命、燃やしてみるのはどうでしょう。『探偵はBARにいる3』バレあり。感想。
探偵どうでしょう第三弾!!
シリーズ最大の危機が探偵を待ち受ける!!
シリーズ恒例のヒロインによる漢気大爆発も過去最大級!!!
道民以外も見逃すな!!
ネタバレなし感想。
シリーズ未見でも全く問題なし。
独特の雰囲気に浸ろう!!
アクションが観たければアメコミ行こう!!
大泉洋。北海道の怪物。
俺の地元は千葉なのでその凄さは正直わからんが道民の友人からすれば神のような存在らしい。
最近遅ればせながらカルト的人気を誇る『水曜どうでしょう』を観たのだが、人気の秘訣を垣間見た。深夜にぐだぐだ流し見するにはもってこい。
その素晴らしさについては他所様のブログなどで語り尽くされていることだしここでは置いておこう。
しかし友人曰くひとつの不満があるとのこと。
「どうにも最近のどうでしょうは甘い」らしい。
大泉洋が全国区になり多方面で活躍しているだけに既存の企画がやりにくい、無茶させるわけにもいかない現状。
確かにファンからしたら由々しき問題だろう。
しかしかといってドラマや映画方面で手を抜いているわけではない。
むしろ『どうでしょう』が甘くなるほどに扱いがぞんざいになっている気がする。
そう痛感させられるのが『探偵はBARにいる』シリーズだ!!
タイトルにもあるように本作で『3』となるこのシリーズ。
並みの俳優なら難色を示しかねない身体の張りっぷりを問答無用で叩きつけ続けている。
徹底された巻き込まれ体質である大泉洋をこれ以上ないほどに上手く調理している、いわばファン御用達な作品でもある。
本来邦画はあまり観ない俺だが、このシリーズは追っている。理由はわからないが!!
ひとつ言えることは夜遅くに酒片手に缶ピース吸いながらまったり観るのになかなか適している傑作、ということだ。
とりあえず肝となる主人公が2人いる。
探偵。本名不詳。
割といつもの大泉洋。武器は口先と人脈の広さ。
そして意外にモテる。
『2』では麻美ゆまとセックスし今作では北川景子と寝るという日本男児の夢を叶えまくるような男なのだが基本的に三枚目な役柄だ。
まぁキャスティングの時点で誰もがわかるな!
下半身には忠実だし腕っ節も平均程度。
人情と人脈の広さだけで渡り合っているきらいがある。
高田。探偵の助手。
農大の助手にして空手の師範代。基本的にやる気は皆無なマイペース野郎だがやるときはやる。
そしてめちゃくちゃに強い。ズルい良キャラ。
この2人がまったりしつつも事件に挑むのが大筋だ。
まぁどこぞの小栗旬よりもよっぽどルパンしてる感じが嫌いになれない所以だろう。 それっぽい一枚。
日本の探偵ものといえば『探偵物語』が真っ先に思い浮かぶが、奇しくも「探偵、天パ、松田」という共通点。「永遠に、自由(アウトロー)。」
カッコいいなぁ!!!今こそ観よう!!
あちらはあちらで焼け付くほどのハードすぎるボイルドさがあったが、こちらも負けてはいない。
本シリーズは簡単に言ってしまえばこの2人を中心としたハードボイルド劇なのだが、一筋縄ではいかない見所がいくつかある。
上記した通りに主役2人のキャラが恐ろしく立っていることもそうだが毎度のゲストヒロインの「漢気」こそ見所だ。
おそらく俺はここに最も惹かれているのだと思う。
考えれば考えるほどにそれぞれがステイサムばりに漢気を爆発させる。
まぁ毎度のことながら何を言っているかわからんだろうが付き合っていただければ幸いだ。
1作目。ヒロインは小雪。
あまり意識したことはない女優さんだが終盤にとある漢気大爆発を見せる。
すったもんだありながらもずっととある復讐を企てていたことが終盤にて判明するのだがその手口が非常にステイサムだ。
なんと式場にウェディングドレス姿で乱入し拳銃を乱射する、というジョン・ウー式倍返しを決行!!大抵この手の映画はネタバラシパートで睡魔に襲われるものだがこれは眠っている場合ではない。
このワイスピステイサムイズム。『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
スーツ姿でマシンガン片手にセレブリティパーティに参加。招待状は銃弾だ!!!
両者とも正装に銃火器という痺れる一貫性。
やはり一世一代の大勝負にはこのスタイルが正しいと言わざるをえない。
正直ストーリーは全く覚えていないのだがこの場面だけはときたま観返したくなる熱量がある。
2作目。ヒロインは尾野真千子。
割とグイグイくるタイプのヒロインで探偵にも食ってかかることも多い。勝ち気で男顔負けの口の悪さとこの眼力。
これはブリッツステイサムだな!!暴力刑事vsエセサイコ野郎。『ブリッツ』バレあり感想。 - 高速回転する方舟の片隅で。
基本口より先に手が出る凶暴性、口の達者さ。
サイコ気取りな犯罪者を言論の暴力で叩きのめした後に射殺する。一応、現職の刑事。
ちなみに画像のシーンは「オープニング早々、車上荒らしのキッズたちをホッケースティックで瞬殺した後のセラピーにてカウンセラーに逆ギレ中」という名シーン。
そして本作。ヒロインは北川景子。
これは終盤の大オチになってしまうが、今回の北川景子は割と悪女である。ヤクザと繋がり大金をせしめようとする狡さをズバズバ発揮しまくる。
しかしその理由が泣ける!!
なんと「赤の他人の子供のため」というもの。
彼女には子供が産めなかった過去がある。
その失意の最中、たまたま見かけた子供。
我が子の出産予定日とその子の誕生日が全く同じだった。
他人から見ればたったそれだけの理由。
しかし当人からすればそれだけで「命を燃やす理由」には十分だった!!!探偵すら訝しんでいる全方位敵まみれな逆境にも関わらず単身でヤクザと渡り合うその胆力。
それだけでは飽き足らずラストには銃撃戦までおっ始める始末!!!
もはや四捨五入するまでもなくセイフステイサムだ。面倒だから全員殺せ!!!『SAFE』バレあり。感想。 - 高速回転する方舟の片隅で。
目が合っただけの見ず知らずの子供に恩義を感じ、悪徳組織3つを相手取る。
組織の数、そして壊滅のさせ方(北川景子は法的に、ステイサムは物理的に)の違いはあるものの、漢気のベクトルは一緒だ。
何度でも言うが漢気に性別など関係ない!!
自分でもどうかしてる比較の数々だったが少しでも理解していただければ幸いだ。
しかし主役2人も「彼女らばかりに漢気を発揮させているわけにはいかない!」とばかりに毎回終盤に漢気の連鎖反応を見せることも多い。
ヒロインがステイサムならこちらはスタローンとシュワルツェネッガーだ。
シルベスター大泉。
腕っ節の有無という大きな違いはあれど、その折れない心はスタローン魂を継承していると言える。
そして人脈の広さ。
スタローンには「消耗品軍団」という歩く核弾頭なレジェンズが多々いる。当ブログお馴染みな画像。
しかし大泉洋も負けてはいない。
こちらにはゲイとオカマとヤクザがいる!!!
どちらも日陰者かもしれない。
しかし大事なのはその中身だ!!
なにより割と失敗もする人間味。
考えればスタローンも失敗は多い人生だった。
「しくじり先生」に出演すれば2時間SPができてしまうほどに!!
誰よりも身体を張ってきた過去があるが、そのベクトルがおかしな方向に行ってしまったこともある。『刑事ジョー ママにお手上げ』より。 当然ラジー賞だ!!
しかしロッキー曰く「なによりも重い"人生"というパンチにも負けずに進め。そうすれば勝てる」精神は受け継がれている。『ロッキー・ザ・ファイナル』より。
俺の人生の指針だ!!サンキュー、スライ!!
本作の大泉洋は服を剥かれるわ雪に塗れるわで決して格好は良くない。「どうでしょう」感ストップ高!!
それでも必死に依頼人のために全力を尽くす。
その様はみっともなくともバカにはできない。
例え報酬が1万800円(税込)だとしても!!
そしてその相方。アーノルド高田。
本シリーズのアクションをほぼ一手に請け負う仕事人だが、空手の師範代だけあってシリーズ通して負けなしという無敵艦隊さ。
機械さながらに無表情で敵を屠っていくその様はもはや「ターミネーター」と言っても過言ではない。
『1』のオープニングでは邦画にあるまじきスピードでチンピラを秒殺し『2』では多勢相手になんなく圧勝。
そして金属バットで脳天カチ割られても5秒ほどで復活するマシーン感。
感想も「いってぇ…」のみ!!いよいよ探偵から直々に「ターミネーターかお前は」とお墨付きをもらう始末。
そして本作。アクションの演出は今までと変わり「スローな殺陣をハイスピードカメラで撮る」という独自撮影が行われている。正直成功してるかどうかは賛否分かれそうだがそれも雑魚戦の話。
今回は今までいなかったような強力な好敵手がいる。波瑠。風貌と名前から作:松井優征オーラが凄いがその実力は化け物な究極の戦闘狂。
序盤の手合わせでは高田をして「勝てね。あいつ強いわ」と言わしめるほど。
しかしラストのタイマンでは高田の鮮やかすぎるドロップキックで打ち沈む。影で行なっていた似つかわしくない努力のおかげで!!
勝てないかもしれなくともめげずに真顔で立ち向かうこの潔さもターミネーター魂だ。
言ってしまえば本シリーズは「スタローンとシュワちゃんがステイサムのために頑張る」という作品であるとも言えるだろう。『大脱出』より。
こちらは「漢達は監獄にいる」な名作だ!!
…まぁ、いろいろと否定したい気持ちもわかるが!!!
なんか『ミックス。』のときもこんなんだったな!!すまない!!!
