本当にカッコイイとは、 こういうことさ。『次元大介の墓標』感想。バレあり。
「あばよ、次元。」
短い上映時間でも確かな満足感。
これぞ観たかった『ルパン三世』
ひりつくほどのハードボイルド。
「カッコいい」とは、こういうことさ。
よくある謳い文句に「国民的アニメ」というものがある。
一定の知名度さえあればどんなものにでもつく尻軽な枕詞でもある。
個人的なNo.1アニメといえば『ルパン三世』を推したい。
老若男女問わずレギュラーキャラの名前の名前の浸透っぷりはハンパではない。
「ルパンかSMAPか」な勢いだろう。
もはや「ルパン好き」と言ってもアニメオタク認定は決してされない世の中。
しかし長期にわたって放映されている長寿シリーズゆえにファン層はライトとハードでガッツリ分かれてもいる。
基本的に『カリオストロの城』嫌いはいないと思っているのだが
「あれでダメになった」というファンも少なくない。
確かにあれ以降「適当なお宝を中心にレギュラーキャラとゲストの女キャラがわちゃわちゃする」ようなテレビスペシャルが増えた気がしないでもない。
さらには「国民的アニメ」の『名探偵コナン』とも馴れ合う始末。
ライト向けと言われても致し方ないかもしれない。
TVSP『ルパン三世VS名探偵コナン』
ちなみにストーリーは繋がってます。
賛否あるけど俺はめちゃくちゃ好き。
近年ではなんと新作のTVシリーズもつくられるほどには浸透しているとは言え、やはりどこか寂しい気持ちは否定できない。
まさかリアルタイムで観られるとは。
こちらもめちゃくちゃ好き。
しかし2012年。
その時代の流れに圧倒的「NO」を叩きつけた傑作TVシリーズがつくられた。
『峰不二子という女』
不二子ちゃんがメインのスピンオフシリーズ。
原作風なアダルトな雰囲気全開。
お子様立ち入り禁止なその作風。
「くっそ面白いな!!これ!」
そんな感想を抱いたのは俺だけではないはずだ。
そしてそんな世論に煽られたのか、その雰囲気を引き継いだ「次元大介」のスピンオフが映画として公開された。
それが本作『次元大介の墓標』だ。
上映時間は前編後編合わせて50分というむしろテレビアニメに近いつくりながら
そこにコナン君のパパはいなかった。
ルパンのことを「ビジネスパートナー」と言い切り
本気で命の取り合いをするあの渋いガンマンの姿が確かにそこにはいた。
そんなハードでシリアスでロマン満載なあらすじ。
今回の舞台は東西で分裂しているドロア共和国。
そこにルパンと次元はいた。
今日も今日とてお馴染みのハイクオリティすぎる変装技術でお宝を盗み出すのであった。
しかしいつもと違うことがひとつ。
やたらと治安の良いこの街。
なぜか警察に先回りされている。
とはいえそこは天下の大泥棒。
隙をついて逃亡を図るのだが
そんな2人を遠くからスコープ越しに見つめる漢が1人。
「ヤエル奥崎」
任務を完全遂行する超一流の殺し屋。
持ち前の銃器やロボまでつくるDIYの達人でもある。
標的以外は決して殺さないポリシーを持つ。
標的を殺す手数はサイコロで決める茶目っ気も。
そこらのスナイパーならルパン&次元の敵ではない。
しかし何故か完璧すぎるタイミングでのスナイピングを行なってくるヤエル。
2人とも1発ずつもらってしまう。
実はこの殺し屋。
過去に次元が派遣バイトとして警備していた歌手を殺した張本人でもあった。
「クイーン=マルタ」
東西ドロアの平和を望む人徳者。
ステージ上で悲劇の死を迎えてしまう。
当然やられっぱなしでは終われない。
しかし相対した際の早撃ちでもヤエルに一本とられてしまう始末。
「こりゃやべぇ!」とルパンお得意のスーパードライブで逃げの一手に回るも
倉庫街にて狙撃を受けてしまう。
衝撃的すぎる敗北。
標的ではないルパンは助かったものの、悲痛さと絶望に襲われてしまう。
一方。峰不二子。
「泥棒からは足を洗った」という誰が見ても嘘満天なことを言いながら泥棒稼業に精を出す日々。
しかしこちらも相手に一本とられて囚われてしまう。
そこで変態倶楽部の見世物として全裸に剥かれ水槽にブチ込まれる。
さらに追い討ちのように使徒っぽい殺戮ロボットが投入される。
いつもならどうとでも脱出している場面だが、今回の不二子は自称「普通のショーガール」
殺される寸前まで追い込まれてしまう。
どうする!?不二子ちゃん!!!
…といった具合だ。
まぁ結局のところ不二子はルパンが助けにくるし
次元も死んでないのだが
それはお約束だし!!
とはいえ個人的にグッときた場面も多々ある。
それは全編に漂うハードボイルドな空気が一気に加速する終盤。
ルパンの知恵によって生き延びていた次元がヤエル奥崎と再び相対する。
そしてやはり得意の早撃ち対決となる。
一度は敗けている相手にだけにどうするのか…
そう思っている間に開幕の合図。
手慣れた様子で早撃ちする両者。
先に倒れかけたのは次元だった…が。
勝ち誇っていたはずのヤエルの左腕には文字通りの風穴が空く。
弾丸の重さで勝ちを見た次元。
相手の弾丸に弾丸をブチ込み、互いの軌道を逸らすという離れ業をやってのけた。
弾が重いマグナムはズレが少なく狙った通りに撃ち込める。
よって「次元の勝ち」というわけだ。
化け物だなぁ!!!
そして痺れる一言。
「お前がどれだけ軽い銃を使おうが知ったこっちゃ無いが、俺に言わせりゃロマンに欠けるな…」
さらに全てを終えて一服。
「俺はただ…うまいタバコが吸いてえだけだ…」
「そりゃ…気が合うねぇ…」
そして笑い合う2人。
最高だなぁ!!
ちなみにヤエルがルパン達の動きを先読みできていたのは
「異常なほど街中に設置されている監視カメラの映像を右眼に転送していたから」というもの。
コナン君もびっくりだな!!
それを解き明かすルパンもルパンだが!
IQ300は伊達じゃないです。
…そして衝撃のエンディング。
あっ!? マモーだ!!!
さらにはエンドロール後。
あっ!! とっつぁんだ!!
ファンサービスも忘れない大傑作だ!
ぜひ観よう!酒と煙草片手に!!
余談中の余談。
気がついたら今回が記事数が50本超えてました。
まぁ特になにもありませんが
100本目指そう!!こうなったら!!
ハードボイルドな予告↓
『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』特報 - YouTube
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