殺し屋インターハイ、開幕。『ジョン・ウィック:チャプター2』バレあり。感想文。
前作は序章でしかなかった。
比喩抜きで!!
理想的、かつ真っ当な続編。
とりあえず予告篇で少しでもピンときたら観よう!
前作未見でも全然大丈夫だ。
アクション好きなら絶対に劇場へ。
前作好きなら死んでも観ろ!!
映画とはビジネスである。
故に、成功した映画には続編がつきものだ。
もちろん観客もキャストも製作陣も、誰もがさらなる成功を夢を見る。
しかしそう簡単に事が運ぶことはなかなか難しい。
同じことをしたのでは続編の意味がない。
しかし突拍子すぎるのも顰蹙を買う。
『ランボー』『エイリアン』『ターミネーター』(どれもキャメロンだ!凄いな!)のように思い切って方向転換を図るのも手だが
正直一か八かのところがある。
そもそも傑作だからこそ続編の話が出る。
その決して低くないハードルを越えられた作品はそう多くない。
「まぁ結局、一作目が一番面白いよね」とはよく聞くセリフだ。
そんな中。
「キアヌ、マジギレ。完全復活!」な
『ジョン・ウィック』が世界中で大ヒット。
『ジョン・ウィック』バレあり感想!中二魂持ってるなら見ずに死ねない!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
当然の流れで続編が待望される流れに。
正直なところかなり不安であった。
ただのアクション映画ならいざ知らず。
この映画の魅力のひとつに「独特の世界観」があるからだ。
例えば殺し屋限定サービス。
他の映画では見られないような多少のファンタジーが絶妙に織り混ざった世界観。
そしてそこで繰り広げられるやたら地に足の着いたアクション。
本作の魅力を活かしたままに意義のある続編などつくれるのか…とファンとして無駄な焦りを抱えつつ試写会へと足を運んだ。
しかしそんな器の小さい細々とした杞憂は上映開始と共に吹き飛んだ。
「お前らの観たいものはこれだろ!!」というキアヌと監督の心意気のつるべ“撃ち”状態。
痒いところに手が届く、どころか思いっきり掻きむしるような快感に襲われっぱなしだった。
そんな「最高にわかってる」あらすじ。
前作の5日後。
犬の復讐はスッキリ遂げたものの車はパクられたまま。前作ラストから引き続く激おこ状態。
一度復帰したキアヌは止まらない。
挨拶がてらいっちょ奪還に向かうのであった。邪魔者は轢こう!!
どうやら現在キアヌの愛車は前作で始末した組織のボスの兄弟の下にある、とのこと。
当然相手方はキアヌの現場復帰を聞きつけ焦りに焦りまくっている。
手下が「所詮、車一台でしょ?」と言おうものなら
「お前はなにもわかってない! あいつは…」
「鉛筆で3人殺したんでしょ?知ってますよ」
「その伝説は控えめなんだ!!」
とブチギレ!!
そこにノックもなしに単騎で乗り込んでくるキアヌ!
クライマックス級のゴリゴリアクションの末に車を奪還する。そこになんとかキアヌを始末しようとする手下達。
ここから地に足の着いたワイルドスピードが始まる。クラッシュすれば車体は凹むし、ドアも取れる。
しかし気にしない!!
せっかく奪還した愛車がスクラップになるのもお構いなしにマフィア共を殲滅していく。
当然、カーアクションだけではない。
設定上は5日後だが、どうみても一年はトレーニングを積んだような動きで雑魚共をバッタバッタとなぎ倒していく。監督とキアヌ曰く「今回はアクションに柔術を組み込んだのさ!」とのこと。
なるほど、確かに投げまくりだ。コンクリの地面に!
もはや「前作では舐めプしてたんじゃないか…?」
と思えてしまうほどのアップグレードぶり。
ただ続編としては大正解と言わざるをえない。
とにかく開始早々に組織をひとつ潰すという口が塞がらないオープニング。
そんなデッカードの如き無双っぷりもそこそこに帰路につく。今作のキアヌ≒この方。
「形だけの続編ではない!!」と観客に叩きつけたのも束の間。
ひとりの男が訪ねてくる。「サンティーノ・ダントニオ」
どうやらキアヌとは同じ釜の飯を食ったサークル仲間らしい。
嫌な予感がするもどうにも無碍にはできないキアヌ。
そして予想どおりに「とある殺しの依頼」をされる。
「いや、俺引退したから…」と断るもなにやらゴツい金メダルを目の前に出されて押し黙ってしまうキアヌ。何を隠そうこのメダルは「誓印」といい
殺し屋ソーシャル内では鉄の掟の証でもあるらしい。しょんぼりキアヌ。
それはこれがある限り足を洗えない、という厄介な鎖の象徴でもあった。
簡単にいえばこれを見せつければまた依頼ができる、というもの。
例の如くあの独特な世界観だ。
ワクワクしてきた!
かくしてその依頼とは
「権力を握った俺の実姉を殺してくれ。そうすれば全権が自分にまわってくるから」
もう家族愛もへったくれもないものだった。
後に判明するのだが、この標的とはキアヌも昔馴染み。
全く気が乗らないものの掟は絶対な王様ゲーム的世界。岸辺露伴のようにはいかず。
渋々首を縦に振るキアヌであった。
しかしそんなキアヌを信じていないのか、このサンティーノ。
なんと家を出るや否やキアヌ宅にロケランをブチ込む。「いや、死んだら元も子もねぇだろ!!」と思ってしまうが
そこはキアヌ。愛犬と共に一命は取り留める。
しかし愛する嫁との想い出がつまった我が家は一瞬にて廃墟に。
当然キアヌは「もうこいつ仕事の後に個人的に殺す」モードに突入。
犬のためにロシアンマフィア殺した漢の家を爆破するサンティーノもそうだが
この状況で仕事はきっちり受けるキアヌもキアヌ。
とにかく腹に一物、どころか百物は抱えた状態で物語はスタートするのであった。
とりあえずいち早くサンティーノを殺したくてたまらないキアヌは手早く依頼を片付ける。
…が、それで終わるような生易しい業界ではない。
報復を見越したサンティーノはキアヌの首に700万ドルの懸賞金を掛ける。そして各地の殺し屋達に一斉送信されるメール。
当然そんな美味しい話に食いつかない裏社会人など存在しない。
かくしてニューヨーク中の殺し屋に狙われることになってしまったキアヌ。
この世界に再び引きずりだされた怒り。
そんな世界でしか生きられない哀しみ。
そして八方塞がりにも程がある途方のなさ。
その全てを殺意へと変換し
「復讐」という名の兵器を背負い込み
修羅の道へ舞い戻るのであった。
殺せ!殺せ!!殺せ!!!
もうあらすじだけでもたまらないが
特に刮目すべきはその規模。
前作ではvsマフィアであったが
今作ではニューヨーク中の殺し屋をたった1人で相手どる。
まさに地区大会から全国大会へ。
よって敵の強さもキャラの濃さもアクションの比重も超甲子園級に。
個人的に大プッシュしたいのは彼女。「アレス」(演:ルビー・ローズ!)
『トリプルX 再起動』にて俺のハートを強盗のようにかっさらっていった彼女が緊急参戦。通称「クリ勃起」というカリスマ性溢るるイカれたスナイパーを熱演。
俺の中ではヴィンとドニーさんに並ぶ程に大好き。
その御仁が今度はキアヌと。
それもラスボスに近い役割で。
「最高」という他ない。
前情報はほとんど入れてなかったために
出演を知ったのは上映直前。
俄然、前傾姿勢で観賞せざるを得なくなった。
今まで通りに本作でもその男前度はMAX。
聾でありながらもその腕前はピカイチ。序盤からキアヌを睨みつけっぱなしの圧倒的存在感。
ラストバトルは「鏡の部屋」という満点のサービス。絶頂するしかない。
個人的な話だが手話経験がある身としてはその設定にすら惚れる。
まさに終始、俺得なキャラだ。
そしてキアヌのライバル的存在として「カシアン」
キアヌとおなじくルールに則る一流プロな殺し屋。
どうやら顔馴染みでもある様子。
というかこの世界では現実以上にキアヌの名前が知れ渡ってる節がある。
作中、幾度に渡って死闘を繰り広げるが
途中ホテル内に突入してしまった際には一時休戦をする律儀さもある。殺し屋御用達「コンチネンタル・ホテル」内では殺しはご法度。
支配人にBARを勧められて大人しくサシ飲みをする素直さ。
かと思ったら一転、駅や電車内では血で血を洗う殺し合いを演じる。
その他にも幾多の名もなき殺し屋が登場する。
路上バイオリニスト、スモウレスラー、ホームレス etc...
もう適当に銃ぶっ放せば殺し屋に当たるレベルで!
前作にも増してファンタジー度は上がったがこれも正しい続編の形。
そして…
「バウリー・キング」
…というかローレンス・フィッシュバーン。
「おひさ!!」
もう明らかに只者ではない。
その名の通り裏社会の王にしてホームレスの王。
ニューヨーク中に狙われてしまったキアヌをフォローする。
銃弾を7発だけ装填したハンドガンを渡すだけだが!
