更新停止(一時的)のお知らせ。
いつも大変お世話になっています。
本日もこんな辺鄙のブログにお越しくださり誠にありがとうございます。
前置きはかったるいので端的に。
誠に勝手ながらブログの更新を一時停止させていただきます。再開時期は未定です。
おそらく現在下書きに入ってる『ブラックパンサー』の記事が最後となります。
まぁ来月の大作ラッシュはどう考えても無視できないので
何食わぬ顔で再開するとは思いますが!!
4/6『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』今年最大の台風の目な超大作。マジジュマンジ。
ゲーム世界でロック様が大暴れ。
4/13『パシフィック・リム:アップライジング』ロボと怪獣が素手喧嘩するという全世界男子の妄想を具現化した映画、待望の続編。
ジョン・ボイエガと真剣佑の夢の共演も必見。
4/20『レディ・プレイヤー1』スピルバーグ節、フルスロットルで大爆発。
全世界のオタク用、電子ドラッグ。
VR世界でありとあらゆるポップカルチャーが飛び交う恐ろしい超娯楽大作。ヤバい、の一言。
4/27『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』10年が集結。完全無敵のその先は。
映画18本分の伏線が全回収。
全ヒーローが大集合する映画史上最大のお祭り超大作。
もはや意味不明なほどの最高さ。
これを観ずには死ねない。絶対。
以上「ロック様」「ロボvs怪獣」「オタク祭り」「MARVEL総決算」という狂気的にも程があるお祭り映画が
一週間刻みで連続公開される最高の月でもある。
楽しみだなぁ!!
まぁブログに書くかはわかりませんが
「高速回転する方舟の片隅」の映画館には駆け込んでると思います。確実に。
皆様にも良き映画人生がありますことを。
それではまたどこかで。
ありがとうございました。
Twitterへのお問い合わせ、ご依頼には引き続きお返事させていただきます。
濃いメンツで、闘ってみた。『功守道』感想。バレあり。
20分の短編と侮るなかれ。
濃縮されたアジアンエクスペンダブルズ。
功夫映画ファンなら絶対見よう!
エンドロール後も見逃すな!
近年。大スター同士の共演が増えてきた。
観客の目も肥えてきたのだろうが、ひと昔前ならありえないような奇跡が次々と見られるのは歓喜する他ない。
例えば『ワイルド・スピード』シリーズではヴィン・ディーゼル、ロック様、そしてステイサム。
国際的な肉弾ハゲ三兄弟が揃い踏みした。毛髪率は驚異のゼロパーセント。
最近ブームのアメコミも共演ものとしてはメジャーなジャンルになってきた。
『アベンジャーズ』
MARVELによるアッセンブル映画。
ひとりでも最強。みんな揃えば無敵。
ライバル社DCによる大集合ムービー。
オンリーワンどころかナンバーワンばかり。
しかしこのブームの先駆けは『エクスペンダブルズ』シリーズだろう。いい写真。限りなく物騒だけど!
アカデミー賞とは無縁だが俺デミー賞の常連な方々が一挙集結。
詳しくない人に説明するなら「いいとも最終回をアクション映画界でやってみた」歴史的作品だ。
とにかく右を見ても左を見ても主役級スターがごろごろ出てくる本シリーズ。
現在は『3』まで製作されている中、様々な続編の話がある。
正統派続編である『4』や、テレビドラマ界のレジェンドを集めた『ドラマシリーズ』、そして『女性版』とその世界は拡がりを見せようとしている。
どれも実現を願っているのだが、最近「スタローンが意見の相違でシリーズから脱退!」との不穏な噂もあり居ても立っても居られない現状ではある。ファンならこうなることを期待しているが!
まぁそんな中でもとりわけ実現が難しそうなのが『アジア版』だ。
現在ハリウッドのアクションスターはアジア発の方々も非常に数多い。
しかしそれぞれ自国から飛び出してアメリカ、ひいては世界的大スターになった自負がある。
おいそれと簡単に集結するのは難しい。
なによりスタローンのように音頭をとる中心人物が不在。
そんなこんなで期待はしていなかったのだが
とある日、Twitterにて目を疑うような恐ろしいニュースが舞い込んできた。
ジェット・リー、ドニー・イェン、朝青龍共演の短編「功守道」がWeb公開(動画あり) - 映画ナタリー
(以下、一部引用)
「功守道」はジャック・マー扮する太極拳の達人がさまざまな武術の達人と戦っていくアクション映画。「マッハ!」のトニー・ジャー、「戦狼/ウルフ・オブ・ウォー」のウー・ジン、元横綱の朝青龍、「イップ・マン」シリーズのドニー・イェン、「少林寺」のジェット・リーらが対戦相手として登場する。さらにホアン・シャオミンやトン・ダーウェイ、イギリス出身の世界的な某アクション俳優らがカメオ出演している。
アクション顧問には「グリーン・デスティニー」「マトリックス」のユエン・ウーピン、「燃えよデブゴン」シリーズのサモ・ハン(サモ・ハン・キンポー)、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」「HERO」のチン・シウトンが名を連ね、「海洋天堂」でジェット・リーの息子を演じたウェン・ジャンが監督を務めた。そしてジャック・マーとフェイ・ウォンがエンディングテーマを歌う。
本作は、長年太極拳を学んでいるジャック・マーと、功守道という新たな武術を始めたジェット・リーがタッグを組み、中国武術の振興を目的に製作したもの。11月15日には功守道初の公式大会が北京で行われる予定となっている。
ん、良くわからんが大ニュースじゃないか!?これ???!!
こんな一大事件を見逃していた自分に腹が立ちつつも詳細を追ってみた。
まぁ簡単に言えば「中国武術を盛り上げるためにスター達が手を組んで20分程の短編映画を撮ってみた」ということらしい。
言ってしまえばガチったYouTuber達。
正直あらすじらしいあらすじはほぼないのだが
そんな「闘ってみた」あらすじ。
主人公。ジャック・マー。
太極拳の凄さを知らしめるためにこれから幾多の相手を道場破りしていこうと画策する。
怪しげな建物に押し入るとそこには数名の輩。
ヤンキーが常駐している地元のゲーセンな雰囲気だった。
当然仲良くマリカーをするわけにもいかない。
最初の相手はストリートバスケに励んでいたあっ!トニー・ジャーだ!!
とはいえ相手は大先輩。
なによりこんな最初から消耗させるわけにもいかない。
持ち味であるムエタイと顔芸を駆使しながらも一歩及ばないジャーさんであった。股間を蹴られて悶絶ジャー。
そこから若手ボクサー、やたら身体能力高いカポエイラ使い、そして春麗コスの女性をcmの片手間に倒していく。若手に胸を貸す気ゼロな関節技。武術家は一発で。白春麗に至っては組手すらなし。
しかしここまで好き勝手に溜まり場を荒らされるのを黙っていられない漢がいた。
次の相手は春麗と一緒にアーケードゲームを興じていたウー・ジンだ!!
どうやら白春麗と良い仲らしい。男女グループの生々しいあるあるもそこそこに棍棒を取り出すウーさん。二刀棒術vs長物、スタート!!
相変わらずの武器の扱いっぷりにスクショが追いつかなかったので割愛するが、なかなかに善戦するウーさん。
「ジェット・リーの後継者」は伊達ではなかった。ときおり「狼の眼」も発動する。
しかし空気が読めるのもウーさんの可愛いところ。
最終的にはよくわからん体幹対決で幕を下ろす。ファンならある意味必見。
ここまで観ているとどうにも接待プレイの雰囲気がプンプンしてくる。
まぁ先輩、ひいてはチャリティに本気出すわけもいかないのはわかるが!
しかしジャックが足を踏み入れた次の場所は今までとはまるで空気が違う。
なにより複数の女性が逃げ惑っている。どうやら中には「猛獣」がいるらしい。
あっ!ドルジだ!!!
それもよくわからんが怒っている。
物凄く怒っている。まさかの相撲vs太極拳、開始!!
引退して久しいとはいえその身体はガチガチの筋肉鎧な朝青龍さん。
さらには身のこなしの軽さまで見せつける始末。Twitter通りの我の強さ。
この明らかに今までとは違う強敵。
体格差から見ても正面から挑んでは分が悪い。もう絶対に分が悪い。素人目に見ても絶体絶命だった。
しかしここで果てるわけにはいかないジャックは戦闘プランを変更。
アクロバットさと合気をメインに闘うことになる。
さすがの朝青龍といえど自らの力を利用されては勝ちは難しい。
立ち会いの力をそのまま打ち消され倒されてしまう。
まぁほぼ無傷だが相撲スタイルだと負けは認める他ない。引き際の良さも横綱級なドルジさんであった。
続いて辿り着いた先はファンタジーな桃源郷。 そこで寛いでいる1人の漢。それは…
あっ!!ドニーさんだ!!
和やかな雰囲気を出してはいるが明らかに只者ではない。
その証拠にこの足湯。ピラニア足湯だ。
その魚群をオーラで散らした後にあのポーズをとるドニーさん。まさかの葉問の構え。この堂の入り方。
もはや完全に胸を貸す気はなかった。
ジャックもそれを察したのか「3発蹴り入れられて倒れなかったら俺の勝ちだから!」などと勝手に言い出す始末。
しかしそれにもドニーさんは全く動じない。太極拳vs詠春拳、開幕!!
