ダイヤモンドというより鈍い黒鉛。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』感想。バレあり。
今夏一番の問題作。
絶望の実写化。
しかし意外にも「ベネ」な出来。
総括、ファンは見ても見なくても良し。
ファンじゃないならどっちでも良し。
感想はほぼ銀魂と同じだ!!
今さらになって説明するまでもない
超傑作ジャンプ漫画。
「マイナー界一のメジャー」と言われていたのも今は昔。
アニメ化も無事に為され、若年層の知名度はかなりのもの。
個人的な付き合いは10年ほど前まで遡る。
当時世界で一番低知能と言われる中学生だった俺は
それはもうジャンプ漫画にどハマりしていた。
現行も過去も関係なしに単行本を買い漁る日々。
メジャーどころには悉く手を出す見境のなさだったのだが
そこで出会ったのが「ジョジョの奇妙な冒険」だった。
ファンの間でも共通する「入り口となる絵柄が特徴的すぎて受け入れられない」という最初にして最後のハードルを超えた後は
その世界観にどっぷりと浸かることになるのであった。
当時ジャンプにて連載されていた『太臓もて王サーガ』というパロディまみれの作品が大好きだったことも手伝って見事にジョジョ好きは加速した。もはや伝説の人気投票回。
とにかく俺のオールタイムベスト5に入りかねないほどに大好きな作品。
それが『ジョジョの奇妙な冒険』だ。
しかし今でこそ市民権を得たもののニッチな作品であることは変わりない。
ファンの中にも原作至上主義派は非常に多い。
アニメ化が発表された当初もネットが荒れに荒れたのは記憶に新しい。
いざ世に出てみれば納得をせざるを得ないほどに原作愛に溢れた傑作だったわけだが高すぎたハードルを超えてきた好例。
しかし実写化となれば話は別。
2次元→2次元はなんとかなるだろうが
2次元→3次元は文字通り次元が違う。
近年実写化ラッシュだったために戦々恐々とする日々。
なにより邦画とファンタジーは非常に食い合わせが悪い。
加えてこだわり強めなファンに受け入れられるものか。
そんな中、実写化のニュース。
内臓を捻り潰されたような衝撃であった。
ジョジョの中では唯一日本が舞台な第4部。
それはまぁいいのだが、主演が山崎賢人。よく見る宣材。
賛否を通り越して「むしろこれで納得するファンがいるのか」という気持ちになった。
山崎賢人自体は好きでも嫌いでもないのだが
こうも漫画原作が続くと「ヘイト集めすぎて大爆発しないか?」という変な心配まで出てくる。全部、山崎賢人。
マネージャーが優秀なのか馬鹿なのかはわからないが、決まってしまったものは致し方ない。
なにより俺は二次創作も割と愉しんできた。
やりたいこと全部詰めな外伝小説『JORGE JOESTAR』も楽しんだくらいだ。(悪)夢のスーパージョジョ大戦。
真面目なファンは読まない方が賢明だ!!
まぁ今回も別物と割り切ろう。
それになによりブログのネタにもなる。
…ということで『スパイダーマン ホームカミング』の2回目をわざわざ蹴ってレイトショーに駆け込んだ。
劇場一大きいスクリーンで観客は俺以外に3人。
それも皆、若い女性。
というなかなか愉快な状況の中で
近年稀に見る集中力でガッツリ観賞した。
…まぁ意外と言ったらあれかもしれんがかなりの良作だった。
低すぎるハードルのおかげか、観賞状態の良さが加点要素だったのかはわからんが
とにかく一見の価値はあった。
ちなみに今回も『銀魂』同様に原作ファン向けな記事だ。
忠実+α=大成功。『銀魂(実写)』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
というかファン以外は観に行くのか?
まぁ山崎賢人ファンと山田孝之ファンは行ってもいいかもしれんな!
さて。
ストーリーとしては『第一章』ということもあり
第4部の導入から始まり
キャラ、背景解説→vsアンジェロ→vs虹村兄弟
の流れといえばファンには伝わるだろう。
正直サブタイトルが「前編」ではないだけに
おそらく三部構成ということを考えると
これしかないな、という纏め方だ。
というかストーリーラインはほぼ完璧といっていいだろう。
原作のエピソードを上手く取捨選択し、重要な場面を拾い繋げている。
若干途中で三池監督の癖でもある間延びした箇所もなくはないがドラマ的な盛り上がりを考えると許容範囲。
細かい変更点などはあるものの
原作ファンでも不満はほぼ出ないと言って差し支えない。
それよりも問題はキャスティングだ。
『銀魂』のときにも書いたが実写化の最大のハードルでもある。
逆に言えばここさえ超えてしまえばなんとかなる、とも言えるが!
結論から言えばキービジュアルを見たときの違和感は観賞後の今も拭えてはいない。
それでも頑張ってはいるな!!というのはひしひしと伝わってくる。
とりあえず例のごとく1人ずつ見ていこうかと思う。
演じるはすっかり実写化俳優な山崎賢人。
別ベクトルではあるものの顔が綺麗なのは素晴らしい。
それでもやはり目につくガタイの違和感。
ここは素直に設定通りに今流行りのハーフタレントを使えば…と思わずにはいられない。
それでも喋り方や表情のつくり方から努力は見られたような。
影の薄いジョジョも新鮮といえば新鮮。
広瀬康一。同じく主人公にして語り手。
演じるは神木隆之介。
雰囲気を考えると彼しかいない。数年前なら。
多少の学ランのキツさはあるもののまぁまぁな及第点。
ただ演技力は流石の一言。伊達じゃない。
虹村億泰。当初は敵だが後に仲間に。
演じるは新田真剣佑。
正直今回まで存じ上げなかった俳優さんではあるが
どちらかといえば仗助っぽさがある。
それでもそのイケメンフェイスを気にせずに億泰を熱演。
ちなみに真剣佑君はあのサニー千葉のご子息らしい。
羨ましいなぁ!!
うっすら見覚えがある女優さん。
今回はあまり出番はないものの
そのヤバそうな女感は100点。
サイコなメンヘラオーラがエグい。
実写化とはこういうこと、という見事なお手本。
出番が増えるであろう次回作に期待。
『銀魂』に引き続きの実写化出演。
顔の綺麗さでは出演陣の中でもトップクラス。
少々綺麗すぎるがそれが、バッドカンパニーの司令塔っぽくもある。
個人的には可も不可もなく。
ちなみに岡田君はジョジョファンらしい。
あの名台詞も聞けます。
ご存知3部ジョジョにして仗助の甥。
オーラと頼もしさは流石だが少々線が細い。
アンジェロ。演じるは山田孝之。
もはや今回の主役。
オープニングはここから幕を開ける。
連続殺人犯にして水と一体化するスタンド「アクア・ネックレス」の使い手。
そしてなによりゲスい小者。
よく考えるとビジュアルが似てるわけではないのに普通にものにしてるのが凄い。
どこから見てもただのアンジェロ。
安定感といいこれぞ実写化。文句なし。
ちなみに形兆とよく絡むのだが配役も相まって『銀魂』を連想する。これと同キャストな奇跡。
東方朋子&良平。それぞれ仗助の母と祖父。
演技力の高さと安定感◎
しっくりくるとしか言えない。
これぞ名サポート役。
ちなみに観月ありさは"4代目"の実写"サザエさん"。狙ってるのか!!まさか!
そこも含めて完璧だ!!!