さらに…
あの「ジャンゴ」がまさかのサプライズ出演。
「コンチネンタル・ホテル」inローマの支配人。
残念ながらアクションシーンはないのだが
その存在感は全く衰えていない。
このように濃い新キャラが「これでもか!」と投入されている。
さらにそれだけではなく嬉しいことに前作からのキャラもおざなりにされていない。
このことからも製作陣がいかに世界観を大事にしているかが伝わってくる。
「オーレリオ」
キアヌ馴染みの自動車修理屋。
ちょい役だが相変わらずの仲の良さ。
オープニングにてスクラップになったキアヌの愛車の修理を請け負う。
「直るのはクリスマスだな。2030年の」
ちなみにあの巡査も。前作と合わせても出演時間1分程度だが、続投させる隙のなさ。
今作ではロケランにて破壊されたキアヌ宅をガス爆発で済ます気配りの良さを見せてくれる。
「おいおい…」感は健在。
…などなど。
さらにはそれを壊すことなく新たな要素も続々登場するサービス精神。
「ガンセラー」
店構えはほぼほぼワインセラー。
一流ガンソムリエが在籍。
注文通りの「一品」を揃えてくれる。
試飲ならぬ試射も出来る周到さ。
ここでバイトしたいなぁ!!
「仕立て屋」
一見、高級スーツ店。しかしここは裏社会。
「スーツは男の戦闘服」とは額面通り。
本気の戦闘服を仕立ててくれる。
憧れるオーダーメイドっぷり。
配送サービスもやってます。
とにかく本シリーズならではのオリジナリティが損なわれるどころか拡大していく。
その世界観で繰り広げられる
「目には目を、殺意には殺意を」
なアクションの数々。
もはや戦争ものだ。
もうエクスペンダブルズに入隊してもおかしくないほどのレベルアップぶり。
見所のひとつ。高速マガジンチェンジ。
ノーCGというから驚きだ!!
その過激さが顕著に現れるのが中盤。
キアヌが名もなき殺し屋タッグに襲われる。
前作、そして序盤にて語られたあの武勇伝がいよいよ顔を出す。
手持ちの銃は弾切れ。2人に囲まれ絶対絶命。
しかしキアヌの目線の先にはあれがあった。
そう、鉛筆だ。
有無を言わさずそれを手に取り
躊躇なく倒れた相手の耳にブチ込む!
さらに掌でキチンと奥まで押し込む!
それだけでは終わらずに
壁に鉛筆を突き刺した後にもう1人の頭をそこに叩き込む!!当然のように!!
これぞ伝説の「鉛筆殺し」だ。
刃牙でも描かれていた別解釈の「ペンは剣よりも強し」の実写化と言っても過言ではない。イメージ図。大体同じ。
しかしむしろこの殺伐とした状況ではこれが正しい。
よもやここまでアウトレイジだったとは笑うしかない。
実際に俺の横で観てたおばさまは「ひっ!」と呻いていた。
このあくまで「倒すため」ではなく「殺すため」の技術の数々。
他のアクションとは一線を画しつつ、それでいて
「武勇伝は控えめに、それも他人に語らせろ!」
という漢気が見てとれる。
このファンタジーの中にある生々しいまでのリアリズム。
それは最後まで失速することなく貫き通される。
ラスト。
「コンチネンタル・ホテル」にてとうとう憎きサンティーノを追い詰めるキアヌ。
ようやく殺せる…が側にはホテルのボスもいる。
当然、頭には「ホテル内では殺しは御法度」という鉄の掟がよぎる。
それを見越してかヘラヘラとしているサンティーノ。
うだうだ講釈を垂れようとする…が!
目が合うなり即!発砲!!!
当たり前のように眉間に鉛玉をブチ込むキアヌであった。
通常よく見かけるラストシーンでは銃を向けながらも悪役がだらだらとのたまうことも多い。
なのにこの潔さ。
確かに再びこの世界に引きずり込み、さらに家をロケランで廃墟にしやがった野郎の言い分など聞いてる暇はない。
「いや、いいから早く撃ち殺せよ」とはよく抱いてしまう感情だが
ここまで早いと唖然を通り越して天晴れだ。
このラストシーンでの引き金の軽さ。
やはり即決できる漢はカッコいいな!!
例えそのせいで裏社会から全面追放を食らったとしてもだ!!
エンディングではそのまま愛犬と共に街に消えていくキアヌ。
この先どうなるかは誰にもわからない。
まぁ本国では大ヒットしたんだから間違いなく続編はつくられるだろうが!
ちなみに「コンチネンタル・ホテル」を舞台にしたドラマも企画中。キアヌもちょっと出るらしい。
とにかくどんな逆境だろうが修羅場だろうが
キアヌはその持ち前の機転と戦闘力、そしてフットワークの軽さ、なにより容赦のなさで
これからも乗り越えていくことだろう。
伝説は、まだまだ終わらない。
『ジョン・ウィック:チャプター2』
本日7/7より全国ロードショー。
今度は家かよ!『ジョン・ウィック:チャプター2』予告編 - YouTube
死んでも観よう!!
地区予選落ちなtwitter↓
この素晴らしき、殺し屋の見本市。『ヘッド・ショット』感想。バレあり。
『ザ・レイド』meets『ボーン』!
混ぜるな危険。
サスペンスの代わりにアクションゴリ盛り!
ハリウッドからの恐ろしき出戻り!!
2011年。
とんでもない映画がインドネシアから世界に叩きつけられたことは以前、当ブログにも書かせてもらった。
『ザ・レイド』ネタバレ意味なし!書き殴りの感想! - 高速回転する方舟の片隅で。
ガチで10年に一度の映画。
作中の9割がアクション。
最強格闘技「シラット」が炸裂。
そして2014年。
待望となる続編がつくられた。
『ザ・レイド GOKUDO』
舞台をビルから刑務所、街中などオープンワールドに移し、さらにアクションを盛りに盛る!
それもほぼ徒手空拳のみ。
これさえ観れば半年は素手格闘映画はいらなくなるほどにアクションを過剰摂取できる大傑作。
そのうち当ブログでも書こう!
もちろんそんな傑作の評判がインドネシアだけで留まるわけもなかった。
『ザ・レイド』に出演していた「ジョー・タスリム」はいち早くハリウッドへ進出。
それも人気絶頂の『ワイルド・スピード』シリーズに!『ワイルド・スピード EURO MISSION』より。
「オーウェン・ショウ」一味の戦闘隊員として出演。
台詞は少ないものの記憶に残るドロップキックをぶっ放してくれた。
さらに続編の『〜SKY MISSION』には
『ザ・レイド』のジャスト10年前に公開された
『マッハ!』より「トニー・ジャー」が電撃参戦!
10年前の「10年に一度のアクションスター」さん。
いろいろ問題はあったが実力は折り紙つき。
こんな素晴らしいアジアンアクションバブルの到来に
当然『ザ・レイド』シリーズの演者が黙っているわけもない。
主演の「イコ・ウワイス」溢れる主人公感。
そして強烈な存在感を放っていた「ヤヤン・ルヒアン」溢れる猛獣感。
この両者にハリウッドから召集がかかる。
それもあのSF超大作映画『スター・ウォーズ』から!
当時の最新作
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だ。
あの2人が「スター・ウォーズ」に出る。
一体どんなアクションを見せつけてくれるのか!
「SF」と「シラット」は噛み合うのか!?
期待もそこそこに観賞した。
ノリノリなご両人。
観賞後。
その絶望はカミーノの海よりも深かった。
理由はただひとつ。
「カンジクラブ」問題だ。
ハンソロの借金の取り立てに来た武装連中。
それも筆頭はあの2人。
「これはヤバいことになるぞ…!」とわくわくしたのだが
結果は一瞬で宇宙怪物に喰われて終わり。
開いた口が塞がらなかった。
まぁそれも一年後の『ローグワン』にて
「香港のラストドラゴン」が取り返してくれたが!
宇宙最強の漢「ドニー・イェン」
非ジェダイにもかかわらず
ストームトルーパーを素手でシバき倒す。
ブラスターをあっさり躱す。
タイファイターを撃ち墜とす。
明らかに「オーバー・ザ・スター・ウォーズ」な盲目の僧侶「チアルート・イムウェ」を熱演してくれた。アジアの意地。
しかし当時はそんなことはいざ知らず。
当人達もファンと同様、扱いに失望したのか
もしくはアクション映画はホームでの撮影に限る!
と気がついたのか。
そんな10年に1人のアクション俳優である
「イコ・ウワイス」が本拠地であるインドネシアで仕切り直した本作。
一言で言えば振り切っていた。
それは『フォースの覚醒』でがっかりしたファンへのプレゼントでもあり
自身を奮い立たせるカンフル剤でもあった。
終始ハイテンションなジェットコースターアクションムービーに仕上がっていた。
「とにかくアクションを堪能してくれ!」
という製作者の意図が見えてくるほどに
ストーリーは二の次三の次。
そんな四の次なあらすじ。
砂浜に打ち上げられた謎の男。
病院で献身的な看護師さんの手当てのおかげもあり目を覚ますが…やっぱり記憶が失くなっていた。
そんな中、襲いかかる謎の刺客達。
絶対絶命か…と思いきや!身体に染み付いていた殺人術で刺客を一瞬で叩きのめす!!
一体俺は何者なのか?
失われた真実は何なのか?
