高速回転する方舟の片隅で。

勢いしかない駄弁り映画ブログ。

暴力刑事vsエセサイコ野郎。『ブリッツ』バレあり。感想。

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「この刑事、凶暴。ゆえに天職。」

「全てを知ったとき、刑事は一線を越える。」

120点満点なキャッチコピー!

今度のステイサム、不良警官。

ちなみに全てを知るかなり前から一線は超えてるぞ!!

 

俺が洋画ファンになってから久しい。

思い起こせばそのきっかけとなった作品はいくつかあるが、その中でも最も大きなファクターを占めるのがダークナイトだ。

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バットマン・ビギンズから続くシリーズ2作目。

前作から引き続いて「現代社会にヒーローがいたら」を地で行くスタイル。

「ヒーローとはなにか、善悪とはなにか」に鋭く深く切り込んだ、ヒーロー映画の枠組みを超えた超傑作である。

さらに昨今のアメコミヒーローの作風が徹底的にシリアスになった原因ともいえる、まさに革命作でもある。

まぁいまさら詳細を語るまでもないだろがそのうち当ブログでも書こう。

思い入れが強すぎてめちゃくちゃな長文になりそうな気もするが!!

その「とにかくヤバい」映画であるダークナイトを傑作たらしめている背景には確実にこのキャラクターがいるだろう。

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「ジョーカー」

称、「犯罪界の道化王子」

究極の劇場型犯罪にして、なにをしでかすか誰にも読めない徹底されたやべぇやつ。

バットマンを「愉快なおもちゃ」と称し、この上なく愛してやまない最凶のメンヘラサイコストーカー。

「世の中が混沌に陥るのを最前列で見る」ためには自らの命も顧みない究極の絶対悪。

この一から十まで完徹された触れてはならないオーラ。

ときには主人公であるバットマンを食ってしまうほどの存在感。

これ以上ない程に強烈に惹きこまれたのを今でもハッキリ覚えている。

映画を観たのは高校生の頃だったが

一足遅ければ一生を棒に振りかねないレベルで感化されていたであろうことは想像に難くない。

 

さて。話は変わって本作。

「もしもそんな「ジョーカー」に凡人が憧れてしまった挙句、サイコ犯罪者を気取ってしまったらどうなるか」

そんなことを教えてくれる道徳の教科書的作品だ。

とある事件から刑事を憎むようになった男。

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東京を勘違いした大学デビューのようなファッションに身を包み、コードネームを「ブリッツ」と名乗る。

そして卑劣にも刑事を標的に連続殺人を繰り広げる。

相手は映画あるあるの「無能警察」ということもあり次々に殺人を敢行するが…

彼にはたったひとつの誤算があった。

それも誤算というにはあまりにも愚かすぎるミスだった。

 

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なんとそこの所轄にはステイサムがいた。

それも暴力を一切厭わない最強最凶な刑事として君臨していた。

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バットマンと同じく路地裏でエンカウントしたくない漢、No.1。

むしろ躊躇がないだけステイサムの方が厄介な気もする。

当然、凡人がステイサムを「愉快なおもちゃ」として扱えるわけもない。

それどころか無情にも生きたサンドバッグとして心身共にボコボコにされるのであった。

 

というわけで今回は

「もしもジョーカーが凡人だったら」

「そしてバットマンがステイサムだったら」

という逆ダークナイトこと『ブリッツ』を紹介させてもらいます。

そんな愉快極まりない、そしてあまりにも無慈悲なあらすじ。

イギリスの下町。

やいのやいの騒ぎながら車上荒らしをする若者たち。

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しかしそんな間違った野外活動は今夜までだった。

そこにゆったりとホッケースティックを持って近づいてくる漢が1人。

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あっ!!ステイサム(武器あり)だ!!

人間というより即死トラップ。

もうこの時点で結果は火を見るより明らか。

全観客の思惑そのままに10秒足らずで若者たちを瞬殺するのであった。

f:id:berserkun:20170824083305j:image「俺とやるなら武器を選ぶんだな…」

今作のステイサムは現役バリバリの暴力刑事ということを有無を言わせず理解させる最高のオープニングだ。

ちなみにステイサム主演映画で暴力発動までの時間が最も速いのは本作らしい。

 

そんな寝覚めバッチリなオープニングが明けるとカウンセリングに呼ばれているステイサム。

そりゃそうだ!!

しかしそこで「君の暴力性は刑事に向いていない」と言われようものなら

「これが俺の天職だ」

「クビにしたらなにしでかすかわからんぞ」

そうタバコを吸いながら吐き捨てる。

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黙る他ないセラピストであった。

そんな中、件の連続殺人事件が起こる。

f:id:berserkun:20170824083538j:image悲痛ステイサム。

被害者は全員刑事。

当然、身内には甘い警察は総力を挙げて事件解決に奔走するも、普通の聞き込みでわかれば苦労はしない。

そこでステイサムは独自の方法で捜査することにする。

・開店前のBARに押し入り酒を飲む。

代金を請求されようものなら「開店前なんだろ?」と踏み倒す!!

・情報屋にビール代をたかる。

例え相手が金に困っていたとしても!

・メモすらとらずにビールを飲む。得意げに!

というただの本音のハシゴ酒とも言いたくなる捜査方法だった。

その甲斐もあったのかわからんが、見事犯人を解明。

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上記した「ブリッツ」ことただの凡人

「変わってるね」と言われたらめちゃくちゃ喜ぶ残念な大学生のようなハシャギっぷりを見せている。

こんなカスはステイサム1人で十分だが

ここで倍プッシュ的に相方となる刑事が登場する。

f:id:berserkun:20170824084808j:imageポーター。

同性愛者ということで周囲から浮いている。

しかし過去に「性犯罪者の急所をバットで潰した」というとんでもない武勇伝を持つ。

その漢気からステイサムと意気投合。

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かくしてまさに電撃タッグを組んだ2人。

こんな漢気コンビに凡人は太刀打ちできるのか?

ラストまで命がもてばいい方じゃないのか!?

はみ出し者タッグによる究極の私刑が今、幕を開ける!!

 

意外にも本作ではステイサム主演映画ながらアクションは少なめだ。

暴力最速記録は打ち立てているが!!

しかし、本編では描かれてないだけで普段から暴れまわっていることは容易に想像ができる。

中盤にてステイサムがブリッツを街中で追いかけるシーンがある。

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文字通り命がけのドロケイ。

そこで警察無線で流された命令が

「ステイサムに捕まえさせるな!」

「なにしでかすかわからんから!!」

という物騒さ。

身内を殺しまくりの被害者に同情してしまうほどの焦りっぷり。

日頃の大暴れが目に見えるような良い描写だ。

このようにアクションが少ないからと言って安易に駄作認定はできない。

本作はまた違った面からステイサムの魅力が引き出されているからだ。

それはやたら軽妙で深い軽口だ。

まぁ他作品でもブリティッシュジョークが炸裂しまくっていることは否定できないが

それに輪をかけて本作のステイサムは口を開けば冗句しか言わない。

10言われたら迫力のある1で返す。

まさに漢の中の漢だ。

それが如実に現れるのが終盤。

やっとの思いでなんとかブリッツを捕らえた警察。

取調室にて尋問を行う。ステイサムが。

もうこの時点で嫌な予感しかないが

そこでブリッツが警察相手に連続殺人を行なっていた理由が明かされる。

それはなんと

「過去にステイサムにボコボコにされたから」

というしょうもない理由だった。

逆恨みにしてはあまりに破滅的すぎるが

そんなブリッツを言葉の暴力で取り調べるステイサム。

「お前のことなんざ今の今まで忘れてた」

「お前が俺にボコられてる監視映像見てみんなでチビるほど笑ったぜ」

「ブリッツって名乗ってるらしいな?」

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なにも言い返せずに項垂れるしかないブリッツであった。

しかしなんとブリッツは証拠不十分で釈放となってしまう。

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それでもそんなことでへこたれるステイサムじゃない。

というか法が通じる優等生じゃない。

逆恨みでも喧嘩売ってきた相手を放置しておくほど草食系でもない。

ここで一休さんも真っ青な規格外なトンチを繰り出すことにする。

 

保釈されたブリッツ。

あんなにステイサムに煽られたら後には引けない。

そもそもの理由は「ステイサムを殺したい」から始まったこの連続殺人計画。

夜道を1人で歩くステイサムを尾行して殺すことにする。

まぁどう考えても自殺への直行便だが

案の定、ビルの屋上までおびき出されたブリッツ。

当然一対一で敵う相手ではない。

徹底的にボコられにボコられる。

f:id:berserkun:20170824085116j:image「いや…もう…」

さらにステイサムはそれだけでは飽き足らずブリッツを軽く射殺してしまうのであった。

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この場面で引き金を引く刑事。前代未聞だ!

一応、作戦としては「ブリッツを新たな連続殺人の被害者として殺す」とのことだが

側から見れば腹立つから殺したようにしか見えない。

それでもこの裁判所判断を逆手にとった圧倒的俺流ジャッジメント

「犯人が犯人によって殺される」という刑事自ら事件を迷宮入りに追い込むスタイル。

爽快を超えて納得するしかないオチだ。

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ステイサムか承太郎か!!な名シーン。

世の中には絶対的に怒らせてはならない人がいる、という教育的側面も見せてくれる。

 

とにかく普段のステイサムとはアクションとジョークの割合が逆な本作。

ステイサム好きな友人と語るときもあまり話題に上らない日陰の作品だ。

それでも他では見られない殺意満載の一休さんステイサムが見られるのはここだけだ。

意外にも現職の刑事役を演じているのは本作だけだったりもする。

密かに続編を期待していたりもするのだがまぁ無理だな!!興行収入的に!!

 

とにかくモヤモヤした夜にでも独りでひっそりと見てほしい名作だ。

調子に乗ったアイツをブリッツに反映させながら!!!

 

余談ではあるが本作。

この後ワイスピにてステイサムの兄弟役を演じることになるルーク・エヴァンスも出演している。

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ちょい役だけど!!!

 

なんとか取り繕っている予告↓

映画『ブリッツ』予告編 - YouTube

語れる武勇伝などなにもないtwitter

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ステイサム、一般人に出会う。『SPY/スパイ』バレあり感想。

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お気楽コメディアクション。

…かと思えば全力スパイアクション!!

配役完璧のんびりゆるふわムービー!!

 

当ブログを開設してから早4ヶ月。

ありがたいことにちょっとずつPV数が増えてきた。

嬉しいったらないのだが、一体どんな層の方が見てくれてるのかは全くわからん今日この頃だ。

ページ別解析によればワイスピが上位という時点で推して知るべしかもしれんが!