さぁ、人生のリベンジマッチだ。『ミックス。』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
とにかくシリーズ史上最高な出来とも言える本作。
いよいよモンキーパンチからのお墨付きをもらい勢いづくばかりだ。いいなぁ!!!
この魅力を文章で伝えるのは難しいが、独特の雰囲気にハマればこれ以上楽しい映画もない。
大人なハードボイルドさに「友情、努力、勝利」という少年漫画エキスをトッピングした傑作だ。
本作は奇しくもあの大作映画『鋼の錬金術師』と同日公開なわけだが、こうなったらハシゴしよう!!
どっちにも大泉洋出てるし!!!『東京喰種』に引き続きの漫画原作。仕事選ばねぇな!!こいつも!!!
ちなみにエンドロール後にもおまけ映像がある。
さすが高田だな!!と思わざるを得ない展開だがこれで続編がつくれるな!!見逃すな!!!
まだまだこの2人が観たい!!
命を燃やす予告↓
燃えカス以下なTwitter↓
ばーさーくん (@bebebeberserkun) | Twitter
高速カルタで問答無用のカタルシス。『ちはやふる 上の句&下の句』感想。バレあり。
「闘うヒロイン特集」番外編!!
ただの文化系青春スポ根ラブコメ…じゃない。
その実、畳の上を疾走する高速総合格闘技!
男女問わずにがっつり楽しめる傑作エンタメムービー!!!
舐めてかかると大火傷するぞ!!
当ブログにお越しの方はお気づきだろうが俺は低偏差値映画が好きだ。
悪い奴をブン殴って銃をブッ放して高級車走らせてラストは大爆発すれば満点!!という残念な思考の持ち主である。
その趣味から映画で言えば予算が潤沢で制限が緩めな海外映画が好きであり、漫画で言えば燃え滾るような少年漫画が好きだ。
まぁ中学生のまんまと言えば正しいだろう。
そんな趣味なためにどうしても少女漫画には手が伸びづらい。
ステレオタイプなイメージだろうがイケメンと美少女の恋愛が云々よりかは血と汗と火薬が好きな俺。
少女漫画の邦画化にはなおさらのこと食指が動かない。
嫉妬で気が狂いそうになるのもあるが!
当然本作『ちはやふる』も観る気はなかった。
しかし偶然にも新作である3作目公開のニュースが目に入った。同時公開された特報も30秒というお手軽さから何気なく観たのだが。
「濃いキャラ達がフラッシュバック的に紹介される」というエクスペンダブルズ方式なつくりにすっかり魅入られてしまった。
さらに詳しく調べてみると。
新作の公開日は俺の誕生日。
さらにあのいろいろあった『ジョジョの奇妙な冒険』にて億泰を熱演していた新田真剣佑も出てるというじゃないか!ダイヤモンドというより鈍い黒鉛。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
親父さんはキアヌも崇拝するサニー千葉。
俄然興味が出てきた俺は早急に過去作2つレンタルして続けて観賞してみた。
結果、頭を撃ち抜かれたような衝撃だった。
2作合わせて4時間弱という上映時間を物ともしないほどにガッツリハマり込んでしまった。
そこには暴力と火薬こそないものの友情と青春が確かにあった。
いろいろ偏見を抱えていた過去の俺をブン殴りたくなる程の傑作だった。
本作は『上の句』『下の句』という二部構成。
もちろん話は繋がっているものの、それこそ和歌の如く独立しているようで綺麗に収束するというつくりだ。
とりあえず本作には3人の主人公がいる。
それぞれの目線で追っていこう。
主人公その1。綾瀬千早。天才かるた少女。
幼少期に出会った綿谷新の影響で競技かるたにどハマり。
後に友人となった真島太一と3人でワイワイしながら熱中するも、新は永世名人でもあるお爺さんの看病のために富山に引っ越してしまう。
太一は太一でサッカーにハマってしまい孤独な日々を過ごす。
そして現在、高校1年生となった千早。
マイナースポーツでもある「競技かるた部」を新しく発足しようと押しが強すぎる勧誘活動に明け暮れるのであった。
そして偶然にも同じ高校に進学してきていた太一を発見。有無を言わさずに引きずり込んだ後に部活発足条件でもある残り3人の仲間集めを開始するのであった。
主人公その2。真島太一。設定だけ完璧男子。
イケメン、金持ち、頭良し、運動神経抜群。
幼少期に綾瀬千早の影響で競技かるたを始めるもそこは年頃の男の子。
サッカーにうつつを抜かしてしまう。
しかし心残りなのも事実。千早が進学する高校を耳にした太一は同じ高校に行くことを決意する。
そこには昔と変わらずに明るく「競技かるた」に励む千早の姿があった。
恋心と下心を押し殺せるほど大人ではない太一はやれやれ感も出しつつ、千早と共に部活発足に乗り出すのであった。
主人公その3。綿谷新。最強メガネ君。
永世名人である祖父の影響もあり「競技かるた」に熱中する少年。
「かるたで日本一になれば世界一も同然」という理由でひたすらに打ち込む日々。
そんな折に千早と太一に出会う。3人仲良く大会を荒らしていたものの祖父の容態に異変が。
地元でもある富山に引っ越してしまう。
そして現在。
祖父の看病をしながらも「競技かるた」への熱は冷めず。
幼き頃に千早に誓った「世界一の夢」のためにも自主トレに励む日々を過ごしていた。
一方。千早と太一。
仲間集めに奔走した結果、ギリギリ3人のメンバーが集まる。
仲間その1。西田優征。Mr.ノンデリカシー。
当初はテニス部所属。しかし誰が見てもセンス皆無だったために退部。
千早と太一にやたら馴れ馴れしいのだが、実は幼少期に対戦済みだった過去がある。
その頃のアダ名でもある「肉まん君」と呼ばれる。
意外にもその実力はなかなか。A級選手でもある。
多少空気が読めないものの明るいムードメーカー。
仲間その2。大江奏。純和風オタク。
大人しめな女子。大和撫子。
呉服屋の娘でもあり「日本人女性とは」というブレない持論を持つ。
当初は方向性の違いから乗り気じゃなかったが、恋愛和歌の話で千早と盛り上がり即、入部。
初心者ながらその知識量で食らいつく。
仲間その3。駒野勉。鉄オタガリ勉。
「部活必須」な校則に従い、本人曰く「人数合わせ」で入部。
全然乗り気じゃないものの千早のピュアすぎる勧誘でちょっと興味が出てくる。
「机くん」という隠れた蔑称があるが競技かるた部の面々は普通にそれで呼ぶ。
全くの素人だがその卓越した頭脳で全てをカバーする。
この個性的なメンバーが徐々に仲良くなり、全国を目指し練習に明け暮れるのが『上の句』の大筋だ。青春だなぁ!!!
途中で青春ものらしくメンバーそれぞれの葛藤ややたら嫌味なライバルの出現、そしてチーム分裂を乗り越えたりな王道的ストーリーではある。
しかしそれをハッキリと描かれることで得られるカタルシスは並大抵のものではない。
例えば太一。万能主人公のお手本のようなスペックとは裏腹にその想いは複雑であった。
競技かるたにおいてかなり重要な「運」が全くないのだ。
そしてその理由は自分でもわかっていた。
小学生時代に学校の授業にて新とかるたで対戦することになった太一。その実力差は圧倒的。しかし千早に負け姿を見られたくないがあまりに新の眼鏡を隠してしまう。
そのことが深い負い目となって負のスパイラルを呼び込んでしまっていた。
そのことを中盤でかるた部の引率者でもある原田先生にブチまけるシーンがある。原田先生。
千早や新や太一にかるたを教えてくれた恩人。
良き理解者として皆を導く。
太一を「まつげくん」、新を「メガネくん」などアダ名で呼ぶ。千早のことは「ちはやちゃん」と呼ぶが!
そのまつげくんの言い分として。
「俺は立派な人間じゃない。隠して、欺いて、出し抜いて。神様に見放されたって当然だ」「俺なんて青春全部賭けたって新より強くはなれない」と。
それに対して原田先生が腰に来る返しをする。「神頼みってのはやること全部やった人間がするもんだ。青春を全部賭けたって強くなれない?まつげくん。賭けてから言いなさい。」
これが突き刺さった人間が何人いるのか。
俺の心がカツアゲされた瞬間だ!!
さらにサブキャラで落ち着いてしまいそうな机くんも。
地区大会決勝にて強豪と相見えることとなった瑞沢高校。
しかし対戦カードを決める作戦会議で肉まんくんがやらかしてしまう。
「なにも相手のトップにこっちのトップをぶつけることはない。机くんで消化しよう」と。
確かに勝負の世界は非情だ。
経験の浅い机くんを活躍させる意味でも有効手ではある。
しかしこの登場人物達はみな高校生。
特に当事者である机くんは納得できるわけもない。
千早に誘われたときのセリフが頭を過ぎる。「机くんじゃないとダメなの!!」という男泣かせなワードが!
それでも結局のところは「人数合わせ」でしかなかったんじゃないか、と失望してしまう机くん。
普段は「勝てばよかろう」な俺ではあるが、このときはすでに瑞沢高校への想い入れがハンパではない。
痛いくらいに机くんに感情移入してしまった。
もはや「よく反抗したぞ!!」くらいに!
しかしそこで太一が「俺もツラいんだよ!!」という勢いに任せた論点ずらしで強引に説得する。これも高校生っぽいなぁ!!
なんとか試合会場には引きずりだしたものの机くんのやる気はゼロ。なにを詠まれようがガン無視を決め込んでいた。
しかしここで千早が立ち上がる。
みんなで合宿をやった際に部員全員で感傷的な気分になった「人は孤独じゃない」という札を音速で弾き飛ばし机くんの顔面に間接ビンタを決め込む!!