「まぁ只者ではないな!!」という観客の声もそのままに
闘いに身を落としていくのであった。
…というもの。
まぁ映画ファンならお気づきだろう。
このあらすじ。ほぼ『ボーン』シリーズだ。
潔いほどに!!
これを観たアクションジャンキーがつくった映画であることは想像に難くない。
もちろん断じて丸パクリなどではない。
偏差値を低く、話は簡潔に。
その分、アクションを山盛りにする俺ジナル性。
オールオッケーだ。
とにかく簡単な人物設定と舞台背景が説明された後は次々と刺客が襲いかかってくる。
それも徐々に強くなっていくステージクリア方式のアクションゲームの体を成している親切設計。
とにかく敵対する追っ手の紹介だけさせていただこう。
それで十分だし!!
Round1.ヤベぇやつ。噛ませ。
Round2.ヤベぇやつ×2。兄弟にも似た仲の良さ。
Round3.ヤバくて強ぇやつ。
幹部その1。特殊警棒使い。
Round4.ヤバくて強くて切ねぇやつ。
幹部その2。ナイフ使いレディ。
Final Round !!ビッグボス。尋常じゃなく強いやつ。
いい上司は現場にも出る。
…と段階を追っていくごとにヤバさが加速していく。この語彙力のなさ。わかるぞ!!
とにかく『ザ・レイド』と同様に
「アクションだけ観たい」というわがままが叶う本作。
AVのインタビューを早送りするような気が短い人向けの映画だ。
何も考えたくない昼下がりにでも観よう!
発泡酒片手に!!
余談。
一番驚いたのが劇場公開から早3ヶ月程度でDVDリリース&Netflix配信開始というフットワークの軽さ。
一部の都会民を除いたアクション好きに対する行き届いた配慮の良さ。
ありがたいなぁ!!!
ちなみに本作には続編の予定はないっぽいが
『ザ・レイド』の方は三部作の予定らしい。
残された完結篇が今から楽しみで仕方がない…
とネットサーフィンをしていたところ
Tony Jaa Dan Shun Oguri Akan Bergabung Dalam “THE RAID 3”? | Movie Xplorers トニー・ジャー&小栗旬参戦?!
マジかよ!!!??
大体わかる予告篇↓
なにもないtwitter↓
ジョン、一人で独裁国家転覆させるってよ。『リベリオン』紹介と感想。バレあり。
ぱっと見は意識高め。
しかしその実は…!
「好きな映画のジャンルは?」
映画好きが出会ったときに交わされる最初の質問である。
俺がそう尋ねられたとき、真っ先に挙げるのが「アクション映画」だ。
というかそれしか語れないのだが!
人生で観てきた映画の9割はアクション。
我ながら「よくもまぁ飽きもせず観続けてられるな!!」とも思う。
しかし一口に「アクション」と言ってもその中にはさらに枝分かれした様々なジャンルがある、と言いたくなってくる。
SFアクション。カーアクション。格闘アクション。ソードアクション。そしてガンアクション。etc…
無論どれが上などはない…が、その中でもやはり大好きなものはある。
物理法則ガン無視のガンアクションだ。
もちろんリアリティ重視のアクションも愛してやまないが
「主人公が最強無双もの」には採点が甘々になるどうしようもない癖がある。
そりゃ主人公が強ければ強いほどおかしな点は増えてきますよ。
敵の弾が全く当たらない。
どう考えても動けないほどの重装備。
それを無視した素早さ。
そして気が向いたときにだけリロードすればいい主人公の銃火器。
挙げていけばキリがないかもしれない。
それでもそれらの矛盾を景気のいい暴力と爆発で打ち消してきた偉大なる先人達には敬意の念を表さずにはいられない。
主な偉大な先人。頭が上がらん!!
しかしそれでも時代の流れだけには逆らえない。
そんな80年代アクションが下火になるとある事変が起こる。
『マトリックス』革命。
日頃アクション畑でない俳優ですら少し鍛えただけでワイヤーとCGでどうにかなってしまう驚異。
本来は技術の革新を喜ぶべきなんだろうが
やはり筋骨隆々な漢が好きな俺としては危機感を禁じ得なかった。
そんな近未来のワクワクと前時代の消失に怯えていた暗中模索な中。
00年代にもうひとつの伝説が生まれた。
ひっそりと!!!
それが今回紹介する『リベリオン』だ。
「俺が世界を覆す!」
あまりにも景気良すぎなキャッチコピー。
上記で挙げたガンアクションでの矛盾点を全てオレ流物理学で克服。
しかし確かに80年マインドを受け継いだ主人公の超無双っぷり。
そして昔から変わらぬ決意を秘めた漢の眼差し。
そんな古今折衷とも言える、しかし確実に新時代の到来を革新した傑作SFガンアクションだ。
まるで意識高い大学のサークルに昭和のヤンキーが殴り込んできたかのような素晴らしさ。
「合う合わないは知ったこっちゃねぇ!」
「俺はこれが好きなんだ!!」
という監督の声が聞こえてくるような傑作だ。
そんな吉野家代官山店のようなあらすじ。
舞台は近未来。
第三次世界大戦後の世界。
そこは曇天が似合うディストピアだった。
三度にわたる世界大戦で懲りに懲りた人類。
「争いの元凶は感情だ!」との結論に達し
それを消滅させる薬物摂取が義務付けられた。
つまりそこは「感情」が一切禁止された独裁国家だった。
おかげで犯罪率は激減。
というかほぼゼロな理想社会が出来上がっていた。
そんな鬱々とした個性もゼロな国民の1人。
「ジョン・プレストン」
こんな世界になんの疑問も持たない優秀な国家の駒。
お仕事は感情を生み出す芸術品(本や絵画、音楽など)や反逆者を見つけ次第、即処分する特殊捜査官「クラリック」をやっている。
いわば警察と死刑執行人を兼ねた物騒な職務のプロであった。
今日も今日とて朝っぱらから感情違反者のアジトに単騎で豪快に押し入り皆殺しにする有能っぷりを如何なく発揮。神懸かり的な登場。傑作の予感。
そんなターミネーターのような暮らしをしていたとある日。
うっかり感情統制薬を割ってしまう。
本来は規則で新しい薬を貰わなくてはいけないのだが
「今日は飲まなくてもいっか…再配布の行列並ぶのめんどいし」
と割と雑な判断でそのまま出勤するジョン。
ここでジョンがコンビニ店員だったら大した問題になっていなかったかもしれない。
しかしジョンのお仕事は「感情を生み出すものを捜し出して殲滅する」というもの。
がっつり「芸術品」さらには「愛くるしい仔犬」に触れてしまうのであった。びっくりプレストン。
そこで胸に湧き上がってくるもの。
その初体験な「感情」に戸惑いつつも任務を遂行しようとするが…
こんな仔犬を殺せるわけもない。
車に匿ってしまうのであった。
しかし違和感を感じた他の捜査官にハードな職質を受けてしまうジョン。
最初ははぐらかすもネチネチとした取り調べにめんどくさくなったのか
急に過激派に転向する!!
具体的には場の捜査官を皆殺しに。職質はこう躱せ!
かくして追う側から追われる側になってしまったジョン。
もう後には引けない。
こうなったらトコトンやってやろうじゃないの!!
と仔犬一匹、ついでに途中で知り合ったレジスタンスのために
たった1人で独裁国家に闘いを挑むジョンであった。覚悟を決めた漢の目。
独裁国家、転覆させます。
…という潔いもの。
これだけでも意識の高さを着飾った厨二映画であることはわかっていただけたかと思う。
そのファクターでもある一大要素。
とにかく避けて通れない本作の特長として
捜査官「クラリック」が使う特殊戦闘術
「ガン=カタ」が挙げられる。
完全に当映画オリジナルな武器格闘術なのだが
低予算を逆手に取り、妙な堅実さとファンタジーを融合させることに成功。
具体的には複数の敵を相手にする際でも
攻撃の軌道を予測、まるで舞い踊るかのように闘う術だ。如何せん言葉で説明するのは難しい。
とにかく「なぜ二丁拳銃という非現実的な戦法をとるのか?」という大人げない疑問に
自己流の論理的武装をぶつけたひとつのファイナルアンサーだ。
これにより上記で挙げた問題点。
敵の弾が当たらない
→ 軌道を予測しているから。
どう考えても動けないほどの重装備
→ 最低限の装備で効率良く敵を倒せるから不必要。
ときには敵の装備も利用。
身のこなしの素早さ
→ 軽装に加え、動くべき場所がわかっているため。
気が向いたときにだけリロードすればいい主人公の銃火器
→ 予備のマガジンを所持。
さらに袖口にギミックを仕込む周到さ。
…と問題をことごとく解消。
もう突っ込む隙がないな!!ないだろ!!
そしてなによりカッコいい。「カッコいい」は、正義。
現代のアニメや映画でも二丁拳銃ものには必ず影響が見てとれるほどの大発明といえる。
さらにそれだけに頼ることなく
キチンとした舞台背景の描写の数々。
そして独裁国家のビジュアル。
加えてジョンが感情を取り戻していく様などのドラマパート。
一流の製作陣と役者が本気を出していることがひしひしと伝わってくる。
結果的に
「ディストピア」×「オレ流二丁拳銃」
=「最強厨二」
という奇跡の方程式が成り立つ。
俺が一番最初にDVDを買った作品だけあって
思い出補正もあるのかもしれない。
事実、本国では2週間ほどで劇場公開終了。
日本では知る人ぞ知る隠れた名作となってしまった。
それでも「ガン=カタ」スピリットは
今も二丁拳銃を愛している者達の間で語り継がれている…はずだ!!
