたいなぁ!!!
ちなみに本作には続編の予定はないっぽいが
『ザ・レイド』の方は三部作の予定らしい。
残された完結篇が今から楽しみで仕方がない…
とネットサーフィンをしていたところ
Tony Jaa Dan Shun Oguri Akan Bergabung Dalam “THE RAID 3”? | Movie Xplorers トニー・ジャー&小栗旬参戦?!
マジかよ!!!??
大体わかる予告篇↓
なにもないtwitter↓
ジョン、一人で独裁国家転覆させるってよ。『リベリオン』紹介と感想。バレあり。
ぱっと見は意識高め。
しかしその実は…!
「好きな映画のジャンルは?」
映画好きが出会ったときに交わされる最初の質問である。
俺がそう尋ねられたとき、真っ先に挙げるのが「アクション映画」だ。
というかそれしか語れないのだが!
人生で観てきた映画の9割はアクション。
我ながら「よくもまぁ飽きもせず観続けてられるな!!」とも思う。
しかし一口に「アクション」と言ってもその中にはさらに枝分かれした様々なジャンルがある、と言いたくなってくる。
SFアクション。カーアクション。格闘アクション。ソードアクション。そしてガンアクション。etc…
無論どれが上などはない…が、その中でもやはり大好きなものはある。
物理法則ガン無視のガンアクションだ。
もちろんリアリティ重視のアクションも愛してやまないが
「主人公が最強無双もの」には採点が甘々になるどうしようもない癖がある。
そりゃ主人公が強ければ強いほどおかしな点は増えてきますよ。
敵の弾が全く当たらない。
どう考えても動けないほどの重装備。
それを無視した素早さ。
そして気が向いたときにだけリロードすればいい主人公の銃火器。
挙げていけばキリがないかもしれない。
それでもそれらの矛盾を景気のいい暴力と爆発で打ち消してきた偉大なる先人達には敬意の念を表さずにはいられない。
主な偉大な先人。頭が上がらん!!
しかしそれでも時代の流れだけには逆らえない。
そんな80年代アクションが下火になるとある事変が起こる。
『マトリックス』革命。
日頃アクション畑でない俳優ですら少し鍛えただけでワイヤーとCGでどうにかなってしまう驚異。
本来は技術の革新を喜ぶべきなんだろうが
やはり筋骨隆々な漢が好きな俺としては危機感を禁じ得なかった。
そんな近未来のワクワクと前時代の消失に怯えていた暗中模索な中。
00年代にもうひとつの伝説が生まれた。
ひっそりと!!!
それが今回紹介する『リベリオン』だ。
「俺が世界を覆す!」
あまりにも景気良すぎなキャッチコピー。
上記で挙げたガンアクションでの矛盾点を全てオレ流物理学で克服。
しかし確かに80年マインドを受け継いだ主人公の超無双っぷり。
そして昔から変わらぬ決意を秘めた漢の眼差し。
そんな古今折衷とも言える、しかし確実に新時代の到来を革新した傑作SFガンアクションだ。
まるで意識高い大学のサークルに昭和のヤンキーが殴り込んできたかのような素晴らしさ。
「合う合わないは知ったこっちゃねぇ!」
「俺はこれが好きなんだ!!」
という監督の声が聞こえてくるような傑作だ。
そんな吉野家代官山店のようなあらすじ。
舞台は近未来。
第三次世界大戦後の世界。
そこは曇天が似合うディストピアだった。
三度にわたる世界大戦で懲りに懲りた人類。
「争いの元凶は感情だ!」との結論に達し
それを消滅させる薬物摂取が義務付けられた。
つまりそこは「感情」が一切禁止された独裁国家だった。
おかげで犯罪率は激減。
というかほぼゼロな理想社会が出来上がっていた。
そんな鬱々とした個性もゼロな国民の1人。
「ジョン・プレストン」
こんな世界になんの疑問も持たない優秀な国家の駒。
お仕事は感情を生み出す芸術品(本や絵画、音楽など)や反逆者を見つけ次第、即処分する特殊捜査官「クラリック」をやっている。
いわば警察と死刑執行人を兼ねた物騒な職務のプロであった。
今日も今日とて朝っぱらから感情違反者のアジトに単騎で豪快に押し入り皆殺しにする有能っぷりを如何なく発揮。神懸かり的な登場。傑作の予感。
そんなターミネーターのような暮らしをしていたとある日。
うっかり感情統制薬を割ってしまう。
本来は規則で新しい薬を貰わなくてはいけないのだが
「今日は飲まなくてもいっか…再配布の行列並ぶのめんどいし」
と割と雑な判断でそのまま出勤するジョン。
ここでジョンがコンビニ店員だったら大した問題になっていなかったかもしれない。
しかしジョンのお仕事は「感情を生み出すものを捜し出して殲滅する」というもの。
がっつり「芸術品」さらには「愛くるしい仔犬」に触れてしまうのであった。びっくりプレストン。
そこで胸に湧き上がってくるもの。
その初体験な「感情」に戸惑いつつも任務を遂行しようとするが…
こんな仔犬を殺せるわけもない。
車に匿ってしまうのであった。
しかし違和感を感じた他の捜査官にハードな職質を受けてしまうジョン。
最初ははぐらかすもネチネチとした取り調べにめんどくさくなったのか
急に過激派に転向する!!