…とまぁ合っていたりいなかったり高低差激しい面々ではある。
だが長年のファンであればあるほどに自らのイメージとズレが出てくるのは目をつぶるしかない。
例えば俺の中で承太郎は「阿部寛」or「長瀬智也」だった。阿部寛。
ガタイ、頼もしさ、声の渋さ。
そして日本人離れした顔つき。完璧だ!!
長瀬と松岡。
どことなく承太郎とポルナレフっぽい。
しかしイケメンだなぁ!!!
あんまり賛同してもらえないが!!
他にも億泰。
個人的には桐谷健太一択だった。
そして吉良吉影。
本作にはまだ登場しないが
こいつこそ伊勢谷友介だろう。
影のある潔癖な精錬さ。
さらにいえば俺の長年のイメージはこれだ。
川尻浩作が伊勢谷友介。
完璧だな!
というか北村一輝は万能な気もする。
承太郎も同時にこなせるし!!
…しかしそれでも「現在ジョジョを邦画として実写化するならこうするしかない」最大級の出来であることだけは言える。
例えばロケ地。
原作からして日本が舞台ながらどこか異国情緒がある世界観。
「それなら海外ロケだ!」と本作はスペインにて撮影敢行。それによりキャストは全て日本人ながら、どこか不思議な空気感を醸し出すことに成功している。
そのまま実写化する、というよりは雰囲気を大事にする方に舵を切ったのは英断といえよう。
事実、どこを切ってもジョジョ感が満載の絶景だった。
正直これだけでも元はとれたようなものだ。
そしてなにより重要なファクターである
「スタンド」の表現。
いわゆる具現化された超能力なのだが
良くも悪くも漫画的表現であるこれをどう落とし込むのかと思った。
CGか特殊メイクか、最悪画面に映さずに演技力合戦か…とある程度の覚悟はしていたが
「完璧!!」としか言えない出来。
邦画史上No.1と堂々と言えるだろう。
というか海外に出しても全く見劣りしないクオリティだ。
ここだけは全原作ファンが納得するであろう出来。
これによりスタンドバトルがどれも全て見所となる奇跡。
よくぞやってくれた!!
特に「アクア・ネックレス」の質感は見事。というか日本にこんな技術あったのか!すげぇ!!
多数の公式動画が上げられてるので一見の価値ありだ。
トータルで言うと
脚本○ スタンドやロケ地◎ キャストは所々◯
という普通に楽しめる佳作だ。
それでも前評判の悪さ、「もう実写は…」というファンの声に圧されて大コケ。
さらに間の悪いことに今夏は洋画の大作ラッシュ。
騎士王vs海賊王。夏休み頂上決戦!! - 高速回転する方舟の片隅で。
「これ観るなら他の観るわ」という意見には一切反論はできない現状だ。
それでもサービスデーに肩の力抜いて観る分には十分元は取れる…とは思う。
俺は割引駆使してほぼタダで観たが!!
それでも続編製作のためには是非一人でも多くの方に見てほしいところではある。
個人的には続編登場必至な吉良吉影役の俳優が気になるし!!
まぁジョジョ好きの友人同士なら酒のツマミ程度にはなる本作。
無碍にバカにできない傑作だ。
ただハードルは下げていこう!!
まだ劇場でやってるかは知らんが!
怪しげな予告編↓
映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』予告1【HD】2017年8月4日(金)公開 - YouTube
光らないtwitter↓
さぁ、人生のリベンジマッチだ。『ミックス。』感想。バレあり。
よくあるラブコメと侮るなかれ!
その実、エクスペンダブルズ。
終盤にて誘爆しまくる漢気の連鎖反応は必見だ!!
普段の俺が偏差値低めのアクション映画ばかり観てるのはもう隠すまでもないだろう。
まぁ別に隠しちゃいないが。
オールタイムベストを聞かれた際にはランキングがアメコミかステイサムで埋まってしまうほどだ。
しかしもし仮に「日本のドラマ限定」だとしたら。
間違いなく上位にくるのが『リーガルハイ』シリーズだ。
痛快変化球法廷コメディ。
リピート率は『トランスポーター』に及ばないが、それでも各話10回ずつは観てるほどに大好きだ。
3期はまだなのか!!
主人公は以下の2人。
「古美門研介」無敗の天才弁護士。
人間的には欠陥だらけだが、その想像を絶する豊富なボキャブラリーで「対戦相手」を完膚なきまでに叩きのめす論破厨。
暴言、極論のオンパレードだが何故か真理を突きに突きまくる。
「黛真知子」その相方。
わかりやすいまでに真面目で熱血な新人弁護士。古美門に何度打ちのめされても折れない鉄の意志を持つ。可愛い。
この2人を中心として繰り広げられる勧善懲悪とはいかないストーリー。
それでも最後はスカッとするオチ。
本作ではその脚本家でもある古沢良太と主演の1人でもある新垣結衣が再タッグを組んだスポーツコメディ映画だ。
まぁ個人的に古沢良太はどちらかといえばドラマの方が合ってる気がしないでもないが
それでも期待しないわけにはいかない。
公開月でもある10月は洋画ラッシュもある程度収まってることもあり頭の片隅に置いていたのだが
ありがたいことにまた試写会が当たった。
今月4回目の!!
相変わらず運だけは良い自分を褒めながらも六本木ヒルズに乗り込んだ。
キャストが10数名登壇した舞台挨拶もそこそこにどデカイスクリーンとプレミアシートでの観賞開始。
そんな一言で言えば「最高」の環境で「なんとなくストーリーは頭に入れてた程度の邦画ラブコメ」という比較的リラックスした状態で観ていた…のだが
観賞後には
「四捨五入すればエクスペンダブルズだな!!これ!!」
というとんでもない感想を抱くことになった。
まぁなにを言ってるのかわからないとは思うが、それは平常運転ということで許していただくとして。
そんな漢気満載なあらすじ。
真面目な感想が読みたい方は他のブログかSNSに行こう。今すぐにだ!!
主人公「富田多満子」は元天才卓球少女。本作のスタローン枠。
しかし学生時代なスパルタすぎる母親が死去。元々あまり卓球が好きではなかったこともあり、現在は卓球とは縁を切り普通の幸せを願うOLとして暮らしていた。ちなみに王子様脳。
そんな最中。
勤務している会社がプロ卓球チームを設立。
リーダーとして「江島晃彦」が配属されてくる。
いけ好かないイケメン。あぁ!ただの嫉妬だ!
そして幼少時代に出会ってる王道。
当然3秒で恋に落ち、付き合うことに。
しかし「幸せとは人生のCMのようなもの。長くは続かない」(談:デップー)
サプライズで晃彦の家に潜んでいたところ同じく配属されてきたプロ卓球女子「小笠原愛莉」のセンテンススプリングな場面に遭遇してしまう。
まぁスタローンなら無言で立ち去る場面だが
多満子は至って普通のOL。
涙ながらに職場に退職届を叩きつけた後に田舎へ引っ込んでしまうのであった。
そして昔馴染みと酒を酌み交わしながらの慰め合い。
熱気は違えど友情の素晴らしさは全人類共通。
一方。
もうひとりの主人公。「萩原久」ステイサム枠。
多満子と同じように嫁さんの不倫現場に遭遇したものの
こちらは相手の男を半殺しにした元プロボクサー。
ステイサム感溢るるいい設定だ!!