全てが、BREAKする。『ワイルド・スピード ICE BREAK』ネタバレ特盛り感想文。 - 高速回転する方舟の片隅で。

兎にも角にもPV数を伸ばすには需要に乗っかるのが最も手っ取り早い。

ひとまずここでとある人物を見てもらいたい。

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…またステイサムじゃねぇか!

とにかくこの御仁を見て抱く感想はどう言った類のものだろうか。

腕っ節が強そう。皮肉が上手そう。運転上手そう。敵にまわしたくない。元飛び込みの選手。歩く大量破壊兵器。いつも似たような役。ハゲ。など様々な偏った意見が出るだろう。

この出演作のほとんどで共通しているかのようなステイサム像。

その積み重ねで上記のようなパブリックイメージが固まってしまうのも致し方ないところだ。

個人的に言わせてもらえればどれも似ているようで違うのだが

まぁ共通している箇所は多々あることは認めざるを得ない。

しかしそのイメージを逆手にとって大成功を収めたのがワイルド・スピードシリーズだ。

f:id:berserkun:20170824043018j:image『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。

そこにいたステイサムはまさにパブリックイメージの極致、権化だった。

極限までアップグレードされた「いつものステイサム」の集大成でもあった。

もはや「いつも以上なステイサム」がファミリー相手に大暴れする。

言うまでもなくワイルド・スピードシリーズはアクション映画。

当然のように最高の相性を見せつけてくれた。

シリーズに参戦した当初、というか現在進行形で各方面には感謝しかないのだが

ある意味ではステイサムの到達点とも言えてしまうだけに一抹の寂しさを感じてしまうこともある。

「芸術とは完成しないからこそ美しい」とは誰かが言っていた名言だが、その通りだと思う。

しかしそんなことで前に進むのを諦めるのは漢じゃない。

今までも様々な変化球を交えながらも俺のストライクゾーンに数々の豪速球を放ってくれたのがステイサムだ。

 

そんなことをぼんやり考えていた2015年。

衝撃のニュースが世界を駆け巡る。

「ステイサム、アクションコメディ参戦!」

それが今回紹介する『SPY/スパイ』だ。

f:id:berserkun:20170729194254j:image脇役ながら眼光の鋭さは平常運転。

ワイスピのステイサムが「160km/hのド真ん中ストレート」だとしたら

本作のステイサムは「高速チェンジアップ」とも言える。

「コメディアクション」と「アクションコメディ」という絶妙に違うジャンルだが

そこにはワイスピと同じく「いつも以上なステイサム」が君臨していた。

そんな以上で異常なあらすじ。

主人公「スーザン」はCIAのデスクワーカー。

今日も相棒である「ブラッドリー」に本部から献身的なサポートをしているのであった。

f:id:berserkun:20170824043103j:image「スーザン・クーパー」主人公。

CIAに入ったはいいものの刺激さとは無縁。

退屈とも言える日々の唯一の楽しみといえば片想い相手でもある相棒「ブラッドリー」へのサポート。

f:id:berserkun:20170727115557j:image「ブラッドリー・ファイン」その相棒。

バリバリやり手な現場エージェント。

「もしもジュード・ロウがボンドだったら」まんまな八面六臂の大活躍を遂げるCIAのエース。

 

今日も今日とてバリバリ働く2人。

しかし目覚ましい活躍も束の間、敵の罠にかかってブラッドリーが殺されてしまう。

当然、復讐に燃えるスーザンは現場エージェントに電源志願!

今までモニター越しにしか見ていなかった危険で刺激的な世界に飛び込むことになる!

f:id:berserkun:20170727115625j:image「やったるわ!!!」

いわゆる「凡人がいきなりアクシデンタルな世界に」系の作品。

その普遍的なストーリーを軸に、キチンとしたつくりで正統派コメディ映画としてかなり楽しめる。

主演と監督は『デンジャラス・バディ』ブライズメイズなど良作コメディを手掛けてきたタッグ。

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どちらも傑作。オススメ。

ちなみにこの後『ゴースト・バスターズ(2016年版)』でも手腕を発揮する。

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いろいろ騒動もあったけど蓋を開ければ良作。

この媚びゼロなメンバー見れば納得せざるを得ない。

本作でも笑いはもちろんアクション面も意外にしっかりしていたりする。

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キッチンファイトは一見の価値あり。

だがまぁそれだけだったらある種、よくあるB級映画として終わっていたかもしれない。

少なくとも俺は当分観ることはなかっただろう。

しかしここで例のあの漢の参戦が効いてくる。

あらすじには書かなかったが、この映画が俺の心を突き動かしたのは間違いなくステイサムの参戦だ。

f:id:berserkun:20170727115645j:image「リック・フォード」

今回の役どころとしてはブラッドリーの同期にして孤高の一匹狼なエージェント。

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変わらずな眼光と口の悪さ。

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そしてかつてない多表情さ。

もう登場からしヤバいやつ感満載ではある。

ちなみにスーザンはもちろんCIA全職員に煙たがれている。

しかし演じるはステイサム。

当然ただのエージェントなわけがなかった。

設定もさながら明らかに意図された場違い感。

ブラッドリーを殺した犯人はかなりの大物らしくステイサムも現場に出張ってくるのだが

その登場方法が一癖ある。

 

現地のホテルに到着したスーザン。

部屋の電気を点けると

そこにはステイサムが何食わぬ顔で座っているというサプライズ。

驚きもそこそこに自己紹介代わりの驚愕の武勇伝の数々がステイサム自身の口から語られる。

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「自分の心臓を電気マッサージして蘇生した」

「ガラスの破片を目から引き抜いた」

「レインコートをパラシュート代わりに高層ビルからダイブした」

「パーツを一旦飲み込んだのちにケツから出してコンピューターを組み上げた」

「切断された片腕をもうひとつの腕でくっつけた」

「車で列車に燃え盛りながら飛び移った。車じゃなくて俺が、だ

オバマに成り替わった」

このあまりにもデンジャラスで平常運転な経歴。

デッカードと肩を並べてしまうレベルだ。

そしてこれらを真顔で語るキャラクター性。

もはや隠し切れていない刺激的すぎるスパイスとして物語を大いに盛り上げてくれる。

思えばこの後に制作された『〜ICE BREAK』ではコメディエンヌっぷりを遺憾なく発揮していた。

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もはやアクションの大元が本作に寄せてきたかのごとく!

それは本作にてコメディもいけることを明らかにしたためではなかろうか。

思えばどちらのステイサムもやっていることは意外にも大して変わらなかったりする。

さらに表情や演技プランもほとんど同じといえるかもしれない。

それでもよく考えてみればこんな漢が現実社会に存在したらたまったものじゃない。

ワイルド・スピードでは基本的にどこを切っても超人だらけだからこそ何事もなく馴染めたものの

本作の主人公は等身大の独身女性。

凡人目線ではただの危ないやつにしか映らない。

このとんでもない落差のギャップをそのまま笑いに繋げるハイセンスさ。

目線と環境が違うだけでもここまでの差が出るとは驚嘆するほかない。

さらに油断した頃に見せる口先だけ感。

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ドアノブにコートを引っ掛けてコケるステイサム。

王道だが堂々とやられたら笑う他ない。

それでも時たま、ハッとさせられる動きを見せたりもする。

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雑魚共を得意の体術で瞬殺。

この奇妙ともいえる感情の揺さぶり方ワイスピにも通ずるところがある。

とにかくハリウッドによる全力パロディと言える本作。

トータルで見ると一般的な観客からしたら良作。

ステイサムファンからしたらリトマス試験紙作ではある。

ファンの中には「こんなステイサム見たくなかった」という意見もあるかもしれない。

それでも自ら型にハマりにいった挙句にその枠組みを破壊するというのはこれ以上ない「いつものステイサム」といえるだろう。

ちなみにそんな常識外れっぷりが炸裂するのは観客が油断しきったエンドロール後。

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ここからはぜひご自分の目で!!

 

そんな過激さはないので老若男女にオススメできる傑作。

デートでも友人同士でも気軽に観られる。

なんとなく面白いものが観たい日に是非!

 

雰囲気を捉えた良予告↓

Movie Express 映画『spy』日本語予告編 - YouTube

 

余談だが、そんなステイサム。

待望の次回作はなんと「vs巨大サメ」だ。

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刃牙外伝』より。

こんなん見たいなぁ!!

 

まだまだ型にハマる気はなさそうだな!!

さすがだ!!ステイサム!!!

 

型を気にしっぱなしなtwitter

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ト・ト・トランスポーター。『ベイビー・ドライバー』感想。バレあり。

f:id:berserkun:20170818094541j:image孤高の青春再起クライムサスペンスミュージカルカーアクション。

エドガー・ライトのやりたいこと、全部盛り。

監督ファンは死んでも観よう!

予告でピンときたら観よう!

とにかく観よう!!

 

未だに新進気鋭のイメージが抜けない英国のオタ監督。エドガー・ライトf:id:berserkun:20170818094602j:imageノリいいナイスガイ。

こんな風貌でも頭ん中はオタクそのもの。

映画好きなら一度はハマるその作風。

代表作はスリー・フレーバー・コルネット」3部作だろう。f:id:berserkun:20170818094718j:image上からそれぞれ

『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』

ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』

ショーン・オブ・ザ・デッド

それぞれ話が繋がっているわけではないものの

監督&主演タッグは共通。

ひとつ気に入れば他のもストライクなはず。

ご多聞に漏れずどれも大好きな作品だ。

映画界にも固定ファンは多々いるらしいが、そんなヤリ手をお偉いさん方が放っておくわけがない。

数年前になるがアントマンの監督に大抜擢。

若手だろうがベテランだろうが有能なら使う!というMARVELらしさ全開の人選であった

個人的にもエドガー・ライト×MARVEL」という黄金方程式を楽しみにしていた…のだが。

製作上の意見の不一致で降板という憂き目に合ってしまった。

それでも完成した『アントマン』は素晴らしい出来。

傑作しかないMCUの中でもキラリと光る大傑作であった。

聞くところによればエドガー発のいくつかのアイデアも採用されている、とのこと。

複雑ながらも作品に罪はない。

それに好きなものは好きだし!

その後の『シビル・ウォー』での一点起用でも素晴らしいスパイスとして大いに盛り上げてくれた。f:id:berserkun:20170822081440j:imageノリノリジャイアントマン。

もはや嫌う理由もない。

エドガー・ライト本人もシビルウォーで一番輝いていたのはアントマンだった」と言っているくらいだ。

ようやく胸を張って俺も大好きと言える気がした。

まぁ『アントマン』単体作に関しては

「元カノのセックスを見るようなものだ」

とバッサリ切り捨ててはいるが!!