それを証明するかのように近年。
とんでもない後継作が現れた。
『ジョン・ウィック』
『ジョン・ウィック』バレあり感想!中二魂持ってるなら見ずに死ねない!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
無双すぎる主人公。
そして戦闘スタイルは特徴的な二丁拳銃。
その名も「ガン・フー」
しかもこちらも戦争の火種は「仔犬」だ。
あの魂は忘れられていなかった。
もう狂喜する他なかった。
さらに嬉しいことに続編まで製作された。
『ジョン・ウイック:チャプター2』
日本では7月7日公開。
全米では既にDVD&Blu-rayが発売済みらしいが
なんと売り上げ1位。
しかも前作も同時にトップ10入り。
快挙にも程がある!
観ずに死ねるか!!!
本作の予告。素晴らしい!↓
厨二から抜け出せないtwitter↓
ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter
最強米軍vs最凶幽霊群。『スペクトル』感想。バレあり。
通用しない常識なんざ投げ捨てろ!
とりあえず弾がブチ込めるなら勝てる!!
ミリタリーとファンタジーが高次元で激突する!!
Netflixに登録して早2ヶ月程。
期待以上のラインナップに狂喜乱舞したのも記憶に新しい。
とりあえず目当てだったアメコミドラマをざっと観終えて一息ついていたところ
『劇場公開もソフト販売もなし!Netflix配信限定!』
という景気の良い宣伝文句の作品が多々あることに気がついた。
他所様の作品だけでなく独自の展開もするとは
「さすがアメリカ、金はあるところにはあるな!」と何気ない気持ちでひとまず本作を観賞してみたところ。
エラく度肝を抜かれた。
「え、なんでこれ劇場公開されてねぇの?!!」
と思ってしまう程に最新映画と比べても遜色ないハイクォリティさ。
というかレンタルビデオ店の片隅に転がってるC級作品が映画ならこれも完全に映画だ!
110分間、瞳孔開きっぱなしだった。
そんな刮目すべきあらすじ。
アメリカ。
国防高等研究計画局という舌を噛みそうな研究所で働く1人の天才科学者。クライン博士。
若き天才科学者。熱い正義感の持ち主。
とある日、天下のCIAからお呼びがかかる。
「東欧のモルドバで不可解な現象が起きている」
「手を貸してくれ」とのこと。
不可解なものを見たら解明せざるを得ないのが科学者の性。
それに特に断る理由もなかった。
一も二もなく現地に向かう。
モルドバ。
そこではなにやら市民と反乱軍が大騒ぎな世紀末状態。
そこでいつものように米軍が出張ってきたものの
その「不可解な現象」のせいでなにもできない状況であるという。
さっそくその「現象」が映った映像を見てみるクライン。
それは全世界のyoutuberが涎を垂らしかねない衝撃さだった。
「不可解な現象」というかもうバッチリ幽霊。
しかも佇んでいるだけではない。
なんと明確な敵意を持っている。
そしてこの物体に接触すると即死とのこと。
「いや…もう悪霊でファイナルアンサーだろ…」
と言いたくなるが、舞台はあくまで現代。
そんなオカルティックな話をしている場合ではない。
それでもみんなの意見は割れに割れる。
現場の技師は「カメラの故障」と言い張り
CIAの女は「ステルス装備を纏った反乱軍」と頑なに意見を変えない。
市民は「戦争の悪霊」と信じきっている。
そんな中。
クラインは至って冷静に「どれも偏った意見だ」
「俺が解決する」
とりあえず現場至上主義なクラインは
やたら物分かりのいい兵士達の協力により軍に同行することに。
さっそくその「現象」が現れた地点に赴くも、そこは酷い有様。「やっぱりヤバくない…?」という予感。
この手の場面からなにも起きずに帰れた例を俺は知らない。
当然無事に帰れるはずもない。
実際ヤバいことになる。
全員の予感通り、次から次へと仲間達がやられていく。そりゃもうバッタバッタと!
そんな中、すっかり戦場カメラマンと化したクライン。
そのやたら高性能なカメラに「現象」が映り込む。もう誰がどう見ても幽霊だった。
ちなみにこの「現象」は現地では幽霊の意味で「アラタレ」と呼ばれているらしい。
「とにかく「アラタレ」も撮れたし帰ろう!」
「対処できる強さじゃないし!」
と装甲車に乗り込むもそこは地雷原だった。
装甲車は速攻スクラップになり、走って逃げるしかない一同。「ヤバいって!」
見えない敵に怯えながらも
辿り着いた先は要塞のような工場跡。
そして中には2人の子供がいた。
「なぜ生き残っていられる?」という疑問もそこそこに外を見ているとなにかがおかしい。
とある地点からアラタレの進行が遅れている。
その足元には大量の鉄クズがあった。
「アラタレの弱点は鉄だ!!」と気がついたこの子らの親が撒いたものらしい。
正体はわからんものの、弱点は判明した。
なにより実体があるなら殺せるということだ。
やられっぱなしは米軍にあらず!
と意気込む面々。
とにかく脱出地点まで向かうために
工場にある部品で「鉄クズがばら撒かれる弾丸」や「手榴弾」をDIYする米軍の面々。
もちろんクラインも負けてはいない。
高性能カメラをサーチライトに改造する。これで照らせばアラタレが映る凄いライト。
なんか方向性が全然違うような改造だが
気にしたら負けだ!
いざ、脱出地点へ!!!
ラウンド1。開幕!
先ほどまでとはうって変わって非常にいい勝負を繰り広げる。
「血が出るなら殺せる」とは偉大な先人が放った名言だが
その精神は未だに健在だった。
ヤってヤラれての大騒ぎ。
なんとか脱出地点に辿り着くも
お手製の武器は軒並み弾切れ。
ライトも故障してしまう。
そこにアラタレの一群が現れる。なかなかの絶望感。
万事休すか…と思いきや!!援軍、到着!
クラインが指示した通りのライトと装備を積んだ戦車やヘリが駆けつけてくれた。
「勝ったわ!これ!!」
と景気良く大砲をブチ込む戦車。
しかし一筋縄ではいかないのがアラタレだった。
アラタレ の たいあたり !
戦車はスクラップになってしまう。「おい!!なにしにきた!!」
掌を返し急いでヘリに乗り込もうとする一同。
しかしここで悲劇が起こる。
なんとアラタレによって無慈悲にも少年が殺されてしまう。
その怒りを押し殺せるほどクラインは腑抜けではなかった。
ヘリの風圧により足止めを食らっているアラタレに向き直る。
そして身につけていた「鉄クズを詰めたガラス瓶」を一斉に叩き割る!演出も相まって震えるカッコよさ!
クラインが正真正銘のヒーローになった瞬間だ。
それにより現場のアラタレ群は全滅。
その場を後にする一同であった。向かった先は難民キャンプ地。
残りの米軍も集ってくるも戦況は芳しくない。
どうやら各地にアラタレが出没。
もう地獄絵図だと。
しかしここでクラインが天才科学者の本領を発揮する。
「わかったぞ…あの正体が」
「あれはボース凝縮によって生み出された兵器だ」
「個体、気体、液体、どの性質も併せ持つ」
「陶器や鉄などの自然物質を通り抜けられなかったのはそのためだ」
「???」な米軍と観客。
まぁとにかくだ!
理論がわかれば対策も立てられる!
幸いここには大量の兵器がある!!
と本作二度目となる大DIY大会が開催!
たった数時間の試行錯誤にて。
四足歩行兵器に高性能ライト。
電磁パルスを発射するSF銃。
難民キャンプ地とは思えない設備で次々に超科学兵器を量産していく!!もはやこの人と同レベルな天才度。
そして正体と共に生産方法も判明。
どうやら近くの大規模な発電所が怪しい。
こうして世界を救うために名もなき兵士達が立ち上がるのであった。
超科学兵器を片手に!!
ファイナルラウンド、開幕!!
全面戦争、勃発!!!
…というもの。
あらすじでわかる通り、理論武装された整合性第一の方には向いていないだろう。
しかし「軍隊 vs 幽霊」という夢のマッチングに惹きつけられた中学生魂を持っている人は
必ず満足する出来だ。
シリアス一辺倒な作風でありえない夢の対決を描き出す無謀さ。
そしてそのためにジャブジャブCG技術を使いまくる出し惜しみのなさ。
圧巻。劇場で観たいなぁ!!!