具体的には場の捜査官を皆殺しに。職質はこう躱せ!
かくして追う側から追われる側になってしまったジョン。
もう後には引けない。
こうなったらトコトンやってやろうじゃないの!!
と仔犬一匹、ついでに途中で知り合ったレジスタンスのために
たった1人で独裁国家に闘いを挑むジョンであった。覚悟を決めた漢の目。
独裁国家、転覆させます。
…という潔いもの。
これだけでも意識の高さを着飾った厨二映画であることはわかっていただけたかと思う。
そのファクターでもある一大要素。
とにかく避けて通れない本作の特長として
捜査官「クラリック」が使う特殊戦闘術
「ガン=カタ」が挙げられる。
完全に当映画オリジナルな武器格闘術なのだが
低予算を逆手に取り、妙な堅実さとファンタジーを融合させることに成功。
具体的には複数の敵を相手にする際でも
攻撃の軌道を予測、まるで舞い踊るかのように闘う術だ。如何せん言葉で説明するのは難しい。
とにかく「なぜ二丁拳銃という非現実的な戦法をとるのか?」という大人げない疑問に
自己流の論理的武装をぶつけたひとつのファイナルアンサーだ。
これにより上記で挙げた問題点。
敵の弾が当たらない
→ 軌道を予測しているから。
どう考えても動けないほどの重装備
→ 最低限の装備で効率良く敵を倒せるから不必要。
ときには敵の装備も利用。
身のこなしの素早さ
→ 軽装に加え、動くべき場所がわかっているため。
気が向いたときにだけリロードすればいい主人公の銃火器
→ 予備のマガジンを所持。
さらに袖口にギミックを仕込む周到さ。
…と問題をことごとく解消。
もう突っ込む隙がないな!!ないだろ!!
そしてなによりカッコいい。「カッコいい」は、正義。
現代のアニメや映画でも二丁拳銃ものには必ず影響が見てとれるほどの大発明といえる。
さらにそれだけに頼ることなく
キチンとした舞台背景の描写の数々。
そして独裁国家のビジュアル。
加えてジョンが感情を取り戻していく様などのドラマパート。
一流の製作陣と役者が本気を出していることがひしひしと伝わってくる。
結果的に
「ディストピア」×「オレ流二丁拳銃」
=「最強厨二」
という奇跡の方程式が成り立つ。
俺が一番最初にDVDを買った作品だけあって
思い出補正もあるのかもしれない。
事実、本国では2週間ほどで劇場公開終了。
日本では知る人ぞ知る隠れた名作となってしまった。
それでも「ガン=カタ」スピリットは
今も二丁拳銃を愛している者達の間で語り継がれている…はずだ!!
それを証明するかのように近年。
とんでもない後継作が現れた。
『ジョン・ウィック』
『ジョン・ウィック』バレあり感想!中二魂持ってるなら見ずに死ねない!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
無双すぎる主人公。
そして戦闘スタイルは特徴的な二丁拳銃。
その名も「ガン・フー」
しかもこちらも戦争の火種は「仔犬」だ。
あの魂は忘れられていなかった。
もう狂喜する他なかった。
さらに嬉しいことに続編まで製作された。
『ジョン・ウイック:チャプター2』
日本では7月7日公開。
全米では既にDVD&Blu-rayが発売済みらしいが
なんと売り上げ1位。
しかも前作も同時にトップ10入り。
快挙にも程がある!