そんなトラブルもあったせいか最新作である本作は大手映画会社の援助をガン無視。

やりたいようにやりきったエドガー節フルスロットルな渾身の一作となった。

もちろんつまらないわけがない。

ありがたいことにまたまた試写会が当たった。

そして度肝を抜かれた。

何度目だ!!この流れ!!

とにかく一から十までブレることない大傑作であった。

そんなアクセル全開なあらすじ。

なにやら物騒な集団。f:id:berserkun:20170820201712j:imageそれもそのはず、銀行強盗御一行。

そしてその運転手こそが本作の主人公。f:id:berserkun:20170822083627p:imageベイビー。

凄腕の若き天才ドライバー。

のっけから音楽にノリノリ。

そしてそのボスにしてベイビーの雇用主。f:id:berserkun:20170820201748j:imageドク。

冷徹なプロフェッショナルでありメンバーは作戦ごとに総入れ替えする用意周到さを兼ね備える。

しかしベイビーがいると必ず仕事が成功するため「幸運のお守り」として起用し続ける人間らしさも。

暴力を嫌うなど裏社会に全く似つかわしくないベイビーがなぜこんなイリーガルなバイトをしているかというと。

実はドクの高級車(麻薬輸送車)を盗んだ過去があり、その借金を返済するために雇われているらしい。

当然事情を知らない他の初参加メンバーは訝しむもののそこは実力至上主義な世界。

綿密な計画と大胆な機転、そして圧倒的なドライビングテクニックで今日も仕事は大成功するのであった。f:id:berserkun:20170824035154p:image画像では説明できない素晴らしさ。f:id:berserkun:20170820201914j:imageド派手がすぎるなぁ!!

さらに嬉しいことにあと一回仕事を終えれば約束の返済額まで到達する。

ウキウキ気分で行きつけのカフェへと向かうベイビー。

そしてそこで運命的な出逢いをする。f:id:berserkun:20170822082238j:imageウェイトレス。デボラ。

音楽好きという共通点も手伝って出会って5分で互いに一目惚れ。f:id:berserkun:20170822082302j:image側から見ても「うまくいくな」感が凄い。

ちなみに演じるリリー・ジェームズ実写シンデレラなお方。f:id:berserkun:20170822082638j:image羨ましいなぁ!!

そういえばハリー・ポッターの両親っぽい名前。

どうでもいいな!!

とにかくもうテンションが上がりに上がるベイビー。

そこにボスから召集がかかり「いっちょラストランといきますか!」と最後のお仕事へ挑む…が。

そのメンツには1人ヤベェやつがいた。f:id:berserkun:20170822081632p:imageバッツ。

演じるはジェイミー・フォックス

奴隷やったり大統領やったり忙しいが今回の役どころはイかれた強盗のプロフェッショナル。

ファッションセンスからもひしひしと伝わってくるその狂気さ。

この男の登場により運命の歯車が狂い出す。

とはいえそこは孤高の天才ドライバー、ベイビー。

いろいろなハプニングも起きつつラストランを見事完走する。

なにはともあれ借金返済は終わった。

そして可愛い彼女もできた。

まさに人生の頂点だった。

報酬でもある大金で強盗仲間から聞き齧ったお洒落なレストランへしけこむベイビーとデボラであった。f:id:berserkun:20170822082723p:imageいい背伸び感。

しかしそんな幸せは長くは続かない。

会計を済ませて店を出ようとすると店員さんから「あちらの方から御代はいただいています」との一言が。

嫌な予感がしつつも振り返るとそこにはあのボスがいた。

そして裏路地に誘われ「借金返済は確かに終わった。だから今回からは対等な仲間として強盗しろ」とのパワハラ全開な要求をされる。

「幸運のお守り」そして天才ドライバーとしての腕を買ってのことだ。

しかし裏社会に嫌気がさしているベイビーは当然断るも

「大切な人のことをよく考えろ」

そういえばあの彼女は可愛いなぁ??」

などと面倒な脅迫をかけてくる。f:id:berserkun:20170824033655p:image無下にすることもできず渋々承諾してしまうベイビーであった。

さらに面倒事は続く。

なんと今回のメンツはオープニングの強盗で一緒になったバカップル、そしてバッツだった。f:id:berserkun:20170818095105j:imageもうベイビーのMPはゼロだった。

それでも愛しの彼女との自由を夢見てハンドルを握る決意を固める。

そんな気も知らないドクに命じられ他のメンバーと武器の売買に出向くことになる。

「商品」を仕入れてくるだけの簡単なお仕事…のはずだった。

しかしここでバッツがやらかす。f:id:berserkun:20170822083707j:imageなんと唐突に銃撃戦をおっ始める!!

否応なしに対応するバカップル!!

そして相手の武器商人たち!!

逃げ隠れするベイビー!!!

先手をとったこともありなんなく全員殺すのだが、理由を尋ねられて「こいつらは警察だもん」の一点張りのバッツ。

穏便に済ませたいベイビーからしたら最悪の一言だ。

しかもそんな最悪の雰囲気はさらに加速する。

よりにもよってアジトに戻る途中で「腹が減ったなぁ!!」などと言い出すバッツ。

そして指定した店はあろうことかデボラの店。

「あの店は嫌いだ」となんとか入店拒否するベイビーだが見た目通りに天邪鬼なバッツは

「それなら入らなきゃなぁ!!?」

と強引に入店する!!

いるよな!!こういうやつ!!!

当然店ではデボラが働いている。

ベイビーの突然の来店に驚きつつ喜ぶデボラ。

しかしいつもと違いヤンキーバカップル&ヤバそうな黒人という濃すぎるメンツと一緒なために訝しむ。f:id:berserkun:20170822082803j:image「えっ…?」なデボラ。

もうこれ以上事を荒げたくないベイビーだが

そんなことは御構い無しなのがバッツ。

手始めに大声でバカップルのことをしこたまいじり倒す。f:id:berserkun:20170818095132j:image「お前は子持ちだったらしいなぁ?」

「だが借金に耐えきれず3つのことに逃げた」

「女、ドラッグ、セックス、強盗だ」

「…おっと4つだったか?ギャハハ!!」

それだけならまだ良かったのだが、散々空気の読めない発言をリピートしまくりベイビーとデボラの仲まで冷えっ冷えに!!!f:id:berserkun:20170818095210j:imageここまで対照的なのもすごい。

挙句には「会計」と称しデボラに鉛玉をブチ込もうとする始末。

どんだけクズなんだこいつ!!

さすがにそれはベイビーが許さず一触即発な雰囲気に。

ヘラヘラとそれは許すバッツだった。

とにかくドクの元に戻り警察の一件を問いただすも

「そうだけど?なにしてくれてんの?」こちらもこちらで一点張り。

もはや一触即発が加速し絶対零度以下に落ちる。

どこまで落とせば気が済むのか!!

果たしてこんな状況で強盗は成功するのか?

いけ好かねぇ仲間達はどうするのか?!!

そしてベイビーとデボラの行く末は!!?

湧き上がる感情をハンドルを握る手とアクセルを踏む足に込めて。

今、全てにケリをつけるべく。f:id:berserkun:20170822083750j:imageベイビーの人生を賭けたラストランがスタートする!!

 

…というもの。

巷ではカーアクション版ラ・ラ・ランドと揶揄される本作。

印象的な音楽映画で男女のあれこれが主軸ならどうしたって言いたくなるのが性ってもんだろう。

ちなみに俺はまだ観てないが!

しかし主観でいえばガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに近いと感じた。

主人公の音楽への敬意。

80年代感溢れる選曲の数々。

ミュージカル映画と錯覚するほどの演出。

これはむしろ『GotG』のオープニングシーンが2時間ぶっ通しで続くといった方が正しい。f:id:berserkun:20170822082907j:imageノリノリクリプラ。

周りの騒音が主人公の聞いている音楽とリンクする快感。

MVな画面のつくり。サントラ映画という点。

上記したようにいろいろあったエドガー・ライトとMARVEL映画が同じ方向性になってしまったのは皮肉とも言えるかもしれない。

しかしどちらも最高にCoolであることに変わりはない。

それどころか本作の劇中歌は30曲にも及び、映画のサントラとしては異例の2枚組。

『GotG』以上にノリノリに比喩抜きでずっとなにかしらの音楽がかかった状態で突き進む。

それもベイビーの心情とこれ以上なくリンクしているために直感的にも理解しやすくなる相乗効果もある。

そしてそれに負けることのないいくつもの要素。

例えばストーリーだが、話で言えばそこまで難しいものでもない。

強盗→計画→強盗→計画→最終決戦という簡素なものだ。

しかしそこにロマンスサスペンス、そしてベイビーの成長をしっかりと描くことで1秒たりとも目が離せない。

とりわけキャラの魅力が爆発しているのも本作の特長だ。

ひとりずつ見ていこうかと思う。

f:id:berserkun:20170820201412j:imageベイビー。

若き天才ドライバー。

寡黙で内気。それでもやるときはやる。

幼少期に両親を交通事故で失う。

そして自らも耳鳴りが止まないという後遺症を負う。

それをかき消すためにも音楽は必須。

そのために音楽への敬意は本物。

その日のテンションによって音楽プレイヤーを変えるほど。

人の声を録音してミックスし音楽につくりあげるという変わった趣味がある。

アニメ、音楽、映画、他人の台詞を引用して喋る癖がある。

ちなみに喧嘩はからっきし。

f:id:berserkun:20170820201428j:imageデボラ。

ベイビー行きつけのカフェの店員。

一言でいえば男の理想系女子。

ベイビーをただのドライバーと思っている。

しかし終盤でその正体を知ることになる。

それでもその行いではなく内面を見てくれるこの上ないできた女の子。

なにより可愛い。

f:id:berserkun:20170820201452j:imageドク。

ベイビーの雇い主にしてプロの強盗。

冷酷無比だがベイビーのことは気に入ってる模様。

終盤ではその隠れた愛情と漢気が大爆発する。

甥っ子(8歳)にも英才教育を施している。

そして順調という恐ろしさ。

f:id:berserkun:20170820201505j:imageバッツ。

本作の影の主役。

空気が読めないというか読む気がない。

買い物=店員に鉛玉をブチ込むことと思ってるヤバいやつ。

とはいえその腕前と危機察知能力は一流。

実はいい人なのか…と思いきや終盤まで清々しいほどにストレートなドクズ。もはや尊敬。

f:id:berserkun:20170820201527j:imagef:id:berserkun:20170820201530j:imageバディ&モニカ。

ヤク中強盗バカップル。

本作最初の強盗にてベイビーと知り合う。

ラストの強盗にも参加。

最初はその風貌などからベイビーをからかうも次第に信頼を寄せる。

しかしクズはクズ。わかりやすい。

さらにバディはラスボスとして立ちはだかる。

 

もうあれだ、全方位クズばっかだな!!