しかもオカルト方面に寄せることなくあくまで科学に徹する剛腕さ。
これを見て思いつくのは以下の作品だろう。
『バトルシップ』
日米連合海軍 vs エイリアン。
最先端だけでなくアナログも駆使してエイリアンと渡り合います。
なんとも頼もしい背中。
最近テレビ放映が中止になりtwitter上が阿鼻叫喚騒ぎだったのも記憶に新しい。
そして…
巨大ロボ vs KAIJU という夢。
怪獣の出現に危機を覚えた人類がどデカイロボットを製作し、真っ向から殴り合いを展開する。
全男子の寝る前の妄想を具現化させた快作。
オタクに金持たせたらどえらいものができる見本市でもある。
本作も含め、未知の存在に人間の意地を見せつけるというテーマ。
整合性をノリと勢いで跳び越える大胆さ。
永劫愛されるべき熱いバカ映画だ。
さらにはそれぞれ大きな共通点がある。
キメ技が存在する。
クライマックスにて。
アラタレが融合し強大な竜巻と化す。
それに対抗すべく米兵がとった策は…
持ちうる電磁パルス砲を全直結!
一撃にかける!!というストレートなものだった。
発射!!!
衝撃で吹き飛ぶのも気にしない漢気。
この向こう見ずな無鉄砲感。
もはや笑うしかない格好良さだ。
まぁ逆に言えばこの辺が合わないのならやめておいた方が賢明とも言える。
しかし
「勢いで駆け抜ける映画が好き」
「ミリタリーものが好き」
「『メタルギア』が好き」
「そろそろ幽霊に負けてばかりの映画界に飽き飽き」
といった方々には問答無用でオススメだ。
このためにNetflixに登録する価値は間違いなくある!と断言できる。
観よう!!!
燃えよう!!!
『バトルシップ』ロスを埋めつくせ!!
優等生ヅラしてる予告↓
Spectral | Official Trailer [HD] | Netflix - YouTube
向こう見ずなtwitter↓
面倒だから全員殺せ!『SAFE』バレあり。感想。
絶対に怒らせてはいけない漢、覚醒。
ドン底からの究極の倍返し。
敵対組織は1つとは言わず3つ潰せ!!
最高の不死鳥ムービー!!
ネタバレなし感想。
ステイサムが少女のために悪徳組織を3つ潰します。
以上!
男たるものとは。
やれ「草食系」やら「仙人系」やらジャンル分けがやたら盛んな昨今。
もはや定義がガバガバすぎてなにが正解なのか全くわからなくなってくる。
肉食がいいのか悪いのか
明るいのがいいのかミステリアスなのがいいのか…
まぁ正解を提示されたところで大人しく従う気はゼロではあるが
そんな中でも燦然と輝く大正解がひとつある。
ステイサム系男子だ。
この漢がモテなければもう世界は終わりだろう。
まぁ支持してるのは9割方男性な気もするが
それでも性別問わず嫌われることは絶対にない。
とはいえステイサム映画は「大体どれも一緒」と思われがちではある。
しかし本作のステイサムは一味違う。
「漢とはなにか」
「カッコいいとはなにか」
そんな曖昧な疑問にファイナルアンサーを叩きつけてくれるのは勿論
「ドン底からの這い上がり方」すら身体を張って教えてくれる。
生きていれば高い壁にぶち当たることもある。
しかしそれも本作のステイサムからすれば取るに足らないレベルの低さに見えてくる。
そんなお世辞にも「SAFE」とは言えないあらすじ。
ニューヨーク。
ステイサム in 地下闘技場。
今回のステイサムは元刑事。
しかしとある理由で退職していた。
今の生活費は闇ファイトで稼いでいるのであった。
とりあえず今日も元気にリングに上がるものの
相手をワンパンで沈めてしまう。
「まぁステイサムだし…」と思ってしまうが
プロモーター達は違った。
どうやら負けるはずの八百長試合に勝ってしまったらしい。
しかし「相手が弱すぎんだよ!」と
当たり前のように逆ギレするステイサム。
その場のプロモーター達を威勢良くぶん殴り
堂々と帰路につくのであった。ギザギザハートステイサム。
こんな嫌な日は誰かに愚痴りたくなるもの。
早速嫁さんに癒してもらおうと電話をかける。
…が出ない。なにか嫌な予感がする。
当然、この手の予感は当たるのが映画内のルール。
とりあえずトランスポーターさながらにマッハで帰宅するも
なんと愛しのハニーは殺されていた。
八百長試合に大金を賭けていたロシアンマフィアが見せしめとして動いていた。
「いつものステイサム」ならここで情け容赦無用のキリングマシーンと化すはずだった。
しかしよっぽどショックだったのか
その場に崩れて目に涙を浮かべてしまう。ステイサムの目に涙。只事じゃない。
「俺を殺すなら今のうちだぞ…」
か細い声で呟くステイサム。
「確かに!」という観客の声。
しかしそんなことを尻目にマフィア達はこう嘯く。
「これからお前を一生監視してやる」
「喋ったやつは殺す」
「孤独に生きるんだな」
また随分まわりくどい復讐だな…とも思うが
今のステイサムには何も応えられなかった。
笑いながら立ち去るロシアンマフィア共をバックに呆然とするしかなかった。
それでもいつまでもくよくよはしていられなかった。
着の身着のまま家を出るステイサムだったがそれは悲劇の始まりでもあった。
いそいそとホームレスの集会所に出向くも
翌朝、隣で寝ていたホームレスが殺されているという最悪の寝起きドッキリを食らう。
その直後、路上で財布をスられる。
入ったコンビニの店員は生意気。
もう倍プッシュどころではない不幸の連鎖が巻き起こる。
いつものステイサムなら歯牙にも掛けなかっただろう。
それぞれ一言ジョークでも吐いて終わらす案件ではあった。
しかし今は珍しく弱気なステイサム。
もう渇いた笑いしか出なかった。
それでも負のスパイラルは止まらない。
往来で騒ぎを起こしたために
昔の同僚でもあるNY市警に見つかってしまう。
どうやら現役時代に正義心を出しすぎたために
腐敗しきった市警連中からは恨まれているらしい。
これも「いつものステイサム」なら何も問題はなかった。
しかしここまで負の連鎖が続いてはもう抵抗する気力すらなかった。
あっけなくリンチされてしまう。全てに絶望。ドン底ステイサム。
やってきたのは地下鉄のホーム。
後は電車の前に飛び込むだけだった。
しかしここでとある光景を目にする。
1人出歩く少女。そしてそれを追う怪しい男達。それはあのロシアンマフィアだった。
それを一瞥するや否やステイサムの殺る気スイッチが入る。
「えっ!なんで?!」という観客の声。
そんな疑問も置き去りに
彼らが乗り込んだ電車へとエクストリーム駆け込み乗車!!デキる漢は常識に囚われない。
そして勢いそのままに車両を進んでいき
マフィア達の前に君臨する。ホラーにも程がある再邂逅。
相手がなにか言い放とうとするも
そんな戯言を聞く耳はもう持っていなかった。
なんの躊躇なく暴力をお見舞いしていく。
本編開始20分。
ステイサムが「いつものステイサム」にトランスフォームした瞬間だった。理由はわからんが!!
とにかくここから前半の鬱憤を晴らすかのごとく暴力装置と化すステイサム。色味も吹き飛ぶこの衝撃。
さらに復活した切れ味は身体能力だけではなかった。
あのジョークセンスも同時に戻ってきていた。
「お前はあのゴミ野郎か…」と言われようものなら
「違うな、ゴミを集めるんじゃない」
「処分するんだ」
と奪った拳銃の引き金を軽く引く。
もう完全に病み上がっていた。
完全にドン引きな少女。
とりあえずもれなく全員殺した後に
有無を言わせず事情を聞いてみると
どうやらこの子は天才少女。
とある重要なパスワードを唯一記憶している、とのことらしい。
それで「ロシアンマフィア」「チャイニーズマフィア」さらには件の「悪徳警官」達に狙われている、とのことだった。腐った野郎共。
そんな恐ろしい三竦み状態を知っても
ステイサムは全く揺るがなかった。
むしろ「前半の憂さ晴らしにちょうどいい」
とばかりにこれ以上なく奮起する。
こうして天才幼女を連れたステイサムによる
真昼の大運動会が開催されるのであった。
盛り上がってきたなぁ!!
…まぁあらすじを見てわかる通り
滅茶苦茶にもほどがある映画なのだが
これほど「いつものステイサム」が愉しい映画もない。
前半に鬱憤を溜めに溜めての解放。
爽快にならずにはいられない。
そして開始20分ほどでトランスフォームしてからは
一切弱音も愚痴もなく最後まで突っ走る。
強大な悪徳組織が3つ相手という圧倒的な不利な状況でも
10%のトンチ、10%のジョーク、そして80%の暴力で問題を解決しまくる様には
「痛快」以外の言葉を失う。
しかしそれだけならよくあるアクション映画として終わっていたかもしれない。
本作の魅力はこれだけではない。
前述した通りに
「漢とはなにか」ということを
嫌というほど教えてくれる「参考書映画」でもある。
例えばなんの接点もない少女を助けた理由。
実は知り合いだった?それともなにか隠された秘密でも?と普通は勘繰りたくなるもの。
しかしその答えは簡潔。
「俺を救ってくれたからだ」
少女はもちろん観客も理解不能な理由ではある。
しかしそれを理解しているのはステイサム自身だけで十分だ。
そして恩義を感じたならお釣りがくるほど返すという義理堅さ。
一度決めたら敵対組織が3つだろうがやり遂げる漢気。
押し付けがましいかもしれないが
有言実行してる時点で誰にも口を挟ませない隙のなさ。
さらにはラストでは
無事に3つの組織を壊滅させた後に一言。この安心安全なアフターケアの充実度。
正しいと信じたら最後まで、な一貫性。
さらにはおまけ的に
デートでの正しい紳士の振る舞い方も学べる。
本作のステイサムは運転が上手い。
まぁステイサムだし。
作中で遺憾無くそのテクニックが発揮されるのだが免停どころか「即、監獄行き!」レベルの
1人ワイルドスピードを大通りで開催!!