そして初っ端からドニーイズム全開なドニーさん。よく見る超高速連撃。よく見る受け流し。よく見る構え。よく見る眼光の鋭利さ。
俳優が武術をやっているというより
武術家が俳優をやっているドニーさん。
もう完全に容赦はなかった。もはやドニーさんのPV状態だった。
しかし勢い余って「三発半」の蹴りを入れてしまったことで試合が強制終了。
自らはほぼノーダメながら武術家である以上、相手を立てる大人なドニーさんであった。主人公らしからぬ逃げ腰。「こいつマジか…」なドニーさん。
しかしそれを良しとしない管理人がいた。
ジェット・リーだ。
まずは小手調べにいきなり襲いかかる。有無を言わせない箒での一撃。ラストバトル。太極拳vs少林拳、スタート。
まぁ共同出資者なだけあってイーブンな闘いの後、決着はつかない。
それどころかラストはまさかの夢オチからの逮捕オチという雑さで終わる。唐突に!まぁこの手の映画にストーリーは求めていないのは事実。
それは割と粗めの編集からも伝わってくる。
もうベルトスクロールばりに強豪達と闘いすぎて疲れたのかもしれない。
それでも確かなアクションが見られる必見な短編だ。
しかしなにより見所はエンドロール後。
どこからかビデオ通話が入る。
あっ!!ステイサムだ!!?!
英語なので何言ってるかはよくわからんが
どうやら虫の居所が悪いのは確かなようだ。
拙い英語力で翻訳してみたが
「俺と出会わなくて良かったな…」
「次会ったときは俺がレッスンつけてやるよ」
とのこと。
その後、パッキャオ&ゴロフキンという最高のプロボクサーから似たような台詞が吐かれるが、正直あまり頭に入ってこない。パッキャオさん。ゴロフスキンさん。
放心状態で画面を見つめていると…
あっ!!?
もう一回ステイサムだ!!!!
さっきよりイライラが増した殺意満載の目で
「俺らで迎えに行ってやるよ」
ジャック・マー、ご愁傷様!!
無料で見られる本編↓
無料でも見ないTwitter↓
ようこそ、超人達の祭典へ。『ちはやふる -結び-』感想。ネタバレあり。
青春映画の金字塔、堂々の完結。
想像を絶する前作以上のインフレーションハイスピードバトル。
超人覚醒の全国大会。
最後の強敵は外か内か。
境界線の、その先へ。
ネタバレなし感想。
レギュラーキャラの説明はほぼないので
シリーズ初見だと多少置いてかれる可能性があります。
とはいえそこまで複雑なこともないので、興味ある方はぜひぜひ劇場へ。
ドラマムービーながら大画面大音響の価値ありです。
シリーズファンの方は安心して劇場へ。
相変わらず原作未読視点からの記事になります。
ご容赦ください。
早いものでもう3月。
世間はすっかり卒業シーズンとなった。
街中が着納めの制服だらけなのはそれだけ未来が明るい10代が多いということだろう。
そんな希望に満ち溢れた顔を見ながら、ふと自分の卒業式はどうだったか想いを馳せてみた。
卒業式中に2階から在校生に駄菓子をばら撒いていたS。
式が長いことを予測し大量の週刊誌を仕入れていたA。
壇上で勢いあまって告白して盛大に玉砕したT。
退場しながら爆竹やネズミ花火をばら撒いていたM。
そしていつの間にか校庭のど真ん中に組み上げられたキャンプファイヤーの積み木。
「卒業証書さえもらってしまえばこっちのもの」理論で各方面で若気の至りが蔓延っていた。
そしてその言い出しっぺであった俺は責任を持ってビデオで一部始終を録画していた。
各方面の許可が下りれば公開したいところだが、まぁモザイク処理ばっかになりそうではある。
しかしそんなどうしようもないお祭り騒ぎでも最後にはしんみりしたものだった。
とはいえ今の10代とはジェネレーションギャップがある。
今の若い世代が望むような学生生活ではなかったことは確かだ。
「じゃあ正解はなんだったのよ?!」という俺の愚問にハッキリとしたアンサーを打ち出すような映画が今春、公開される。『ちはやふる -結び-』
少女漫画『ちはやふる』の実写化。
3作目で完結編でもある。
「青春もの」という明らかに俺の趣味のストライクゾーンから掛け離れているシリーズだが
何の因果か以前、前作となる2部作を観たことがあった。
高速カルタで問答無用のカタルシス。『ちはやふる 上の句&下の句』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
結果、かなりどハマりしたのだが
前作2つがテーマとリンクするような綺麗なまとまり方をしていたために少しばかり杞憂ではあった。
「まとまっているシリーズほど続編は難しい」とは通説だが、これを打ち崩すには2つの方法がある。
① 頑張って正面突破。
今までの流れを汲みつつも正当進化してみせるパターン。
前作が傑作であればあるほどに難易度高し。
② 諦める。懸命なパターン。
しかし本作はそのどちらでもなかった。
③ 開き直って全てを無理やりアップグレードさせる。
言ってしまえば作品のベクトルを捻じ曲げ、ジャンルを飛び越えてしまう禁じ手だ。
しかし過去には『ランボー』『エイリアン』『ターミネーター』など、この手でシリーズ最高傑作が生まれた過去もある。
邦画ではなかなか見られないこの「ジェームズ・キャメロン」ルート。
完全に一か八な手法とも言える。
30代が学生服を着るような暴挙だが、ハマればこれほど愉快なこともない。
前作は四捨五入して『アイシールド21』だったが
今作は四捨五入するまでもなく『ドラゴンボール』だった。
そんなワクワクしてくるあらすじ。
『上の句』『下の句』から早2年。「綾瀬 千早」は高校3年生になっていた。
無事進級したのも束の間、自らが立ち上げた「瑞沢高校カルタ部」は大きな壁にぶち当たってしまう。
現在の部員は皆3年生。春からの新入生をなんとかして勧誘しなければ部活が消滅してしまう危機に陥っていた。
「とりあえずカルタの腕前よりビジュアルの良さを売りにしよう!」と千早と太一は戦闘服を着こなし勧誘活動に励むのであった。
当然普通の高校に広瀬すずと野村周平がいれば周りは黙っていない。
有象無象のミーハーが集い、作戦は大成功…したかに思えた。
皆の前でお手本となる模擬戦が組まれ、経験者の1年生と手合わせすることになった千早。筑波秋博。
イキった1年坊かと思いきやそこそこの腕前だったことに、うっかり千早はアクセルを踏み込んでしまう。
結果的に新1年生全員をガン引きさせてしまうのであった。
残った新入生はそんな「筑波 秋博」と「花野 菫」のみ。花野菫。
太一が好き。成り行きで入部。未経験者。
まぁそれでもなんとか部活としての体裁は保てた。
悲願の全国制覇に向けて動き出す「瑞沢高校カルタ部」であった。
しかし千早にはひとつの悩みがあった。
「真島 太一」も同じく無事進級していた。
それどころか学年トップの成績を誇っていた。忘れていたがイケメン、金持ち、運動神経抜群、秀才というモテ度120%な男。
しかしその顔は浮かないものだった。
希望進路が「東大理III」という難易度ウルトラCであったために今まで以上に勉強漬けとなっていた。
一度でも成績を落としてしまえば部活を辞めざるを得ないほどに追い込まれいた。
部長としての責任感、親からのプレッシャー、そして千早に対する恋心。
どれもこれもが重く太一にのしかかってくる。
結果的に行き場を失くしたモヤつきは部員達との温度差を生んでしまうのであった。
「綿谷 新」は相変わらずマイペースだった。というか完全に振り切れていた。
2年最後の大会で千早に「好きや」とド直球な電撃告白をした後に
3年生ながら「千早と太一が羨ましい」と部活設立も即決。
その人脈を駆使してあっという間に5人集め、改めて「カルタで日本一なら世界一や」理論へまっしぐら。
もう絶好調だった。前作でくすぶってた分、やたら行動派に。
迷わない男は強い。
そんな3名を気にしながらも「頂点」は揺るぎなかった。-女王-「若宮 詩暢」
その戦闘スタイルからサイレントクイーンの異名を持つ。
相変わらずのサディスティックさ全開。
覚醒千早でも手が届かない女王の座に君臨し続ける怪物。
-怪物名人-「周防 久志」
ほぼ目が見えないというハンデを背負いながらもオープニングで原田先生を文字通り指先ひとつで降した正真正銘の怪物。
そのミステリアスな風貌と声の小ささから発せられるオーラは伊達ではない。
ちなみに大学7年生。
そんな2人を打倒すべく奮起するカルタ部一同。
しかし入ってきた新入生はどちらも違う意味で曲者。
3年生達はさすがの落ち着きだが、核となる2人はどこか上の空。
片方は恋愛を想い、片方は将来を想う。
それに追い討ちするように菫が太一に「新が千早に告白した事件」を話してしまう。
菫は太一に振り向いてほしいだけだった。
第一、完全に実話だった。
しかしそれは太一の気持ちを決めるには十分すぎた事実だった。「…もう、俺には関係ない」
次の公式戦に太一の姿はなかった。
千早からすれば青天の霹靂。
新に告白されたかと思いきや今度は太一が部活を辞めた。
偶然街中で見かけた際に引退理由を問いただしても
「俺はお前のためにカルタやってた。もうやる意味もない」
とこちらもこちらで告白めいたことを言ってくる始末。もう完全に訳がわからなかった。
何にぶつけるわけでもなく1人涙を流してしまう千早。
新入生とは調和できない。同級生は腑抜けとマイペース野郎ばかり。
そんな状態でライバルでもある「北央高校」に勝てるわけもなかった。
あのエセサディスト須藤が引退したもののさすがの強豪校。みんな大好きベジータ須藤。
なすすべもなく次々と討ち死にしていく仲間達。
このまま終わってしまうのか?
