勇者ロック様とジュマンジの謎。『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル感想』感想。ネタバレあり。
『ブレックファスト・クラブ』×『勇者ヨシヒコ』
…これ監督「福田雄一」だろ!!
一度きりの人生、みんな仲良くしよう!
ロック様はどこでもマジロック!!
楽しめ!!ただひたすらに!!
ネタバレなし感想。
大方、予告通りです。
期待しているものは一通り出てきます。
ただアクションよりはコメディ寄り。
吹き替えは全く問題なかったのでこちらでも。
MX4Dや4DXはおそらく半々。
2Dでも十二分に満足できます。
老若男女問わずオススメ。
軽めの下ネタはあるのでご注意を。
言わずと知れた「ロック様」である。
日本での知名度は100%とはいかないが
2016年には「最も稼いだ俳優2016」第1位に輝くほどのトップスター。
正直なところ彼の出身でもあるプロレスは観たことがないが
それでもスクリーン映えするそのオーラには惚れずにはいられなかった。
「スキャンダル率は90%超え」
「作品は場外ホームランか全力の三振か」
そんなエクスペンダブルズな方々とは
また違った魅力に満ち溢れた漢でもある。
さすがにハリウッドトップクラスに稼いでいるだけあってその出演作は多岐に渡る。
最も有名なのは『ワイルド・スピード』シリーズだろう。
シリーズ5作目『〜MEGA MAX』より参戦。
路線変更を決定付けるほどに男の願望特盛状態で登場。
そのわがままボディは全世界を虜にした。
さらに漢気は回を増すごとにインフレ。
『7』では我らがステイサムとタイマンを張り
『8』では共にエクストリーム脱獄後、電撃和解。
さらにはシリーズ初となる2人のスピンオフも企画されている。
仲良しだな!ほんと!!
まぁおかげでファミリーとは絶賛喧嘩中らしいが
さっさとコロナ空けてBBQしてほしいところ。
新参者2人が主演張ってスピンオフまでやり出したら良い気しないのはわかるが!!
ちなみにこの騒動で一番株を上げたのは
話に一切絡んでこないステイサム。
スタローン以外とイチャつく気なさそうだな!
気がつけばステイサムの話題になってるので閑話休題。
とにかく個人的にはステイサムと並ぶとも劣らない程度には大好きな漢。
それが「ロック様」だ。
とにかく全方面で憧れと敬意以外の感情を失うが
そんなロック様の最新作。
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
本作は1995年に公開された『ジュマンジ』の正統続編。
物語の舞台も20年後となっている。
言ってしまえば『マッドマックス』や『ジュラシック・ワールド』方式な作品。
一応精神的続編として『ザスーラ』があったが
真っ向からのシリーズ作は初。
正直なところ恐縮ながら「昔テレビで観たかどうか」レベルの作品ではある。
それでもロック様の最新作を見逃す手はない。
割と何も考えずに劇場へ駆け込んだのだが
未見でも全く問題なく、というか宣伝からして若者向けに仕上がっていた。
そして恐らくは昔からのファンへ向けた数々のサービスシーンもあった。
今風の要素が堅実に取り入れられ、確かにアップグレードされた「ジュマンジ」がそこにはあった。
もう老若男女全てに贈られていた。
そんな「卍」×「チョベリグ」なあらすじ。
とある日。とある高校。
今日も何人かの生徒の居残りが決定した。
左から
「スペンサー」気弱な格ゲーオタク。
日々の楽しみはゲームくらい。
昔は仲が良かったフリッジに課題をパシられた挙句にそれがバレ、居残り決定。
「フリッジ」カースト上位の体育会系。
外面のためにスペンサーを切り捨てた過去がある。
代返がバレたために居残り決定。
「べサニー」運動嫌いなガリ勉女子。
割と率直に物を言う癖がある。
体育教師に向かって体育教師をバカにしたため居残り決定。
「マーサ」インスタ女子。
自撮りに恋愛に大忙し。
テスト中に友人とビデオ通話する鬼メンタルを持つ。
当然、居残り決定。
かくして集まったバラバラな4人。
今日の居残りは倉庫の清掃。
当然やる気が出るわけもない。
そんな中、フリッジがとあるものを見つける。
それは学び舎には似つかわしくないものであった。
見慣れないゲーム機。
年相応の好奇心、そして「居残りなんてやってられるか」精神でゲームを起動する4人。
それぞれ適当にキャラを選んだ。