それによりチームがひとつに。
そして「漢には負けるとわかっていても闘わねばならないときがある」とばかりに眼鏡をかけ直し強豪相手に奮闘する机くん!!いいなぁ!!青春って!!!
その甲斐もあって強豪を見事打ち破り全国大会出場決定!!
もう王道で絶好調な終わり方だ。
…と思いきや新に不穏な動きが。
勝利報告と過去の謝罪をしに新に電話する太一。
太一「正々堂々とお前に勝ちたい」
新「…俺は…もうかるたはしない…」
はっ!?メガネくんになにが?!
…とここで『上の句』が終わる。
もう続きが気になって仕方ない引きだ。
そんな『下の句』のあらすじ。
真相を確かめるべく新の元へ急行する千早と太一。
新が浮かない原因は祖父の死であった。「自分にとっては祖父がかるたそのもの。それが失くなってしまった。もうやる意味がない」と取り付くしまもない新。
昔馴染みの懸命な説得も心には響かない。仕方なく東京に帰ることにする2人。
それと入れ違いに1人の女子が登場する。若宮詩暢。現競技かるた界の女王。
その佇まいと圧倒的な強さから名実ともに「無音の女王(サイレントクイーン)」と呼ばれている。
新とは個人戦で毎回死闘を演じるライバルでもある。
久々に一戦交える2人だが、詩暢は新の腑抜けぶりに失望してしまう。
そして東京。
全国大会へと駒を進めた瑞沢高校かるた部。
当然今までとは桁が違うレベルの強豪揃い。
がっつり修行に励むことにするがどうにも千早の様子がおかしい。
どうやら件の「女王」のことを知り個人戦でしのぎを削りたい、とのこと。
個人戦は団体戦の後に開催される。本来なら両立は可能なのだが困ったことに「女王」は左利き。
対策として戦闘スタイルを改めなくてはならない。
それは団体戦を半ば諦めことを意味する。
しかしサイヤ人メンタルな千早としてはどうしても強えやつと戦いたい一心。
そんなこんなで合宿にも身が入らない。
そんな千早を見兼ねた太一は千早を切り捨てることを決心する。
再びバラバラになってしまうかるた部の面々。
「おいおいマジか!?」という観客も声もそこそこに迫る大会。
まぁ結局は皆収まるべきところに収まるのだが、そのきっかけをつくりだしたのは『上の句』にて勘違いドSっぷりを爆発させてた須藤暁人だ。嫌味な強敵だったが覚醒千早に瞬殺された。
千早を呼び出した暁人。
また勘違い爆発か…と思いきや「そんな弱いお前に負けた覚えはねぇ」とぶっきらぼうに門外不出のデータブックを千早にプレゼントする、というわかりやすさ。ただの踏み台からベジータになった瞬間。
これにより「あぁ…みんな頑張ってるんだ…」と至極当たり前なことに気がついた千早。
そして豪雨の中、太一に謝罪するという直球すぎる展開。
しかしこういう気恥ずかしい描写が入ると強くなるのが高校生。
原田先生の「団体戦こそ個人戦」という極論に近い後押しもあり、全てが吹っ切れた瑞沢高校は負い目なしで全国大会に出場することになる。
…というもの。
観賞前には思いがけもしなかった程にド直球なスポ根青春ものなのだが、特筆すべきはその落とし所だ。
瑞沢高校の面々は団体戦にて負けてしまうが、皆それぞれ楽しさに目覚めかなり満足する。
千早は迎えた個人戦で「個の力」のみでのし上がってきた女王に敗れてしまうものの「超人の世界」へ歓迎される。
さらに隠れて観戦しにきていた新も。
瑞沢高校の「団体戦」を目の当たりにし、過去の「みんなでやる楽しいかるた」を想う。そして新しい「理由」が芽生える。
もう全てが最高の着地点に終始する結末。
これぞ王道青春ものだ!!!
まぁラストに新に向けて「俺たちは攻めカルタだぜ?」とかイキってた太一には若干赤面したが!!
覚醒千早が勝てなかった女王に連勝してる化け物だぞ!!そいつ!!!結局、作中無敗。
もはや穏やかなチャック・ノリス。
本気出させちゃダメな相手だな!!
それでも全てが予定調和というわけでもない。
特に女王との決戦中にスーパーサイヤ人2ばりに覚醒した千早には掛け値なしで鳥肌が立った。「ちはやふる」の意味がわかったとき、観客は頭を縦に振らざるを得ない。
「競技かるた」というマイナースポーツをここまで真っ当に傑作たらしめたことには賞賛する他ない。
本作は決して海千山千のかったるい学園ラブコメではない。
観賞後にはむしろ『アイシールド21』に近いな!!と思うほどに!!!『アイシールド21』
個人的には『SLAM DUNK』と並んでスポーツ漫画のNo.1。
「アメフト」というマイナースポーツ、個性的なチームメイト、そして熱い展開と多々連想する部分が多い。
未読なら今すぐ読もう!!!
男泣き必至な超傑作だ!!!
そういや阿含が「競技かるた」に参戦したら凄そうだな!金剛阿含。酒に喧嘩に女まみれな高校生。
しかし一切の努力なしで日本トップクラスに君臨するほどの天性の才能を持つ。
さらにその頭脳すら世界ランク。
曰く「天賦の超人」な漢。
無尽蔵なスタミナとカンストレベルの反射神経「神速のインパルス」により凡人を捻り潰すのが大好き。
掛け値なしでやべェやつ。
閑話休題。
将棋星人な羽生善治曰く「将棋にも思考の最中、時速300kmの世界がある」とのことだが
そんな熱い闘いが連発する本作。
邦画や恋愛ものを敬遠している俺のような人にこそぜひ見てほしい。
実際俺は完結篇の『-結び-』が待ち遠しくて仕方ない程にハマってるし!
家デートでもなんでもいいから観よう!!!
清々しいほどの青春に打ちのめされろ!!
青春しかない予告↓
青春などないTwitter↓
水と油の極上カクテル。『フレンチ・ラン』感想。ネタバレあり。
「この二人、パリ出禁。」
120点満点なキャッチコピー。
ド直球王道バディアクション。
「無骨」と「スタイリッシュ」
「80年代」と「00年代」
「CIAのアウトロー」と「天才スリ師」
全てが真逆な2人が手を組んだ!!
今現在のハリウッドでの黒人俳優といえば
俺の中に揺るぎない四天王がいる。
「サミュエル・L・ジャクソン」
ハリウッド組は大体友達。
そして「Fワード」の伝承者。
代表作は『スター・ウォーズ』に始まり『アベンジャーズ』や『ジュラシック・パーク』『ダイ・ハード』『ロボコップ』『トリプルX』など。
近年では『キングスマン』や『キングコング』まで。
そしてタランティーノ作品の常連でもある。
もう経歴が高学歴すぎるなぁ!!!
もはやどんな映画に出ても驚きはしない。
というか一週間に一度は遭遇するレベルだ。
たぶん映画が大好きなんだろう!
「モーガン・フリーマン」
なんでも屋その2。大作名作B級なんでもあり。
『ショーシャンクの空に』で名演技したと思ったらしょうもないB級アクションにも楽しそうに出てたり。
とりあえず主人公の脇でニヤニヤしてイメージ。
元気すぎるナイスジジイ。
「デンゼル・ワシントン」
衝撃の黒い学級委員長。
従来の「黒人はお喋りで面白い」というイメージを根底から覆した漢の中の漢。
アカデミー賞俳優でもありその演技力は折り紙つき。
かと思えば無双アクションものにも多数出演。
セガールをDVD棚の片隅に追いやった新機軸の最強無双おじさん。
「イドリス・エルバ」
英国からのカリスマ留学生。
『マイティ・ソー』では究極の門番役。最新作にもイメチェンして出演。
強大兄弟と破壊獣と死神と。銀河最大のサプライズパーティ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』最速レビュー。ネタバレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
『ゴースト・ライダー』では無骨な破戒僧役などアメコミ映画の常連でもある。 http://bebebeberserkun.hatenablog.com/entry/2018/01/06/120017
道交法?知らん!!
個人的にはDC原作の『ルーザーズ』がお気に入り。『ウォッチメン』のコメディアン&『アバター』『GotG』の異色異星人、そしてキャップという豪華極まりないメンツ。
『特攻野郎Aチーム』が好きならオススメだ。
ストーリーほぼ同じだし!!
そしてなんといっても極め付けはこれ。
『パシフィック・リム』
「スタッカー・ペントコスト」
漢気溢るる司令官。
有無を言わさぬカリスマ性と滲み出る漢気。
アメリカ大統領になってほしい漢、第1位。
その存在感はもはや無我の境地。
ロボットと怪獣の殴り合いと同じくらいな見所でもある。
…とまぁ近年のアクションにはこのうち誰かしらが出てるイメージがある。
そして本作の主演はイドリス・エルバ。
さらになんと暴力捜査官を演じているという素晴らしさ。
この時点で必見だ。
例のごとく劇場公開には出遅れたものの
最近はDVDリリースがやたら早い。
設定と予告から漂うB級感に浮つきながらいそいそと観賞したところ、これが素晴らしかったんだから嬉しいったらない。
というかもはやA級だった。
あらすじとしては
「パリを揺るがすテロ事件に周囲から浮きまくりの暴力刑事とアウトローなプロスリ師が手を組んで事件を解決する!!」
というシンプル極まりないもの。
わかりやすくていいな!!
とりあえず登場人物紹介。「シーン・ブライアー」
CIAの現場捜査官にして超有能暴力捜査官。
周囲からは浮いているが、当の本人は全く気にしていない。
地に足の着いた堅実的な格闘能力とホームズばりの捜査能力、そして最高の強運を併せ持つ。
「情と迷いを捨てたジェイソン・ボーン」とでも言うべきお方。
ブライアン・ミルズの現役時代はこんなんだったのかもしれないと思わせる有能さ。
恐ろしきCIAの育成能力。
ちなみに何の証拠もなくテロリスト6人を射殺したことがある。本人は後悔も反省も一切していないが!!