まぁクライム映画だしそれは仕方ないにしても

しかしその実、ダメ人間達が立ち上がる再起映画とも言える。

ベイビーは子どもの頃から車泥棒をしていた過去がある。

両親を失うキッカケとなった自動車が憎かったのかもしれない。

その結果、自身の運転の腕前が磨かれたのは皮肉ともいえる。

しかし愛する人に出逢い、その人を守るために真の漢として成長する。

 

最終決戦にて。

手筈通りに裏路地に車を停め、強盗してくるバッツとバカップルを待つことになるベイビー。

しかしもう我慢ができなくなったのか、メンバーが乗り込んできてもアクセルは一切踏まないという反抗期っぷりを見せる。

助手席に乗ったバッツに銃を突きつけられ

「車を出せ!!」

と言われようものなら

「お望み通りに!!」

とばかりに急発進!!!

前に停まっていた資材剥き出しのトラックに突っ込む!!!

結果、その資材に貫かれバッツ、即死。

バディに「なにやってんだ?!」と問われるも

「車出せって言ったろ?」

と悪びれもなく吐き捨てる始末。

あれ?!キャラ変わったな!!でもいいぞ!!

そして流れるように強盗の騒ぎで駆けつけた警察達と銃撃戦が開幕する。

バディとモニカは必死で撃ちまくる!

ベイビーは颯爽とその場を後にする!

ここから初の自らの脚による逃走劇、スタート!f:id:berserkun:20170820202033j:imageそして意外にも身体能力が高いベイビー。

街中をパルクールで跳び回る。

まさか自宅にてノリノリでダンスを踊ってたのが伏線だったとは!!

「ダンス万能説」ここに極まれり。

ラストには正面から突っ込んでくるバディの車をハードル競争のノリで躱すほどまでになる。f:id:berserkun:20170824033737p:imageベイビーはダンスやってっから!

この「自らの脚で走り、話し言葉も引用ではなく自らの言いたいことを言う」という成長具合。

テンション上がるなぁ!!

さらにその漢気は感染する。

デボラを連れて通りすがりのヤンキーから車をなんなく強奪しドクの元へ向かうベイビー。f:id:berserkun:20170820202109j:image目の据わり方が別人。

目的は音楽にハマるきっかけとなった母親の歌声が録音されたテープだ。

しかしそこにも追っ手が迫る。

「もう俺には関係ない」と無情にも言い放つドクだが、ベイビーとデボラを振り返りとある一大決心をする。

「俺が引き付ける…お前らは逃げろ」

まさかの「ここは任せて先に行け」パターン、発動!!

「えっ、なにがあったんだ!!?」という観客の声もそこそこに

ショットガンを手に取り立ちはだかるドク。f:id:berserkun:20170820202146j:imageドクの漢気、ストップ高!!

なぜドクのやる気スイッチが急にONになったかは正直わからない。

でも冷酷無比な男に情が湧いてもいいじゃないか!!

ここにきてまさかの疑似父子ものにハンドルを切るこのやりたい放題さ。

ラストでの漢気大爆発はエドガー・ライトお得意の手法ではあるが、本作は音楽の効果もありアガりにアガる。

そういえば

「ダメ人間が頑張る」

「主人公の音楽好きの原点は母親」

「疑似父子もの」

いう点でも『GotG』と同ベクトルだ。

 

とにかく全篇お洒落さしかないミュージカルの体を成しているハイテンションムービー。

既に公開されている海外では評価がうなぎのぼりなのも頷ける。

 

ちなみにここからは俺の悪い癖でもあるのだが

カーチェイスものだとどうしてもステイサムの顔がよぎってしまう。

f:id:berserkun:20170824035942j:image本作においても「ステイサムなら…」という言葉が次から次へと脳内を掠めたのも事実だ。

ステイサムなら強盗仲間だろうが女だろうが煽られた瞬間にブチのめすだろうし

f:id:berserkun:20170824035856j:image数の暴力は誤差。

銃撃戦が起きようものなら率先して撃ち殺しまくるだろう。

f:id:berserkun:20170824033928j:image殺意100%ステイサム。

ラストの逃走シーンにも緊迫感は一切なかったはずだ。

というかそもそも逃げなさそうだが!!

f:id:berserkun:20170824034834j:image奇襲ステイサム。

刑務所に入ることもないだろうし、万が一入ったとしても秒で脱獄しかねない。

f:id:berserkun:20170824033830j:image脱獄ステイサム。

書いてて思ったがまぁこれだとカニックなトランスポーターだな!!

ステイサムが今作を担当したら。f:id:berserkun:20170824033852j:imagef:id:berserkun:20170824034909j:imagef:id:berserkun:20170824034912j:imagef:id:berserkun:20170824035728j:imageただの4コマ漫画だ!!

それでも終盤の漢気パンデミックは四捨五入すれば『エクスペンダブルズ』と言って差し支えないほどの素晴らしさ。

このラ・ラ・ランドから『エクスペンダブルズ』へ、というアクセルベタ踏みからのドリフトしまくる展開はむしろ嬉しい大誤算といえよう。

とにかくどこを切っても傑作な本作。

ぜひぜひ友人同士でもデートでも見てほしい最高の映画だ。

しかし公開日は8/19。

以前ブログでも取り上げたように今年の夏は大作映画の目白押し。

騎士王vs海賊王。夏休み頂上決戦!! - 高速回転する方舟の片隅で。

どうしても宣伝の派手さなどでは引けを取ってしまいがちだが

傑作度合いでは負けず劣らず。

というか油断したら今夏一になる可能性すら秘めている超傑作。

監督のファンはもちろん、映画好き、音楽好きには問答無用でオススメだ。

「必見」とはまさにこのこと。

正座して観よう!!

 

少しでも引っかかれば是非な予告↓

 映画『ベイビー・ドライバー』予告編 - YouTube

 

余談だが最初の強盗のみ参加するグリフというキャラがいる。

f:id:berserkun:20170820201553j:image基本メイン以外は割と使い捨てな強盗が多い中、演じるは現役「パニッシャーことジョン・バーンサルf:id:berserkun:20170824035802j:image期待度、120%!!
中の人のイメージ的に絶対再登場する…と思ってたのだが

一切そんなことはなかった。

ここにきてまさかの使い捨て。

「もう会わなかったら死んだと思ってくれ」とはグリフ本人談だがその通りなのか、もしや!!

 

どこまでMARVELが憎い!

エドガー・ライト!!!f:id:berserkun:20170822083918j:image

 

必見とは程遠いtwitter

ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter

 

騎士王vs海賊王。夏休み頂上決戦!!

f:id:berserkun:20170731235221j:image良いコラだなぁ!!!

「この夏、満を辞してあの大作映画の最新作が封切られる!!」とは毎年初夏に劇場予告にて腐るほど耳にするキャッチコピーだ。

まぁ洋画ファンからしたらある種の風物詩でもある。

さて。上記のキャッチコピーを聞いてなにを思い浮かべただろうか。

選択肢は様々あるだろうが、今年はおそらく次のどちらかだろう。

f:id:berserkun:20170802190611j:imageトランスフォーマー 最後の騎士王』

f:id:berserkun:20170802190629j:imageパイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

おそらく男性ならトランスフォーマー女性なら『パイレーツ〜』だろう。

劇場での客層からの勝手なイメージだが!

個人的には「どちらもまぁ楽しみといえば楽しみ」という程度ではある。

それでも「やっとか!!」という声と「え、まだやってんの?」という声が半々な両作品。

今回の記事ではそんな桜木花道流川楓のごとくファン層まっぷたつな2作品をなんとなく比べてみようかと思う。

f:id:berserkun:20170806212110p:image桜木花道50人以上からフラれ続けた至高の天才。

不良成分とガタイの良さからモテないはずはないだろうが、そういうのが好きな女子は嫌いなんだろう。

清楚好きなのが好感もてるな!!

漢気と大雑把さという点から『トランスフォーマー』好きとファン層は被ってるはずだ。

f:id:berserkun:20170806212130j:image流川楓バスケのガチ天才。

ストイックさとビジュアルで女子人気高し。

まぁ現実世界ではよっぽどなことがない限りモテないタイプだろう。

実際、女友達に聞いてみれば大抵はミッチーかメガネ君がポイント高いし!

それでもその飄々さとなんとかしてくれる感は『パイレーツ〜』好きと被るはずだ。

いや、それより仙道か?どうでもいいけど!!

 

ちなみに今回、真面目なストーリーおさらいなどはいつにも増して一切ないのでそれを求める方は他ブログに行こう!!今すぐ!!!

 

ひとまず上記でタイトル並べた時点で気づいた方も多いだろうが副題がほぼ同じだ。

まぁ「最後の 冒険 or 闘い が、今始まる!!」とは洋画予告においての基礎ワードなのでいちいち鵜呑みにはしていられない。

それは本人たちの「これで最後な!!」という気持ちの表れかもしれない。

それでも完結編でもないのにタイトルに持ってくるのは珍しいとは思う。

まぁ『パイレーツ〜』の方は独自の邦題ではある。

ちなみに原題は「死人に口なし」

なかなか渋い良タイトルだな!

 

次にシリーズのつくり。

どちらも『3』までで一旦完結。f:id:berserkun:20170801000118j:image

f:id:berserkun:20170801002737j:imageどれも面白いまとまった3部作。

そして好評&金のためにシリーズ復活。

周りのメンバーはひとまず置いておいて4作目がつくられた。f:id:berserkun:20170818090557j:image

f:id:berserkun:20170818090559j:image主人公単体で堂々と。

「地球のルールが、変わる」

「"永遠"なんて、くれてやる」

どちらもヤケクソなキャッチコピーだなぁ!!

話も大体リセットされ、ここから見ても大丈夫という手軽さ。

「まぁまぁ面白い」「続編作る意味あった?」

という評価に落ち着くところもそっくりだ。

 

そして今夏、どちらも『5』となる『最後の〜』が封切られるわけだが

なんと「前3部作からのキャラがシリーズに戻ってくる」という共通点。

トランスフォーマー〜』には

f:id:berserkun:20170802190910j:imageウィリアム・レノックス。軍人。

f:id:berserkun:20170802190918j:imageシーモア・シモンズ。変人。

そして『パイレーツ〜』にはオーランド・ブルームキーラ・ナイトレイ電撃カムバック!!

f:id:berserkun:20170818091232j:imageウィル・ターナー

「すっかり海賊だなぁ…俺…」

海賊嫌いのはずが血とジャックには争えずに海賊に。

パズーからルフィを地でいく漢。f:id:berserkun:20170818091337j:imageまんまこれ。

ちなみにロミジュリな恋愛経験者。

f:id:berserkun:20170818090748j:imageエリザベス・スワン。

そのお相手。王女で海賊、という実写版ビビ。

こんな顔に生まれたかったなぁ!!