観ずに死ねるか!!!
本作の予告。素晴らしい!↓
厨二から抜け出せないtwitter↓
ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter
最強米軍vs最凶幽霊群。『スペクトル』感想。バレあり。
通用しない常識なんざ投げ捨てろ!
とりあえず弾がブチ込めるなら勝てる!!
ミリタリーとファンタジーが高次元で激突する!!
Netflixに登録して早2ヶ月程。
期待以上のラインナップに狂喜乱舞したのも記憶に新しい。
とりあえず目当てだったアメコミドラマをざっと観終えて一息ついていたところ
『劇場公開もソフト販売もなし!Netflix配信限定!』
という景気の良い宣伝文句の作品が多々あることに気がついた。
他所様の作品だけでなく独自の展開もするとは
「さすがアメリカ、金はあるところにはあるな!」と何気ない気持ちでひとまず本作を観賞してみたところ。
エラく度肝を抜かれた。
「え、なんでこれ劇場公開されてねぇの?!!」
と思ってしまう程に最新映画と比べても遜色ないハイクォリティさ。
というかレンタルビデオ店の片隅に転がってるC級作品が映画ならこれも完全に映画だ!
110分間、瞳孔開きっぱなしだった。
そんな刮目すべきあらすじ。
アメリカ。
国防高等研究計画局という舌を噛みそうな研究所で働く1人の天才科学者。クライン博士。
若き天才科学者。熱い正義感の持ち主。
とある日、天下のCIAからお呼びがかかる。
「東欧のモルドバで不可解な現象が起きている」
「手を貸してくれ」とのこと。
不可解なものを見たら解明せざるを得ないのが科学者の性。
それに特に断る理由もなかった。
一も二もなく現地に向かう。
モルドバ。
そこではなにやら市民と反乱軍が大騒ぎな世紀末状態。
そこでいつものように米軍が出張ってきたものの
その「不可解な現象」のせいでなにもできない状況であるという。
さっそくその「現象」が映った映像を見てみるクライン。
それは全世界のyoutuberが涎を垂らしかねない衝撃さだった。
「不可解な現象」というかもうバッチリ幽霊。
しかも佇んでいるだけではない。
なんと明確な敵意を持っている。
そしてこの物体に接触すると即死とのこと。
「いや…もう悪霊でファイナルアンサーだろ…」
と言いたくなるが、舞台はあくまで現代。
そんなオカルティックな話をしている場合ではない。
それでもみんなの意見は割れに割れる。
現場の技師は「カメラの故障」と言い張り
CIAの女は「ステルス装備を纏った反乱軍」と頑なに意見を変えない。
市民は「戦争の悪霊」と信じきっている。
そんな中。
クラインは至って冷静に「どれも偏った意見だ」
「俺が解決する」
とりあえず現場至上主義なクラインは
やたら物分かりのいい兵士達の協力により軍に同行することに。
さっそくその「現象」が現れた地点に赴くも、そこは酷い有様。「やっぱりヤバくない…?」という予感。
この手の場面からなにも起きずに帰れた例を俺は知らない。
当然無事に帰れるはずもない。
実際ヤバいことになる。
全員の予感通り、次から次へと仲間達がやられていく。そりゃもうバッタバッタと!
そんな中、すっかり戦場カメラマンと化したクライン。
そのやたら高性能なカメラに「現象」が映り込む。もう誰がどう見ても幽霊だった。
ちなみにこの「現象」は現地では幽霊の意味で「アラタレ」と呼ばれているらしい。
「とにかく「アラタレ」も撮れたし帰ろう!」
「対処できる強さじゃないし!」
と装甲車に乗り込むもそこは地雷原だった。
装甲車は速攻スクラップになり、走って逃げるしかない一同。「ヤバいって!」
見えない敵に怯えながらも
辿り着いた先は要塞のような工場跡。
そして中には2人の子供がいた。
「なぜ生き残っていられる?」という疑問もそこそこに外を見ているとなにかがおかしい。
とある地点からアラタレの進行が遅れている。
その足元には大量の鉄クズがあった。
「アラタレの弱点は鉄だ!!」と気がついたこの子らの親が撒いたものらしい。
正体はわからんものの、弱点は判明した。
なにより実体があるなら殺せるということだ。
やられっぱなしは米軍にあらず!