単なる暇つぶし…のはずだった。
気づいたときにはもう遅かった。
突如ゲーム機が危ない光を放ち出す。画面に身体が吸い込まれてしまう。
それこそが現代用にアップデートされた魔のゲーム「ジュマンジ」であった。
気がつけばそこはゲームの中。
そしてそれ以上に多大なる違和感があった。
明らかに身体がおかしかった。全観客のお察し通りにそれぞれ選んだキャラクターとなってしまった4人。
体育会系のフリッジは「フランクリン・"ムース"・フィンバー」
異様に体力の低いサポートキャラ。
ガリ勉のべサニーは「ルビー・ラウンドハウス」
格闘技術トップクラスな闘う美女。
インスタ女子マーサは「シェルドン・"シェリー"・オベロン教授」
まさかの考古学教授。おっさん。
そしてオタクなスペンサーは「スモルダー・ブレイブストーン博士」
…というよりロック様。
奇しくもそれぞれ現実とは真逆のキャラになっていた。
それを受けて悲喜こもごもな4人。
しかしいつまでも感傷に浸ってはいられなかった。
ここはアクションゲームの中。
つまりは連鎖的にイベントが巻き起こり始める。
ガイドキャラに拉致られ、ざっくりとした説明を受ける面々。
とにかくこのゲームをクリアするにはいくつかの条件があるらしい。
そうこうしているうちに動き出す敵。
「ラッセル・ヴァン・ペルト」
兵士、虫、猛獣を従える「よくいるボスキャラ」
もう愚痴っている場合じゃなかった。
迫り来るは
マッドマックスなバイク野郎共。
獰猛極まりない野生の猛獣達。
情け容赦一切なしの即死トラップ。
そしてゲームナイズされた最凶ヴィラン。
残機はそれぞれ3つずつ。
頼れるものはお互いのやる気と絆のみ。
果たして4人は揃って「ジュマンジ」を叫べるのか?
攻略本もスマホもセーブもロードもないクソゲー攻略が始まる!!
…というもの。
まぁ予告や「ジュマンジ」というタイトルから予想のつく内容ではある。
実際、本作にどんでん返しなどは存在しない。
それでも真正面からこれだけのエンタメ作を堂々とつくられては楽しむ他ない。
悪く言えば「ひねりがない」だろうが
これは「安心して観られる」と言うべきだろう。
そのサービス精神は全篇失われることなく加速していく。
それは全員真逆のキャラになったことによる
ある種のカルチャーギャップコメディから始まる。
そしてそれは単なる笑いで終わることはない。
・体育会系で自己中心的だった「フリッジ」
能力低めのサポートキャラになったことで今までの自分の愚かさを知る。
・運動嫌いで理屈的な「べサニー」
格闘技マスターなイケてる女子になったことで
どんな立場でもその本質は変わらないことを学ぶ。
・インスタ女子から化石なおっさんになった「マーサ」
序盤のショックを乗り越えてからは割と平常運転気味だったが、それでも「外見より中身」「画面越しより直接」を身を以て体験する。
そしてなによりオタクから「ロック様」という確変が入ったスペンサー。
男の頂点とも言える立ち位置になる。
ゲームが得意ということもあり人生で一番輝いているときでもあった。
最終的には「ここに残りたい」と言い出す始末。
それでも最後にはその殻を破り
1人の男として成長を果たす。
こんな個性的な面々が
喧嘩したり急接近したり、カバに喰われたり、ケーキ食べて大爆発したり、囮になったり、囮にされたり
時には真正面から、ときにはメタ的に馬鹿騒ぎしながらゲームをクリアしていく様を見ているだけでも十分元は取れる。
しかし製作者は忘れていなかった。
前作ファンへの多大なるリスペクトを。
中盤でお助けキャラ的に登場する1人の男。
「ジェファーソン・"シープレーン"・マクドノー」
特技は乗り物の操縦。
どうやらゲーム起動時に選べなかった最後のキャラらしい。
当然仲間が出来たことで互いに大喜びする5人。
しかし話していると大きな違和感があった。
言葉遣いが完全に死んでいた。
話を深く聞いてみると彼のプレイ時間は2ヶ月ほど。
しかしゲームを起動したのは20年前だった。
ここにきてゲームにおける最大の強敵「現実」が襲いかかってきた。
残機がゼロになると現実世界でも死ぬこともそうだが
せっかく出会った仲間は四半世紀前のゲーマー。
高校生の心をへし折るには十分すぎだった。
しかしやはり80年代の男は伊達ではなかった。
なんやかんやありつつも仲間の激励を受けて割とあっさり奮起!唐突にグラサンをかけ直し、ヘリに飛び乗るショック療法を実行!!