しかし実は壮大な勘違いだったことが判明。
職と家族を失い、田舎に逃避行してきたのであった。
それでも家族を忘れることはできない。
「卓球クラブに入部した娘とラリーがしたい」という男泣き必須の理由で近くの卓球サークルに通うことにする。
もはや『ハミングバード』ステイサム。
しかしそこには暇を持て余していた多満子が臨時コーチとして在籍していたのであった。
実はここに来る電車の中で初邂逅していた2人。
そこでいきなりゲロをぶっかけられたこともあり久は敵意剥き出し。
最悪な運命の再会となるのであった。
そんな中。
晃彦と愛莉は公私共に相性抜群なパートナーとして大会を荒らしに荒らしていた。
ちなみに性格としては共に最悪。
わかりやすい強敵だなぁ!!!
当然やられっぱなしでは終われない。
卓球サークルで急造チームをつくり大会に出場することにする。
ペアその1。
多満子&久の負け組コンビ。
ペアその2。
ペアその3。
地元農家夫婦にして不戦連敗記録だけは立派な落合元信&美佳のお人好しタッグ。
意気揚々と試合に臨むものの現実はそう甘くない。
多満子は15年のブランクがあり、久はど素人、他の面々は趣味レベル。
あっさり敗退してしまうのであった。
しかし「このままではダメだ!」とリベンジを近い次の公式戦に登録。
そして猛特訓を開始する。
コーチは行きつけの中華料理屋の店長夫妻。
「中国人は卓球が上手い」という偏見そのもの。
なかなかにいい感じでチームとして仕上がってくるのだが、やはり幸せは長くは続かない。
なんと晃彦がヨリを戻したいなどとほざいてくる。
散々影口叩いてた癖に!!
スタローンならナンパなチャラ坊は即土下座させている場面だが、今の多満子にそこまでのガッツはない。
割とあっさり気持ちが揺らいでしまう。
OLにここまでの漢気を求めるのも酷だが!!
寡黙で腕っ節が強いというステイサム枠であった久も晃彦を目力で半殺しにするなどマイペースで過ごしていたものの
半前科者のガチメンチ。
こんなタイミングでようやく謝罪が認められ家族が会いにくるらしい。
しかも都会での仕事も紹介してくれるとのこと。
まぁこちらも無断で家に男連れ込んでた癖にどの口が言うのか疑問だが!!
こちらも普通の幸せを求めているだけにすっかり腑抜けになってしまう。
そしてそのまま試合当日に。
このまま終わってしまうのか?!!
まさか終わるわけもない!!
なんとここで意外にも優馬が漢気を発揮する。
他のメンバーをメールにて招集して試合会場に乗り込む。
メイン2人が不在だろうともクラブの名誉のために負けるわけにはいかない。
なにより「あの2人は来るはずだ!!」という熱い信頼。
そしてそれに釣られるかのように他のメンバーも様相が一変する。
弥生は窮屈なセレブ妻だった外聞を捨て、髪を元ヤン時代の赤に染める。
連敗続きだった落合夫妻もその実、事故で亡くした卓球少年な息子に気を遣っていたことが判明。
「俺らには"卓球"しかない!!」
「"殺し"しかない」あのレジェンズと同じだ!
勝てはしないかもしれない。
「でもあの2人さえ来れば…」と時間を稼ぐ作戦に出る。
しかしそんな想いとは裏腹な多満子。
晃彦に言い寄られたものの踏ん切りがつかずに抜け殻状態になっていた。
思い切ってヨリを戻すほど晃彦は魅力的ではない。
しかし今さらチームメンバーに合わせる顔もない。
どうしたものか…とそのときだった。
なんと仕事の面接だったはずの久が迎えにくる!!
ステイサム感、ストップ高!!
=これ!熱いなぁ!!!
「なんで…?」と多満子言い切る前に問答無用でキスをかまし試合会場に引っ張っていく。
どうやら久の家族が会いに来たのは単なる罪滅ぼしの為だけ。当時はなにもなかった間男(嫁の上司)と結局デキた挙句に仕事を斡旋してきたのはただの世間体。しかも娘は卓球クラブを1週間で退部していた。
もう笑うしかなかった。
「そんな状態で仕事の面接行く義理なんざない!」と全てをブッチして多満子を迎えにきたらしい。
大正解だ!!!
そしてなんなく試合会場に到着。
仲間の時間稼ぎのおかげもありギリギリ間に合う。
もう互いに失うものはなにもない。
ほぼ開き直りの境地に達した2人。
心身共にベストパートナーとなった多満子&久の人生を全賭けしたリベンジマッチの幕が上がる!!
どちらも抱く印象は同じだ!!
我ながらどうかしてるなぁ!!!
というかここまで読んでくれた方はいるのか?!
話の筋としてはこの上なくわかりやすい王道スポ根ラブコメなのだが、さすがというべきか終盤の収束具合にはスッキリする他ない。
キチンと収まるべきところに収まった挙句に気に食わなかったやつは全て痛い目を見る。
予定調和とも言えなくはないが、こっちとしてはそれを期待しているのもまた事実。
少し意外だったのは最後の多満子&久ペア vs 晃彦&愛莉ペアの試合。
猛特訓&気迫で接戦に持ち込むもギリギリ負けてしまう。
まぁそれも考えてみればそれもロッキーから引き継がれる伝統的なオチだ。
多満子がロッキーになった瞬間。
というかスポ根ものは基本的に試合に負けて勝負に勝つ気もする。
とにかく終始期待した通りのものが出てくる最大手チェーンのファミレスのような安心感抜群の作品。
脳内でエクスペンダブルズごっこしてたからかもしれんが、2時間という上映時間も長くは感じない。
俺の大好物である血生臭さは皆無だが
それも世間的にはプラス要素だろう。
家族やカップルでのんびりと観てほしい傑作だ。
気になるあの子とでも行け!!
余談だが今になって一番記憶に残ってるのはなんだかんだで舞台挨拶。
ガッキー可愛かったなぁ!!!
わかりやすい予告↓
新垣結衣&瑛太主演のロマコメ映画『ミックス。』予告編 - YouTube
期待を下回るtwitter↓
馬鹿と無能の交差点。『スクランブル』感想。バレあり。
珍しく日本版の方がお洒落。
しかしどちらも売りは同じく製作陣の名前。
そんな低めのハードルをくぐりにくぐる。
映画界のブラック企業「96時間」スタッフ!
「全国公開」にだまされるな。
全国が「後悔」する。
失策失速失笑カーアクション!!!
映画界にはしばしば革命が起きる。
『タイタニック』『ターミネーター2』『アバター』などのキャメロンによる映像革命。
全てを塗り替えた『マトリックス』革命。
もはや存在自体が革命家なノーラン作品。
などがよく話題にあがる。
しかしその革命は稀にB級映画が起こすこともある。
それが『96時間』革命だ。昇天しかねない上記台詞。親父、大暴れ。
俺のオールタイムベスト3には入る。
ちなみに本作公開は2008年。『ダークナイト』や『アイアンマン』といい化け物級な当たり年だ。
「引退したヤバいやつが現場復帰する」というB級映画御用達の筋書きを奇跡的なまでに綺麗にまとめ上げた至高の作品である。
ある種のひとつの到達点とも言える。
しかし映画とは商売でもある。
当然2匹目のドジョウ狙いで類似作品が連発された。
具体例は出さないが、やたら出来の悪い劣化作群が。
それもまぁ他社が真似するのは理解できるのだが
困ったことに自社で類似作品連発。
それどころが無意味に続編も連発。
レンタルビデオ店の棚には常にそれっぽい作品が並ぶ事態となった。
そしてそれに箔をつけるかのように書かれている「96時間製作陣」というキャッチコピー。
本作らそんな『96時間』製作陣と『ワイルド・スピード』出演者が手を組んだカーアクション映画。
側だけ見ればこれほど素敵な方程式もない。
正直なところ「製作陣を売りにしている映画にロクなものはない」というのは映画ファンからしたらほぼほぼ常識。
俺も嫌というほど痛い目を見てきただけに経験や覚悟は決めていた。とはいえこの時期他に観たい映画が散々公開されているだけあってDVDでも見るかどうか決めかねていたのだが。
毎度の通りに試写会が当たってしまった。
まぁ嬉しいことは嬉しいし、自分で金払う気が起きないものこそ試写会の意義がある!!