しかし千早は凡人ではない。
前作ラストでは超サイヤ人並みの覚醒を見せつけたことがある超人だった。「こんなところじゃ、終われない…!」
バックでカットインするメインテーマと共にステイサムばりに完全覚醒。千早っぽいステイサム。
読み手の呼吸音と畳上のカルタをシンクロさせて
音ゲー方式で無双していく。カルタがスタイリッシュアクションになった瞬間。
そんな千早を見て他のメンバーも力が入る。
後輩もすっかり協力プレイに魅入られる。
やる気を出すとカルタも上手くなる少年ジャンプ的な展開は健在だった。盛り上がってきたなぁ!!
結果的になんとか判定勝ちでギリギリ関東代表に滑り込む瑞沢高校であった。
一方で太一。
そんなカルタ部を余所目に学校と予備校の自習室を往復していた。
しかしどこかで彼ら彼女らの熱意が伝わってきたのか、自分の不甲斐なさか。
シャーペンの芯を2000円分くらいへし折ってしまう日々が続いていた。「人生賭けたって勝てっこない?人生賭けてから言いなさい」
そんな前作の原田先生の名言がフラッシュバックしたかどうかは定かではないが
太一はとうとうシャーペンそのものをへし折り、とある場所へ出向く。
着いた先は「競技カルタ会館」であった。
たまたま居合わせた須藤に「あいつに殺されてこい」と指された場所を見てみるとそこには周防がいた。
もうなりふり構ってられなかった。原田先生の仇、ひいては自分らの目標でもある名人。しかし使えるものはなんでも使う雑草魂が芽生えた太一は電撃的に弟子入りを志願する。
そんな太一を「面白そう」と弟子に迎える周防。ここに「ゾロ×ミホーク」を彷彿とさせるような師弟関係が誕生した。
熱いなぁ!!
とはいえ周防は高校生の青春なぞ別に知ったことではなかった。
カルタをやり、太一に中華料理を奢らせ、塾講のバイトの助手に任命し、スイーツ食い倒れ旅を敢行。というマイペースな特訓を開始する。
しかしその瞳に何かを感じたのか、塾講のバイト中。
教壇にていよいよ周防の堤防が決壊する。
「塾講やってる自分が言うのも何だが、俺は独学で大学に合格した」
「だから正直お前らを見てると嘲笑しかできない」
「…だがまぁ、そんなことはどうでもいい」
「青春を何に使おうがお前らの自由だ」
「ところで太一…お前こんなとこで何やってんの?」
「さっさと境界線超えてこい」
この自慢から入る自分語りの末のダメ出し。
自分から連れてきておいてこの言い草。
自分が大学7年生なのは完全に棚に上げた物言いだが、だからこそ本音なのだと気付かされた。
一も二もなく教室を飛び出し走る太一だった。高校生は走りがち。
そんな太一を待つ瑞沢かるた部。
無事に関東代表として全国大会に出場していた。
しかも千早の覚醒に当てられたのかすっかりかるたの面白さ、そして協力プレイに目覚めた面々。こうなってくるともう敵はいなかった。
タイトなダイジェスト編集でトーナメントを勝ち上がっていくのであった。
しかし飛ばしすぎたツケか奏が利き腕を負傷してしまう事態に。
このままでは闘えるわけがない。
そんな絶体絶命の場面にジョン・ウー映画ばりのスローモーションで入場してくる漢がいた。潜在能力を解放された太一だった。
心なしか髪型も気合が入っていた。
「強くなって勝ち続ける」ことを決意した千早。
「境界線を飛び越える」ことを理解した太一。
「守り続けた」瑞沢かるた部一同。
もはやこのメンバーの間に言葉はいらなかった。
対する決勝の相手は「藤岡東高校」
新率いる創部1年弱のスーパールーキー校。
新は新で約束通りあっさり勝ち上がってきていた。
ちなみにこちらはダイジェストもないほどの圧勝ぶり。「久しぶりやの…太一」
何の因果か
千早の相手は1年前に敗北を喫した「我妻 伊織」
太一の相手はカルタでも恋でもライバルな新。
相手にとって不足はなかった。むしろ高校3年間の最後に相応しい強敵達だった。
千早はリベンジを果たせるのか?
太一は境界線を越えられるのか?
新はどこまでマイペースなのか!今、青春を全賭けした頂上決戦が幕を開ける!!
…というもの。
前2作で好評だった青春要素はそのままに、それどころか恋愛要素や将来の夢などが追加。
強力な新キャラまでブチ込んできたわけだが
そのどれもが調和する奇跡。
さらには過去作からさりげなく流用される数々の要素。
主人公3人のうち最も影の薄かった太一の存在感の増加。
新の代わりにカルタを辞め、千早の代わりに走る。
という伏線回収とすら言える演出の数々。
緊張感を煽るときはBGMが切られ、盛り上げるときには大音量でかかるその抑揚ある音響。
時折混じるスローモーションやアニメ的な画。
…などなど。
とにかく全方位で無敵と言える本作。
完全に収めるべきところに収めたぐうの音も出ない優等生映画だ。あの名場面も。
10代を客層に据えているおかげもあるのだろうが
その後味の良さは他の映画の比ではない。
…と、まぁ真面目に語ってみたが
本作で一番惹きつけられた要素がインフレ具合だ。
前作でも天才少女である千早、が覚醒しても勝てなかった女王、を完封する新。と明確な実力差があったが
今作ではその比ではない。
シリーズを通して凡人と天才の間には明確な「境界線」が引かれてきた。
千早は前作ラストにて、太一は周防に鍛えられて「超聴覚」をモノにしてようやくそのボーダーを踏めた。
しかし新は決してその限りではない。
数年前からとうに踏み超えている貫禄がある。
そんな新が今回は明確なライバル、そして怪物として君臨することになるわけだが前作同様、今回も穏やかな「チャック・ノリス」のような出で立ち。
どうあがいても絶望しかないが、その上。
折れることない鋼のメンタルも持ち合わせている。
前作で確固たる決意を胸に固めたのもあるが
目標ができて自分の意思をはっきりさせたためだろう。
オープニング早々ヒロインに告白する。
瑞沢高校が勝てなかった北央高校をストレートで降す。
昔馴染みである我妻伊織の告白を幾度も秒で断る。
ブランクがあるにも関わらず、これらを涼しい顔であっさりやってのける様は明らかに全てを超越している。
そしてそのお眼鏡に叶った「藤岡東高校」の面々も尋常ではない。割と雑に招集された部員だが
女王が手も足も出ない新。
千早を倒した伊織。
さらには全日本選手にA級選手2人。
新曰く「このメンバーは最強」とのことだが
それは悪夢の有言実行となり、静かに大会を荒らす。
結果的に最後は「主人公補正」×2、そして原田先生の名言「運命戦は運命じゃない」という伏線のおかげもありいちいち腰に来る名言製造機な先生。
なんとか辛勝する瑞沢高校。
しかしその感動はこれだけの強敵がいたからに他ならない。
トータルすると
「受験」「恋愛」「部活」「友情」が全部綺麗に詰め込まれたデラックス幕の内弁当のような本作。
前半の日常パートの棒読み加減には目を背けたくなるが、それもまぁ本シリーズの特徴とも言えるかもしれない。
老若男女問わず、友達同士でもデートムービーにも文句なしな傑作だ。
観賞後には新の強さの印象が強すぎるせいで
どこかステイサム映画でも観ていたかのような心地も味わえる一石三鳥な映画でもある。
ただ理想的すぎる青春は人によっては劇薬かもしれない。自分の学生時代と相談して決めよう!!
本作の予告↓
余談。
気になる次回作は来月公開の…『パシフィック・リム:アップライジング』
まさかのど真ん中ハリウッド映画だ!!
怪獣とロボットが正面から殴り合う男子の夢を具現化させた超傑作『パシフィック・リム』の続編であり
主人公はジョン・ボイエガ。宇宙の反乱軍から地球の政府軍へ。
おまけに脇に真剣佑。すっかりイメチェン。
このパーフェクトにもほどがある布陣。
眼鏡を外し舞台は畳上から戦場へ。
操るはカルタからロボットへ。
相手取るは文化系高校生から巨大怪獣へ。
とんでもない進路に進んだな!!