と意気込む面々。
とにかく脱出地点まで向かうために
工場にある部品で「鉄クズがばら撒かれる弾丸」や「手榴弾」をDIYする米軍の面々。
もちろんクラインも負けてはいない。
高性能カメラをサーチライトに改造する。これで照らせばアラタレが映る凄いライト。
なんか方向性が全然違うような改造だが
気にしたら負けだ!
いざ、脱出地点へ!!!
ラウンド1。開幕!
先ほどまでとはうって変わって非常にいい勝負を繰り広げる。
「血が出るなら殺せる」とは偉大な先人が放った名言だが
その精神は未だに健在だった。
ヤってヤラれての大騒ぎ。
なんとか脱出地点に辿り着くも
お手製の武器は軒並み弾切れ。
ライトも故障してしまう。
そこにアラタレの一群が現れる。なかなかの絶望感。
万事休すか…と思いきや!!援軍、到着!
クラインが指示した通りのライトと装備を積んだ戦車やヘリが駆けつけてくれた。
「勝ったわ!これ!!」
と景気良く大砲をブチ込む戦車。
しかし一筋縄ではいかないのがアラタレだった。
アラタレ の たいあたり !
戦車はスクラップになってしまう。「おい!!なにしにきた!!」
掌を返し急いでヘリに乗り込もうとする一同。
しかしここで悲劇が起こる。
なんとアラタレによって無慈悲にも少年が殺されてしまう。
その怒りを押し殺せるほどクラインは腑抜けではなかった。
ヘリの風圧により足止めを食らっているアラタレに向き直る。
そして身につけていた「鉄クズを詰めたガラス瓶」を一斉に叩き割る!演出も相まって震えるカッコよさ!
クラインが正真正銘のヒーローになった瞬間だ。
それにより現場のアラタレ群は全滅。
その場を後にする一同であった。向かった先は難民キャンプ地。
残りの米軍も集ってくるも戦況は芳しくない。
どうやら各地にアラタレが出没。
もう地獄絵図だと。
しかしここでクラインが天才科学者の本領を発揮する。
「わかったぞ…あの正体が」
「あれはボース凝縮によって生み出された兵器だ」
「個体、気体、液体、どの性質も併せ持つ」
「陶器や鉄などの自然物質を通り抜けられなかったのはそのためだ」
「???」な米軍と観客。
まぁとにかくだ!
理論がわかれば対策も立てられる!
幸いここには大量の兵器がある!!
と本作二度目となる大DIY大会が開催!
たった数時間の試行錯誤にて。
四足歩行兵器に高性能ライト。
電磁パルスを発射するSF銃。
難民キャンプ地とは思えない設備で次々に超科学兵器を量産していく!!もはやこの人と同レベルな天才度。
そして正体と共に生産方法も判明。
どうやら近くの大規模な発電所が怪しい。
こうして世界を救うために名もなき兵士達が立ち上がるのであった。
超科学兵器を片手に!!
ファイナルラウンド、開幕!!
全面戦争、勃発!!!
…というもの。
あらすじでわかる通り、理論武装された整合性第一の方には向いていないだろう。
しかし「軍隊 vs 幽霊」という夢のマッチングに惹きつけられた中学生魂を持っている人は
必ず満足する出来だ。
シリアス一辺倒な作風でありえない夢の対決を描き出す無謀さ。
そしてそのためにジャブジャブCG技術を使いまくる出し惜しみのなさ。
圧巻。劇場で観たいなぁ!!!