どっちもファンとしては嬉しい限りだ。

ここ数年、続編ラッシュとはよく言われるが

「前作をおざなりにはせずに」という点はよく守られていると思う。

『マッド・マックス』とかジュラシック・ワールドとか!!

『インディペンデンス・デイ』は忘れよう!

個人的にはワイスピの大規模同窓会が発祥な気もする。f:id:berserkun:20170818090854p:image紆余曲折ありながらも私たちは元気です。

というか元気すぎだ!!

『〜MAX』から『〜ICE BREAK』まで回を追うごとに規模が大きくなるのは様式美。

そしてジャンルとしてはどちらも何も考えずに笑って見られるポップコーンムービーでもある。

湯水のように金を使いラストはハッピーエンド!という能天気さ。

基本的にその場で起きていることだけ把握していれば良し!なお気楽さ。

でもこういう映画は大事だ。

さらに両者から漂う「とりあえず」感。

男同士なら『トランスフォーマー〜』

デートや女子同士なら『パイレーツ〜』

を観ておけば「まぁ満足するだろ」という感覚。

ある種の安定感とでも言おうか。

こう比べてみると畑は違えども同じく前向きに頑張っている根本の魂は同じなのかもしれない。

まぁわざわざ記事にするほどの共通点でもなかったかもしれん。

とにかくこれからも劇場公開されたら観に行ってしまう程度には好きな両作品。

実際どちらも「とりあえず」観る予定だ。

 

それでも今年はどうしても前座感が拭えない。

今夏は以下の強大すぎる2つの超大作が公開されるからだ!!

 

f:id:berserkun:20170802190658j:imageスパイダーマン/ホームカミング』

MARVEL最強の切り込み隊長。

アメコミに詳しくなくても名前は知られている圧倒的知名度

そしていよいよアベンジャーズの世界に「ホームカミング」してきた衝撃さ。

いち早く公開された海外のレビューサイトでは「過去最高のスパイダーマン」と評されるほどの完璧さ。

そして予告から漂う確定された傑作感。

期待するな、という方が無理だ!

 

f:id:berserkun:20170802190710j:imageワンダーウーマン

DC最強の隠し球。超人女戦士。

MCUのライバルにして不調だったDCEUを一転トップに押し上げた頼れる学級委員長。

同じく海外ではかなりの高評価。

まさかの今年最高のアメコミ映画との呼び声も高い。

さすがに言い過ぎだろうが!!

とはいえスーサイド・スクワッドから引き続く女性人気は決定的に不動のものにする予感。

 

どちらもシリーズものにして単独作は初、という共通点。

スパイダーマン『〜シビルウォー

ワンダーウーマン『〜ジャスティスの誕生』

にて初登場し、二大ヒーロー激突の緩衝材として完璧すぎる登場を受けてからの独立。

そして奇しくもMARVELvsDCの真っ向勝負。

おなじくどことなく漂う男女二分な雰囲気。

今までにない白熱っぷりが楽しみだ。

 

ちなみにあまり知られていないが

スパイダーマン公開日の8/11にはもうひとつ核爆弾級な作品が公開される。

f:id:berserkun:20170802190734j:imageターミネーター2 3D』

タイトルがちょっとややこしいが

リマスター&3D化という贅沢。

しかも日本最速上映だ!!

リアルタイム世代ではないだけに劇場で公開してくれることも高ポイントだ。

DVDが擦り切れるほど観まくっているがこれを観ずには死ねない。

 

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

トランスフォーマー 最後の騎士王』

共に大好評公開中!!

 

8/11スパイダーマン ホームカミング』

ターミネーター2 3D』

8/25ワンダーウーマン

 

全部観よう!!

絶対どれも楽しめるから!!

俺は全部観る!!暇だし!

 

絶賛暇なtwitter

ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter

SYNCHRONIZED "KILL"ING.『ハードコア』感想。ネタバレあり。

f:id:berserkun:20170725163758j:image

f:id:berserkun:20180414231922j:image

同期(シンクロ)しろ。

殴れ!イチャつけ!!ブチ殺せ!!

主人公は紛れもなく観客本人だ!

実験作にして完成系な極限&ハイテンション&ジェットコースター&アドレナリンムービー!!

「ヤバい」以外の語彙力が向こう一週間は行方不明になる超傑作!観ろ!!

 

数年前。

いつものように映画情報サイトを徘徊していたところ「全篇FPS!!映画界の革命児!」という触れ込みの製作中映画が目に留まった。

面白そうではあるもののの、大抵この手の実験作は革命失敗に終わるのが世の常。

それでもどこか気にながら完成を待ち望んでいた。

そしていよいよ打ち出された予告。

HARDCORE HENRY Official Trailer (2016) First Person Action Movie HD - YouTube

そこには「これはマジでヤバい」以外の言葉が存在しない圧倒的熱量があった。

もう観たくて仕方がなく悶々とするしかない日々を送ることとなった。

しかし相手どる客層はごく限られているために日本での公開は期待薄。

「まぁDVDがリリースされれば儲けものか…」と思っていたところなんと日本でも公開。

本国より一年遅れではあるが!!

それでも全国で幅広くはロードショーされなかったために機会を見失っていた。

「もうDVD待つか…」と再び諦めかけていた。

しかしなんと都内某所にて二本立て上映があるとのこと。

それもあの『ナイスガイズ!』と!!

どちらも好きなジャンルの映画だったために有無を言わさず劇場へ駆け込んだのであった。

最終日に!!

 

結果。

一言で言えば「劇場で観れてよかった」というより

もはや「生まれてきてよかった…!」レベルの超傑作だった。

製作陣、配給会社、二本立てを教えてくださったブログ、アクション映画が好きな自分、そしてこの時代に生まれてこられた奇跡…

ありとあらゆるものに感謝しまくる意識高いマルチな人間になっていた。

まぁ映画自体は全く逆ベクトルだが!

とりあえずそんな偏差値が二桁もないあらすじ。

 

サイボーグな主人公。

目覚めるとそこには美女がいた。

f:id:berserkun:20170725184002j:imageエステル」

マグニフィセント・セブンにて全男子のハートを作風とは別の意味で奪いさったヘイリー・ベネットだ。

どうやら彼女。

主人公の改造医にして嫁さんでもあるらしい。

羨ましいったらないな!!

ひとまず和やかにいちゃつくのも束の間。

謎の組織の襲撃を受けてしまう。

f:id:berserkun:20170725163834j:image「エイカン」

そこのボスにして本作の悪役。

サイコキネシスを使いこなすV系な現場筆頭。

とりあえずパラシュートが開かない脱出ポッドで2人して逃げるも

用意周到だったエイカンは地上にも部隊を配置していた。

f:id:berserkun:20170725163853j:image

あえなく主人公はボコられエステルは拉致られてしまう。

目覚めて5分で驚天動地すぎる状況にうろたえている主人公の元に1人の男が現れる。

f:id:berserkun:20170725163910j:image

あっ!!

シャールト・コプリーだ!!

彼の名は「ジミー」

どうやら主人公の味方らしい。

共に逃避行&反撃を開始するが

なんとジミーは敵のスナイプを受けてしまう。

f:id:berserkun:20170725184043p:image

出会って1分。即死!!

「えっ!そんな贅沢な使い方すんのかよ!!?」

という観客の声もそこそこに

なんとか言われた通りに自身の動力源のバッテリーを探す主人公。

すると…

f:id:berserkun:20170725163932j:image

あっ!!?

またシャールト・コプリー!?

なんとそこには頭を即死スナイプされたはずのジミーがいた。

全く状況が掴めない中、言われた通りのお使いミッションを言い渡される主人公。

果たしてミッションをこなし、復讐を終えることはできるのか?

そしてシャールト・コプリーは何者なのか!?

もはやこの映画はなんでもありなのか?!!

とにかくヤバいことになりそうだ!!!

というかなってるな!すでに!!

 

とにかくこの映画での最大のオリジナリティでもある「視点」を語らないことには始まらない。

近年のシューティングゲームのトレンドのひとつにFPS(ファースト パーソン シューティング)」というものがある。

いわゆる文字通り「主人公目線」で話が進んでいく、というものですな。

ゲームには疎い俺だがいわゆるCall of Duty』シリーズがそれにあたる。

今までの映画でも一場面でスパイス的に使われてきた手法であるそのFPS

「愉しいから全篇それでいこう!!」

狂ったGOサインでつくられたのが本作だ。

言ってしまえば『Call of 俺!!』な作品。

もう製作陣がゲーム大好きであることは全く想像に難くない。

しかもそのスピリットは全篇損なわれることなく加速していく。

オリジナリティ溢れる作風を筆頭に

・全く喋らない主人公

本作の主人公は声帯装置が故障しているせいで一切話すことができない。

しかしおかげで物語への没入感へ一役買っている。

せっかく主人公気分になれているのに思っていることと別の台詞を言われたらたまったものではない。

「マリオ」ドラクエから培われてきた無口主人公のある種の到達点とも言えるだろう。

お色気シーンではよくある主観もののAVを見ている気になれるし!!

f:id:berserkun:20170725164007j:image

ヘイリー・ベネットとイチャつけるのは本作だけ!!

 

・なんでもありな世界観

良く言えば「バラエティに富んでいる」

悪く言えば「節操がない」

この手のジャンルが好き観客へ向けてか、例を挙げると

主人公は死体を利用してつくられたサイボーグ兵士

ラスボスはサイコキネシスの使い手

仲間のジミーはクローン軍団

とにかくキャラ設定からしブッ飛んでいる。

特にジミーに至っては

「本物は車椅子生活だけどリア充ライフを満喫したい!!

そんな欲望丸出しの理由で大量のクローンをつくっていた!という痺れる設定。

そしてこれらの細かい背景などは最後まで語られることはない。
この「なんで?」じゃなく「そうだから!」で押し切る圧力。

今さら映画でわざわざスマホの説明をするやつはいないだろう。それと同じだ!!

ちなみに本体や数々のクローンを演じるのは前述した通りシャールト・コプリー

今まで散々、奇人役をやってきた印象があるが

本作ではそれに負けるとも劣らない変幻自在っぷり。

f:id:berserkun:20170725164132j:imageラリったコプリー。

f:id:berserkun:20170725164141j:image兵隊コプリー。

f:id:berserkun:20170725164145j:image紳士コプリー。

f:id:berserkun:20170725164152j:imageモヒカンコプリー。

コプリーファンにはたまらんなぁ!?