いいぞ!!真剣佑!!
燃え死ぬ予告↓
映画「パシフィック・リム: アップライジング」日本版予告 - YouTube
凡人によるTwitter↓
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは?
今回はかなり大雑把な「バース」の説明記事です。
間違ってるところあればご指摘お願いします。
現在、日本にも定着した「アメコミ」という文化。
大雑把に言ってしまえば「スーパーヒーローが悪者を退治する」というもの。
しかしその歴史は引くほどに深い。
一口に「アメコミ」と言ってもそのジャンルは非常に多彩だ。
イメージ通りの「アクション」もあれば「政治もの」もある。「恋愛要素」もあれば「復讐もの」もある。世界を揺るがしかねない文学作もある。
そもそもなんでこんな一大文化になったか。
ひと昔前のアメリカ。
頭の凝り固まったお偉いさんが「政治的に悪影響」という何かが間違っている理由で出版物を検閲しまくる事態が起きた。
この自由の国とは到底言い難い現状。
そこでクリエイター達は抜け道を探した。
「子供向けの出版物は閲覧緩いっぽい」
「じゃあ『ヒーローもの』っていう体で好き放題やろうぜ」
かくして外は子供、中身は大人なコナン君さながらな文化が誕生した。
そしてそんな漫画を読んで育った新たなクリエイター達は次の願望を持った。
「動いている姿が観たい」
そしてそれは次々と実現しアニメ、ドラマ、映画などこれまた多方面に渡ってメディアミックスされてきた。
とはいえどれもがひとつ、ないしは少数のキャラに焦点を絞ったもの。
まぁ時間的制限がある以上、致し方ないのだがそれでは物足りないと誕生したのが
(Marvel Cinematic Universe)
通称「MCU」
まずは会社のあれこれについて。
現在アメコミの大手企業は2つある。
ひとつは「DCコミックス」スーパーマン、バットマンなどアメコミを知らずとも名前は知ってるレベルのスーパーヒーローを有する最大手企業である。
そしてもうひとつが「MARVEL」アイアンマン、キャプテン・アメリカ、X-MEN、スパイダーマンなどこちらも超有名なヒーローが所属。
アメコミに詳しくないと全部一緒の会社と思ってしまいかねない。
まぁ日本で言えばジャンプとマガジンのような関係だと言って差し支えないだろう。
しかし日本の漫画と大きく異なる点がある。
それが「権利の帰属場所」だ。
日本の漫画、例えば「ドラゴンボール」でいえば
アニメ化などする場合には両者が頷かなければ実現は不可能。極論を言えば作者がOKしなければアニメもゲームも開発はできない。
対してアメコミ。権利は全て会社が持っている。
というより固定の作者はいない。
もちろん創造したクリエイターはいるが、まぁ権利は持っていない。
これがどういうことかというと例えば『スパイダーマン』の新刊を出す場合。
会社がGOサインだけ出せばもう出せる。
そこから脚本担当、作画担当、カラー担当など各方面のプロを招集して創り上げていく。
芯となる人間がいないので話によって設定がガラッと変わったり、死者が生きてたり、そもそも事件がなかったことになったりすることがしばしば見られるのはこのためだ。
しかしメリットもある。
会社が全キャラの権限を持っているのでコラボがしやすいということだ。
日本でも数々のコラボ漫画がある。
『ドラゴンボール』と『ONE PIECE』の『CROSS EPOCK』などがそれに当たるだろう。短編ながらキャラの魅力爆発の傑作。
一見の価値あり。
しかしこれを達成するまでのハードルは高い。
まずは集英社が企画を立てる。
そして鳥山明、尾田栄一郎 両者に承諾が得られて初めて実現する。
対してアメコミでのコラボのハードルは笑えるくらい低い。
会社がGOサイン→実現。これだけ。
ほぼ単体作を創り出すのと変わりない。
さて。前置きが長くなりましたが
そんなアメコミ会社。基本的にはコラボしまくれるようにか権利の問題か面倒くさいのか全てが同一の世界観で行われている。
MARVELでいえばアイアンマンが飲んでいるときにもキャップは闘い、スパイディは宿題をし、X-MENは悩んでいる。そしてそれらが宇宙規模で行われている。
当然その魅力を実写化するのには時間がいくらあっても足りない。
そこでMARVELは考えた。
「よし、映画で大河創ろう」
具体的には
キャラひとりひとり個別に映画つくる。
下地ができたら集合映画をつくる。
また新キャラの映画つくる。
さらに集合させる。
これらをほぼ無制限に繰り返す。
というアメリカしかできない無茶な計画だ。
スピンオフではなく全てが本筋であるという膨大さ。
日本ならまず通らない企画だがそこは自由の国、アメリカ。
とりあえず自国を象徴するかのようなヒーロー『アイアンマン』を製作、公開した。
そしてこれが大ヒットした。死ぬほど!!
それから次々と新作映画を連発。
そのどれもが大ヒット、そして今に至る。
元はマイナーヒーロー。
今じゃ信じられないが!!
…というわけで簡単に言えばMCUとは「様々な映画をリンクさせて大集合させてを繰り返すコラボ前提の大規模シリーズ」ってことです。
ちなみにMCUでは大きな一区切りを「フェイズ」と呼びます。知らなくても支障ないけど!
以下、そんなMCUのまとめ。
軽いネタバレありなので未見の方はご注意を。
【映画】
〈フェイズ1〉
『アイアンマン』
天才エンジニア兼巨大軍事産業社長。
三足めの草鞋は、スーパーヒーロー。
今や現実世界でもヒーローな「トニー・スターク」が初登場。
世界有数の金持ちがいかにしてヒーロー「アイアンマン」として目覚めたかが丁寧に描かれる。
武器商人という複雑なキャラながら人間味溢れるナイスガイは全世界を虜にした。
今観ても決して色褪せていない全方位無敵な傑作。
全てはここから始まった。
天才生物学者。内に秘めたるは、最強の獣。
緑の怪物「ハルク」が初登場。
普段は穏やかな天才生物学者「ブルース・バナー」はある日、とある事故に遭う。
それにより負の感情を引き起こすと身体が怪物に変化してしまう後遺症を患ってしまう。
後に登場する『アベンジャーズ』にて主演交代&他の作品とのリンクは少なめ、と不遇な作品ではあるが立派にMCUの一部。
むしろ公開当時の評価は『アイアンマン』に勝るとも劣らないほどに高かった。
日陰作といえどもその完成度はかなり高い。
『アイアンマン2』
早くも登場、大人気社長。
前作ラストにてヒーロー宣言を堂々ブチかましたトニーに新たな災厄が降りかかる。
大人気作の続編、後の集合映画『アベンジャーズ』への橋渡しという高いハードル難なくクリアした傑作。
ここから毎回アーマーのテクノロジーが超進化していくのがお約束となる。
相棒の「ローディ」が「ウォー・マシーン」としてデビューする。
後にメイン級の活躍をしていくことになる「ブラック・ウィドウ」もここで初登場。
『マイティ・ソー』
別次元から降臨せし雷の神、登場。
雷神「マイティ・ソー」が初登場。
化学がメインだったMCUの世界観に神話の世界を一気に融合させたある種の博打作。
その設定の大胆さとは裏腹に小綺麗にまとまっている佳作だが、今となっては少し影が薄めなのが残念。
とはいえシリーズを揺るがすメインヴィランでもある「ロキ」やいぶし銀な「ホークアイ」が初登場と重要な作品でもある。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
高潔な戦場の英雄、現代に蘇る。
アベンジャーズの大黒柱「スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)」が初登場。
舞台は第二次世界大戦まで遡りシリーズの根幹となる歴史が語られる。
スタークの父親やキューブの存在など他作品とのリンクも少しずつ登場。
後に重要キャラとなる「バッキー」も初登場。
話としてはわかりやすい冒険活劇。
今までの中では一番コミックらしい作品。
シリーズが積み重ねられるほどに評価が上がっていく不思議な作品でもある。
『アベンジャーズ』
全員、集結。
いよいよ積み重ねの本領が発揮される。
宇宙から来た「ロキ」との戦いのためにヒーロー達が「アベンジャーズ」として手を組む。
「アイアンマン」に軽口叩かれる「キャップ」
「ハルク」にブン殴られる「ソー」
そして本格参戦する「ブラック・ウィドウ」や「ホークアイ」
など夢の共演が次々と実現する。
クライマックスの集合には燃えること必至。
集合作というだけではなく、それぞれに見せ場ある絶妙なバランス感覚も持ち合わせている大傑作。
ここからシリーズのファンになった人も多々。
〈フェイズ2〉
『アイアンマン3』
鋼鉄の漢の行く末は。
すっかり有名になった『アイアンマン』の3作目にして完結篇。
『アベンジャーズ』後のトニー周辺を描く。