しかもオカルト方面に寄せることなくあくまで科学に徹する剛腕さ。
これを見て思いつくのは以下の作品だろう。
『バトルシップ』
日米連合海軍 vs エイリアン。
最先端だけでなくアナログも駆使してエイリアンと渡り合います。
なんとも頼もしい背中。
最近テレビ放映が中止になりtwitter上が阿鼻叫喚騒ぎだったのも記憶に新しい。
そして…
巨大ロボ vs KAIJU という夢。
怪獣の出現に危機を覚えた人類がどデカイロボットを製作し、真っ向から殴り合いを展開する。
全男子の寝る前の妄想を具現化させた快作。
オタクに金持たせたらどえらいものができる見本市でもある。
本作も含め、未知の存在に人間の意地を見せつけるというテーマ。
整合性をノリと勢いで跳び越える大胆さ。
永劫愛されるべき熱いバカ映画だ。
さらにはそれぞれ大きな共通点がある。
キメ技が存在する。
クライマックスにて。
アラタレが融合し強大な竜巻と化す。
それに対抗すべく米兵がとった策は…
持ちうる電磁パルス砲を全直結!
一撃にかける!!というストレートなものだった。
発射!!!
衝撃で吹き飛ぶのも気にしない漢気。
この向こう見ずな無鉄砲感。
もはや笑うしかない格好良さだ。
まぁ逆に言えばこの辺が合わないのならやめておいた方が賢明とも言える。
しかし
「勢いで駆け抜ける映画が好き」
「ミリタリーものが好き」
「『メタルギア』が好き」
「そろそろ幽霊に負けてばかりの映画界に飽き飽き」
といった方々には問答無用でオススメだ。
このためにNetflixに登録する価値は間違いなくある!と断言できる。
観よう!!!
燃えよう!!!
『バトルシップ』ロスを埋めつくせ!!
優等生ヅラしてる予告↓
Spectral | Official Trailer [HD] | Netflix - YouTube
向こう見ずなtwitter↓
面倒だから全員殺せ!『SAFE』バレあり。感想。
絶対に怒らせてはいけない漢、覚醒。
ドン底からの究極の倍返し。
敵対組織は1つとは言わず3つ潰せ!!
最高の不死鳥ムービー!!
ネタバレなし感想。
ステイサムが少女のために悪徳組織を3つ潰します。
以上!
男たるものとは。
やれ「草食系」やら「仙人系」やらジャンル分けがやたら盛んな昨今。
もはや定義がガバガバすぎてなにが正解なのか全くわからなくなってくる。
肉食がいいのか悪いのか
明るいのがいいのかミステリアスなのがいいのか…
まぁ正解を提示されたところで大人しく従う気はゼロではあるが
そんな中でも燦然と輝く大正解がひとつある。
ステイサム系男子だ。
この漢がモテなければもう世界は終わりだろう。
まぁ支持してるのは9割方男性な気もするが
それでも性別問わず嫌われることは絶対にない。
とはいえステイサム映画は「大体どれも一緒」と思われがちではある。
しかし本作のステイサムは一味違う。
「漢とはなにか」
「カッコいいとはなにか」
そんな曖昧な疑問にファイナルアンサーを叩きつけてくれるのは勿論
「ドン底からの這い上がり方」すら身体を張って教えてくれる。
生きていれば高い壁にぶち当たることもある。
しかしそれも本作のステイサムからすれば取るに足らないレベルの低さに見えてくる。
そんなお世辞にも「SAFE」とは言えないあらすじ。
ニューヨーク。
ステイサム in 地下闘技場。
今回のステイサムは元刑事。
しかしとある理由で退職していた。
今の生活費は闇ファイトで稼いでいるのであった。
とりあえず今日も元気にリングに上がるものの
相手をワンパンで沈めてしまう。
「まぁステイサムだし…」と思ってしまうが
プロモーター達は違った。
どうやら負けるはずの八百長試合に勝ってしまったらしい。
しかし「相手が弱すぎんだよ!」と
当たり前のように逆ギレするステイサム。
その場のプロモーター達を威勢良くぶん殴り
堂々と帰路につくのであった。ギザギザハートステイサム。
こんな嫌な日は誰かに愚痴りたくなるもの。
早速嫁さんに癒してもらおうと電話をかける。