「マイケル・メイソン」
自らの腕に圧倒的自信を持つパリの天才スリ師。
その腕前はブライアーですら眼を見張るほど。
そして驚くことに作中では一切のミスなし。
狙った獲物はことごとく逃さない狩人。
将来は金を貯めて医者になるのが夢。
こんな真逆な2人が成り行きでタッグを組んでパリを揺るがす爆弾テログループと闘う。
つまらないわけがない!
そして実際面白い!!
実は警察署長を含む数名がテログループと繋がっていたという一応のどんでん返しもあることにはあるのだが、それはスパイス程度。
それより「主演2人のいちゃいちゃとアクションが見たいんだろ!見せてやる!!」という監督の声が聞こえてくるようなつくり。
全くもってその通りだ!
チャラついた飾り付けを一切排除した分、主役2人の魅力をしっかりと引き出すことに成功している。
例えばブライアーはこの手のアクションにありがちではある暴力捜査官だが
その行動に一切の迷いはない。
敵はもちろん一般人だろうが女だろうが邪魔or怪しければすぐブッ飛ばす潔さ。
ドアは蹴破り!他人への情けは一切なし。
さらに思い立ったらすぐ行動するフットワークの軽さ。
頭の回転の速さも手伝ってこれ以上ない有能っぷりだ。
一例として作中にて。
テロ実行犯の濡れ衣を着させられたマイケルを追うシーン。
どんな場所だろうが障害物を乗り越えるか破壊するかしながら地の果てまで追跡するブライアー。逃走シーンで震え上がったのはT-1000以来。
なんとか命からがら得意のスリテクで原付を盗んで逃走を図るマイケル。
キチンとバレないようにフルフェイスのメットを被るが…曲がった先にはブライアー。
驚く間もなく容赦なしのラリアットを食らわせて確保するのであった。この暴力に訴える速さ。
普通は「もし一般人だったら?」という考えもよぎりそうなものだ。
自分の頭脳に絶対の自信がなければできない。
「ごめん」で済めば警察はいらないとはよく言うが
ブライアーはCIA。道理は通用しない。
この頭の良さは幾度となく披露される。
濡れ衣なマイケルやテロ実行犯を確保すべく動きまわるブライアー。
わずかなことから情報を集めて居場所を突き止めるのだが、その速さがもう尋常じゃない。
基本的に30秒後には目視できる位置まで迫るデキる男っぷり。終わりを確信する眼力。
CIAが全精力を傾けても八方塞がりな中、たった1人で次々と事件を解決していく出来る男っぷりはぜひ見習いたい。
ラストは黒幕にマイケルが人質に捕えられてしまうものの交渉の余地なく発砲。
人質のマイケルに!!
それを見越して防弾チョッキを着させていたとは言え恐ろしい容赦のなさだ。引き金の軽さは一円玉並み。
しかしマイケルも負けていない。
登場シーンからして金で雇ったモデルを街中で全裸ウォーキングさせ、見惚れている観衆から金品をくすねまくる という手口の鮮やかさ。
よく「天才」と言われている割に作中では失態を犯すキャラは多いがマイケルは違う。
なんと作中でのスリ成功率は100%!!あのブライアーに認められるほど。
とはいえどちらも漫画的なほど超人ではない、というギリギリ地に足の着いた設定。
このくらいならひょっとして…?なリアリティラインが見事だ。
最終決戦ではブライアーがテロリスト集団と単騎で銃撃戦をおっぱじめるのだが
キチンと遮蔽物に隠れる、手持ちの火器は弾切れする、などの現実設計。まぁ相手からドンドン強い武器を奪っていく悪夢のわらしべ長者スタイルでなんなく突破するが!!
この2人が悪態吐きながらなんやかんやで仲良くなる楽しさ。
それが本作の特長、といってもいいくらいだ。
とにかく都合の悪いことはガン無視し
目的に向かって一直線な様は観ていて爽快極まりない。
ステイサムと同じく英国紳士感は皆無だがそれでもイギリス人の底力を見せつけてくれる傑作バディアクションだ。手のつけられない英国からの不良転入生。
そこらのB級映画とは一線を画すつくりは十二分に一見の価値ありだ。
ちなみに個人的な話だが「エレベーターシーンがある映画は傑作」というジンクスがある。
近年だけでも『ナイスガイズ!』や『ベイビー・ドライバー』と名作揃いだ。
笑いしかないシーン。嫌気しかないシーン。
ト・ト・トランスポーター。『ベイビー・ドライバー』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
そして本作にもそれらに勝るとも劣らないエレベーターシーンがある。楽しくなる掛け合いだけでストーリー的には全く不必要だが
こういった細かいところも気を抜かないのも素晴らしい。
トータルすると家デートには間違っても向かない作品ではあるが、仲の良い友人同士でなにか面白いアクション映画を観たいときなどにはうってつけな傑作だ。
あまりにも理想的な暴力刑事に盛り上がること間違いなし。
観よう!!台風の夜にでも!!!
わかりやすい予告↓
CIA捜査官×スリ!?映画『フレンチ・ラン』予告編 - YouTube
なにもないtwitter↓
本当にカッコイイとは、 こういうことさ。『次元大介の墓標』感想。バレあり。
「あばよ、次元。」
短い上映時間でも確かな満足感。
これぞ観たかった『ルパン三世』
ひりつくほどのハードボイルド。
「カッコいい」とは、こういうことさ。
よくある謳い文句に「国民的アニメ」というものがある。
一定の知名度さえあればどんなものにでもつく尻軽な枕詞でもある。
個人的なNo.1アニメといえば『ルパン三世』を推したい。
老若男女問わずレギュラーキャラの名前の名前の浸透っぷりはハンパではない。
「ルパンかSMAPか」な勢いだろう。
もはや「ルパン好き」と言ってもアニメオタク認定は決してされない世の中。
しかし長期にわたって放映されている長寿シリーズゆえにファン層はライトとハードでガッツリ分かれてもいる。
基本的に『カリオストロの城』嫌いはいないと思っているのだが
「あれでダメになった」というファンも少なくない。
確かにあれ以降「適当なお宝を中心にレギュラーキャラとゲストの女キャラがわちゃわちゃする」ようなテレビスペシャルが増えた気がしないでもない。
さらには「国民的アニメ」の『名探偵コナン』とも馴れ合う始末。
ライト向けと言われても致し方ないかもしれない。
TVSP『ルパン三世VS名探偵コナン』
ちなみにストーリーは繋がってます。
賛否あるけど俺はめちゃくちゃ好き。
近年ではなんと新作のTVシリーズもつくられるほどには浸透しているとは言え、やはりどこか寂しい気持ちは否定できない。
まさかリアルタイムで観られるとは。
こちらもめちゃくちゃ好き。
しかし2012年。
その時代の流れに圧倒的「NO」を叩きつけた傑作TVシリーズがつくられた。
『峰不二子という女』
不二子ちゃんがメインのスピンオフシリーズ。
原作風なアダルトな雰囲気全開。
お子様立ち入り禁止なその作風。
「くっそ面白いな!!これ!」
そんな感想を抱いたのは俺だけではないはずだ。
そしてそんな世論に煽られたのか、その雰囲気を引き継いだ「次元大介」のスピンオフが映画として公開された。
それが本作『次元大介の墓標』だ。
上映時間は前編後編合わせて50分というむしろテレビアニメに近いつくりながら
そこにコナン君のパパはいなかった。
ルパンのことを「ビジネスパートナー」と言い切り
本気で命の取り合いをするあの渋いガンマンの姿が確かにそこにはいた。
そんなハードでシリアスでロマン満載なあらすじ。
今回の舞台は東西で分裂しているドロア共和国。
そこにルパンと次元はいた。
今日も今日とてお馴染みのハイクオリティすぎる変装技術でお宝を盗み出すのであった。
しかしいつもと違うことがひとつ。
やたらと治安の良いこの街。
なぜか警察に先回りされている。
とはいえそこは天下の大泥棒。
隙をついて逃亡を図るのだが
そんな2人を遠くからスコープ越しに見つめる漢が1人。
「ヤエル奥崎」
任務を完全遂行する超一流の殺し屋。
持ち前の銃器やロボまでつくるDIYの達人でもある。
標的以外は決して殺さないポリシーを持つ。
標的を殺す手数はサイコロで決める茶目っ気も。
そこらのスナイパーならルパン&次元の敵ではない。
しかし何故か完璧すぎるタイミングでのスナイピングを行なってくるヤエル。
2人とも1発ずつもらってしまう。
実はこの殺し屋。
過去に次元が派遣バイトとして警備していた歌手を殺した張本人でもあった。
「クイーン=マルタ」
東西ドロアの平和を望む人徳者。
ステージ上で悲劇の死を迎えてしまう。
当然やられっぱなしでは終われない。
しかし相対した際の早撃ちでもヤエルに一本とられてしまう始末。
「こりゃやべぇ!」とルパンお得意のスーパードライブで逃げの一手に回るも
倉庫街にて狙撃を受けてしまう。
衝撃的すぎる敗北。
標的ではないルパンは助かったものの、悲痛さと絶望に襲われてしまう。
一方。峰不二子。
「泥棒からは足を洗った」という誰が見ても嘘満天なことを言いながら泥棒稼業に精を出す日々。
しかしこちらも相手に一本とられて囚われてしまう。
そこで変態倶楽部の見世物として全裸に剥かれ水槽にブチ込まれる。
さらに追い討ちのように使徒っぽい殺戮ロボットが投入される。
いつもならどうとでも脱出している場面だが、今回の不二子は自称「普通のショーガール」
殺される寸前まで追い込まれてしまう。
どうする!?不二子ちゃん!!!
…といった具合だ。
まぁ結局のところ不二子はルパンが助けにくるし
次元も死んでないのだが
それはお約束だし!!