負の遺産との闘い、ヒーローとしての決意など綺麗な大団円を迎える。
原点に立ち返るトニー、ラストの「ホームパーティ・プロトコル」など見所満載。
個人的にシリーズでもトップクラスに好き。
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』
無邪気な雷神、再び降臨。
『アベンジャーズ』後の雷神様の周辺。
地球でヤンチャしたロキの後始末に始まり、実家を揺るがす一大危機をエンタメたっぷりに描く。
こちらも1作目同様影は薄めな作品ではあるが
一歩間違えれば地球が終わるレベルの大事件ではある。
地球のレギュラー勢の見納め作でもある。残念。
この辺りから単体作でも国を跨ぐ規模になる。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
今度の敵は、全世界。全てを疑え。
『アベンジャーズ』後のキャップ周辺。
前作の歴史に加えて今作では「政治」が語られる。
前作で死んだはずの「バッキー」 新たな相棒「ファルコン」 そして「ブラックウィドウ」らが国家を揺るがす陰謀に立ち向かう。
全シリーズでも最も評価が高い作品のひとつ。
様々なアクション、話運び、キャラクターなどが絶妙かつ完璧にまとめられた映画の教科書的な作品でもある。
ぐうの音も出ない傑作。未見の方は是非。
銀河の果てで。ならず者達の饗宴。
ここにきて新キャラが次々と登場。
舞台は銀河の彼方。
幼少期に宇宙船に拉致られた「ピーター・クイル」は今では立派なトレジャーハンターとして宇宙を股にかけていた。
そこで腐れ縁的に
凄腕の女暗殺者「ガモーラ」
監獄の破壊王「ドラックス」
喋るアライグマ「ロケット」
植物生命体「グルート」
などと出会う。
そしてひょんなことから全銀河の危機に立ち向かうことになる。ノリで。
舞台が舞台なので「アベンジャーズ」勢との絡みはなし。
逆に言えば入門編としても完成された一本。
そして今度はMCUの世界観を宇宙方面に広げた作品でもある。
全編ノリノリな音楽映画の側面も。傑作。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
再び、集結。今度の敵は外か身内か。
前作にて地球外の敵相手に共闘したヒーロー達。
しかしその正義感はひとつのモンスターを生み出していた。
集合映画『アベンジャーズ 』の2作目。
それぞれ大事件を乗り越えたヒーロー達が再び集結する。
物語的には橋渡しの役割が強いが、それでも
相変わらずな夢の共演、そして一致団結っぷりにワクワクさせられる傑作。
実質「それぞれの2.5作目」とも言える。
さらには各キャラの掘り下げ、そして「ヴィジョン」「マキシモフ兄妹」が初登場。
『アントマン』
最小ヒーロー、成り行きで誕生。
新たなヒーローの誕生譚。
主人公「スコット・ラング」は義賊な行いで逮捕歴がある人生詰み気味な凄腕の盗っ人。
しかしとある日。
盗みに入った場所には不可思議な「スーツ」があった。
それは着た者の大きさを自在に操るスーパースーツであった。
世界の事情よりも自分のため、そして可愛い娘のために頑張る等身大のヒーローが誕生した。
世界的にも「アベンジャーズ」が認知された中でのお話。
いろいろな意味で「身の回り」にフォーカスされた作品。
共感のしやすさやそのコメディ性から評価はかなり高い。
作品のリンクは薄めだが、要所要所で世界が地続きであることがサービス的に描かれる。
逆に予習がいらない映画でもあるので入門編に最適かもしれない。
〈フェイズ3〉
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
地球最大の内戦、開幕。
哀しきヒーロー同士のぶつかり合い。
ひとつの事件からヒーロー達が分裂、闘う事態にまで発展してしまう。
『キャプテン・アメリカ』の3作目であり、完結編。
そしてその登場キャラの多さから「アベンジャーズ2.5」とも揶揄される作品。
今までシリーズが積み重ねてきた政治的背景、現実がヒーロー達に重くのしかかる。
MCUでも一、二を争うシリアスさだが
新キャラ達の共演、そして脚本の完璧さに感動を禁じ得ない超傑作。
後に重要なポジションに就くであろう「ブラックパンサー」が初登場。
さらにまさかの「スパイダーマン」も緊急参戦。
多少複雑な権利問題をクリアしたことに多くのファンは驚きと感動を覚えた。
様々な意味でターニングポイントとなる作品。
天才外科医、魔術師に転職するってよ。
「スティーヴン・ストレンジ」は世界有数の凄腕外科医。
しかしとある事故からその「神の手」を失ってしまう。
現代医学では治療不可なことを悟ったストレンジが最後に頼ったのは「魔術」であった。
新キャラ「ドクター・ストレンジ」誕生譚。
魔術、多次元宇宙、精神世界などMCUの世界観を一気に拡張した作品。
「アベンジャーズ」とのリンクは薄めながら
そのスケールの大きさは今後の展開を期待させてくれる。個人的傑作。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
銀河のならず者、再び。今度はファミリーだ!
邦題は『リミックス』だが、原題は『vol.2』なので要注意。
前作のノリはそのままに、いやそれ以上に。
一作目から時間が経ちすっかり仲良くなったファミリーの様子が描かれる。
こちらも「アベンジャーズ」とのリンクはかなり薄め。
代わりにキャラ、世界観の掘り下げが丁寧に描かれる。
特に「シルベスター・スタローン」と「カート・ラッセル」の参戦はファン(俺含む)を大いに感嘆させた。
これでもかとブチ込まれる80年代感にしてやられた人はかなり多い。安定の大傑作。
『スパイダーマン:ホームカミング』
真打ち、登場。親愛なる隣人の独り立ち。
『シビル・ウォー』にて衝撃のデビューを果たした「スパイダーマン」こと「ピーター・パーカー」の単独作。
学生との二重生活、若さゆえの無茶、そして様々な成長を綺麗にまとめあげた。
期待の新星に相応しい青春ヒーロー映画。
幾度か実写化された過去のスパイダーマンとの区別のためにいろいろと新要素が追加されているが、そのどれもが大好評。
特に社長との絡みはシリーズを追っているファンからすれば感涙もの。必見。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』
銀河をひっくり返すサプライズパーティ。
『マイティ・ソー』シリーズ3作目にして完結編。
少し地味目であった前2作の借りを返さんばかりのスーパー娯楽作。
「ソー」に「ロキ」そして「ハルク」と核弾頭級の面々が勢揃い。
全てをひっくり返すような大暴れを行き当たりばったりで楽しむロードムービー。
その振り切りっぷりは全世界の度肝をぬきつつも大歓迎された。
ラストにはまさかの…?
『ブラックパンサー』
国王で、ヒーロー。最強黒人ヒーロー誕生。
シリーズ随一の良識人がいよいよ単体デビュー。
『シビル・ウォー』にて鮮烈なデビューを果たした新ヒーローの待望となる独自シリーズ1作目。
MCUも大詰めな中、『キャプテン・アメリカ』から引き継いだ「政治」の要素を突き詰めた作品。
様々な要因から本国では記録的大ヒット。
【スピンオフドラマ】
『エージェント・カーター』
最高の漢が愛した最高の女性。
『キャプテン・アメリカ』1作目に登場したキャプテン・アメリカの恋人「ペギー・カーター」が主役のスピンオフドラマ。
舞台はキャップが死闘を演じた世界大戦後。
「S.H.I.E.L.D.」の前身組織でもある秘密機関「SSR」で働くペギーを描く。
トニーの父親「ハワード」や、あの人工知能のモデルである執事「ジャービス」などMCUファンが喜ぶ要素満載。
映画ほどの派手さはないものの、世相を反映したような丁寧なドラマ。一見の価値あり。
『エージェント・オブ・シールド』
無茶ぶりを常人チームが処理します。
『アベンジャーズ』にて死亡したかに思えた「コールソン」捜査官はギリギリで生き延びていた!…というトンデモな設定で幕を上げる。
「アベンジャーズ」をサポートする秘密組織「S.H.I.E.L.D.」をメインに据えたドラマ。
大事件の後処理やサポートの様子を連ドラ形式で楽しめる。
あの事件の裏側など映画とのリンクも多々。
とはいえドラマの中では一番のファン向け作品。
最新シリーズでは「もはや映画勢の手を借りた方がいいんじゃないか」レベルの大事件が頻発しているが、それをどうにかするこいつらもこいつら。
レギュラーキャラはほぼオリジナルながら
アメコミファンな垂涎ものののゲスト出演もあり。
最新シーズンではあの「悪魔の走り屋」も…?
【Netflixドラマ】
舞台は全て『アベンジャーズ』後のNY。
『デアデビル』
悪魔の棲む街で。悪魔は、何処に?