「運転の上手さは口ではなく実際に見せつけろ」
「やるなら派手にやれ!」と言わんばかりに!
まぁこれが正しい反応。
でもステイサムだから!!
さらには小洒落たBARの使い方。
中盤。
敵しかいないBARに単騎で入店するステイサム。
とりあえずカウンターに座り
マスターにフォークを注文する。
もちろんスイーツを食べるためではない。
そして不意に隣に座っていた男に話しかける。
「このひとときをなんて言うべきかな?」
「どんなひとときだ?」
「これから人を殺すときだ!!」
間髪入れずにフォークを喉元に突き刺し
流れるように銃撃戦、スタート!!
これぞ本当の「ハプニングバー」と言いたくなるほどの大暴れっぷり。
笑うしかない大殺戮、開始!!
あの様を文章で表すのはほぼ不可能。
ひとつ言えるのは
「テンションはもはやトランスフォーマーに近い」
ということくらいだ。こんな具合で暴れます。
この「ハプニングはBAR側からではなく己から起こせ!」という漢気。
まぁ日常で使ったら確実に全てが終わるだろうが
それでもいつかは実行したくなる清々しさだ。
とにかく全編に溢れる
「向かってくるやつは敵だろ!」
「もう殺そう!!」の精神。
共謀された雀卓状態で絶対絶命なはずだが
そこはブチギレステイサム。
「むしろわかりやすくていい!」
とばかりにキルゼムオールを不言実行する。看板に偽りなし。
その様は
「『トランスポーター』の面倒見の良さ」
「『アドレナリン』のキレっぷり」
「『ブリッツ』の電撃性」
「『メカニック』の殺意」
「『エクスペンダブルズ』の漢気」
をそれぞれ兼ね備えている。
一言一句、異議無し。
トータルすると
ワイスピのステイサムに迫る勢いだ。デッカードっぽい一枚。
嫁さん含め仲良くしたやつは死んでいく。
家も財布もない。
「ロシアンマフィア」「チャイニーズマフィア」「悪徳警官」に命を狙われている。
こんな不景気景気極まりない環境に陥ってもなんとかなる!元気があれば!!
とにかくうだうだしててもやる気は出ない。動け!!感じたままに!!
フルスロットルで己の信じた道を突き進めば
きっと人生は開ける。
そんな素晴らしい「人間賛歌映画」と信じて疑わない。俺は!!
例え観賞後には何も残らなかったとしても!
とにかく壁にぶつかってしまった1日の終わりにでも
ぜひ観賞してほしい皆殺しアクションの傑作。
ストレスがごっそりなくなるぞ!!
全力でオススメだ!観よう!!
大体わかる予告 ↓
著しく漢気が欠如したtwitter ↓
【80年代】のラストピースは【漢気】だ!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』バレあり。感想。
脳髄が蕩ける渋さ。
あの陽気な連中が帰ってきた!!
ノリと景気の良さはそのままに。
スケールは果てしなく広大に。
完璧な続編だ!!!
今回はいつにも増して真面目なあらすじなどはなし。本気で他のブログ行くことをオススメします。
それと「リミックス」という日本独自なサブタイトルがつけられた件に関しては他のブログやtwitterで散々なじってくれてるので当ブログでは語るのは控えます。
当ブログは「日本公開されただけでもありがたい」という日和見なスタンスでいきます。
さて、早いもので前作公開は3年前。
作中ではほぼ時間は進んでいないっぽいが、当シリーズはMCUの一部。
マーベルシネマティックユニバース(MCU)とは? - 高速回転する方舟の片隅で。
『シビルウォー』という一大事件が合間に起きているものの当シリーズの舞台は遠く離れた銀河の果て。
そんなことは影響するはずもない!!よってリンクはほぼなし、という潔さ。
ごちゃついたシリーズの中でも前作さえ見ていれば間違いなくMCU入門編としておすすめできるような超傑作として仕上がっていた。
思えばMARVELは俺流アレンジが非常に上手い。
原作をそのまま実写化する、というよりは様々なエピソードをいい塩梅で調理してくれる。それでいて原作へのリスペクトも怠らない配慮。さらには様々な要素を取り入れる柔軟さ。
ヒット作が続くのも頷ける話だ。
前作で言えば見事な「俺ら流スターウォーズ」を見せてくれた。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』バレあり。感想。新たな宇宙大戦争だ!! - 高速回転する方舟の片隅で。
しかし今作では驚きの方向に舵を切る。
予想だにしなかった嬉しい誤算な方向転換。
今作はまさかのMARVELによる「俺ら流エクスペンダブルズ」だ。
要因は主にこの2人の参戦。“スネーク”〈カート・ラッセル〉“ランボー”〈スタローン〉
もうこのご両人を同時に拝んでしまうとあの映画を連想せざるを得ない。
『デッドフォール』
〈LET'S DO IT!〉という直球さ。
ざっくり言ってしまえばよくあるバディアクションなのだが、通常バディものはそれぞれ性格や特技などは真逆、そんな凸凹な2人が最終的に手を組み事件解決。というのが暗黙の了解的に存在する。
しかしそんな当たり前が通用する2人ではない。
凸凹感は申し訳程度。
結局2人していつもの暴力で事件を粉砕する。貴重な眼鏡スライ。
今こそ見よう!死にそうな昼下がりにでも!!
噂によれば『エクスペンダブルズ』の当初のキャスティングでカート・ラッセルに声をかけたらしいスライ。
しかし「アンサンブルキャストには興味ねぇ!」と突っぱねられてしまった過去がある。
その後、奇跡の暴力アンサンブルのワイスピシリーズにノリノリで参戦していることの説明がつかんが!むしろこれ以上のアンサンブルを探す方が難しい。
このときのスライの胸中はどうだったかはわからない。
まぁ良いイメージは持っていなかっただろう。
その魂をエクスペンダブルズにぶつけたであろうことは想像に難くない。圧倒的完成度の初期メン達。
これぞ元祖奇跡の暴力アンサンブルだ。
ここにカート・ラッセルが入ってたかと思うとゾッとするなぁ!
しかしそれから若干の年月が経ちどちらもまるくなったのか…もしくは今現在飛ぶ鳥を落とす勢いのMARVELからの誘いは断れなかったのか。
ともあれカート・ラッセルとスライがこうして同じ作品で見られるというのは非常に感慨深い。もはや大量破壊兵器の二丁拳銃。
しかし個人的見解になるがエクスペ勢やワイスピ勢はどうもファンタジーとの食い合わせが悪い。
例えばヴィン・ディーゼル。本シリーズではグルートの声優を務め、奇しくもワイスピではカートラッセルとの共演も果たした近年右肩上がりの漢。
『ワイルドスピード』『リディック』『トリプルX』などをそれぞれ再起動させてきた有能ではあるが…
新作『ラスト・ウィッチ・ハンター』はそうもいかなかった。
800年間魔女狩りを続けているハンターを演じているのだが相も変わらずに仏頂面でスポーツカーを乗り回す徹底された役づくり。ワイスピとの違いは武器は刀剣。敵は魔女。ということくらい。
そしてヴァンダム。ベルギーの開脚帝王。
ドルフ。ロシアの核弾頭。
このご両人が手を組んだ歴史的共演作といえば『ユニバーサル・ソルジャー』だ。…まぁ良くもないが悪くもない。
派生作の多さはまるでMARVELを先取りしたかのよう。
ステイサムですら。英国の下町っ子。
名作率ほぼ100%なはずな漢。
しかし唯一の黒歴史とも言えるのが『デス・リベンジ』だ。安いロードオブザリングな世界観で農民ステイサムが頑張る。やたら近年的な佇まいで。
ちなみに『2』の主演はドルフだ。世界的ファンタジーなはずなのにラストバトルは一軒家。
「俺の主演作で面白いのは3つか4つだよ」とはドルフ本人曰く。さすがIQ180だなぁ!!
シュワちゃん×SF=『ターミネーター』などの傑作もあるが、やはりこの手のアクション俳優の本領はいかにゴツい近代兵器を振り回せるかにかかっていると思う。
しかし意外というかなんというかエクスペ&ワイスピ勢はアメコミものに出ていたりもする。
前述の通りグルートの声優はヴィン・ディーゼル。今作ではベイビーなためにヴィンの音声は加工されているが。
そしてMARVELと言えば忘れられないこの漢。
最高のハマり役でありビールとの相性抜群な『ブレイド』スナイプス。最近MCUに組み込むためにスナイプス残しでリブートされるとの噂。わかってるなぁ!!
初代パニッシャーであり『ARROW』にもヴィランとして参戦、さらに『アクアマン』のライバルとしてDCEUにまで殴り込む予定のドルフ。勝てそうもないオーラ。
どんな仕事も断らない核弾頭級な謙虚さ。
さらにはあのステイサムにもドラマ版『デアデビル』の宿敵ブルズアイのオファーがきていたらしい。見たかった!!ぜひに!!