とはいえ個人的にグッときた場面も多々ある。
それは全編に漂うハードボイルドな空気が一気に加速する終盤。
ルパンの知恵によって生き延びていた次元がヤエル奥崎と再び相対する。
そしてやはり得意の早撃ち対決となる。
一度は敗けている相手にだけにどうするのか…
そう思っている間に開幕の合図。
手慣れた様子で早撃ちする両者。
先に倒れかけたのは次元だった…が。
勝ち誇っていたはずのヤエルの左腕には文字通りの風穴が空く。
弾丸の重さで勝ちを見た次元。
相手の弾丸に弾丸をブチ込み、互いの軌道を逸らすという離れ業をやってのけた。
弾が重いマグナムはズレが少なく狙った通りに撃ち込める。
よって「次元の勝ち」というわけだ。
化け物だなぁ!!!
そして痺れる一言。
「お前がどれだけ軽い銃を使おうが知ったこっちゃ無いが、俺に言わせりゃロマンに欠けるな…」
さらに全てを終えて一服。
「俺はただ…うまいタバコが吸いてえだけだ…」
「そりゃ…気が合うねぇ…」
そして笑い合う2人。
最高だなぁ!!
ちなみにヤエルがルパン達の動きを先読みできていたのは
「異常なほど街中に設置されている監視カメラの映像を右眼に転送していたから」というもの。
コナン君もびっくりだな!!
それを解き明かすルパンもルパンだが!
IQ300は伊達じゃないです。
…そして衝撃のエンディング。
あっ!? マモーだ!!!
さらにはエンドロール後。
あっ!! とっつぁんだ!!
ファンサービスも忘れない大傑作だ!
ぜひ観よう!酒と煙草片手に!!
余談中の余談。
気がついたら今回が記事数が50本超えてました。
まぁ特になにもありませんが
100本目指そう!!こうなったら!!
ハードボイルドな予告↓
『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』特報 - YouTube
チャイルディッシュなtwitter↓
強大兄弟と破壊獣と死神と。銀河最大のサプライズパーティ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』最速レビュー。ネタバレあり。
アベンジャーズシリーズ第17弾。
『マイティ・ソー』シリーズ完結篇にして終わりの始まり。
全てを内包した超ド級痛快エンタメ大傑作。
最高だ!! 観よう!!!
ネタバレなし感想。
シリーズ未見には少しキツいかもしれない。
それでも90点は叩き出す傑作コメディアクション。
シリーズ好きなら劇場駆け込みましょう。
「ソーシリーズはいいかな…」とか考えてる人こそ劇場へ特攻してください。
過去最高の大暴れっぷりだから!
ちなみにコメディなので吹き替えでの観賞も大いに「アリ」だ。天海祐希普通に上手い。
とにかく老若男女問わず観に行こう!!
最近時の流れは非常に早いとふと思う。
『アイアンマン』1作目が公開されたのが2008年。
あれから早9年、来年で10周年だというから恐ろしい。
当然そんな節目の年にMARVELがなにもしないわけがない。
ヒーロー大集合映画『アベンジャーズ』3作目にして
ある種の完結篇でもある『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が封切られる。
この10年をかけて培ってきたシリーズの集大成。
単純計算で1年に2作ほどはなにかしらシリーズ作が公開されている計算だが
近年ではやたら連発されている気がしないでもない。
それでも毎度のクオリティは満点に近いのだからひれ伏す他ない。
さらに今年は4作公開という怒涛のラッシュ展開ぶりだ。
そしてそれを締めくくるのが本作『マイティ・ソー バトルロイヤル』なわけだが
『アイアンマン』と『キャプテン・アメリカ』を見ればわかる通り単体作は三部作になっている。
当然それに倣い、BIG3ラストの『マイティ・ソー』も今作で完結だ。
とはいえ『2』との間にはちょうど4年の年月が流れている。
合間に『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』を挟むもののそれすら2年前。
『キャプテン・アメリカ』の完結篇であり
「アベンジャーズ2.5」と揶揄されるくらいに
ヒーロー同窓会になっていた『シビル・ウォー』では欠席してしまっていた。
新入生の顔見せも兼ねたピリつく三次会。
元々単体作は影の薄いこともあり「多少扱い雑じゃねぇか…?」と思っていたのは事実だ。
社長やキャップに比べると知名度でも一段落ちている気がしないでもない。
しかしそんな数々の鬱憤を大爆発させる超傑作がここに完成した。
単体作どころか全シリーズ通しても最高傑作と言われる程の恐ろしい出来。
さらに「ソー」だけではなく「ハルク」も同格に参戦。
「制作会社の都合という高い壁のために単体作がつくりにくいからこっちで主人公にしよう!!」
という目論見も大成功。
おまけにMCUでNo.1の女子人気を誇る「ロキ様」も本腰入れた参戦表明。
「30メガトンの核爆弾」達がガチるとヤバい!ということを全世界が強制的に再認識させられる。
そんな100メガトン級なあらすじ。
【宇宙のどこか】
ときは『エイジ・オブ・ウルトロン』の後。
「ソー」は全宇宙の自警人として平和を守るために孤軍奮闘していた。
今日の相手は「最近悪夢に出てくる元凶」な烈火の大巨人「スルト」であった。
どデカくて強い巨人さん。
こいつを放置しておくと故郷のアスガルドが終末を迎える「ラグナロク」の原因となってしまう。
当然笑って見過ごせるわけもなくここ2年でやたらアップグレードされた身体能力と撮影技術で雑魚どもを瞬殺した後に
スルトの眉毛のような王冠を強奪するソーであった。
笑えるほど強いソーさん。
前作でテンション上げすぎてクビになったヘイムダルの替わりの派遣門番の無能ぶりにダメ出ししつつも
「眉毛」を手土産に久々にアスガルドの実家へ帰るソー。
そこには自堕落なニートとなった父の姿があった。
「オーディン」
今作では定年退職後の父親感満載。
やたらロキを持ち上げた茶番劇を葡萄をつまみながら観ているダメ親父に違和感を感じたのかイラついたのか
冗談抜きで「脳天カチ割る」脅しをかけてみるソー。
その正体は…はい、「ロキ」でした。
前作『〜ダーク・ワールド』で父オーディンを追放した後に変装し成り代わったまま楽しく過ごしていたとのこと。
割と平和に地元を治めている政治的手腕に驚きつつも、当然ご立腹なソー兄貴。
「親父はどこだ?」と相変わらず脳天カチ割る気満々な問い詰めをしてみると
「地球にいる」とのこと。
そのまま現場に急行する聖☆おにいさん's。
【地球】
早速オーディンを捨てた現場に行ってみるが
そこはがっつり工事中。
唖然としつつも兄弟喧嘩に発展か…とそのとき。
あの「どこでもドア」が現れる。
「ドクター・ストレンジ」だった。
連れられた先は「177A Bleecker St.」というSHERLOCK丸出しな場所。
ちなみにホームズの住所は「221B Baker St.」です。
「神さんが地球に何の用だ」と無限ビールと等価交換で事情聴取するストレンジ。
「俺の親父が捨てられた」とあっさり恥ずかしい家庭の事情を白状するソー。
「協力してやるからとっとと帰れ」
「地球のパワーバランスがおかしくなる」
となんとかストレンジの協力を仰ぐことに成功する。
神様と魔術師。なかなかコントな組み合わせ。
そして「30分落下させ続けられる放置プレイ」を受けたご立腹なロキと共に地球の果てでオーディンと再会する2人。
「父上…」×2。
しかし大御所にありがちな「凄いこと言ってそうだけど要点が掴めない」話の後に
寿命にて爆散してしまうオーディン。
どうやらソーの悪夢の「ラグナロク」のときは近いらしい。
そうこうしている間に曇天から明らかに善玉ではない最凶悪女が舞い降りてくる。
「ヘラ」死神。どう見てもヤバい女。
一瞥しただけで放置するべきではない相手。
挨拶替わりに即死ハンマーを投げ込むソーであった…が!
片手で抑え込まれた後に、粉々に粉砕される。
それを見て「ありえねぇ…!」と思うのも束の間。
「久しぶりね、弟よ」
ヘラはまさかの長女だった。
「もうこれ2人掛かりでも勝てる相手じゃない!」と
恒例の虹色ワームホールで電撃離脱を目論む長男と次男であったが
あっさり追跡され次元の裂け目に殴り飛ばされてしまう。
飛ばされた先は宇宙の掃き溜めだった。
【惑星サカール】
不時着早々、ハンマーのないソーは万能ビリビリチップによって囚われてしまう。
1作目からそうだがやたらと電撃に弱い雷神さん。
そのソーを捕えた女。
「ヴァルキリー」デキる女。
ソーのような漂流者を人身売買しているハンター。
そして連れていかれた先には…
「これはこれはこれは…!!」
あっ!大塚芳忠だ!!
「グランドマスター」
このサカールの王にして酔狂な男。
さらにその横には…
あっ!!やっぱりロキだ!!!
外界と時の流れが違う精神と時の部屋のようなラグを利用してすっかりグランドマスターのマブダチとなっていた裏切りの神。
そしてその兄弟漫才と血気盛んさを気に入られたソーは
スタン・リーに丸刈りにされた後にグランドマスター主催のコロシアムに投じられることとなる。
嫌々ながら闘うしかないソー。しかしその相手は…
あっ!!「ハルク」だ!!!!