舞台はNY決戦後の「ヘルズ・キッチン」
盲目の弁護士「マシュー・マット・マードック」は心優しい善良な市民。
しかし彼には影の顔があった。
視覚以外の研ぎ澄まされた感覚と父親譲りの格闘技スキルで夜な夜な悪を討つヒーロー「デアデビル」でもあった。
映画では物足りなくなりがちなヒーローとの二重生活にフォーカスした傑作ドラマ。
ネットドラマということで容赦のないシリアスな展開、そして過激なアクションは映画にはない見所。
傍若無人で、脆い。等身大女性ヒーロー誕生。
NYの一角で探偵業を営む女性「ジェシカ・ジョーンズ」には公にできないスーパーパワーと過去があった。
必ずしも「ヒーロー」が歓迎されるわけではない世界。
そこで1人の女性として苦悩し、立ち向かい、ときには絶望するその様は感情移入必至。
こちらもドラマならではのアダルティックな雰囲気満載。愛憎模様がこれでもかと描かれる。
『ルーク・ケイジ』
哀しき過去を背負った優しき破壊王。
元御曹司、現在はホームレスで最強の達人。
『ディフェンダーズ』
裏「アベンジャーズ」誕生。
以上の4名が奇跡の集結。
名実共に「裏」アベンジャーズな面々。
それぞれ抱えている事情は違うものの、正義を愛する気持ちは同じ。
強大な敵を前に嫌々手を組むことを決意する。
『アベンジャーズ』とはまた違った夢の共演が多々。
『パニッシャー』
最恐の復讐鬼。最強の自警団。
「フランク・キャッスル」は元海兵隊員ながら今は善良な市民だった。
しかしとある事件をきっかけにとことんまで悪を憎む復讐鬼となってしまう。
「殺しすら厭わない」という他のヒーローとは一線を画すその信条は観る者の心に強い爪痕を残す。
『デアデビル season2』にて強烈なインパクトを残した「パニッシャー」が単独デビュー。
過激なダークヒーローなだけにネットドラマとの相性は抜群。
今後の展開に期待が高まる。
(今後も追加予定)
…とこのように今では映画18本、ドラマシリーズ8本という怪物大河に成長した。
早いもので最初の『アイアンマン』が10年前の2008年。
そして今年。節目となる10年目になるわけだが
全てが集結する歴史的超大作が封切られる。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
10年の積み重ね。最強の、その先へ。
24時間の予告再生回数がギネスに載る全世界待望の歴史的超大作。
全てが集結し、大爆発する。
今から楽しみだなぁ!!
余談。
MCUの映画には2つの「お決まり」がある。
1つは様々なMARVELヒーロー達の「創造神」こと「スタン・リー」が作中のどこかにカメオ出演している。
これを探すのも毎度の楽しみ。
もう1つは必ずエンドロールの後に「おまけ映像」がある。
それも複数ある場合が多い。
ひとつ観ただけで席を立ってしまう方も多いが、最後の最後に重大な「引き」が描かれることもあるので 劇場が明るくなるまでは絶対に見逃し厳禁だ。
エンドロール後によく出てくる(気がする)
「S.H.I.E.L.D.」長官ニック・フューリー。
ちなみに今回の記事。
当ブログ一発目の校正記事でもあるが
なぜ書こうかと思ったかというと
「マーベル・シネマティック・ユニバース」で画像検索するとトップに来るのが移転前の当ブログ。
まさかと思いつつも見返してみたら
文章が拙すぎて恥ずかしかったからだ。
Googleに晒される日が来るとはなぁ!!
嬉しいような恥ずかしいような!!
とりあえずこれからもこんな底辺ブログをよろしくお願いします。
晒しても1mmも得がないTwitter↓
負の遺産。螺旋殺戮の行く末は。『ジグソウ:ソウ・レガシー』感想。バレあり。
毎度お馴染み、手間暇かけた殺戮ポルノ。
サスペンスの皮を被った痛快娯楽作。
まさかの復活、不死鳥マルチ!!!
ネタバレなし感想。
シリーズ未見でも問題なし。
グロさは(今までに比べると)控えめ。
耐性ないとキツい。
とりあえず「生のありがたみを思い知らせるために罪人を攫って命がけのゲームやってるヤバい殺人鬼"ジグソウ"がいた」ってことだけわかってれば十分。
ちょっと興味あるって方は↓ダイジェストをご覧の後に観賞をどうぞ。
たった3分でシリーズをおさらい 映画『ジグソウ:ソウ・レガシー』ソウ集編映像 - YouTube
『3』観られた人なら絶対大丈夫。
シリーズファンならむしろ物足りない。
というか不満爆発するかもしれません。
当記事は今までのシリーズはもちろん『君の名は』のネタバレに触れています。ご注意を。
正直なんのことかさっぱりわからない。
俺も一度なかなか美人な女性に勧誘された経験がある。
「一緒に幸せになれる」とのことだったので待ち合わせした足でホテルに直行したところ、とんでもないことになったしょうもない黒歴史がある。
結果逆ギレして事なきを得たが、それ以来あまり良くは思っていない。
まぁ個人でやる分には好きにしろとしか言えないが
そんな連鎖商法。経営者側には美味しいのか映画界にもひとつの金字塔がある。
それが『SAW』シリーズだ。少ない元手で大儲け。ひとつ観たら次も観ないことにはもやもやするそのつくり。そして教祖様的な大きな存在。
まぁ連れ込まれる先はカフェではなく処刑場で、待ち構えているのは殺戮兵器という多少の違いはあるが!!
俺の記憶が正しければ数年前に『ファイナル』が封切られたはずだが、近年の全世界共通な深刻すぎる悩み「ネタ切れ」によりこの度、復活!!
ちなみに『ファイナル』は日本独自のタイトル。監督に確認をとってつけた、とのこと。
本作で裏切られちゃったけど!!
思えばサスペンススリラーだったのも『2』まで。
『3』からは「僕らが考えたびっくり処刑術博覧会」になっていた。
一応追いかけてはいたはずなのだが、正直なところ欠片も記憶にない。
『1』の「真ん中の死体が真犯人でした!」には驚かされたのは記憶にあるものの、それ以降は惰性で追いかけていたと言った方が正しい。
さて。そんなシリーズ待望(?)の新作。
本作は予告を見る限りどうやら新シリーズの体をなしていた。
あまり興味はなかったが、嬉しいことにムビチケ2枚が当たった。無駄にするのもなんなので観賞ポイントついでに最終日に駆け込んだ。
しかしこれがなかなかな傑作だった。
驚きのあまり翌日にわざわざ遠出してまで2回目を鑑賞したほどに気に入ってしまった。
先に言っておくとこの高評価っぷりはハードルの低さに他ならない。
真面目なファン(いるのかは知らん!)が観たら首を捻ること請け合いだ。
そもそも新作をつくる意義もあまり見当たらない本シリーズ。
アンケートをとれば大抵は「惰性で追いかけていた」と答えそうなもの。
それなのに俺が本作を気に入れたのは「半端なファン」であることに他ならない。
「まぁ72点くらいの出来だろう」と思っていたらまんま72点だったピッタリ感が心地良かったのかもしれない。
言ってしまえば吉野家の新作牛丼が予想以上でも以下でもなかったような。
そんな期待も予想も裏切らないあらすじ。
のうのうと生きている罪人を攫ってきてはデスゲームを仕掛ける究極の殺人鬼「ジグソウ」が死んでから早10年。
熱狂的な信者はいるものの事態は収束していた…かに思えた。
とある男女5人が目覚めるとそこは謎の部屋。
首にガッチリと繋がれた鎖。
そして目の前にはチェーンソーの壁。
呆気に取られる間もなくスピーカーから安定感のあるボイスで「ゲームを始めよう」とのお達しがかかる。誰がどう見てもリアルガチでヤバい状況だった。
とりあえずオープニング戦で1人死ぬその様から完全にお遊びではなさそうではある。
その後も「注射器をブチ込め! 」「脚を切り落とせ!」「なんとか生き延びろ!」などめちゃくちゃなゲームの数々。為すすべもなく命を散らしていく参加者達であった。
そしてそんな猟奇殺人を担当する刑事が数名。1人、また1人と被害者が肉片となり発見されていくその猟奇的な事件を追っていくうちに、あの殺人鬼の蘇りを確信せずにはいられない物的証拠の数々が出てくる。結構ぞろぞろと!
本当に「ジグソウ」は復活したのか?
おそらく存在する「共犯者」は誰なのか!?
この映画、キチンとオチはつくのか?!!
観客の思いをほぼ無視しながら、今!
殺戮のジェットコースターがスタートする!!「ゲーム ヲ ハジメヨウ…」
…というもの。
端的に重要な根幹を言ってしまえば本作では『君の名は』方式が採用されている。
ゲームパートと警察パートが交互に進行していく演出もそうだが、なにより互いの時系列が全然違う。
大オチを言えば本作のゲームは10年前、「ジグソウ」のデビュー戦でもあった。
まぁ序盤でゲームの被害者達が誰も「ジグソウ」の名前を出さない時点でうっすらそんな気はしたし
時系列シャッフルは過去作でも使われていたネタだったと思うが、まぁ気のせいだろう!!