と自らを奮い立たせた。
やたら試写会を応募していた必死さが多少気になったものの「全国ロードショー決定 & MX4Dなどの特殊上映もある」という状況からしてまぁまぁな佳作だろうと踏んでいた。
それでも用心に越したことはないとかなりハードルを下げて観賞した。
…上映後。90分という観賞時間が10倍に感じるほどの苦痛に襲われた俺は翌日若干体調を崩した。
しかし映画は褒めちぎるのが俺のポリシー。
書くべきか迷ったのだが被害者を1人でも減らそうと今回の記事に踏み切った次第だ。
というわけで『スクランブル』が気に入った方はこの先からは一切読まない方がいい。
俺がズレてるだけかもしれんし。
そんな交通事故のようなあらすじ。
主人公フォスター兄弟は世界を股にかける高級クラシックカー専門の強盗。兄。左。アンドリュー。頭脳担当。
弟。右。ギャレット。メカニック担当。
異母だか異父兄弟。
ちなみに話には全く絡んでこない死に設定。
今日もワイスピに触発されたかのような手口であっさりと車を盗み出すのであった。
しかしその車はマフィアのものだった。
あえなく捕まってしまった2人は「敵対するマフィアの車を盗んでくるから命はマジ勘弁」との条件を出す。そしてなんなくおっけーを出すマフィアであった。それを鵜呑みにするマフィアってどうなのか。
とりあえずこの作戦は2人じゃ無理だ、とのことで劣化オーシャンズ11なメンバー集めを開始する兄弟。
大抵メンバー集め描写は盛り上がるものだが本作では特に見せ場ないので省略します。
しかしド派手さだけを取り柄にやってきた兄弟。
あえなくインターポールに目をつけられてしまう。
果たして兄弟は助かるのか?
2つのマフィアはどうなるのか?
4つの無能な勢力の交差点がここに完成。
「大方全て計算通りなんだろ…結局」という観客の声もそこそこに
まるで茶番な計画が幕を開ける!!なかなかシュールな1枚。
…というもの。
なんか書いてて頭痛くなってきたな!
話はありきたりで単純だがそれは俺からすれば評価点だ。
本作で数少ないひとつの!
この手の映画に複雑さは求めていない。
わかりやすくアクションを絡めて派手にやってくれればオールオッケー…なのだが
軽くあらすじでも触れた通り本作では既視感のオンパレード。
まぁジャンルが被れば似たような場面が出てくるのは致し方ないところではある。
しかし本作ではあまりにもオリジナリティが皆無。
代わりに「こんなもんで満足するだろ感」が満載だ。
一言で言えば「ワイスピとオーシャンズ11を足して雑味成分を盛りに盛った挙句に×0.1」したような出来。正直お粗末だ。
序盤の車泥棒のシーンや中盤の見せ場のつもりの飛行場のシーンはワイスピから熱気と金遣いを抜いたようなもの。
キャッチコピーからして同じようなものを期待しているとはいえあまりにもおざなりすぎる。
制作費云々を抜きにしても手抜き感がありありと見て取れる。
それが顕著なのが主人公チームのメンバーの構成だ。
兄弟を筆頭にまずは兄の恋人。ステファニー。
プロスリ師な女。弟の恋人候補。デビン。そんな4人の集合図。
髪型くらい変えろ!!
見分けつかん!!!!
他には爆破担当のデブ。
とってつけたような無能。可愛げ一切なし。
命に関わってるんだから真面目にやれ!
あとはえーっと、名もなきドライバーが5人くらい。背後にいるやつら。マジで名前出てきません。
もう判を押したありきたりさ以下だ。
この部分はアイデアと見せ方次第でどうとなるだけに擁護は不可能。
それでもアクションが派手ならまだなんとかなるのがこの手の映画だが。
全く本気さが見られないどうしようもなさ。
人を殴るにしても車を走らせるにしてもそこにはキャラとのリンクが必要不可欠。
「これこれこういう理由があってこいつはこれをやっている」という流れがあって然るべきだと思う。
しかし本作にはそれが全くない。
アクションに感情が乗ってないとでも言おうか。
ここでも「これでいいんだろ」感が透けて見えてくる。
一応車が走ったり跳んだりはするのだが見ていても「あぁ…そう…」としか言えない。
そして犯罪サスペンスとして必須な伏線に至っては目を当てられない雑さ。
作戦名「行き当たりばったり」というのはよく見る描写だが、それにしても酷すぎる、
そもそもキャラが薄すぎて「流石」と思えない。
序盤に言われていた「なんちゃら走法」やら「プロポーズ」も終盤で雑に処理する始末。
本来無条件で熱くなるはずの場面で失笑しか漏れないしょうもなさ。
とにかく有名作から良いところどりしようとしたらそれらが全て裏目に出てしまった失敗作。
ストーリーは悪い意味で雑。
キャラの描き分けどころか性格づけすら出来てないおざなりさ。無駄な多さ。
気持ちが伴わないアクション。
もう悪い部分を煮詰めたような状態。
トータルで「茶番」と言うしかない出来だ。
確かに世の中にはもっと酷いB級映画は山ほどある。
準新作の棚にいつの間にか出現するようなものとさほど変わりはないだろう。
それでもここまで全国で大々的に公開されるようなことはなかなかない。
休日に酒でも飲みながら観た分にはなにも思わなかっただろうが、このハードルの高さでは粗が目につきすぎる。
まぁクラシックカーマニアなら多少は耐えうるかもしれんが。ここはさすがに豪華。
そこと西川貴教の主題歌だけは良かった。
Takanori Nishikawa feat.Shuta Sueyoshi (AAA) 9/19配信リリース『BIRI x BIRI』(movie ver.) - YouTube
日本限定の主題歌は毎度賛否ある中でも
今回はポスターと同様に圧倒的「賛」だ。
余談だが本作観賞後に思ったことは
「存命なら間違いなく主演はポール・ウォーカーだっただろうな」だった。公私ともに車好きな彼ならノリノリで出演していたことだろう。
それならスター性でまた違った作品になっていたであろうことは想像に難くない。
製作陣の力の入れ方も違っていたかもしれない。
いろいろと哀しくなる作品でもあった。
というか主演のスコット・イーストウッド。
親父は伝説の西部劇役者「クリント・イーストウッド」ワイスピでは「ポール・ウォーカー」の代替キャラ。全てが、BREAKする。『ワイルド・スピード ICE BREAK』ネタバレ特盛り感想文。 - 高速回転する方舟の片隅で。
いろいろと比較されることが多そうだが
まぁなんだ、頑張ってほしいな!
こんな記事書いておいてなんだが!
俺は応援してるぞ!!
悪いのは脚本家と監督だ!!
ドンマイ!!スコット!