…が出ない。なにか嫌な予感がする。
当然、この手の予感は当たるのが映画内のルール。
とりあえずトランスポーターさながらにマッハで帰宅するも
なんと愛しのハニーは殺されていた。
八百長試合に大金を賭けていたロシアンマフィアが見せしめとして動いていた。
「いつものステイサム」ならここで情け容赦無用のキリングマシーンと化すはずだった。
しかしよっぽどショックだったのか
その場に崩れて目に涙を浮かべてしまう。ステイサムの目に涙。只事じゃない。
「俺を殺すなら今のうちだぞ…」
か細い声で呟くステイサム。
「確かに!」という観客の声。
しかしそんなことを尻目にマフィア達はこう嘯く。
「これからお前を一生監視してやる」
「喋ったやつは殺す」
「孤独に生きるんだな」
また随分まわりくどい復讐だな…とも思うが
今のステイサムには何も応えられなかった。
笑いながら立ち去るロシアンマフィア共をバックに呆然とするしかなかった。
それでもいつまでもくよくよはしていられなかった。
着の身着のまま家を出るステイサムだったがそれは悲劇の始まりでもあった。
いそいそとホームレスの集会所に出向くも
翌朝、隣で寝ていたホームレスが殺されているという最悪の寝起きドッキリを食らう。
その直後、路上で財布をスられる。
入ったコンビニの店員は生意気。
もう倍プッシュどころではない不幸の連鎖が巻き起こる。
いつものステイサムなら歯牙にも掛けなかっただろう。
それぞれ一言ジョークでも吐いて終わらす案件ではあった。
しかし今は珍しく弱気なステイサム。
もう渇いた笑いしか出なかった。
それでも負のスパイラルは止まらない。
往来で騒ぎを起こしたために
昔の同僚でもあるNY市警に見つかってしまう。
どうやら現役時代に正義心を出しすぎたために
腐敗しきった市警連中からは恨まれているらしい。
これも「いつものステイサム」なら何も問題はなかった。
しかしここまで負の連鎖が続いてはもう抵抗する気力すらなかった。
あっけなくリンチされてしまう。全てに絶望。ドン底ステイサム。
やってきたのは地下鉄のホーム。
後は電車の前に飛び込むだけだった。
しかしここでとある光景を目にする。
1人出歩く少女。そしてそれを追う怪しい男達。それはあのロシアンマフィアだった。
それを一瞥するや否やステイサムの殺る気スイッチが入る。
「えっ!なんで?!」という観客の声。
そんな疑問も置き去りに
彼らが乗り込んだ電車へとエクストリーム駆け込み乗車!!デキる漢は常識に囚われない。
そして勢いそのままに車両を進んでいき
マフィア達の前に君臨する。ホラーにも程がある再邂逅。
相手がなにか言い放とうとするも
そんな戯言を聞く耳はもう持っていなかった。
なんの躊躇なく暴力をお見舞いしていく。
本編開始20分。
ステイサムが「いつものステイサム」にトランスフォームした瞬間だった。理由はわからんが!!
とにかくここから前半の鬱憤を晴らすかのごとく暴力装置と化すステイサム。色味も吹き飛ぶこの衝撃。
さらに復活した切れ味は身体能力だけではなかった。
あのジョークセンスも同時に戻ってきていた。
「お前はあのゴミ野郎か…」と言われようものなら
「違うな、ゴミを集めるんじゃない」
「処分するんだ」
と奪った拳銃の引き金を軽く引く。
もう完全に病み上がっていた。
完全にドン引きな少女。
とりあえずもれなく全員殺した後に
有無を言わせず事情を聞いてみると
どうやらこの子は天才少女。
とある重要なパスワードを唯一記憶している、とのことらしい。
それで「ロシアンマフィア」「チャイニーズマフィア」さらには件の「悪徳警官」達に狙われている、とのことだった。腐った野郎共。
そんな恐ろしい三竦み状態を知っても
ステイサムは全く揺るがなかった。
むしろ「前半の憂さ晴らしにちょうどいい」
とばかりにこれ以上なく奮起する。
こうして天才幼女を連れたステイサムによる
真昼の大運動会が開催されるのであった。
盛り上がってきたなぁ!!