そして10年後の現在に新鮮な死体が次々と現れていたのはジグソウの後継者ローガン・ネルソンが似た罪人を用いてもう一回同じ「ゲーム」をしていた、とのこと。こいつが真犯人です。
正直「え、それ意味ある?」と言いたくなってしまう二度手間さだが、これこそ本シリーズ独特の雑味だ。
そもそも話の整合性がキッチリ取れていたのもシリーズ前半戦のお話。
正直ファンは別にそこまで期待しちゃいないだろう。
それよりも見所は上記した「ゲーム」に終始する。
本シリーズならではの猟奇性、残虐性、そして割と穴だらけなルールなどの独自性はきちんと受け継がれている。
全体的にエグさは控えめに、スタイリッシュさは増し増しになっている気がしないでもないが
それを目当てなファンはそこそこ満足するだろう。
とはいえエグさを求めている熱狂的なファンからしたら物足りないかもしれない。
しかしこのご時世。新規ファン獲得のためには致し方ないとも言える。
とはいえファン向けのサービスシーンがないわけではない。むしろ悶絶ものの場面がある。
中盤にてジグソウの大ファンだという女の子が出てくる。
その娘の「コレクション」がこれだ。過去作に出てきた「殺戮兵器」の数々。
ここまでズラッと並べられると圧巻の一言だ。
話にはあまり関係ないにしても!
そして脚本のガバさは相変わらずだ。
誰がどう行動するか…というか誰も知るはずがない被害者達の過去のあれこれを熟知している段階で
もはや本気で「神」としか言えないジグソウ。相変わらず映画製作者の視点持ち。
しかし本作はシリーズの前日譚でもある。
そこには過去最高にイキイキとしたジョンさんの姿が!!
オーラ満載に持論を展開する「ジグソウ」の姿が見られるだけでも元は取れたはずだ。
きっと!!
そしてラストにチカチカし始める画面。
一応の謎解きでついていけなかった観客向けへの完全ネタばらしパートなわけだが
ここで問答無用でテンションが上がるのはなんやかんやでシリーズファンなのか「やっと終わりか」と思うからなのかはわからない。
そろそろ自分でも何言ってるかはわからなくなってきたのでまとめるが
トータルすると話の筋が通ってるかは微妙。
一通り「ゲーム」が見られて全貌が明らかになる解決篇にはワクワクを禁じ得ない。
序盤にも言ったが予想も期待も別に裏切られることはない。
それでもシリーズファン、新規の観客どちらにも配慮していることは十二分に伝わってくる。
ある種グロ映画の火付け役ともいえる本シリーズだが、今や海千山千の亜種が氾濫している。
決して見られたものではない駄作が多い中、数年ぶりに何も変わらず新ネタを引っさげて帰ってきてくれたことには感謝を禁じえない。
そこにはテンポの良さだけでは説明できない「なにか」があった。
数年ぶりに会った親友が結婚していながらも中身は学生のときのままだったような懐古感とでも言おうか!
本作はそんな謎の感動を味わえる傑作、と俺は胸を張って言える。
誰がなんと言おうとも!!!
まぁギャ-ギャ-言いながら友人同士で酒でも飲みながら見る分には満足できるだろう。たぶん!!
雰囲気満点な予告↓
雰囲気残念なTwitter↓
ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter
身の程をわきまえる大事さ。『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』軽めの感想。バレあり。
まさかのファンタジー&サスペンス!
観客のモチベーションが行方不明!!
「だから何?」は禁句な謎ムービー!!
ネタバレなし感想。
まぁ予告観てワクワクした方は観ていい…かも?
俺と趣味嗜好が似ている方には全くオススメできません。
デートムービーにも向いてません。
染谷将太さんのファン向け作品。
ちなみに阿部ちゃんはあまり出てきません。
原作ファンの方は大丈夫です。おそらく。
今回、褒めていません。
この映画が好きな方は読まない方がいいです。
もっとキチンとしたブログは山ほどあるのでそちらにどうぞ。それでは。
聞き馴染みのある言葉に「歴史的超大作」ということがある。
まぁ当ブログでも度々出てくるが、基本的にはあまり信用はできない言葉でもある。
今回の『空海』もそのような触れ込みだった。正直なところ予告を見る限りそこまで好きなジャンルでもなかった。
しかし少し調べてみると「この映画のために街をつくった」「中国では死ぬほど大ヒットした」「秒で製作費を回収した」など景気の良い話がぼろぼろと出てきた。
とはいえこの手の頭を使いそうな映画は苦手な俺。
スルー案件だったが、ありがたいことに試写会が当たった。
こうなったのも何かの縁。
無駄にするのももったいない。
なによりつまらなければ大ヒットするわけない、意外な掘り出しものかもしれない。といそいそと観賞させていただたいた。
上映後…というか上映中。
俺の脳裏を占めているのは「だから何?」の一言だけだった。
とにかく肌に合わない映画に顔を出したことを猛省させてくれる生徒指導室のような映画だった。
予告である程度の覚悟はしていたのだが
本編ではそれ以上に古代中国とファンタジーが加速していた。
『三国無双』という諸葛亮がビームを撃ちまくって一騎当千になるゲームは大好物なだけに
同ジャンルな本作は一安心…かと思いきや
本作はそれとは違ったベクトルだった。
まさかの名探偵空海。幻術が飛び交う古代中国。化け猫が大量殺人をやってのける。
…など 見所もなくはないのだが
正直なところあらすじはほぼ覚えていない。
まぁ要約すれば「楊貴妃の死を空海が探る」という話だったと思う。
とりあえずキャラ紹介。空海。実在したお坊さん。今回はまさかの探偵役。
幻術を見破る、妖魔を打ち破る、真相に一直線など有能にして万能。
終始動揺ゼロな鋼のメンタルを持つ。
いつも「私はわかってますよ」的な斜に構えた笑みを浮かべるやれやれ系主人公。
白楽天。今回のワトソン役。
確か詩人さん。正義漢。よくいる助手的キャラ。
楊貴妃。すごい美人。
設定と声から不二子ちゃん感がすごい。
阿部ちゃん。回想に登場。
楊貴妃の死の真相に関わった重要人物。
…以上のメンバーがあれこれ動くのだが、話の山があまりないために特筆したいことはない。
かといっていいところがないわけではない。
本作の特長でもあるビジュアルは息を呑むくらいに美麗だし、独特のダイナミックなカメラワークは映画の雰囲気によく合っている。このキャッチコピーはその通り。
特に終盤にて幻術を使いこなす四捨五入したらミュータントな兄弟が登場する辺りはハリウッド顔負けの圧巻さだ。『X-MEN』から輸入されたような「龍兄弟」
なんかすごい幻術を使う。
なにより役者さん達の演技はかなり素晴らしいのもあって退屈はしない。
この映画にハマる人がいるのもわかる。
それでも俺が合わなかったのは「趣味嗜好」の一言に尽きる。
とはいえ原作は「夢枕獏」の小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』だ。
同著でも『餓狼伝』はめちゃくちゃ好きなので期待してしまった節は否めない。漫画版は作画:板垣恵介という豪華さ。
こちらは有無を言わさない傑作。
「こっちを実写化してくれれば…」と思わずにはいられない。ちなみに未完。
兎にも角にも人を選ぶ謎映画。
決して駄作ではないが、どの層に受けるのかは全くわからない。
ノンフィクションというわけでもなく
アッパーに振り切っているわけでもない。
圧縮すれば30分程度で終わりそうなカルピス映画でもある。
惜しむらくはもっと史実方面、あるいはバカ映画に舵を切ればハマったかもしれない。
それでも10人に1人は傑作という人が出てきそうな作品だ。
残念ながら俺は9人の方だったが、まぁ予告観て我慢できなくなった方は観てみてもいいかもしれない。保障は一切しませんが!!
余談。試写会から数日後。
まさかのペアチケットが当たるという事態に陥った。
無駄にはしたくないから行くしかない!!
こうなったらとことん付き合おう!!
余談中の余談。
作中で一番驚いたのはこのシーン。仲間内でも一瞬流行るくらい印象的だったのだが、なんとこれ「治療に針必要だから取ってくれ」というだけのシーンだった。
このケレン味は評価せざるを得ないな!!
とにかくビジュアルで押し切る予告↓
前代未聞の治外法権ムービー、上陸。『ガーディアンズ』バレあり。感想。
ビジュアル以上のド直球さ!!
その迫力にヒーロー映画好きも初心者も同じく失神する!!
今冬、治外法権が映画界を支配する!!
全世界に果たし状が叩きつけられた!!
世界よ。これがロシアだ。
舐めてかかるな!!死ぬぞ!!!
ネタバレなし感想。
ポスターや予告は話にならないほどの王道さ。
予習復習が面倒な人にこそおすすめ!!
年始はこれでキメろ!!
めちゃくちゃ面白いから安心して劇場へ!!
数年前。
ロシアからとんでもない動画が全世界に叩きつけられた。
GUARDIANS Official Domestic Trailer (2017) Russian Superhero Movie HD - YouTube
明らかにどこかで見たことがあるような超人達が好き放題やっているその動画。
一部でバズったのも記憶に新しい。
まぁどこぞの学生が身内だけで楽しんでいるインディーズ映画だろうと高を括っていた。
しかしどうにもそうではない。
むしろロシアが本気出したらしい。
いろんな意味で観たくて仕方なかったのだが、某最大手アメコミ企業への喧嘩祭のような作品。
興味はあったのだが題材的にもDVDがリリースされれば御の字と思っていた。
それがなんとこの度、狂気の全国ロードショーが決まった。
このセンスが良すぎるともキマっているとも言える英断。
おそらく『ラ・ラ・ランド』の成功で担当者が出世し、新人がその席に就いたのだろう。
まぁ節操がないと言ってしまえばそれで終わりだが、この手の映画を劇場公開できるようにあれこれ動き回ってくれたことにはとにかく感謝しかない。
当然観たい映画リスト入りしていたのだが
ありがたいことに試写会が当たった。
新年一発目に相応しいかどうかはわからんが
相手にとって不足はないのは確かだった。
カフェインを大量摂取して臨んだのであった。
そして90分後。
劇場は異様な雰囲気に包まれていた。
一言で言えばどうかしている映画だった。
相手にとって不足がないどころかお腹いっぱいになった。吐き気を催すほどに!!