そしてシュワちゃんも。『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』にて悪役を好演。
能力よりも寒いギャグで観客と興行収入を凍てつかせ、シリーズを永久冬眠に追い込むスーパーヴィランっぷりを見せつけてくれた。
さて、本命のスライ。プライベートでもオーラ満載。
オレ流ヒーローが多いイメージだが、かつてイギリスの傑作グラフィックノベルの実写化を買って出た過去がある。『ジャッジ・ドレッド』
「新世紀は、ここから始まる。」
「究極の正義は、ためらわない。」
と80年代満載のキャッチコピー!
荒れ果てた近未来で警察官、裁判官、死刑執行人を一纏めにした主人公「ジャッジ・ドレッド」を熱演。
これ以上ないくらいキリングマシーンな仕事選びだが、原作では一度も脱がないヘルメットを開始20分程度で脱ぎ、いつものタンクトップスライが大暴れ!という原作至上主義なファンが見たら卒倒必至な迷作でもある。スライに任せたらそりゃこうなる!!としか言えない。
実際好きだよ!!俺は!!
まぁ2012年にガチめにリブートされ傑作として生まれ変わってしまったために原作ファンはもちろん、映画好きからも忘れられてしまった哀しき作品でもある。2012年版『ジャッジ・ドレッド』
「ヤベぇ女が支配する雑居ビルに殴り込む」の一言なド直球アクション映画。
激しいアクションが好きなら文句なしにオススメだ。
…とまぁ、ファンタジー同様になかなかにヒーローものとも食い合わせが悪いことも多々。
まぁそこは素がヒーローだから!という強引な理論で押し通させていただこう。
事実、史上最大の同窓会と謳われた『エクスペンダブルズ2』のキャッチコピーは『俺たちは、変身しなくても強い!!』だった。圧力、無限大!!
同年公開の『アベンジャーズ』に真っ向から喧嘩を売る姿勢。
この潔さは貫き通された漢気の表れでもあると信じて疑わない。まさか数年後にリーダーが出張ってくるとは夢にも思わなかったな!
ともあれ、一見水と油に見えるこの2つの要素。
しかし当シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のテーマはズバリ「80年代」だ。
例えば主人公であるピーターは幼少期に地球から攫われてしまった過去がある。そこで唯一の地球との繋がりを忘れないようにか当時(80年代)の映画や音楽がこれでもか!と話題に上がる。
そんな本シリーズ。80年代を代表する根っからのヒーローが噛み合わないわけもない。
結果として物の見事に調和しているのであった。
というか本作では初っ端からラッセル!!場転してスライ!!またラッセル!!と「あれ、これMARVEL映画だよな?」と問いたくなるような話運び。
さらにはそんな2人に引きずられるかのように他のメンツも漢気が加速していく。
前作ラストにおいて「ファミリー」となったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。
宇宙には「気を遣う」という概念などない!とばかりに口を開けば罵詈雑言のオンパレード。
「バカ」だの「ブス」だの「ゴミパンダ」だのとにかく酷い。
まさかMARVELにてここまでの男子校スピリットが見られるとは思いもしなかった。
しかもその精神はピンチに陥ろうが忘れられることはない。むしろ加速していく。
中盤にて敵に囚われてしまう「ゴミパンダ」ことロケット。
周りの人間はバンバン宇宙空間に放り出され殺されていく圧倒的危機の最中でも一切屈さないどころか徹底的に敵の親玉を煽っていくスタイル。
それももうコテンパンに!
釣られて他の雑魚勢も笑ってしまうほど。
この余裕さ、軽妙さ。
もはやステイサム感すらある。
そういえば途中で多勢の敵に襲われたときには『メカニック』ばりの即死トラップをばら撒きつつ『ワイルドカード』並みの容赦ない肉弾戦を披露していた。ほぼイコールな両人。
アライグマかいかついおっさんか、なだけだ!
そんな中でも一際「80年代」感が溢れているのがカート・ラッセルだ。
登場シーンからしてもうヤバい。
宇宙空間にて無数の敵軍に追われることになってしまったガーディアンズ。操縦はピーターとロケット。船内で「宇宙一のパイロットは俺だ!!」という子供すぎる意地の張り合いが行われつつも小惑星間を潜り抜け見事に殲滅する。見事!!COOLだ!!!
しかし敵は黄金の国。
そんなことで資金が尽きるはずもなくそれまでの数倍の宇宙船軍に囲まれてしまう。
万事休すか…と思いきやその数百にも及ぶ軍隊が一気に壊滅する。
その攻撃の元を見るとなんと宇宙に素肌で立ち尽くすカート・ラッセルが!!
思考停止して笑う他ないGotGと観客であった。
一見すればギャグすれすれなこのシーン。
異次元に引きずり込まれたこの感覚。
強烈な既視感を覚えずにはいられない。
そう!!『エクスペンダブルズ2』におけるチャック・ノリスだ。チームEXPでもお手上げだった戦車軍をどこからか一掃し、優雅に歩いてきたあの衝撃と全く同じだ。
さらにラッセルは出オチだけで終わる漢ではない。
なんとラストにはピーターと光速の殴り合いをおっぱじめる。
両者とも凄まじいパワーを持ちつつも素手オンリーな潔さ。イメージ図。マジでこのまんまだ!!!
劇場で失神しかけたのは久方ぶりだ。
これぞ ザ!80年代!!
『コマンドー』に始まり『エクスペンダブルズ2』に至るまで、漢同士の喧嘩は拳と相場は決まっている。
当然その息子であるピーターも負けてはいない。
序盤では良い父親を演じていたラッセルに心を許してしまうも、その実「宇宙中の女を孕ませまくる&産まれた子供が出来損ないなら殺す」という文春でも処理しきれないレベルのスキャンダル帝王だったことが判明。
しかも最終的に自分の母親を殺していたという反吐が止まらないドクズであったことを知る。映画史上類を見ない最低父親「エゴ」
名は体を表しすぎだ!!
当然ヘラヘラキャッチボールをしているわけにはいかない。
観客が事態を飲み込むより早く『男たちの挽歌』ばりのオーバーキルの光速二丁拳銃を叩き込む。『マグニフィセント・セブン』でも早撃ちだったがこちらはレーザー銃。比喩抜きで光速。
そして上記の殴り合い、という流れ。
本作何度目かになるMARVEL忘れが到来する!!
そして忘れてはならない漢。スライ。
役どころは宇宙のならず者集団「ラヴェジャーズ」の首領。
前作にてブイブイ言わせてたヨンドゥすら怯えてしまう程のリーダーという立ち位置。
もう登場からして頷く他ないキャスティングだ。
それだけのカメオ出演か…と思いきや、終盤にとんでもない大玉花火を打ち上げてくれる。
ラストの武装シーンはもう「宇宙版チームEXP」と言って差し支えないほど!!
…とまぁここまで何人の方が呼んでくれたかわからんが、以上が「MARVEL流エクスペンダブルズ」と断言できる所以だ。
80年代の最後のマスターピースは「漢気」だ!!
さらにそれだけで終わらないのが天下のMARVEL。
なんとここに家族愛すらブチ込む暴挙を決行する。
最も根幹をなしているのはピーターの父親を巡るドラマだ。
ずっと行方知らずだった実の父親に会えてうっかりガーディアンズすら捨てそうになってしまうピーター。
しかしここに紆余曲折あったヨンドゥが絡んでくる。
前作から引っ張られていた「なぜピーターにだけ甘いのか」問題の真相が判明したとき、観客の涙腺は決壊する。
生みの親であるエゴ。
育ての親であるヨンドゥ。
どちらが本当に自分のことを愛してくれているのか。
ラストの自己犠牲と卑怯すぎる回想シーン、そして「お前の父親はあいつ(エゴ)だが、親父は俺だ…」という名台詞。
音楽も相まってかなり腰にくる。
今作で株を上げたのは間違いなくヨンドゥだ。口笛で操る矢「ヤカ」の使い手。
さらに今回はなんとピーターだけではなくロケットとも抜群の絡みを見せてくれる。名実ともにガーディアンズの良き親父。
中盤の見せ場である脱獄シーンのかっこよさはアクションとしてもアートとしても満点すぎて泣けてくる。横並び。そして余裕な脱獄。
名作アクションの鉄則だ。
もう観賞後には今までのMARVEL映画で感じたことのない感情に襲われるほどだ。
他にもガモーラとネビュラの姉妹ドラマ、ガーディアンズのファミリー愛、そしてグルートの子育て奮闘記etc…と、とにかく最初から最後まで徹底された様々な家族愛描写の数々。
そしてそれらを度を超えた現時点最高峰のCGで包み込む。息を呑むとはこのこと。
画面の美麗さだけでも劇場に行った価値はあった。
80年代、家族愛、アクション、ドラマ、美麗すぎる景色…ともすればぶつかり合ってごちゃつきそうなところを全てギリギリのさじ加減で上手く配合する器用さ。
よく考えてみれば前作とは全く毛色の違う仕上がりになっていた。
それでも始めと終わりがよければ全てよし!!