 

・お使いミッションの存在

とにかく主人公は観客同様、ほぼなにも知らない状況で幕を開ける本作。

「なにしていいかわからない」とは自由度が高すぎる昨今のゲームの弊害でもある。

それを補うように登場するシャールト・コプリー

強引にスマホを手渡し

「マップのこの場所に行ってこれしてこい!」

との説明を受け話が進んでいく。

これによりギリギリのラインで観客の意識を繋ぎ留めることに成功している。

下手したら他人事に思えてしまうほどのアクションな連続なだけにこの設定は素晴らしい。

そしてまるでステージクリアのごとく次々と押し寄せる多種多様なアクションをこなしていくわけだ。

その精神は「全篇主観」という斬新さだけに腰掛けない謙虚さとサービス精神が満載。

さらに本作はR15指定。

そう、エグさも山盛りだ!

ハードな銃撃戦に始まり

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ジョン・ウィックを彷彿とさせる命中精度引き金の軽さ。

そしてそれを主観で楽しめる愉快さ。

パルクールな追跡戦。

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命が惜しくないのか、製作陣!

さらにどう撮っているのかさっぱりなカーチェイス

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この後、車体ごと貫通します。

何言ってるかわからんと思うが!

そして当然のごとく素手格闘も。

f:id:berserkun:20170725164635j:image未知の迫力。

無論、爆破も山盛りだ。

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景気、良し!!

その中でも必見なのがラストバトル。

なんと100人組手だ!

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マジでこいつら全員と闘います。 

それも1人として同じ殺し方はなし!

今までの総決算のような大血祭りが開催される。

さらに終盤では致死量ギリギリのアドレナリン注射を打ちながら、予告でも流れていた

Don't Stop Me Now』に乗せて

最後の大殺戮が幕を開ける。

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敵味方、共にほぼゾンビ状態。

ここでノらないのは人間じゃない!

無条件で体温が10°cアガる親切設計だなぁ!

 

とにかく枚挙に暇がないこのサービス精神。

あくまで観客を飽きさせないこの配慮。

そしてこれらをすいすいクリアしていく爽快感。
ゲームとしてもアクション映画としても満点だ。

そのアクションの合間に話が進むストーリーモード的に展開される物語も正にゲームさながらと言えるだろう。

「なにしたいのかよくわからんがとにかく腹が立つ敵」の存在もゲームあるあるだろう。

もうここまで振り切られていると清々しくなってくる。

とにかく良い意味で雑!!な要素の数々。

しかし観客の目当てはゲーマーとおなじく「アクション」なわけだから

この方向性は圧倒的に大成功だ。

もはや映画というより熟練者によるゲームプレイ動画を見ているような感覚に陥る。

もう全篇恐ろしいほど痒いところに手が届く俺好みな要素まみれなのだが

最も特筆すべきはそのラストだ。

 

死の100人組手をなんとか終えるも満身創痍な主人公。

さらにはイカンの念力攻撃を喰らい絶命寸前に。

追い討ちのように実はエステルはエイカンの女だったことも判明。

どうやら主人公は擬似記憶を植え付けられただけだった。

「もはやここまでか…」

ガラスに映った自分の顔を眺める主人公。

頭に過ぎるは走馬灯。

思い出すのは少年時代。

いじめられていたトラウマが蘇る。

しかしそこにある漢が電撃登場する。

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あっ!? ティム・ロスだ!!!

どうやら主人公の父親らしい。

まさかの配役に驚愕しつつも、それだけでは終わらずにシビれる言葉を放ってくれる。

「流れた血を呑み込むか、相手に血を流させるか」

お前が決めるんだ」

このあまりにも漢すぎる教育方針。

しかしティム・ロスにこう言われて血を呑み込むのは漢じゃない。

歯を食いしばりながらも立ち上がる主人公。

有刺鉄線を拳に巻き、そのままの勢いでエイカンに猪突猛進!

サイコキネシスを気合いで克服する、というポケモンも真っ青な漢気を発揮!

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強引に鉄線にてエイカンの顔を分断。

当然、こうか は ばつぐん だ!!

その煮え滾った感情はそのままにヘリにて逃亡を図るエステルの元へ大ジャンプ。

そんなキレッキレな主人公を前に震えに震え上がるビッチ、エステル。

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銃が暴発するハプニングもあり、ヘリの淵にぶら下がって命乞いをする始末。

「やめて、助けて!自分に正直になって!」

などととにかく必死なビッチ。

ここで生半可な男なら邪な考えに囚われて手を差し伸べてしまうかもしれない。

しかし本作の主人公は

ティム・ロスの息子。

そして究極のサイボーグ兵士。

さらにアドレナリン注射を過剰なまでに摂取済み。

もう役満に裏ドラが乗ったかのような確変状態な漢だった。

「正直に?オッケー!!!

と言わんばかりにヘリの扉を腕力にて強制シャットアウト!

なんの躊躇もなくビッチを殺害するのであった。

まさにレザーフェイスジグソウか!な「GAME OVER」感。

それをまさかの主人公がやってくれる。

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個人的な映画界二大ドアマン。

本作では三人目が観られるぞ!!

 

そしてその絶頂のままエンドロール。

この完璧な幕引き。

美女との熱烈なキスや子どもとの感動的ハグもなし。

腹立つやつを殺して終わり!!というサバサバ感。

これだ!!求めていたのは!

兎にも角にも宣伝通り映像革命が大成功した本作。

構成の斬新さ、派手なアクション、そしてビッチへの対処法とどれをとっても超傑作な出来。

正直、未だに興奮が冷めやらない。

確かに「全篇主観」「R15指定」この上なく人を選びまくる作品ではある。

しかしどちらも好きなある種、悪趣味な人間にはこれ以上ないほどに魂に響くはずだ!!

実際その日は『ハードコア』そのままな夢を見るほどに気に入ってしまった次第だ。

強豪揃いな昨今の洋画バブルな中でも文句なしに頭ひとつ抜けてると言える。

一切の迷いなしで今年ベストだ。

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語彙力は相変わらず行方不明!!

 

ちなみに本作を撮るキッカケとなったMV↓

こちらも必見だ!!!

Biting Elbows - 'Bad Motherfucker' Official Music Video - YouTube

もはやこれの映画化!!拍手!!

 

全力で語彙力ゼロなtwitter

ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter

正しくも美しい、宇宙一のバカ映画。『銀魂(実写)』感想。バレあり。

f:id:berserkun:20170716022338j:image待望??の実写化!

意外?!にも完璧な出来!!

不安なファンも今すぐ劇場へ!!

 

今回の記事は『銀魂』の原作、及びアニメファン向けになっています。

まぁ原作知らない人は観に行かないだろうし!

 

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昨今は実写化ラッシュ。

驚きは少なかった。

とはいえ飽き性な俺にしては珍しくずっと読んでる漫画が原作ジャンプフェスタにて初アニメ化した際には現地に赴いたくらいにはファンであるために多少の不安は拭えなかった。

るろうに剣心が大ヒットしてからというものの、特にジャンプ系がこぞって実写化しまくっている現状。

どれもが成功…とは言えないだけにもやもやした日常を送っていた。

そんな中、公開されたキャラビジュアルの数々。

実写化にありがちなコスプレ感も少なく

結構良さげで驚きつつも安堵した。

監督は33分探偵『勇者ヨシヒコ』シリーズなど俺の好みな作品を手掛けている福田雄一なだけあって

「もしかするともしかするな!」と期待していたのも束の間、予告が公開された。

映画『銀魂』予告2【HD】2017年7月14日(金)公開 - YouTube

なんともいえない違和感と不安が再び襲ってきたのを覚えている。

それでもやはり大好きな原作、そしてキャスト陣なだけあってシカトを決め込むわけにはいかない。

まぁダメでもネタにできるのが「銀魂

我慢できなくなった俺はおなじく銀魂ファンの友人を道連れに公開日初日に駆け込んだのであった。

 

結論、一言で言えば「よくやった!!」な出来だった。

 

本作は作中屈指の名長篇「紅桜篇」をそのまま実写化。
総集編とも言われかねないアニメ劇場版も過去に公開されているだけあってそこに不安はなかった。

しかもオリジナル要素はほぼなし。

それどころか恐ろしいまでに展開、台詞は原作をなぞらえているのであった。 

話の流れとしては「カブト狩り」でざっとしたキャラ説明をした後に「紅桜篇」へと繋がる。

特に違和感もなく、それどころか納得の出来栄えであった。

正直、話の流れはまんま原作やアニメと変わらないのでその点は説明不要かと思われる。

とにかく実写ならではの見どころ。

キャスト陣の紹介をしようかとも思う。

ここから下はネタバレ満載なために未見のファンはブラバ推奨。

とにかくサービスデーの日にでも行けば満足間違いなしな出来だ。

今すぐ観に行こう!!!

f:id:berserkun:20170715233011j:image「坂田 銀時」as.小栗旬

〈伝説のダメ侍〉

説明不要の主人公。

正直キャスト発表を聞いたファンは皆「まぁ平均点かな…」と思ったはず。

これまでも「工藤新一」「ルパン三世」「織田信長「河童」など数々の漫画原作の主人公を演じてきただけにその安定感は抜群。

実際平均点なのだが、それも観ているうちに納得するしかないほどのハマりっぷりになってくる。

唯一のマイナスポイントは「小栗旬之助」の実写化は絶望的、ということくらい。

…まぁ、支障はないな!!

 

f:id:berserkun:20170715233014j:image「志村 新八」as.菅田将暉

〈ツッコミメガネ掛け〉

可も不可もなく新八。

むしろそれが満点に近い。

感嘆する普遍さ。良し。

 

f:id:berserkun:20170715233030j:image「神楽」as.橋本環奈

〈チャイナ戦闘マシーン〉

「よくぞキャスティングしてくれた!」とテンション上がった1人。

原作からして美少女設定。

そしてこの「あえて」こそが銀魂イズム。

アイドルらしさは一切捨てた文字通り「捨て身」な迫真の演技を見せてくれる。

声のトーンはまるで違うも、終盤に進むにつれてなぜか似てくる。

コツつかんだのかこっちが慣れたのかはわからんが!