…まぁあらすじを見てわかる通り
滅茶苦茶にもほどがある映画なのだが
これほど「いつものステイサム」が愉しい映画もない。
前半に鬱憤を溜めに溜めての解放。
爽快にならずにはいられない。
そして開始20分ほどでトランスフォームしてからは
一切弱音も愚痴もなく最後まで突っ走る。
強大な悪徳組織が3つ相手という圧倒的な不利な状況でも
10%のトンチ、10%のジョーク、そして80%の暴力で問題を解決しまくる様には
「痛快」以外の言葉を失う。
しかしそれだけならよくあるアクション映画として終わっていたかもしれない。
本作の魅力はこれだけではない。
前述した通りに
「漢とはなにか」ということを
嫌というほど教えてくれる「参考書映画」でもある。
例えばなんの接点もない少女を助けた理由。
実は知り合いだった?それともなにか隠された秘密でも?と普通は勘繰りたくなるもの。
しかしその答えは簡潔。
「俺を救ってくれたからだ」
少女はもちろん観客も理解不能な理由ではある。
しかしそれを理解しているのはステイサム自身だけで十分だ。
そして恩義を感じたならお釣りがくるほど返すという義理堅さ。
一度決めたら敵対組織が3つだろうがやり遂げる漢気。
押し付けがましいかもしれないが
有言実行してる時点で誰にも口を挟ませない隙のなさ。
さらにはラストでは
無事に3つの組織を壊滅させた後に一言。この安心安全なアフターケアの充実度。
正しいと信じたら最後まで、な一貫性。
さらにはおまけ的に
デートでの正しい紳士の振る舞い方も学べる。
本作のステイサムは運転が上手い。
まぁステイサムだし。
作中で遺憾無くそのテクニックが発揮されるのだが免停どころか「即、監獄行き!」レベルの
1人ワイルドスピードを大通りで開催!!
「運転の上手さは口ではなく実際に見せつけろ」
「やるなら派手にやれ!」と言わんばかりに!
まぁこれが正しい反応。
でもステイサムだから!!
さらには小洒落たBARの使い方。
中盤。
敵しかいないBARに単騎で入店するステイサム。
とりあえずカウンターに座り
マスターにフォークを注文する。
もちろんスイーツを食べるためではない。
そして不意に隣に座っていた男に話しかける。
「このひとときをなんて言うべきかな?」
「どんなひとときだ?」
「これから人を殺すときだ!!」
間髪入れずにフォークを喉元に突き刺し
流れるように銃撃戦、スタート!!
これぞ本当の「ハプニングバー」と言いたくなるほどの大暴れっぷり。
笑うしかない大殺戮、開始!!
あの様を文章で表すのはほぼ不可能。
ひとつ言えるのは
「テンションはもはやトランスフォーマーに近い」
ということくらいだ。こんな具合で暴れます。
この「ハプニングはBAR側からではなく己から起こせ!」という漢気。
まぁ日常で使ったら確実に全てが終わるだろうが
それでもいつかは実行したくなる清々しさだ。
とにかく全編に溢れる
「向かってくるやつは敵だろ!」
「もう殺そう!!」の精神。
共謀された雀卓状態で絶対絶命なはずだが
そこはブチギレステイサム。
「むしろわかりやすくていい!」
とばかりにキルゼムオールを不言実行する。看板に偽りなし。
その様は
「『トランスポーター』の面倒見の良さ」
「『アドレナリン』のキレっぷり」
「『ブリッツ』の電撃性」
「『メカニック』の殺意」
「『エクスペンダブルズ』の漢気」
をそれぞれ兼ね備えている。
一言一句、異議無し。
トータルすると
ワイスピのステイサムに迫る勢いだ。デッカードっぽい一枚。
嫁さん含め仲良くしたやつは死んでいく。
家も財布もない。
「ロシアンマフィア」「チャイニーズマフィア」「悪徳警官」に命を狙われている。
こんな不景気景気極まりない環境に陥ってもなんとかなる!元気があれば!!
とにかくうだうだしててもやる気は出ない。動け!!感じたままに!!
フルスロットルで己の信じた道を突き進めば
きっと人生は開ける。
そんな素晴らしい「人間賛歌映画」と信じて疑わない。俺は!!
例え観賞後には何も残らなかったとしても!
とにかく壁にぶつかってしまった1日の終わりにでも
ぜひ観賞してほしい皆殺しアクションの傑作。
ストレスがごっそりなくなるぞ!!
全力でオススメだ!観よう!!
大体わかる予告 ↓
著しく漢気が欠如したtwitter ↓