10週して褒めるところしかない超傑作でもあった。
ちなみに総製作費は3億ルーブル。
日本円でいくらかは知らん!!
とりあえずそんな洗練されたあらすじ。
冷戦下のソヴィエト。
全世界の予想通りのテンプレとして人道をガン無視した超人兵士計画「パトリオット」を推し進めていた。
しかしあるあるネタのように研究所が大爆発。
その責任者でもある博士が被害にあった。
当然なにもないわけがない。
その事故により超能力を得ることになった博士であった。クラトフ。電磁波を自在にコントロールし、目につく全ての電子機器を意のままに操れる万能能力獲得。
もちろん「はい、そうですか」と落ち着けはしない。
自分をこんな目に遭わせた世界を許してはおけない、と完璧に自業自得な逆恨みを決意!!
復讐と自己顕示欲丸出しになにやらヤバい衛星を乗っ取りに動き出すのであった。
そんな未曾有の危機を政府が放っておけるわけがなかった。
「超人には超人ぶつけよう」とヒーロー脳に毒された考えで急遽、対抗チームを組むことにする。司令塔。エレナ。ロシアン美女。
もちろん一般兵などではお話にならない。
都合のいいことに「パトリオット」の被験者が4人いるじゃないの!!と書類手続きがスルーされた勧誘が始まる。
レア。念動力で鉱物を操る賢者。
サイコキネシスで岩を飛ばしたりアーマーにしたりする落ち着いたおっさん。しかし終盤では電撃鞭使いに電撃転職する柔軟さも兼ね備える。
ハン。超音速を誇る剣の達人。
蝶の羽ばたきが止まるほどの速度で移動し、カッコいい独特刀で一閃する。おそらくクール担当。普通にめちゃくちゃ強い。
本気出すときは白目を剥く癖がある。
アルスス。獣のパワーを持つ天才科学者。
その気になれば熊になれる。理性は半々。怒りの矛先を銃撃するガトリング砲を背負って戦う。
一応リーダー的な立ち位置な雰囲気もある。
ちなみに終盤には完全に熊化する。鬼に金棒以上な熊にガトリング砲!!
クセニア。擬態能力で忍び寄る美女。
身体を透明化することができる。温度変化にもかなり強い。あと不老。人間辞めかけな体術で闘う。
以上、急遽招集がかけられた4人。
それぞれバラバラに思い思いに田舎暮らししていたものの、祖国の危機に悩む余地はなかった。
ある者は自分探しのため。ある者は復讐のため。ある者は暇つぶしのため。
手を貸すことを4人全員が即決!!あらかじめ決められていたチーム名「ガーディアンズ」として頑張ることを胸に誓うのであった。やったるで!!
…というもの。
ひとつ言えることはこの映画、近年でも稀に見るほどに内容がない。
王道を超えた王道さで90分間ひたすらに突き進む。
「ヤバい敵を超人がチーム組んで迎え撃つ」
近年のヒーロー映画はいろいろ要約するとこうなるが、本作は冗談抜きでそれ以外言うことがない。
もう200km/hのど真ん中ストレートな勢いだ。
ここまでの豪速球を投げられると観ている側としてはもう笑うしかない。
もう正直言ってしまえばぶっちゃけMARVELのガンパクりだ。挑戦状というより果たし状。
今や天下のディズニー傘下なのによくぞここまで!と賛辞を送りたくなるほどに!!
例えば登場キャラ達。
皆それぞれ一桁の足し算で成り立っているようなキャラクターだ。
説明するのもあれだが!!
クラトフ=マグニートー+ドクター・ドゥーム
『X-MEN』より。
磁界王。磁力を操るヴィラン。
『ファンタスティック・フォー』より。
天才科学者なヴィラン。
レア=ザ・シング+ウィップスラッシュ
『ファンタスティック・フォー』より。
岩男さん。
『アイアンマン』より。
電撃鞭使いな天才科学者。
ハン=バッキー+クイックシルバー
『キャプテン・アメリカ』より。
ソ連が生んだ最強の暗殺者。
『X-MEN』より。
超高速で走り抜けるナイスガイ。
アルスス=ロケット+ハルク
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』より。
遺伝子操作されたアライグマ。重火器使い。
『アベンジャーズ』より。
内に獣を飼う哀しき天才科学者。
クセニア=インヴィジブル・ウーマン+ブラック・ウィドウ
『ファンタスティック・フォー』より。
透明化できるスーパーレディ。
『アベンジャーズ』より。
ロシアの美女スパイ。体術はピカイチ。
…このように言ってしまえば『X-MEN』で『アベンジャーズ』で『ファンタスティック・フォー』な方々。
奇しくも最近『X-MEN』と『アベンジャーズ』の合流が噂されているが、それよりも早く融合を果たしている。
もはやアメコミに詳しくなくても既視感しかないが
別にそれを隠すこともない清々しさ。
普通はどこかにアレンジを加えたくなるものだが
そんな誤魔化しは一切しない無垢さ。
というか序盤から明らかにアレな多脚戦車が出てくるあたりもうそういうことだろう!!ここまでやられたら怒る人間はいなくなるだろう!!おそらく!
しかしそんな全方位既視感しかない中でも
他に類を見ない圧倒的オリジナリティが本作にはある。
もうとにかく異常なほどにテンポが良いことだ。というか良すぎるほど!!
敵の正体は開始3分で明かされ
チームメンバー達も一声かけただけで二つ返事でなんなく了承する。
そして気づかないうちにチーム「ガーディアンズ」が結成され、気づかないうちにモスクワが火の海と化している。
いつのまにか専用装備が開発されていて
近年ありがちなチーム内でのいざこざは一切ないままに、ヒーロー達のバックボーンは一言二言で済まされる。
そして軽いセラピー後に最終決戦。
普通はドラマの1つや2つ入れたくなるものだがそれもないという徹頭徹尾筋が通った潔さ。
ラストには近年のヒーロー映画において必須である合理さを全て排除した合体かめはめ波で幕を下ろす始末。一切の誇張なしでこれ。
ご都合主義なぞとうに超えた!!
確かに丁寧にドラマパートを積み重ねるのは映画的にも正しいかもしれない。なにより感情移入もしやすくなる。
それでもこのインタビューと前戯をすっ飛ばした総集編AVのようなつくり。
「なんとなく察せ!!」
「もうお前らの観たいとこだけ観せてやる!!」と言わんばかりの開き直りっぷり。
こちらも「確かにそうだ!!」と頷かざるを得ない。
もはや大手企業には逆立ちしてもつくれないだろうこの無我の境地さ。
アクションやビジュアルは大真面目なだけに何処かシリアスな笑いに包まれるが決してそれらは嘲笑ではない。
好きすぎて真似しちゃった感がそこら中から漂ってくるせいでどこか俺らの仲間のような気がしてくるからだろう。
なんというか、大作映画を観た後の寝際にベッドでする妄想の集合体のような。
クレイジーではあるが引くことはない。
「むしろもっとやれ!!」と応援したくなってくる。
とにかく全編多大なるオマージュにまみれた最高な映画だ。
近年、複雑膨大化するアメコミ文化。
まずはあれ見てこれ見て〜といちいち予習復習が当たり前になっている現状。
もちろんそれも嫌いではないがそんな中、手ぶらで気楽に見られるヒーロー映画が出てきた。
それも超大作の傑作として。
むしろこれを見ずして何を見るのか!という禅の境地にも達しかねない本作。
エンドロール後に当然のように差し込まれる次回作への引きも混みで愛に溢れた作品だ。
ヒーロー映画を観たことがない人。
ヒーロー映画に詳しい人。
どちらも気絶しかねない衝撃が待っているが
とにかくぜひ劇場に行ってほしい!!
全てが吹き飛ぶぞ!!!俺はもう一度行く!!!
余談。
上映後にアメコミライターである杉山すぴ豊さんと
アメコミフィギュア最大手の豆魚雷さんのトークショーがあった。
試写会参加条件がアメコミファン(自称可)ということもあり、全編「わかる」話ばかりだった。
帰る際にはA1サイズのポスターまでプレゼントしてくれて大満足だった。
それだけ本作にはいい歳した大人を突き動かす「何か」があるということだ。
良い試写会始めだったなぁ!!
口コミで褒めまくる他ない!!
油断できない予告↓
1/20(土)公開『ガーディアンズ』予告編 - YouTube
天空にガトリング砲を放ちたいTwitter↓