この熱さ。
たとえ生まれた時代や言葉遣いが違くとも
胸の奥底に流れる仲間を思い遣る気持ちは一緒だった。
そもそも本作はそのテーマからして恥ずかしくなるほどのド直球さ。
「人生は一度しかない」
「だから後悔しないように全力を尽くすしかない」
「みんな悩んでるってこと忘れがち」
「スマホもいいけどたまには外に出よう」
…などなど、今どき珍しいほどに真っ直ぐだ。
しかもこれが台詞として出てくる。
それを青臭いと言うのは簡単だが、主人公達は高校生。
このくらいのストレートさがあって然るべきだとも思う。
斜に構えがちな若者向けの作品だからこそのテーマとも言える。
まぁこの映画を観たとしても特に何も変わらないかもしれない。
照れくさくて目を逸らしてしまうかもしれない。
それでもふとしたときに思い返して「なるほど」と思うときがいつか来るはずだ。
いろいろあった俺にはこれ以上ないほどに沁みた映画だった。意外にも!!
確かに本作はいろいろと歪だ。
しかし現実はそれ以上に歪んでいることもある。
そもそもゲームにバグはつきもの。
これで大正解だ!!
そしてなによりの見所「ロック様」ガタイの良さと身体能力の高さからアクション一筋かとも思われるが、実はかなりのコメディエンヌでもある。
もともとプロレスラー時代は弁の立つことでも有名だったらしいが
そのお茶目さは本作でも存分に発揮される。
むしろ主にそちら方面がフォーカスされる。
「頼りねぇなこいつ」と「やっぱり頼り甲斐あるわ」が交互になだれ込んでくる感情の津波に飲み込まれること必至。
「情けないロック様」というある意味ではファンが一番観たくないものを見事に笑いに昇華している辺りは「さすが」という他ない。
それを示すように今回のロック様大暴れは一ヶ所だけ。
しかしそれは見応え十分なもの。
この後、とんでもないことになります。
「身体はロック様、中身は格ゲーマー」という脳筋コナン君の実力が発揮される。
とにかく終始「勇者ヨシヒコにロック様ぶち込んでみた」な本作。
誰も傷つかずに笑えて燃える爽やか青春コメディな傑作といえる。
劇場公開は終わってしまったかもしれないが
もし機会があれば手にとっていただきたい。
誰とでも観られる貴重な映画だ!!
余談。
コメディよりもアクションに燃えるロック様ファンは本作では少しばかり物足りないかもしれない。
しかし心配はいらない。
昨今は未曾有のロック様フィーバー。
『ベイウォッチ』
「スーパーマンなロック様」と「スーパー陽キャなザック・エフロン」がライフガードの域を超えた大暴れ。
ティーンエイジャー向けの傑作コメディ。
本作でも共演を果たした「ロック様」と「ケヴィン・ハート」によるアクションコメディ。
「ロック様は元いじめられっ子だった!」という衝撃の幕開けで始まる。
じんわり勇気づけられる傑作。
巨獣×米軍×ロック様が最強三つ巴。
そのガバガバさはもはや『コマンドー』
全ての破壊衝動が消え失せる大傑作。
東京タワーの3倍の高さを誇る「バベルの塔」で
パパロック様が家族のために大奮闘。
『カリフォルニア・ダウン』から引き続きシリアスな作風が期待される。
…と一時期のステイサムばりにスクリーンに連続登板される。
これだけの数をこなしてくれるのは
「ロック様マジロック」という他ない。
全部観よう!!!
ファンならずとも!!
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