ありきたりな予告↓
『スクランブル』予告編 9月22日(金)公開 - YouTube
ありきたりなtwitter↓
邦画の意地。最先端一直線。『亜人』ネタバレあり感想。
不死身vs不死身の極限バトル。
漫画原作は今年何度目なのか。
それでも素晴らしい出来。
脚本の荒さはスタイリッシュさと「リセット」でうやむやにしろ!!
MVさながらなハイテンションジェットコースタームービー!!
さて。
「ありがたいことに試写会当たった → 観に行った」という今年何度目かの幸運が巡ってきた。
もはや慣れたものだったが、今回向かったのは初の東京国際フォーラム。
その雰囲気は普段の試写会と全く違った。
会場のキャパの大きさもそうだが、観客はほぼ女性。男との割合は1:99以上。
どうやら本編上映の前にはキャスト登壇の他に、主題歌を担当したバンドの生演奏もあるという話だった。キャストとバンド。全員いました。
この完全アウェイな状況。そして「芸能人は別世界にいるからこそ面白い」という持論。
しかしここでシケたツラはしていられない。
「アウェイだろうが楽しめるものは楽しめ」と頭の中のデッカード・ショウに囁かれた俺はとにかくハシャギ倒した。『ワイルド・スピード SKY MISSION』感想なのか?これは!バレ増し増し。 - 高速回転する方舟の片隅で。
世界を股にかける極悪ファミリーをたった1人でシバきあげる漢の中の漢。
とにかく上映開始前までにここまで盛り上がったのは初体験。
「なかなかいい経験だったなぁ…」とかボンヤリ考える中、いよいよ本編が始まった。
今度は煽り抜きで俺が盛り上がる番だった。
とにかくアクションに次ぐアクションの連続。
さらにクオリティも「佐藤健×るろ剣チーム」なだけあってそこそこ期待はしていたのだが
全く裏切られることはなかった。
というか邦画の新たな可能性を見たくらいだった。
ちなみに俺は原作未見なので設定のズレなどは全くわからん!!
それでも「いいものを見たなぁ!!」と景気の良い気分にはなれた。
ある意味では映画から入ったのが功を奏したのかもわからんが
そんな加速しっぱなしのあらすじ。
主人公。我らが佐藤健。
交通事故に巻き込まれた際に「亜人」であることが判明。
それにより現在、政府機関にて囚われていた。
ここで一つの不安でもあった「かったるい日常パート」はすっ飛ばされていることも判明。
テンポの良さに心を躍らせつつも話を聞いてみると「亜人」とは人類の希少種。
「何度死んでも生き返り、決して死なない」というチートにも程がある体質を持っているため人間からは畏怖の対象となっているようだった。
さらに政府機関はその特異性から人道無視の人体実験を行っている様子だった。
「まぁそらそうだろ…」としか言えない状況にワイスピのような電撃訪問者が現れる。綾野剛。同じく「亜人」
不敵な笑みを浮かべつつも正面突破で研究所に遊びにくる。
どうやら亜人集団のリーダーでもあるらしく仲間集めをしている、とのこと。
当然なんとか対処しようとするものの相手は「亜人」という無茶苦茶な存在。
言ってみればHPゲージが無限にある相手とのエンカウント。ゲームなら確実に負けイベだが
それだけではなくヤル気も戦闘力も桁違いな綾野剛が相手ということもあり、僅か数分でほぼ全滅してしまう政府関係者達であった。
そして「我らが亜人サークルに加入しないか」との誘いを受ける佐藤健。
こんな酷い目に遭わせた政府を憎んでいるために一度はノリそうになってしまうものの「そこまで残忍な倍返しはちょっと…」と勧誘を蹴る。
それに腹を立てた綾野剛は当然大人しく帰るわけにはいかなかった。
かくして開始早々、「亜人」vs「亜人」の異次元バトルが開幕する。
さらにそれだけでは留まらず、亜人の隠された能力が明らかにもなる。まさかのスタンド、発現!!
おそらく精神力が具現化したような存在だが、一般人には不可視なところもほぼほぼスタンドだ。
その力に戸惑いながらもなんとか使いこなし、命からがら逃亡に成功する佐藤健であった。「やべぇって!!これ!!」
さて。この見るからにヤバい綾野剛。
ただの戦闘狂の綾野剛ではない。
その真の目的とは「虐げられた亜人と共に神経ガスを東京上空から散布し人間に復讐する」という物騒極まりないものだった。
手始めにそのガスを所持している会社に飛行機を突っ込ませる。
この地下鉄サリンと9.11の暗黒即死コンボ。
都民を震え上がらせるには十分だった。
まぁヒカキンはネタにして再生回数稼いでいたが!ついに銀幕デビュー。
一方、佐藤健。
こちらの人生プランは「病弱な妹と共に穏やかに暮らしたい」という至極真っ当なもの。
その病気の妹を治すために医者を目指し、現在は研修医というところまできた。
しかしそんな平穏が「亜人」によって壊されてしまった。
やりようのない哀しみと怒り。
ここで頭の中のなにかがキレた。
「やられっぱなしは気に食わん」とばかりに片田舎にて修行を開始する。少年漫画の鉄則。
もうこれ以上、綾野剛率いる亜人サークルの極悪非道な企みを知らんぷりは出来ない。
なにより妹にも魔の手が忍び寄っている始末。
もう綾野剛を殺す他なかった。
承太郎を彷彿とさせる「お前は俺を怒らせた」モードに入った佐藤健は勢いそのままに、敵でもあったはずの政府関係者の元にアポなし突撃する。亜人対策チームの長。玉山鉄二。
挨拶もそこそこに
「協力してやるから成功した暁には俺と妹を自由にしろ」
「承知しなかったり約束を反故にすればお前の家族を皆殺しにする」
という主人公とは思えない悪夢の一通協定を強引に結ぶ。
そんな脅しに頷くしかない玉山鉄二であった。
かくして「敵の敵は敵」理論でアンチ綾野剛サークルを結成した佐藤健とSAT。
果たして佐藤健はミッションを完遂し
妹との平穏な日常を取り戻せるのか?
後退のネジをハズした研修医が、今!!殺る気満載の不死身な殺戮マシーンと化す!!
…いいなぁ!!わかりやすくて!!
上記したが『亜人』に触れるのは本映画が初。
正直意識高めだと高を括っていたが、その実は良い意味でB級だった。
いや、原作は違うのかもしれんが少なくとも本作は俺の大好物だ。
ドラマは二の次三の次。
終始アクションでゴリ押す豪腕っぷり。
舞台挨拶では黄色い歓声を上げていた会場の女性客も本編が始まるやいなや黙る他なかったのも無理はない。
とにかくストーリーの都合上、一言で言えば鬼ごっこ(殺しあり)な本作。
表向きの主人公は佐藤健だが衆目の視線は全て鬼役の綾野剛に持っていかれる。とにかく一から十までふざけ倒したエキセントリックなハイテンションさ。
作中の笑いの80%は綾野剛発信だ。
正直この手の悪役はジョーカー以降腐るほど目にしてきたが致し方ない。あれ以降増えた気がする悪人自らの手による自撮り。
そもそも悪役顔と思っていただけにこの大騒ぎっぷりは嬉しい限りだ。
そして佐藤健も負けてばかりではない。
作中では基本逃げてばかりな普通の研修医のはずだが、時間を追うごとに何故か身体能力がメキメキアップグレードされていく。
やたら現場慣れした作戦を立ててみたり、取り扱ったことがない拳銃をぶっつけ本番で使いこなしたりすっかり特殊工作員。
もう目を見張る成長速度だ。
作中時間では数日のはずだが、これはこれでオールオッケーだ。
思えば共に身体能力は折り紙つきの若手俳優。
それを包み込むのは邦画最高アクションチームの「るろ剣製作陣」という完璧さ。
そして一度「るろうに剣心」にて相見えた両者が再び決戦するこの豪華さ。実写『るろうに剣心』1作目より。
本作ではそのクオリティを保ちつつ、舞台を現代に。「よっ、久しぶり!」
さらにそこにスタンドバトルも加わってその迫力は無限大。
ラストバトルは佐藤健&スタンドvs綾野剛&スタンドという素晴らしさ。脳が処理落ちするぞ!!