 

f:id:berserkun:20170715233035j:image「桂 小太郎」as.岡田将生

〈過激派バカ〉

まさしく長髪が似合うイケメン。

隠れ実写化製造機なだけに安定した落ち着き。

いい具合にバカ正直な桂を熱演。特に不満なし。

それどころか終盤のショートヘアはアホほど似てる。すごい。

 

f:id:berserkun:20170715233041j:image「志村 妙」as.長澤まさみ

〈眠れる獅子〉

隠れたコメディリリーフ

穏やかさはまんまお妙さん。

「実際いたらこんなだろうな…」と納得。

ブチギレたときの演技は本当にまんま。すごい。

 

f:id:berserkun:20170715233048p:image「近藤 勲」as.中村勘九郎

〈ゴリラ〉

キャスト発表のとき一番「?」な人選だった。

ただうっとおしさはほぼ同じ。

それどころか身体の張りっぷりは随一。

そのうち見慣れてくる勢。

個人的には鈴木亮平一択だっただけにちょっと惜しい。致し方ないが。

 

f:id:berserkun:20170715233052j:image「土方 十四郎」as.柳楽優弥

〈鬼の中間管理職〉

なぜかビジュアル見た瞬間に腑に落ちた配役。

違和感は声のトーンくらい。

あまりにアニメで固定されすぎてるが故にの。

それでも他はほぼ土方。

まぁ喫煙者目線だと「タバコ吸い慣れてないんだろうなぁ」とは思ってしまう。よく赤マルにしたな。

 

f:id:berserkun:20170715233056j:image「沖田 総悟」as.吉沢亮

〈ドSファンタジスタ

ぶっちゃけ童顔なイケメンなら誰でも良かったといえばそう。

まぁ評判も上々らしいし、成功の部類。

ビジュアルも声もそっくり。良し。

 

f:id:berserkun:20170715233133j:image「高杉 晋助」as.堂本剛

〈狂宴テロリスト〉

監督からすると納得な配役。

掴めないミステリアスさはさすがの一言。

何気に身長もピッタリ。

少し狂気が足りない気もするが、その妖艶な雰囲気は満点。

醸し出すオーラはさすがの一言。最高。

 

f:id:berserkun:20170715233155j:image「岡田 似蔵」as.新井浩文

〈座頭の人斬り鬼〉

完璧な実写化勢、その1。

ビジュアルも雰囲気もそのまま。

特筆すべきはその喋り。

そのままアニメで使えるほどに全く同じ。

研究しまくったのが伝わってくる。

文句なしのハマリ役。120点。

 

f:id:berserkun:20170715233147j:image「来島 また子」as.菜々緒

〈浪速の2丁マシンガン〉

完璧な実写化勢、その2。

正直、キャスト発表の際は身長高杉とは思ったものの

本編では一転、来島そのもの。

特に声のトーンは本家と瓜二つ。

「吹き替え」と言われても気づかないくらい。

似すぎてて笑えてくるレベル。完璧。

ちなみに露骨なお色気シーンあり。たまらん。

 

f:id:berserkun:20170715233215j:image「武市 変平太」as.佐藤二朗

〈変態〉

完璧な実写化勢、その3。福田組筆頭。

発表のときからハマリ役の予感しかなかった。

そして実際そうだった。

いつもの佐藤二朗そのままといえばそうだが

逆に「武市そのまま」とも言える。

顔は似てないのに喋りと存在感はまさに実写化。

文句なしの成功例。

 

f:id:berserkun:20170715233222j:image「村田 鉄矢」as.安田顕

〈大声鍛冶屋〉

なぜか発表時に腑に落ちた人。福田組常連。

大声で喋るのはそのまま。文句なし。

終盤では演技力の高さも手伝って下手しなくても泣けてくる。完璧。

 

f:id:berserkun:20170715233225j:image「村田 鉄子」as.早見あかり

この女優さんは初めて存じ上げたがかなり好み。

配役としても違和感なし。

髪色を茶髪にしたのは名采配。好き。

 

f:id:berserkun:20170715233205j:image「平賀 源外」as.ムロツヨシ

〈隠れたジョーカーカード〉

本作の影の主役。福田組常連。

本来「紅桜篇」には一切出番ないのに謎の登板。

さらに年齢もまるで違うというバクチキャスティング。

しかしその実、作中一のコメディリリーフ

本編と関係ないことを逆手にとり

やりたい放題に危ないネタをブチ込む。

そこには紛うことなき『銀魂』スピリットが。

100点満点。

 

トータルで観て名配置なキャストしかいない奇跡。

さらに改悪はほぼゼロ。

とにかく現時点でできる最高の『銀魂』であるとハッキリ言える。

実際「カブト狩り」のパートでは

「ちょっとヤバいな…」と思っている観客も

話が進むにつれ少しずつ笑いが増していき

最終的にはかなり暖かい空気になった。

初日に観に行ったのだが、観客はほぼ女性。

おそらく原作ファンだろうが

それがあそこまで笑うとは大成功だろう。

 

予告篇でひとつの不安要素でもあった殺陣だが

ガチ時代劇をやるには製作陣にはノウハウがない。

かといって派手さを組み込んだ『るろうに剣心』方式ではあちらに勝てない。

という問題点を

「集中線を入れたような特殊効果」

「剣筋をCG加工」

「さらにとにかく非現実的なまでにブッとぶ」

ことにより難なく克服。

新たに「漫画的殺陣」とも言える手法を編み出した。

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チープさも相まって非常に『銀魂』らしさを感じさせるアクション。

予想外の嬉しい誤算だ!!

 

そして『銀魂』といえば忘れてはならないのが

やはり危なげなネタの数々だろう。

さすがに大作映画ということもあって控えめか…と思いきや

序盤から当然のごとくパロディ祭り。

「1000年に1人の美少女」から始まる様々なメタネタを普通に入れてくるサービス精神。

さらに終盤ではその危険さが加速する。

最終決戦に臨む銀さん。

しかし向かった先は平賀源外…というかムロツヨシの工房。

そして源外の顔を見るや否や

「この体じゃ100パー無理」

「命が惜しい」

「信長の倍は生きたい」

「なんかすげぇ強いカラクリ貸せ

などとサムライ映画の主人公らしからぬ弱音のオンパレード。

そして福田作品らしいぐだぐだな絡みもそこそこに銀さんはとある強大すぎる「カラクリ」を発見する。

 

それは「どこぞの専用機だった。

 

通常パロディものでは多少ビジュアルいじったりするのだが

そこにはビックリするほど完成度高いアレの姿!

正直本作で一番実写化成功してるほどだった。

 

そういえば最初のアニメ化でも原作にない要素として「モビルスーツ」が出てきたが

まさかその要素を拾ってくるとは感嘆する他ない。

f:id:berserkun:20170716023019j:imageガンダム回より。

一体何人のお偉いさんが頭を下げたのか!

さすがにそのザクは赤い彗星っぽい人」のものだったので断念。

代わりに源外が出したのは…

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悪魔の実だった。

しかしこれと「海賊王にはならねぇからなぁ…」と却下されてしまう。

最終的にはダメ押しのごとく戦艦に乗り込む銀さんにナ○シカっぽい空飛ぶカラクリを託す始末。

ナウ○カつきで!!

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これ!! 絶妙に違うらしいが。

さすがいろいろボカされていたが

隣のスクリーンではジブリ最新作をやっているというのにこのブッコミ。

ここで感服したファンは多いだろう。

 

とりあえず現状で出来うることは全てやったであろう本作。

日本の実写化ではほぼありえない「ファンが楽しめる」作品に仕上げてきたのは感激だ。

 

原作未見の方はどう思うかわからんが

福田雄一の作品好きなら観て損はないだろう。

友人達とワイワイしながらぜひ!!

 

 

ちなみに今夏から実写化ラッシュが激しい。

7/14、本作銀魂に始まり

f:id:berserkun:20170716032730j:image『東京喰種』

なかなか良さげ。ちなみにロケ地は地元。

 

f:id:berserkun:20170716032806j:imageジョジョの奇妙な冒険

地雷その1。CGのみ好評。

 

f:id:berserkun:20170716032810j:image亜人

良さげ。監督以外は。

 

f:id:berserkun:20170716032753j:image斉木楠雄のΨ難

かなり良さげ。楽しみ。

 

f:id:berserkun:20170716032835j:image鋼の錬金術師

地雷その2。地雷源。

 

このように枚挙に暇がない。

そして多々被ってる役者陣も多い。

特に銀魂『斉木楠雄』

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この時点で5人被ってる必然さ。

監督入れたら6人。まぁ文句はないが!!

 

このライバルの多さ。

そして「漫画原作もの」というどうしたって風当たりの強いジャンル。

その最中、筆頭としてこれ以上ないクオリティで世に出してくれたことには感謝するしかない。

むしろ『ジョジョ』や『ハガレン』のハードルが上がったようにも思える。

 

余談。

本作において唯一と言っていいほどの残念な点。

「福田作品」で主演が「小栗旬

どうやったって山田孝之が出張ってくるだろうと勘繰っていた。

しかし唯一無二なハマリ役になりそうな「高杉晋助」は「堂本剛

個人的には 

小栗旬との身長差。

f:id:berserkun:20170716023107j:imagef:id:berserkun:20170716023520j:image

そして狂気さ。

f:id:berserkun:20170716023127p:image新宿スワンより。劇場で震えた記憶。

どれをとっても文句なしだっただけに少し残念だ。

今夏は『ジョジョ』の方にかかりっきりか…と思いきや

なんと「エリザベスの中の人」という電撃サプライズ!!

姿は見せないが、一度だけ喋る場面があるのは原作ファンならご存知だろう。

そこにはドスの効いたあの声があった。

f:id:berserkun:20170716033538p:imageこの場面。

どうやら舞台挨拶などでは明かされているらしいが

俺は知らなかっただけに衝撃だった。

そしてなにより嬉しかった。

おそらく一番美味しい役柄なだけに嬉々として演じてくれたのだろう。

ありがとう、山田孝之!!

 

もうひとつの余談。本作ラスト。

原作通り銀さんが桂に「お前はルパンか」と言い放って終幕なのだが

その場面で笑っていたのは俺1人だった。

忘れちゃだめだぞ!

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小栗ルパン!!!

 

黒歴史まっしぐらなtwitter

ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter

ぼくらの、なつやすみ。『パワーレンジャー』感想。ネタバレあり。

f:id:berserkun:20170707212953j:imagef:id:berserkun:20170707192430j:imageぐうの音も出ないカッコよさ。

考えるな、感じろ!!

ハリウッドの全力お子様ランチ。

野郎は強制的に退化する!

女性は暖かい目で見守ろう!!

 

「戦隊ものをハリウッドでガチでつくろう!」

という意気込みの本作。

「こういう金の使い方は非常に素晴らしい!!」と絶賛せざるを得ない。

それでも幼少時代には戦隊ものどころか仮面ライダーウルトラマンなどの特撮には一切触れてこなかった俺としては当初、スルー案件であった。

しかしこの度、非常にありがたいことに試写会が当たった。

キャストや監督、吹き替え陣、そしてアントニオ猪木という豪華舞台挨拶にもどこか余裕をかましてしまった俺。

しかしそれも上映開始するまでだった。

いざ本編が始まると俺の大好きな要素の目白押し。

まさに大好物のジクソーパズルな超大作だった。

全てのピースが噛み合って行く様はまさに爽快の一言。

気がつけば食い入るようにどっぷりハマってしまった次第だ。

もう映画の神様に感謝する他ないが

よく考えてみればこの「日本への逆輸入」パターンにはあのトランスフォーマーパシフィック・リムがあった。

f:id:berserkun:20170707202244j:image偉大な先輩方。夏だな!!