なんとそこにはあの「インクレディブル」な破壊獣がいた。
「いよっしゃぁああ!!!!」
「えっ…???」
辺境の地で顔見知りに出逢えた喜びに打ち震えるソー。
そしてトラウマに支配されるロキ。
しかし相手は言葉と常識と物理法則が通用しない宇宙最強の猛獣。
地球のヒーローなら三途の川を十往復するレベルなガチの殺し合いをする羽目になってしまうのであった。
『シビル・ウォー』の裏側。宇宙の果てで。
お互いなんとかギリギリ生き残るものの
露天風呂付き専用個室にぶち込まれてしまうソーとハルクであった。
それでもこの腐れ縁。利用しない手立てはない。
ソー「協力しろ」
ハルク「ヤダ」
割と片言で普通に喋れるハルクに驚きつつも相容れない2人。
ワイスピを彷彿とさせる壮大な痴話喧嘩をしてしまう。
殴り合ったからと言ってすぐにお友達にはなれないのであった。
一方。最悪長女ヘラさん。
虹色ワームホールで「アスガルド」に入れたことをいいことに乗っ取りを企てる。
手始めに三銃士をあっさり抹殺。
「世渡り上手な派遣バイト」を従えることに成功する。
シリーズ皆勤賞にも容赦はなし。
連射機能を駆使した三国無双のような闘い方に為す術もなく倒れていく兵士達。
しかしそんな窮地を察した漢がいた。
「ヘイムダル」元門番。
黒人にしか似合わないドレッドヘアをなびかせ民衆達を安全圏へと避難させていた。
途中で宇宙のスカイプにてソーに救援を頼むもやはり相手が悪い。
なにより現在ソーは自由な身動きがとれない。
その原因でもある女、ヴァルキリー。
腕の刺青から実はアスガルド最強の女部隊出身であったことが判明する。
それもなんとあの最悪長女ヘラが巻き起こした殲滅戦の唯一の生き残りであるらしい。
壁画的な美術的全面戦争。
しかし今は落ちぶれ酒に逃げるその日暮らし。
そしてハルク。
なんとかここまできたジェット機に残っていた「ブラック・ウィドウ」主演の保存映像にて正気を取り戻し「ブルース・バナー」に落ち着く。
しかしどうにも記憶が『エイジ・オブ・ウルトロン』で止まっている。
なんと2年もハルクのままだったらしい。
「あぁだから喋れるようになってたのか」という観客の合点もそこそこにソーはそんな2人に協力を要請する。
「お前らはどうしようと勝手だ」
「だが俺はヒーローだ」
漢気しかない勧誘とアドリブ満載な漫才の末に宇宙の平和に手を貸すことを承諾する2人。
さらにこれだけでは足りない、と向かった先は…
「サプラァァ⤴︎⤴︎イズ…」
あっ!笑神様だ!!
「皆殺しにするぞ」という脅しももはや弱気なブルースにしか通用しない。
死ぬ死ぬ詐欺の常連にして裏切りの神でもあるためにあまり気が進まないが
そんな贅沢を言っていられる状況ではない。
冗談抜きで今、故郷が危ない。
そんなこんなで
"サーファーくん"
"最強アベンジャー"
"ワンダーすぎるウーマン"
"地球一の嫌われ者"
宇宙最強「リベンジャーズ」が電撃結成!!
相手は史上最悪最強な死の女神。
そんな「跪け!!」が口癖なワガママ長女をブチのめせ!!
グランドマスターの「乱パ用ミレニアムファルコン」を借りパクしたついでに
全宇宙と実家の存続を賭けた容赦なしのドメスティックバイオレンスの幕が上がる!!
もう全篇見所まみれで捨て所なしの本マグロな作品だ。
本作を監督したのは「タイカ・ワイティティ」
元々コメディ畑の監督なのだが、その手腕は遺憾無く発揮されっぱなしだ。
「台詞の8割はアドリブ」とは主演のクリス談だがおそらく比喩抜きだろう。
その場で思いついたような本気漫才ラッシュだ。
コメディセンスも一流なMCUではあるが、ここまで本気でコメディ映画とも言える作品を全力でつくられるともう笑って歓迎する他ない。
ハルクとソーの核爆弾な掛け合いから始まり
大ボケorくそ真面目×天然ボケな怪力タッグ。
ブルースとハルクに振り回される中間管理職さながらなソー。
「子守唄」だけは勘弁な!!
ロキはもう開き直ったようなギャグキャラ。
あざといを通り越した清々しさ。
過去作のことも存分にイジられる。
出演シーンの大半は笑いに包まれる。
その兄弟漫才にはファン卒倒な仲良し度も。
ちなみにジェーンに捨てられたこともここで判明。
「単身赴任しすぎたな…兄貴」
ゲストキャラのドクター・ストレンジも負けじと中の人のホームズネタに始まり
その生真面目さからのギャップで全てを持っていく。
ずっと言われていたホームズ関連も本作でようやく解禁。
ちなみにもう1人のホームズさんも出演はしないもののそのセンスで笑いを取る。銀河の果てで。
どこにいても平常運転。
前評判ではコメディ全振りに賛否あったようだが、観ればわかる。
全世界、圧倒的「賛」だろう。
かといってシリアスさがないわけではない。
本作で相手取るヘラは本気でヤバいやつだ。
「片手でムジョルニアを粉砕した後に三銃士をあっさり殺す」というシリーズをひっくり返すような暴れっぷり。
そしてそれすらただのオードブルだと言わんばかりの無茶苦茶さ。
1人でもソー並みのヴァルキリー部隊を殲滅させた過去は伊達ではない。
もうとにかく強い。
タイマンを挑んだソーは軽く片目を抉られる有様。
楽しそうだなぁ!!ヤバい!!
しかしそれほどの相手がいるからこそリベンジマッチが最高に映える。
終盤。
追い詰められたソーは精神世界にて父オーディンと面会を果たし、衝撃の事実を知ることになる。
ソー「ムジョルニアがなければあいつに勝てません…」
オーディン「お前はハンマーの神なのか?」
「あれはお前の真の力を封印するための枷だ」
ここにきてまたもやシリーズをひっくり返す斬新な新設定が発覚!
しかしそれによって負い目がなくなったのもまた事実。
ノーハンドで宇宙の雷を操れる名実共に「雷神様」にメガシンカするソーさんであった。
闇堕ち感満載だが正気は保ってます。
ここでカットインするメインテーマ。
そして借りを返すかのような無双っぷり。
アガるなぁ!!!!
ここでの鳥肌も名実共にあの「ワンダーウーマン」級だ。
…最終的にはヒーローにあるまじき他力本願なブン投げで物理解決するが!
前述した通りレギュラーキャラが割と死ぬ本作。
代わりにシリーズ初登場なキャラが多いが
その掘り下げもキチンと為されているが故に人間ドラマも熱い。
例えばヴァルキリーはやたらと人間味がある。
過去の失敗を大酒で打ち消そうとする女性。
自分探しに明け暮れるOL感満載なのだが
しかしやるときはやる!ワンダーに!!
シビれる闘うヒロインがまたここに。
敵であるヘラですら感情移入の余地がある。
最凶長女。ヘラ様。
昔は父とも仲良かったのに捨てられた過去。
そりゃ復讐も企てるな!!
というかこのシリーズは大体オーディンの育成失敗が原因だ!!
グランドマスターはその所業はエグいものの吹き替えのせいでふざけてるようにしか見えない。
憎めないやつ。
コレクターとの共演が望まれます。
そしてスカージ。
ヘイムダル替わりの無能門番。
ヘラの恐ろしさに即反旗を翻してしまうある意味一番人間味のあるやつなのだが
根っからの悪人ではない。
事実、仲間であった民衆が倒れていくのは全く良く思っていない。
とにかく全編、上司の不正に巻き込まれた中間管理職の哀愁が漂う。
もちろん黙ってはいられない。
クライマックスにていよいよその鬱憤がアスガルド人の誇りと化学反応を起こし漢気となって大爆発する。
魔法の世界で地球の近代兵器の恐ろしさを思い知らせるエクスペンダブルさ。
これでチャラだ!!!
さらにはレギュラーキャラも今まで見せたことのない面のオンパレード。
特にそれが顕著なのがロキだ。
昔から裏切りが容赦なかった逸話や幼少期の遊びまで。
かと思えば急にヤル気スイッチを入れたりもする。
正直あざとすぎる良キャラになっているが、それがまた楽しいのも事実。
ファンなら身悶え必至だ。
兄弟阿吽の呼吸も見られます。
そしてお得意の「残像ネタ」にもひとつのアンサーが。
逆手に取っていじられたかと思えばあっさり見透かされたり。
そりゃ兄貴もそこまでバカじゃないよな!
パラレルでの兄貴は脳筋極まりないが。
それでいてラストは「ロキならでは」の感動的なシーンで締めくくる。
過去作の使い方が上手すぎるなぁ!!
アクションやビジュアルについてはもはや言うことはない。
毎度のことながら正統進化を遂げに遂げているMCU節が今回も大炸裂している。
IMAXの価値も十二分にあるだろう。
ビジュアルも舞台も腐れ縁チーム感もかなり
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に寄せてきた感はあるが
今後の合流を考えるとこの選択はかなり素晴らしいと思う。
MCU恒例のエンドロール後のおまけではサノス軍と相見えそうな雰囲気だったし
おそらくその『リベンジャーズ』の窮地を『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が救ってくれるんだろう。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への橋渡しも完璧だ。
とにかくどこを見ても不平不満が一切出てこない孤高の最高傑作っぷり。
強いて挙げるならみんな大好きダーシーちゃんが不在なことくらいだ。
眼鏡&隠れわがままボディなコミックリリーフ。
MCUの中でも飛び抜けて好き。
まぁ宇宙の話だし仕方ない!
それでも「基本的に試写会が当たったものは劇場に行かない」主義が例外になり得る出来だ。
字幕でも観たいし!!
最後に。
熱狂的なファンが多いシリーズだけに今回の試写会にはコスプレして観に来ている方がいらっしゃった。
ロキコス着てる女性だったが普通に似合いすぎててカッコよかった。
そのうち俺もデッドプールコスで乗り込みたいなぁ!!
そういえば原作のデップーはヘラと似たような「死を司る女神」デスと恋仲だった。
とんでもない女と付き合ってたな!!