それぞれが別々に同時進行で闘いながらもそれを利用したりする整理された乱雑さ。
『るろうに剣心 伝説の最期篇』のラストバトルは1vs4だったが本作では戦況に応じて変化していく贅沢さ。この感動、再び。
もうどこを切っても褒め言葉しか出ない。
綾野剛vsSATチームの雑魚戦もただの徒手空拳ではなく、どこか『ジョン・ウィック』を彷彿とさせるスタイリッシュさを見せる。マガジンチェンジの仕方などを見るに明らかに意識している気がしなくもない。
「不死身vs不死身の闘いだと下手したら茶番になりかねない」とは舞台挨拶時の佐藤健の言葉だが、キチンと緊迫感を保ちつつ走り抜けているのは流石だ。
ちなみにラスト。
「不死身vs不死身の決着はどうするのかなぁ…」とか思っていたが
「上から特殊部隊が強襲し、2人まとめて液体窒素にて瞬間凍結させたのちに炸裂弾で粉々にする」
という勢いしかない作戦にて終結する。
一応、佐藤健発案の作戦らしいが明らかに「面倒だから2人まとめて殺そう」作戦にしか見えない。
事実、玉山鉄二も「2人共処分するのが上からの命令だ」と言っていた。
しかし「そりゃあんまりだろ…」という観客の声が届いたのか、なんと戦闘中に切り落とされた片腕から…佐藤健、復活。全裸で!!
周りが唖然とする中、一緒に殺されたことにご立腹な眼差しを玉山鉄二にトバす。
大殺戮開始か…と思いきやそこは我らが佐藤健。
ひと通りガンを飛ばした後に窓ガラスより逃亡を図る。
そのまま亜人と一体化しつつ消えゆくのであった。
全裸で!!!そして完!!!
この潔さ。
邦画でも稀に見るアッサリっぷりだ。
エンディングでぐだぐだやりがちな昨今の風潮を一刀両断する清々しさ。最高だ。
そういえばこの逃走劇を見て「ルパンっぽいなぁ」とか考えて気づいたのだが。
玉山鉄二と綾野剛は実写版「次元」と「五ェ門」だった。懐かしいなぁ!!
当時から進化したな。いろいろと!!
今回は思えば剣心vs五ェ門だったわけだ。
素晴らしい!!
ちなみにエンドロール。
なんと綾野剛が生きていたらしき演出が。
どこまで無能なんだ日本政府は!
続編も楽しみだ。
あればの話だが!!!
余談。
同時期に「TAKAHIROと武井咲が結婚!!」とのニュースが入ってきた。
どっちも好きなだけに「雨宮次男と薫殿が結婚か…めでたいな!!」などと思っていた…のだが!!
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170904-00000018-dal-ent
(以下引用)
新たな映画の出演を控えていることも判明した。12、14年に公開された映画「るろうに剣心」シリーズの新作が予定されており、武井が演じたヒロインの神谷薫は外せない重要な役だ。
…るろ剣新作!?マジかよ?!!
目がチカチカする予告↓
映画『亜人』予告【2017年9月30日公開】 - YouTube
頭がクラクラするtwitter↓
本気の傑作。『ダンケルク』感想。
珍しくネタバレなし。
というかまともにレビューが書けない衝撃。
今回も本気(ガチ)ノーラン。
一切の躊躇&手加減なし。
そして清々しいまでの緊張感。
観賞前にはブドウ糖を大量摂取しよう!
全篇クライマックスとは、こういうことだ。
クリストファー・ノーラン。この世界的不況時代にも関わらず右肩上がりの映画産業のトップをひた走る超凄腕映画監督である。
毎回意識が高いのか低いのかもはや感覚が麻痺してくるほどに「面白い」を通り越す傑作しか生み出さないヒットメーカーでもある。
その緻密とも言える作風から狂信的なファンや盲信的なアンチを一手に抱え込むある種のスターでもある。
個人的にはほぼ全ての作品を追いかけているくらいには好きだ。
ハマったのは「ダークナイト・トリロジー」から。豪華だなぁ!!
しかしその頃から変わらないたった一つの難点がある。
観終わった後の虚無感。
そして後日に引きずる疲労感だ。
まぁそれほど凄い映画をつくってくれるのは嬉しいったらないのだが
初見の際はかなり気を引き締めてかからないと比喩抜きで死にかねない。
さて、今回は『インターステラー』以来3年ぶりの新作。
そしてなんとノーラン初の史実映画。
さらには戦争もの。
一応心の準備はしたものの
こんなの精神もってかれないはずがない。
上映時間が106分と短めなのがまだ幸いと思っていた…が。
結果、いつも以上にノーラン節全開。
それどころか史実の戦争ものということで一切の手加減なし。
短めの上映時間も「緊張感を終始引っ張れる限界ギリギリの時間だからじゃないか…?」ということに気づいてからは
ただただ自身のメンタルが削られていく音を聞くしかなかった。
しかしその残酷とも言える作風がテーマとこれ以上ないほどにシンクロしていた。
世の中には「ノーラン監督作」というだけで褒めたり貶したりする人もいるみたいだが
俺には全く関係ない。
まぁ無条件でステイサムを褒めまくりの俺が言えたことではないが!!
ストーリーとしては
第二次世界大戦初期の1940年5月26日から6月4日。イギリス、ベルギー、カナダ、フランスから成る連合軍兵はダンケルク海岸でドイツ軍に包囲され、ダイナモ作戦による撤退を余儀なくされる。(Wikipedia参照)
…というもの。
まぁ、エンタメ作ではないためにわかりやすい起承転結はない。
しかし史実とは得てしてそういうもの。
その代わりに全篇、切れることない緊張感で走り抜ける。
物語の構成としては陸海空と3つの視点で話が進む群像劇。
それぞれの主人公としてトミー。陸担当。
英国二等兵。新人兵。
闘いには消極的だが仲間の命は尊ぶ気高さも。
生きて帰ることにも恥じらいはない。
ピーター。(左)海担当。
自国の援助に民間船で海を渡る祖父を手伝う勇気ある少年。
割とヤンチャな節がある。
中盤、海のど真ん中で被弾した英国兵(右)を救助するが…
ファリア。空担当。
空軍のエースパイロット。相当な凄腕。
仲間が倒れていく中でも不屈の闘志を見せる。
演じるは現在出演作にハズレなしのホームランスラッガー。トム・ハーディ。
余談だがマスク着用時にはベイン風味。
同監督作より。
…がいることにはいるが
作中では名前が呼ばれることはほぼない。
それどころか台詞も最低限を超えたごく僅かなもの。
実際ベラベラ喋るやつはそういないだろうが
もはや映画としての体を成すギリギリのラインだ。
というか一から十までわかりやすさは皆無なために
観賞中は自分が驚くほどに低偏差値になった気分になる。
初見だけでは全容を把握しづらいのはノーランの特徴とも言えるが、本作ではそれがあまりにも顕著。
それでも観客を飽きさせることなく最後まで手を抜かずに描き切るのは天晴れとしか言えない。
上記したように上映時間が短めなのは「緊張感が保てるギリギリのライン」ということもあるだろうが
「3時間はかかりそうな題材を圧縮した」
「ほぼ説明に終始しかねない映画の前半を削ってクライマックスだけにした」
ともとれる。
さらにノーラン御用達な音楽家ハンス・ジマーが今回も当然のように参加。
予告編でもあるような焦燥を煽りに煽る音楽も手伝ってこちらまで嫌な汗かきっぱなし。
下手に本編が長いと慣れてしまいかねないだけに素晴らしい采配だ。
とにかく言えることは「ノーラン×戦争もの=マジでヤバい」ということだけだ。
徹底した実物志向でも知られるノーラン監督が史実を取り上げれば「そりゃヤバいよな!!!」以外の言葉が出てこない。
というか毎度のことだがノーラン映画の観賞直後は頭の中の整理がつかない。
向こう一週間は脳が酸欠になる。
もう「とにかく見てくれ!!!」としか言えない本作。
まぁブロガーとしては失格だが!!