前作以上に陽気なアクション、コメディ、ミュージカルが高次元で融合した惚れ惚れするオープニング。そしてグダグダしない幕引き。
スパッと終わりエンドロールへ。しかもそのエンドロール中には多数のオマケ映像。
MARVELではポストクレジットは恒例だがそれにしても恐ろしいほどのサービス精神。
観終わった後の清々しさは他の比ではない。
お洒落で泥くさく、そして最高にカッコいい。
完全に独自の、そして唯一無二の超傑作だ!!
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』では一体どう絡んでくるのか。
そして完結篇である『Guardians of the Galaxy vol.3』はどうなるのか。
そしてスライは再登場するのか。
今まで以上にこれからのMCUは目が離せなくなりそうだ!!
漢気まみれの予告 ↓
アイツらが帰ってきた!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編 - YouTube
漢気が欠落したtwitter ↓
映画における「元」の強さ。『RCU』というif。
夢にも程がある対決!!
決着つくのか?!これ!!
映画とはフィクションである。 まぁ当然だが。
専門家じゃないので詳しくは知らんが「やつし」という一種のテクニックがある。
「一見みすぼらしく見えるが実は…!」というアレだ。
穏やかそうなおじいさんの正体が…な水戸黄門。
肉体の圧倒的なハンデを物ともせず大男を少年が倒す少年漫画。
とにかく日本人はこの手の描写に弱い気がする。
ご多分に漏れず俺も大好きなのだが
特に映画での「とある描写」に弱い。
それは「引退>>>超えられない壁>>>現役」というものだ。
普通に考えれば余程のことがない限り、引退勢がビシビシ現場で凌ぎを削っている現役勢に勝てるわけはない。
しかしその余程のことがとにかく起こるのがフィクションというもの。
「一昔前の先輩達はマジでヤバかったぞ…」とはどこに行っても耳にするフレーズだが
それは映画の世界でも例外ではない。
アクションとの親和性も高いのか古今東西、様々な漢がそのテーマの元に大暴れしてきた。
今回はそんな俺の心の胸ぐらを掴んで離さない一例をご紹介させていただこう。
もはや個人的まとめだが気にしないでくれ!
《ジョン・ランボー》
『ランボー』シリーズより。
史上最強のベトナム帰還兵。
社会派ドラマだった1作目の雰囲気はどこへやら。
2作目以降はひたすらにキリングマシーンに徹する永遠の「男の教科書」
ベトナムゲリラ部隊、旧ソビエトの一個師団、ミャンマー軍相手に単騎で圧勝する。
人間ではないなにか。武神。
《ケイシー・ライバック》
『沈黙の戦艦』シリーズより。
最強のコック。
引退してのびのびと料理長をしているが、その強さは健在。
世界を脅かすテロリスト共が名前を聞いただけで震え上がる「歩く死亡フラグ」
ラスボスですらノーダメージ&情け無用にボロ雑巾のごとくしばき倒す様は圧巻の一言。
もはや形式美。人というよりは災害に近い。
《ジョン・ウィック》
『ジョン・ウィック』シリーズより。
『ジョン・ウィック』バレあり感想!中二魂持ってるなら見ずに死ねない!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
元伝説の殺し屋。
妻を亡くし、贈り物である犬と静かに暮らしていた。
しかしとある事件を皮切りに再び覚醒する。
「鉛筆一本で3人殺した」という武勇伝を持つ。
それも納得の無双っぷり。
「ガン・フー」という近接格闘術と射撃術を組み合わせた俺ジナルなスタイルを持つ。
その無駄のなさはまさにプロフェッショナル。
《デッカード・ショウ》
『ワイルド・スピード』シリーズより。
『〜SKY MISSION』から本格参戦。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
過去に英国の極秘特殊部隊に所属。
しかしあまりにも強すぎたために存在を抹消された。
「影(シャドウ)」の異名を持つ。
最強のファミリーにやられた弟の敵討ちに乗り出し
世界を股にかける一味相手にたった1人で互角以上に渡り合う漢の中の漢。
ステイサムのパブリックイメージの集大成ともいえる。
世界各地で神出鬼没にファミリーを殺しに現れる様はもはやホラーモンスターさながら。
銃火器を手足の如く扱い、運転技能もピカイチ。
総合戦闘力はシリーズの中でも頭ひとつ抜けている。
まさしく「歩く大量破壊兵器」
《チャ・テシク》
『アジョシ』より。
元特殊部隊出身の質屋さん。
孤独に暮らしていたが隣の少女と仲良くなる。
…が、その子が攫われてしまい静かな怒りと共に復職。
優男風のパーマヘアをバリカンで刈り込むシーンは鳥肌もの。
目にも止まらぬ速さによるナイフ捌きで相手を膾切りにする。韓国、マジでヤバい。
《ジョン・メイトリクス》
『コマンドー』より。
説明不要の軍神。
その寵愛している娘が拉致されてしまう。
当然、逆鱗に触れ最終的には74人を殺戮する魔王すぎる漢。
名言を吐きまくるお茶目な一面も。
もはや語り尽くせないほどの文化。
…などなど。
もうとにかくこの手の映画が好きすぎて貪るように見漁っているわけだが、ふと気がつく共通点がある。
「CIA無能説」
アメリカでは不祥事が多いのか嫌われてるのか知らんが、アクション映画で黒幕だったり悪いことしてるのは大概CIAだ。
しかしそんな中、ひとつの暗黙の了解もあった。
「CIAのアウトサイダーはマジでヤバい」
『ボーン』シリーズより。
記憶を失い長いこと自分探しの旅をしている漢。
休まる暇のない日々の中で自らの過去を求め続ける。
しかし記憶は無くとも身体に染みついた特殊技能は衰え知らず。
そう、彼はCIAの極秘計画により誕生した究極の戦闘兵器だった。
多種多様なスキルはもちろん、無駄を一切省く徹底さ。
逃げながらも相手を追い詰める圧倒的鬼ごっこスキルも持つ。
彼の前では後手に回るしかない。恐ろしき有能。
《ブライアン・ミルズ》
『96時間』シリーズより。
元CIA特殊工作員。
しかし仕事にかまけすぎて家族とは疎遠に。
それでも不器用ながら一人娘と接する。
が…その娘が人身売買組織に拉致されたことで現場に恐怖のカムバック。
鬼神の如き強さと情け容赦のなさ、さらには運すら味方につけ数少ない手掛かりから国際的組織をたった1人で壊滅させる。
「必要ならエッフェル塔でもぶっ潰す!」
《ロバート・マッコール》
『イコライザー』より。
昼はホームセンターで働き、夜は物静かなダイニングバーで読書をする優しき漢。
しかしそんな彼には必殺すぎる一面があった。
暴力を厭わないクズにも一度だけチャンスを与える優しさを持つが、改心の余地がなければ徹底的にブチのめす。
戦闘描写こそ少ないが事後は大概恐ろしいことになっているため無双しまくっていることが嫌でも伝わってくる。恐怖の仕事人。
《マイク・ハウエル》
『エージェント・ウルトラ』より。
ハッパを好む2つの意味で草食系なコンビニ店員。
居住区の外に出られないほどの引きこもり体質でもある。
しかしその実、CIAの洗脳計画「MKウルトラ」の被験者だった。
記憶を失くしていたが、とある日「合言葉」によって再起動。
スプーンとヌードルで追手を始末する。
手榴弾を投げ返す。
フライパンを投げ、跳弾で死角の相手を撃ち抜く。
などなど、とにかくやりたい放題な強さ。
CIA曰く「最強の被験体」
右から
《フランク・モーゼズ》
《ジョー・マシスン》
《マーヴィン・ボッグス》
『RED』シリーズより。
引退後、のんびりと暮らしていたフランク。
そんなある日の早朝。
特殊部隊員によって家を蜂の巣にされる壮絶な寝起きドッキリをかまされる。
しかし5秒ほどでなんなく全員始末。
その後現役時代の仲間であるジョーとマーヴィンを引き連れ、再び現場に舞い戻る。
長い現場経験によって培われたスキルと衰え知らずの戦闘力でどんな困難でもあっさり切り抜ける。
醸し出し続けている圧倒的な余裕オーラに違わぬ無敵っぷり。
…といったところだ。全く素晴らしい!!
最近の映画では複数のキャラを共演させるユニバース方式が流行ってきているのは以下の通り。
現在、洋画界と海外ドラマ界を取り巻く恐るべきドル箱!!!マルチバースとは!? - 高速回転する方舟の片隅で。
が、もしもこいつらが共演したら。
そんなRCU(Retired CIA's Universe)が実現したら。
嬉しくて死ねる自信がある。
普段は皆穏やかでのんびり雑談でもしてそうだが
いざ何者かに狙われたら数秒で話が終わりかねない。
…まぁ危機管理能力がそれぞれズバ抜けすぎていてなんてことなく窮地を脱しそうではある。
そもそもこいつらをまとめて敵に回して2時間耐えられる組織があるとは思えない。
それこそ地球生命体クラスじゃないと!
映画としては駄作になりかんな!!
それでも劇場に10回は駆け込むが!!
今回なにがなんやらな記事になってしまったが
上記の作品を未見の方がいたらぜひぜひ観ていただきたい。
どれもこれも紛うことなき傑作だ。
観たことある方もこんな妄想をしながら再度観賞してみるのも悪くはないと思う。
やる気の出ない昼下がりにでも!
溶けるほど暇なtwitter↓