同属の映画としてそれに勝るとも劣らない熱量を持っているのは想像に難くない。

相変わらず学習しない自らの愚かさを省みながらも

本作はそんな脳内小学生のためにつくられた傑作だ。

さてあらすじ…といきたいところだが、なにも難しいことはない。

まずは個性バラバラな若者5人が補習クラスにて出逢う。

f:id:berserkun:20170707192505j:image「ジェイソン・スコット」

〈レッド・レンジャー〉

元アメフトの花形選手。

街中の人気者だったがパトカーとカーチェイスする、という若気の至りで謹慎処分。

補習クラスに参加することになる。

元QBだけあって抜群の統率力を誇る。

熱血脳筋だけでは終わらないのが今風な感じ。

まさに王道的主人公。

ちなみにザック・エフロンに激似。

f:id:berserkun:20170707192630j:image「キンバリー・ハート」

〈ピンク・レンジャー〉

学園の元マドンナ。めちゃくちゃ美人。

当然のごとくチア部所属…だった。

SNSにて友人のハメ撮りを流出させるという超ド級の炎上案件を引き起こし、失墜。

補習クラスへ出向となる。

気が強めだが女の子らしい一面も。

ぐうの音も出ない平成感。王道。

f:id:berserkun:20170707192655j:image「ビリー・クランストン」

〈ブルー・レンジャー〉

自閉症の天才。

コミュニケーション能力に難があるために補習クラスに。

テンプレな天才。

マイペースで空気が読めないためにいじめられていたが、スーパーパワーでなんなく報復。

調子に乗る様はまさに面白黒人。

しかしジョークが一切通用しないというあるまじきオリジナリティがある。

まぁ結局ギャップで一番笑いをとるが!

一風変わりつつも結果、王道的。

f:id:berserkun:20170707192711j:image「トリニー」

〈イエロー・レンジャー〉

ミステリアス系女子。

引っ越しばかりですっかり冷めきってしまい、家族とも周りとも仲良くすることを諦めている。

その達観した様子は最も現代っ子っぽい。

そして若干メンヘラ入ってる気がしなくもない。

でも笑うと可愛い。

闇堕ちするかと思ったがそんなことはなかった勢、その1。

f:id:berserkun:20170707192725j:image「ザック」

〈ブラック・レンジャー〉

不良なアジアン。

しかしいじめっ子とは別ベクトル。

むしろ一匹狼に近い。

口は悪いがどこかヘタレ。

頼りになるんだがなんないんだが。

初期のヤムチャ感がハンパない。

病弱な母がいる。今どき驚きの親孝行息子。

歳上女性からは一番人気出そう。

闇堕ちするかと思ったがそんなことはなかった勢、その2。

 

以上、それぞれ「体育会系」「マドンナ」「オタク」「メンヘラ」「ヤンキー」という個性の強さ。

このキャラも人種も文字通り多種多様なメンバーがひょんなことからスーパーパワーを得る。

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そして抱えている悩みもそれぞれありながらも

ひとつの共通点をキッカケに仲良くなっていく王道さ。

わかっていながらも熱い。

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はしゃぎつつ即、仲良しに!

そしてそこに迫り来る悪役。

f:id:berserkun:20170707192914j:image「リタ・レパルサ」悪い女。

実は先代パワーレンジャー

やたらとゴールドを集めている。

無機物から配下の雑魚をつくる能力で闘う。

ちなみに素手でもそこそこ強い。

そこはかとなく漂う風俗堕ち感

ビジュアル、武器、小物そして詰めの甘さ。

どれをとってもぶっちゃけ「女版ロキ」

f:id:berserkun:20170707202504j:image「地球はアタシのものよ!!」

このままじゃ地球がヤバイ!

数日の修行を経て一致団結した面々。

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「やるっきゃない!!」

そして変身!!

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「世界救ってみっか!!」

 

…という王道もいいところな「完全」懲悪ものだ。

とにかく本作の特色として徹底した「明るさ」が挙げられる。

昨今の流行りとして「とにかくシリアスに」という風潮がある。

ヒーローだって一般人。

悩むこともある。

ときには塞ぎ込んでしまうこともある。

人間関係でドロつくこともある。

さらに言えば本作の主人公は悩み多きティーンエイジャー達。

そちらにフォーカスされても文句は言えない状態だった。

しかし監督はわかっていた。

ティーンエイジャーの一番の特徴は「向こう見ずなバカさ」だということを。

もちろん「子どもと大人の中間」という面も描かれる。

しかし「それはそれ!!これはこれ!!」

と言わんばかりに後ろ暗い悩みの数々をスーパーパワーで吹き飛ばす。

確かに急にスーパーパワーを得たら戸惑うだろう。

いきなり嬉々とするのは厨二病か頭のネジが外れたやつだけだ。

キチンとその戸惑いの部分もおざなりにはされてない…が!!!

1時間後にはいじめっ子をブッ飛ばす。

さらにはそれを嬉々として武勇伝として語る。

放課後にはハイテンションでスーパーハイキングを決行する。

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これ以上なく嬉しそう。当然だ!!!

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断崖を飛び越える。意味はない!!

これだろう!!若者なら!!

確かに「大いなる力には大いなる責任が伴う」だろう。頷く他ない正論だ。

それでも

「そんなことは後回し!今はハシゃごう!!」

というのが正しきティーンエイジャーの姿でもある。

この手の「若気の至り」をスッキリするほどに見せつけてくれた作品は未だかつてなかなか見受けられない。

 

前半は主に特訓込みの青春ドラマなのだが

子ども向けということもあるのだろうかドロドロした愛憎劇は皆無。

f:id:berserkun:20170707205939p:imageこの笑顔!!

バカやって笑って仲良くなる。

この湿気ゼロの爽やかさ。

もはや青春部活映画だ!

実際自分で考えてみても「こんなんだったなぁ!」と思わずにはいられない。

正直このパートだけで1本撮ってもらっても十分に楽しめそうなほどだ。

ちなみに個人的な一番の見所は特訓がてらの女性陣によるケーキ争奪戦。

一瞬、2人がサモハンとドニーさんに見える!!

マジで!!

f:id:berserkun:20170707212813j:image『葉問』より。

これだ!!

どうかしてるなぁ!我ながら!!

 

そして後半のヒーローパート。

ブルーが死んだり生き返ったりしつつも纏まった5人。

この逆境からの倍返し。

わかってはいるが燃えずにはいられない。

登場はもちろん…

f:id:berserkun:20170707193146j:image“Superhero Landing”!

高まるなぁ!!!

とりあえず手始めに雑魚どもをキレッキレにも程がある素手格闘にてボコボコにし

f:id:berserkun:20170707193203j:image1週間の特訓の成果。凄いなぁ!!

少しでも劣勢になろうものなら秘密基地の倉庫から最終兵器「ゾード」を引っ張り出す容赦のなさ。

f:id:berserkun:20170707210356j:image恐竜をモチーフにした大量破壊兵器

ゾイドじゃなくてゾード」なのがポイント。

元ネタなのかオマージュなのかは知らん!!

しかし横並びはいつ見ても滾る。

それぞれ一機ずつぶっつけ本番で操縦!!

結果、雑魚共は塵芥に!

f:id:berserkun:20170707210505p:image普段は冷静なピンクも新車を与えられたかのようなテンションに。

そりゃこうなるよな!

斜に構えてる場合じゃない!!

そのまま舞台を荒野から街中に移し最終決戦、スタート!!

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結構な数の死者は出てるが気にしない!

申し訳程度に父親は救うが!!

 

それでも特撮とはこうあるべきだろう。

というかティーンエイジャーのデビュー戦なんだし他人に構ってる暇なぞない!

地球と自分の方が大事だ!!!

 

しかしあっさりやられてくれるリタじゃない。

無数に岩石兵を生み出し、融合する離れ業を見せる。

f:id:berserkun:20170707193337j:image進撃の黄金兵。デカい。

これには連携攻撃もなかなか効かない。

f:id:berserkun:20170707211013p:imageガタイ=強さ。

それどころかこれ以上ない窮地に追い込まれてしまう。

しかし…

f:id:berserkun:20170707211131p:imagef:id:berserkun:20170707211141p:image

5人が真の正義に目覚めたのか、それとも生への執着か。

5機が合体!! 流れで!!

f:id:berserkun:20170707202351j:image

これぞ変型ロボの醍醐味。

理屈無用の熱量と圧力だ!!

そのまま真正面からの殴り合いに発展!

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ビームもサーベルもいらん!

ロボだろうが喧嘩は素手に限る!!

本作がパシフィック・リムに並んだ瞬間だ。

さらにそれだけでは飽き足らずフィニッシュにはバックドロップまで見せつけてくれる。

中盤の特訓シーンの伏線も相まって体温が5度は上昇するキメ技だ。

街の被害は知らん!!

そしてそのまま逆光をバックに立ち尽くす合体ロボ。

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粛清、完了。

ちなみにリタはこの合体ロボのフルスイングビンタにて大気圏外に。

容赦ねぇなぁ!!

まさか舞台挨拶に猪木が来たのが伏線だったとは!!と思わずにはいられない。

 

そしてエンディングではそれぞれ親友としてハッピーな日常を歩む。

さらには新たなレンジャーになりうる転入生が…?

と完璧すぎる幕引き。

熱く、爽やかに、続編への橋渡しも。

もう唸るしかない。

 

まぁ完全に勢いとテンションの高さだけで終始突っ走る本作。

しかしその作風こそが「ティーンエイジャー」というものを表現している、と言っても過言ではない。

もはやどこを切ってもまさに「夏休み映画」の要素しか出てこない。

最終的にはスタンド・バイ・ミーからのパシフィック・リムという、まさにバックドロップ級の急転直下を脳天に食らわせてくれる傑作。

夏だからこそ観よう!!!

暑さを「熱さ」で吹き飛ばせ!!

はしゃごう! 騒ごう!!

少年になろう!!!

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It's Morphin' Time!!」

 

ノリノリな予告編↓この通りだ!!

ハリウッド版スーパー戦隊が変身!『パワーレンジャー』予告編 - YouTube 

 

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ちなみに吹き替えだと「ブルー」は杉田智和

もっかい観るっきゃねぇ!

 

全く少年から成長しないtwitter

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