珍しく画像少なめな記事になってしまったが
逆説的に察してくれるとありがたい。
そのうち整理ついたら追記でもしよう。
今回は映画同様に短めでまとめた、ということで許していただきたい。
とにかくノーラン好きはもちろん、映画ファンや普段映画をあまり見ない人にもぜひ見て欲しい超傑作だ。
観賞後はHPもMPも根こそぎもってかれるが
満足することだけは保証できる。
ちなみに今回も最近よくある試写会での観賞だったのだがなんと初のIMAX。
もう「圧巻」の一言だった。
スクリーンがデカさが作品と相まって失神直前。
もう凄いわ!!ノーラン!!!
傑作感が垣間見える予告↓
映画『ダンケルク』本予告【HD】2017年9月9日(土)公開 - YouTube
いろいろと失格なtwitter↓
守るか殺すか、生き残るか。『ヒットマンズ・ボディガード』バレあり。感想。
禁断の組み合わせ、実現。
悪人を守る漢×悪人を殺す漢。
Fワードと銃弾まみれな男2人旅。
命の値段、プライスカット!!
さて。Netflixに登録して早数ヶ月が経った。
最強米軍vs最凶幽霊群。『スペクトル』感想。バレあり。 - 高速回転する方舟の片隅で。
しかしプリペイドカードでの契約だったために気がついたら残高ゼロ。
それでも8月はNetflixの勝負月。
大目玉の『ディフェンダーズ』もそうだがMCUのNetflix勢大集合。
名実共に「裏アベンジャーズ」だ。
ハリウッド版『DEATH NOTE』という隠し球も潜んでいる。米国リメイク。純粋に楽しみ。
「そろそろ再登録しないとなぁ…」とかベッドに寝そべりながら考えていたところ、ネットニュースにてとんでもない記事が目に飛び込んできた。『ヒットマンズ・ボディガード』
「Netflixにて8/18にて独占配信」
「…え!!???」
物理の法則ガン無視で飛び起きた俺はそのままタバコを8本吸った。
それでも冷静に処理できなかった。
この映画、原題『The Hitman's Bodyguard』は俺が今年一番期待していた映画でもある。
旬すぎる俳優「ライアン・レイノルズ」と
ずっと旬な俳優「サミュエル・L・ジャクソン」によるバディ映画というだけで垂涎ものだが予告でのFワード連呼。
The Hitman’s Bodyguard (2017) Restricted Teaser Trailer – Ryan Reynolds, Samuel L. Jackson - YouTube
さらには真っ向からふざける気満々なポスター。この2人の使い方をよくわかってる、としか言えない。
しかし本国での公開目処はついているものの日本ではさっぱり。Googleの力をもってしても詳しい状況が把握できないほどであった。
それが久方ぶりに目にしたと思ったら全米公開と同時に配信という奇跡。しかもNetflix限定で!
これほどまでに神様を信じた瞬間もなかった。
実際は諸事情により配信は1週間後の8/25となったのだが、奇しくもこの情報を知ったのが8/25。
もう画面に齧りついて観賞した次第だ。
正直今でも青天の霹靂な気分だが
とにかくそんな寝耳に水なあらすじ。
主人公マイケル・ブライスは要人警護のエキスパート。元々凄腕のボディガードであったが、過去のある失敗をきっかけに失落。
一応要人警護の仕事は続けているもののおそらく無認可。 あらかじめ敵を全て排除するなど仕事の腕は相変わらずだが、恋人にも愛想を尽かされて無味乾燥な日々を過ごしていた。
一方。ベラルーシ。
一言で言えばやべぇ独裁者が1人。あっ!!ゲイリー・オールドマンだ!!
ヴラディスラフ。
そのヤバさゆえに法的に裁こうという動きがあるもののそこはヤバい独裁者。
証人を片っ端から暗殺するというやりたい放題な現状であった。
業を煮やした国連は最後の切り札としてある人物を証人喚問することにする。あっ!!サミュエルだ!!
ダリウス・キンケイド。
現在塀の中の凄腕の殺し屋。
これを引っ張り出すのは容易ではないと考えた国連が出した条件は「無実の罪で同じくブチこまれているダリウスの恋人であるソニアを釈放する」というもの。ソニア。スタイル抜群美熟女。
ダリウスの嫁なだけあって傍若無人だがイイ女感満載。土下座してお願いしたいレベル。
しかめっ面なダリウスだったが条件が出るや否や即効でサイン。
裁判所へ証人として出向くことを同意するのであった。
そこでインターポールは護送チームを結成。アメリア捜査官がリーダーに任命される。アメリア。キャリアウーマン。
土下座その2。
とりあえず一通りダリウスにディスられた後に護送を開始するも…1分と経たずに襲撃を受ける。
テンポ、良し!!!
どうやら内通者がいたようだ。
とりあえずなんなく死体の山を築き上げたダリウス。アメリアを連れてセイフハウスへ逃亡を図ることにする。
内通者がいる現状、職場の人間に頼るわけにもいかない。
そこでアメリアが電話したのは…あっ!!ライアン・レイノルズだ!!
そう、アメリアはマイケルの元カノだったのだ。
携帯の登録名を「悪魔」としているくらいには良い思い出がないマイケルは適当にあしらうものの下心があるのもまた事実。
下半身には逆らえない哀しき男の性により協力を承諾するのであった。
そしてセイフハウス。
マイケルとダリウスが対面。穏やかに挨拶を交わす…かと思いきや。「てめぇかよ!!!」×2
目が合うなり、殺し合いを演じる2人であった。
立場は真逆と言えども互いに命を扱うプロフェッショナル。どうやら顔見知りだったらしい。
というかマイケル曰く「こいつには27回殺されかけたんだぞ!いや、最近プラハで28回目あったわ!」な仲らしい。
しかし元カノアメリアの軽い脅迫の成果もあり、本日2度目の渋々な承諾をするマイケルであった。さらに間の悪いことにアメリアは報告のためにインターポールへ帰る、とのこと。
最悪な雰囲気。期限は数時間。全力で殺しにくる追っ手の集団。そしてヘラヘラしているサミュエル。
果たしてマイケルは無事ミッションを終えることができるのか??