すごいよ!!デップーさん!!!
『デッドプール』いろいろバレあり感想!最高にCoolでCrazyな映画だ!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
作中で最もビッグなサプライズ。
序盤のロキをアゲる茶番劇。
そのロキを演じていたのは…
あっ!マット・デイモン!!?
なにしてんだ!!?お前!!!!
傑作の雰囲気が滲み出ている予告↓
ダメ人間味が溢れ出ているtwitter↓
難易度ベリハでおそ松さん。『セブン・シスターズ』感想。バレあり。
「闘うヒロイン特集」第三弾。
七つ子姉妹vs最悪絶望郷。
手加減&情け容赦、一切なし。
絶望のドン底で信じられるのは互いの絆のみ。
加速する絶望に耐えられるか。
一筋の希望を撃ち抜け!!
いきなりだが俺は3人兄弟だ。
6つ上の兄と9つ上の姉がいて俺は末っ子にあたるのだが、この2人がまぁとにかく出来た人間だ。
詳しくは話づらいがどちらも第三者からしたら相当な理想形であることは想像に難くない。
恋人にしたいランキングの1位から10位までを余すことなく詰め込んだ挙句に磨き上げたような真人間とでも言おうか。
身内がここまで褒めるのも気持ち悪い話だが、贔屓目に見てもほぼほぼ完璧であることは認める他ない。
というかうちの家系はどこをとっても全てにおいて90点超えを果たすような方達なのだが、一方でそれを見てきた俺は。
なにをしようが負け戦になってしまう負い目から自堕落な駄目人間となった。まぁバレてるだろうが。
もちろん兄弟に恨みなどは一欠片もないものの、やっぱりどこか羨望に似た嫉妬はあることは否定できない。逆恨みだな、これ!!
2人して今年に入ってから立て続けに結婚したことに関して「ちょっとは遠慮してくれ!」と思ったことは本音だ。
しかし長男である友人などに聞いてみれば「上には上の苦労がある」とのこと。確かに全てにおいて下に抜かれるわけにはいかないというプレッシャーは想像を絶するものがあるだろう。
かと思えばひとりっ子からすれば「兄弟いるのは羨ましい」という意見も出る始末。
結局は隣の芝生は青いということだろう。
しかしそんな議論を全て無に帰す作品が海の向こうからやってきた。
本作の主人公はなんと七つ子姉妹。
姉妹間のギスつきや絆は他の比ではない。
さらにその舞台はひとりっ子至上主義。
2人目以降は政府によって強制冷凍保存される絶望郷。
彼女らからすれば俺らの悩みなんぞ青いどころの話ではない。
こんな世界に生まれなくて本当によかった。
そんなありがたみを痛感するあらすじ。
上記したように主人公達は七つ子姉妹。
産まれたときから実の両親を失くし、代わりにウィリアム・デフォーに育てられていた。1人が事故で指を失えば他の姉妹の指すら落とす漢気満載な育メン。
「7人だしそれぞれ曜日の名前にしよう!」という安直を通り越した清々しさもそのままなんとか大人になるまで成長する。
しかし皆の表情は明るくない。
なぜならこの世界は「人口爆発を抑えるために子供は1人しかつくっちゃだめ。それ以上の子供は政府が隔離して冷凍保存します。」という暗黒すぎる絶望郷だったからだ。
各々不満はあるものの、そこは七つ子。
むしろそれを逆手にとり協力して「カレン・セットマン」という人間に成り済ますのであった。なかなか板についてきたものの大家さんとの会話をシェアし忘れるなどのうっかりもそこそこに今日も仕事に行くマンデーであった。
しかしそこで事件は起こる。
基本的にその性質からバレたら終わりな綱渡り人生。夜遊びなど以ての外なのだが次の日の朝になってもマンデーが帰ってこない。
しかし待っているだけでは埒があかない。
姉妹の身を案じるがあまりに「一度に外に出るのは1人だけ」という鉄の掟を破ってしまう。
「なにより仕事もあるし!」とチューズデーが電撃出勤するも
いつも身につけているはずのGPSの信号が途絶えてしまう。
一体何が起きているのか?
なにかを知っている風な上司。
暗躍する政府の人間。
誰が味方で敵なのか?
信じられるのは姉妹の絆のみ!
全方位真っ暗な暗黒の世界で割と普通めな姉妹達が奮闘する!!滾るなぁ!!!
とにかく目玉は主演の七つ子だ。
演じ分けたナオミ・ラパスのコメントと共に紹介させていただこう。
MONDAY。聡明な野心家。
「子供の頃から常に自分を犠牲にして、家族の期待に応える努力をしてきた。でも恋に落ちて、心の中に嵐が吹き荒れた時、今まで自分が守ってきたルールに疑問を抱き始める。冷酷でわがままなようにも見えるけど、その仮面の下は、愛を追い求める女性なの」
序盤の主役。話の発端でもある。
ぶっちゃけ黒幕なのだがその理由は「恋した男性との間に子供ができたから」というもの。
わがままとも言えるが実際そうなったら姉妹より優先してしまう気持ちはわからなくもない。
TUESDAY。繊細なヒッピー。
「自由な精神の持ち主。繊細で、心を落ち着かせるためにマリファナを吸っている。いつもハッピーで、他の姉妹たちに対して優しく、何事も受け入れるタイプね。外の世界で生きられたらヒッピーになっていたでしょう」
優しい温和なタイプ。
網膜スキャンのために生きたまま目玉をくり抜かれるなどエグすぎる目に遭うも、生き抜く覚悟を決める。
WEDNESDAY。恐れ知らずの戦士。
「恐怖心とは無縁の本物の戦士。トレーニングが大好きで、ボクシングや武術にはまっている。他の姉妹たちは彼女が運動をし過ぎて一人だけ体型が変わってしまうことを心配しているの」
姉妹間での戦闘力は随一。
身体を鍛えることに余念がない。
追っ手との戦闘では一番いいところまで行く。
中盤ではただ1人で政府との闘いに出向くも…
THURSDAY。ワイルドな反逆者。
「子供の頃から常にルールを破り、自分のやり方を押し通すためには権威にも盾突いてきた。月曜とは対照的ね。そんな彼女も戦いの中でリーダーとしての責任に目覚め、大人へと成長していく」
幼少期にスケボーしたさに一度掟を破った経験あり。
わがままではあるが中盤以降の主軸となる。
責任感は姉妹一。イケメン。
FRIDAY。天才肌の理系ブレーン。
「ものすごく頭が切れる、姉妹のブレーンのような存在。ただし自分の世界に生きていて、他人との交流が苦手。他の姉妹は外に出たくてたまらないのに対して、彼女だけは外で人に接することを苦痛に思っている」
大人しめの眼鏡っ娘。ITを駆使し姉妹の頭脳となる。
そしてなにより家族を愛している。
弱気で守られるタイプだが終盤にてその秘められた漢気が大爆発する。
SATURDAY。パーティ好きのロマンチスト。
「セクシーで、女性らしい格好を好み、陽気で、何に対しても積極的で、とてもロマンチックな女性ね。17歳の時に恋に落ちたけれど、祖父から感情的になると弱点を突かれるという理由で反対され、他の姉妹たちのために諦めた経験があるの」
明るめの遊び人。
軽めの発言も目立つ。
しかし中盤で処女ビッチであることが判明する。
その際のベッドシーンは見所のひとつ。
ファッション含めて一番可愛い。
SUNDAY。慈愛に満ちた仲裁役。
「一家の母のような存在。しっかり者で、いつも他の姉妹たちの心配ばかりしていて、自分のことは後回し。姉妹が喧嘩を始めると仲裁に入るのが日曜よ」
大黒柱。一番大人。
しっかりした母親のような立ち位置。
しかしその母性ゆえに…
このように顔以外はバラバラな姉妹。
とにかくこの7人がわいわいやっているだけで楽しい。観賞前は「7人も演じ分けられるの?」と思っていたが、答えは「むしろ同一人物なの?これ?!」だ。
大抵この手の1人何役ものはどこかで冷めた気分になってしまうことも多いが、本作に至ってはそれが全くない。
観ているうちに本気で別人として認識できる。
これぞ演技派実力女優だ。
そのメンバーがあまりに独特で最悪にも程がある世界に立ち向かう。
このオリジナリティだけでももう傑作だ。
さらにその世界観の描き方にも抜かりはない。
終盤にて明らかになるのだが、ひとりっ子以外は強制殺処分される程に人命が軽い。
つまりは当然追っ手の連中も容赦が全くない。
とにかくバッタバタと人が死ぬ。
もう冗談のように!
意味ありげな上司は牛乳飲んでる途中にスナイプされ、一番先に勘づきそうな管理人は挨拶代わりに脳天を撃ち抜かれる。
そして姉妹も例外ではない。
序盤の強制家宅捜査にてサンデーが殺され
武闘派であったウェンズデーは善戦するもののビル間を飛び越えた瞬間に対面から撃ち殺される。
フライデーは家族のメモリーを守るために追っ手を引きつけた後に、漢気満載な大自爆。
サタデーは決死の想いで真相に近づいた直後のテレビ電話にて姉妹の目の前で射殺。
もうとにかく普通に死んでいく。
それにより展開が掴めずに緊張感が加速する。
まぁさすがに七つ子を演じるのがダルくなった可能性も捨てきれんが!
それでもただでさえ全方位絶望しかない世界で唯一頼れる姉妹すら呆気なく殺されていくのは凄惨という他ない。全篇、本気で救いありません。
しかし主人公達はただの一般人女性。
この儚さには妙な生々しささえある。
設定上は一般人な癖にやたら主人公補正がかかるということがない。
作風的にも大正解だ。
ちなみに原作では主人公達は男の七つ子らしい。
それも相まって今回も観ている最中に「これがもしステイサムだったら」ということを考えてしまった。まぁいつもの悪癖だ!
MONDAY。冷酷なトランスポーター。
TUESDAY。アドレナリン全開の自由人。
WEDNESDAY。セイフとは程遠い破壊屋。
THURSDAY。ブリッツ(稲妻)アウトサイダー。
FRIDAY。メカニックなプロフェッショナル。
SATURDAY。ワイルドすぎるスピード狂。
SUNDAY。エクスペンダブルな弟分。
…書いてて思ったが誰が相手になるのか!
エイリアンの大群でも10分持たないな!!
vsガチ米軍くらいじゃないと映画にならん!!
でも面白そうだなぁ!!!
余談だが「登場人物、全てステイサム」 なCMがある。
JASON STATHAM in LG G5 mobile phone commercial 1 APRIL 2016 X2 - YouTube
…なかなか気が狂ってるなぁ!!!
きっと夜中に会議が行われたんだろう!!
とにかく普通のアクションの型に嵌らない本作。
むしろ趣きとしてはサスペンスに近い。
それでも独特の雰囲気を全てプラスに変換し
演技力でゴリ押しする姿勢には批判の言葉を失う。
「伏線が〜」やら「合理的じゃない〜」だの言い出す方には向いてないかもしれない。
しかしそこにはそれ以上に大事な絆がありアクションがあり希望がある。
「兄弟間で喧嘩するくらいなら世界と喧嘩しろ!!」という漢気アンサーを身体を張って明示してくれる傑作だ。
観に行こう!!兄弟で!!!
シリアスさが垣間見える予告↓
七つ子が一人の人間に成りすますSFスリラー 映画『セブン・シスターズ』予告編 - YouTube
シリアス無縁なtwitter↓
飲んで吸って殺して、欺いて。『アトミック・ブロンド』感想。バレなし。
「闘うヒロイン特集」第二弾。
恵まれた環境からまさかの豪速変化球。
誰もが思う「予想と違う!!」
映画通ほど騙される。
それでも面白い不可思議傑作。
今最も地球上で漢気が爆発してる女性といえば。
やはりシャーリーズ・セロンを置いて他にいないだろう。
「美しい」としか言えないそのご尊顔。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では敵、味方、性別を超越した圧倒的カリスマ性を発揮。
軍隊長「フュリオサ」もはや主人公。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』では今まで全ての元凶とも言える最悪なラスボスを演じた。
「サイファー」
スーパーリケジョな天才ハッカー。
そんな大傑作に立て続けに出演した後の本作。
期待するなという方が無理だ!!
さらに監督は『ジョン・ウィック』のアクション監督にして『Deadpool 2』を監督することが決定している「デヴィッド・リーチ」
共演者には『X-MEN』シリーズの「ジェームズ・マカヴォイ」
この俺の大好物のフルコース、というか一流どころのロイヤルストレートフラッシュ状態。
2017年のマストの一本といって差し支えなかった。
そしてまぁよくあることで試写会が当選した。
ウキウキでいち早く鑑賞させてもらったのだが
観賞後の感想は「思ってたのと違う」だった。
いや、決してつまらないわけではない。
今回はありがたいことに2回試写会が当たったのだが
観れば観るほど味が出て来る傑作だ。
そんな観客すら欺くあらすじ。
主人公ロレーン・ブロートンは超凄腕のスパイ。
MI6所属にして情報収集、近接格闘のプロ。
出来るオンナの1日は氷風呂から始まる。
今日のお仕事はMI6の上司とCIAのお偉いさんに任務の報告をすること。
とりあえず取調室に呼び出されたものの、ロレーンに従う気はゼロ。
思いっきり煙草を吹かした挙句に悪態を吐き捨てるロレーンであった。
満点のオープニングだなぁ!!!
映画のつくりとしては「ロレーンが行った任務の回想聞く」という体で進んでいく。
つまりほぼ主人公が死なないのは確定してるようなもんだが
まぁシャーリーズ・セロンが死ぬわけはない。
その任務とは「ベルリンで殺された同僚の死の真相を暴いてこい」というものだった。
そしてそれには全世界のスパイの情報が詰まった「リスト」が関わっているらしい。
どうやら冷戦が20年長引く物騒な代物とのこと。
ちなみに「リスト」は腕時計にカモフラ。
リストとリスト(腕)をかけたシャレです。
現場に急行するものの、そこは'89年のベルリン。
東西問題で非常に不安定な場所だった。
とりあえず明らかに怪しいやつらを車を横転させて殺害するなどド派手な活動に勤しんでいたところ、1人の漢が接触してくる。
デヴィッド・パーシヴァル。
情報で酒が飲める集会所を開いていたり乱交パーティしたり腹の底から人生楽しんでるナイスガイ。
この地での案内人兼相棒としてタッグを組むことになるが…
クールなロレーンとウキウキデヴィッド。
その影には怪しげな女スパイの姿があった。
デルフィーヌ・ラサール。
さて、リストの行方は?
誰が味方で誰が敵なのか?!
三つ巴なのか四つ巴なのか孤軍奮闘なのか!?
自分以外は誰も信じられない!!
疑心暗鬼で人間不振な泥沼の闘いが幕を開ける!
…というもの。
上記した通り舞台は'89年のベルリン。
東西でややこしいことになっていたらしいが
正直なところ詳しいことはよくわからん。
そんな俺の心を見透かしたようにオープニングで
細々と当時の社会情勢を説明した後に「これはその物語ではない」と注釈が入る。
素晴らしいなぁ!!
本作の見所はそんなお堅いものではなかった。
一言、シャーリーズ・セロンの美しさ。
度々顔のアップが抜かれるのだが、
もう見惚れるしかない美麗さ。
…かと思えば青アザ流血上等な血みどろファイトを繰り広げる。
物語が進むにつれ顔面がボッコボコに。
そして惜しげもなく脱いだと思えば
ソフィア・ブテラとの濃厚な絡み。
目覚めるしかない!!
さらには酒を煽り
煙草を吸いまくる。
観てるこっちが悪酔いするほどに!
正直、全編シャーリーズ・セロンのアイドルPVと言って差し支えないほどだ。
しかしこの男女平等が叫ばれる時代。
こういう映画が出てきたのは非常に素晴らしい。
考えてみればどれも今までエクスペンダブルズな俳優陣やトム・クルーズがやってきたことだ。
それが女性でもなんら問題なく成り立つことを証明した。
つまり本作ではカッコいいセロンが暴れまくってくれればオールオッケーだ!!
かといって男性が蔑ろにされているわけでもない。
相棒のデヴィッドは男が惚れる漢な仕上がり。
ギブスを巻いた異様な出で立ちで登場。
こちらも飲んで吸ってのやりたい放題。
心底楽しそう。
まぁつまり本作はキャラ映画とも言えるだろう。
そしてR15指定なだけあって全てにおいて手加減はない。
例えば全篇に漂う極彩色のビジュアル。
『スーサイド・スクワッド』を連想するのような蛍光色のオンパレードなのだが
これがとにかくめちゃくちゃ綺麗。
それにより罵詈雑言すらカッコいい奇跡が起こる。
しかしそんな中での闘いは非常に泥くさい。
『ボーン』シリーズから受け継がれる身近なものを利用した殺人術のオンパレード!
確かに女性が男相手に躊躇していられるような甘い状況ではない。
むしろ「男は引っ込んでろ!!」と言わんばかりの暴れっぷりを見せつける。
鈍器で殴打する。血は吹き出る。
挙句には車で撥ねとばす。
終始、問答無用!!
さらに中盤では映画史に残る圧巻の「長回し」がある。
体感では10分ほどだが、これがもうとにかく凄い。
手始めには階段での高低差アクション。
階段での印象的な長回しアクションといえば『トム・ヤム・クン!』が挙げられるが死屍累々の階段バトルからの一騎打ち。
「10年に1人のアクション俳優」トニー・ジャー主演2作目。
Wikipedia曰く「全編にわたって常人によるものとは思えない程のアクションシーンが連続する」傑作。こちらもこちらで必見。
しかし本作はそれとはまた違った素晴らしさがある。
前述した通りアクションのエグさ、そして多様さ。
なんと本作の長回しではカーアクションすら巻き込む!!
マジでどうやって撮ってるのか不明。
その地で繰り広げられるスパイ合戦はかなり渋い。
大抵この手の映画だと先が読めたりもしてしまうのだが、本作ではそれがほとんどない。
誰が味方で誰が敵なのか。
最後の最後にストンと落ちる快感が倍増だ。
以上の
・極彩色のビジュアル
・泥くさいアクション
・渋いスパイ戦
この相反しかねない3つの要素を「80年代」で無理やり包み込む。
思えば近年ではリバイバルブームでもある。
やたらと映画のサントラや予告で懐メロが流れる時代だが、本作ではそもそも舞台が80年代。
それを最先端の技術でやたらスタイリッシュに映像化しているわけで
もう独特の魅力に満ち溢れている。
いわば『ジョン・ウィック』の姉妹作とも言える
別ベクトルのような同種のような。
クロスオーバーしても違和感はなさそう。
少し残念だったのはせっかくソフィア・ブテラを使ったのにアクションがほぼゼロだったこと。
『キングスマン』より。
フュリオサvsガゼルを期待していただけに。
余談だが、エンディングに入りそうなタイミングが3回くらいあったのも気になるといえば気になる。
サスペンスものでは後半にネタバラシが連続で入り込んでもたつくのは仕方ないといえば仕方ないが
まぁそれも様式美ということで!
トータルで言えばハマる人はとことんハマる不可思議な傑作だ。
割と惨いアクションもありデートにはあまり向いてないが、友人同士で行くにはもってこいだ。
むしろ女子会前のウォーミングアップには最適かもしれない。
そのお洒落さには女子こそ惚れる。
男はただただひれ伏せ!!!
新世代な80年代に酔いしれよう!!
お洒落な予告↓
非洒落なtwitter↓