元カノとヨリを戻せるのか!??
なによりサミュエルと仲良くできるのか!!??悪態と銃弾だらけの男2人旅が今、幕を開ける!!!
…まぁ、もう見始めたら最後までがっつり観るしかないストーリーではある。
話としてはシンプルイズベストなのだが要所要所のアクションの堅実さ、滲み出るスマートさによって飽きを感じさせない。それをどこか斬新なカメラワークで包みこみ近年ならではのスタイリッシュさも兼ね備えている。
かと思えば急に生々しいハードコアな描写もありダラけない。
役者陣の安定感もあり映画ファンならずとも楽しめる作品だ。
…と真面目に語ってはみたもののやはり一番の見所であるキャストに触れずにはいられない。
とにかく主演2人を見ると脊髄反射的に浮かぶものがある。
「MARVEL映画」だ。
かたやX-MENの革命児、デップー。演:ライアン・レイノルズ。
かたやアベンジャーズのエンドロール御用達眼帯おじさん、フューリー。演:サミュエル・L・ジャクソン。
現在MARVEL映画筆頭の二大勢力を代表すると言っても過言ではないこの2人。
映画シリーズでは大人の事情という高すぎる壁によって共演不可な2人でもある。映画制作会社が別、という残念さ。
まぁ『デッドプール』ではエンドロール後に散々イジってたが!そんな2人が夢の共演。
さらにアメリアを演じるエロディ・ユンはNetflix版『デアデビル』の女傑エレクトラ。『デアデビル 』シーズン2より。
おまけにゲイリー・オールドマンは「ノーラン・バットマントリロジー」のゴードン警部。肥溜めの中のオアシス。
これでテンション上がらないアメコミ映画ファンはいない。
しかも主演2人はどちらも口の悪さでいえばハリウッドで一二を争う問題児。
おそらくFワードを言った回数では群を抜いてるはずだ。
それだけでは収まらず本作の監督は『エクスペンダブルズ3』を担当したパトリック・ヒューズ。
役者は揃った!!!
さて、見所…といきたいところだが「とりあえず期待したものは出てくる」と太鼓判を押すことしかできない。
なにせあまりにジェットコースタームービーすぎて語るに語れない。
いやあることにはあるのだが
やれ「男とは〜」やら「女は〜」やら中身スカスカな武勇伝自慢やら与太話が多すぎる。
そして困ったらFワード連呼。
ぶっちゃけ本筋だけなら半分の上映時間で済むほどだ。
しかしこの男子校の放課後感。
『エクスペンダブルズ』や『マグニフィセント・セブン』に通ずる漢の美学が満載だ。
「中身がないことこそが中身」精神。
それをしょうもないと笑い飛ばすのは簡単だが、言わせてもらえばこれこそが男の本質でもある。
一応マイケルの成長譚という側面もあるのだがそれは隠し味程度に終始する。
とにかく主演2人の魅力が大爆発してることが本作の特長だ。
ライアンは半分デップーな不真面目さ。サミュエルに至っては「悪サミュエル」まんま。終盤では鬱憤大爆発。ただの日常サミュエル。
まぁ予想したものがその通りに出てくる安堵感。
まるで実家のような居心地の良さだ。
ちなみにライアン・レイノルズ主演の成長譚、悪人護送もの、黒人とのバディロードムービーといえば『デンジャラス・ラン』を思い出す。一言でいえば「闇堕ちしたジェイソン・ボーンをライアンが護送する」というサスペンスアクション。なかなかな佳作。
こちらのバディはデンゼル・ワシントンだ。無敵キャラの軌道にノリ始め。
しかしこれはあくまで徹頭徹尾真面目でシリアスなつくり。
面白いことには面白いが近年のライアン・レイノルズを知ってしまっていると物足りないのも事実だ。
思えばこの頃はライアンの暗黒期。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』では黒歴史としかいえないデップー…ではないなにか役。「なんや、こいつ…」なウルヴィー。
心機一転、他社のアメコミ映画に出演するものの『グリーン・ランタン』『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』合わせて200億以上の赤字。どちらもそこそこに面白い。ほんとにそこそこ。
『テッド』では台詞なしのいじられモブ。同性愛者役。何も言うまい。
さらに私生活ではブラック・ウィドウことスカーレット・ヨハンソンに「片方だけが仕事順調だとちょっとね」と離婚を突きつけられる。直帰一択な嫁さん。
ちなみに時期的には『アイアンマン2』くらい。スカヨハはブラック・ウィドウにて活躍の兆しがひしひしと。
もう心身共にボコボコだったはずだ。
しかしご存知の通り2016年。
『デッドプール』にて自他共に認める不死鳥のごとき大復活を遂げる。
『デッドプール』いろいろバレあり感想!最高にCoolでCrazyな映画だ!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
以前ブログにも書かせてもらったが正直劇場でちょっと泣いた。
全方位に自虐交じりの喧嘩を吹っかけて笑い飛ばす圧倒的な不真面目さ。役者とキャラがこれまでにない程にシンクロした瞬間だった。
デッドプールはアメコミの中でも一番好きなキャラなのだがその知名度から歯痒い時期もあった。
それが数年ぶりに最高の形でスクリーンの中を飛び跳ねてくれた。
いちファンではあるがライアンの言葉を借りれば「自分の子どもが産まれた」ような嬉しさだった。深い一枚。
そういった点を顧みると本作は「デンゼルに喰われっぱなしだったあの頃とは違う」というライアンの意思表示が透けて見えてくるようだ。
もう他人をおちょくれる程にまで心の余裕もできた。
実際、本作のタイトルとポスターは『ボディガード』のパロディだし。比較。バカでもわかる。
まぁ過去との決別というよりは「映画同様に俺もここまで成長したんだ!!」ということなのかもしれない。
深読みと言われようが俺はそう感じた!
ということでライアン・レイノルズのファンなら絶対に見逃せない本作。
確かに明らかに依怙贔屓分の面白さは乗っかってるかもしれない。
それでもアクションは満載、しっかりと笑いもとってくれる愉快さもある。
マイケルの元所属会社が「トリプルA」というのは笑ったが!!
「トリプルX」おじさんがそれを茶化すの込みで。『トリプルX:再起動』より。
こちらでもエンディング要員だ。
かと思えば油断した際にハッとさせられる台詞もあり、キチンと締めるところは締める大人な作品でもある。
R指定なだけあってお子様厳禁ではあるが、過激で愉快なコメディアクションが好きな方には問答無用でおすすめだ。観よう!!
気の許せる友人とでも!!
不死鳥を目指すtwitter↓
対悪人専用人型最終決戦兵器。『パニッシャー:ウォー・ゾーン』バレあり感想。
カラーなのにモノクロな矛盾。
検索結果はキャラ通り白黒ハッキリ。
間違えてもデート向きではないぞ!!
アメコミバブル。
もう何度言ってるかわからんが。
とにかくアメコミ映画が市民権を得てから随分と経った。
次々と新たに登場してくるヒーロー達。
さらに昨今ではそれだけじゃ飽きたらず、キャラクターとテーマを残してリブートされることも増えてきた。
例えばスパイダーマン。ここ10年程度で2回の仕切り直し。
さらにバットマン。ここ数年でも数回、映画にドラマに大忙し。
果たしてベン叔父さんとウェイン夫妻は何回強盗に殺されるのか!!『バットマン vs スーパーマン』より。
冒頭でどれだけのファンが「またか…」と思ったことか。まぁ大事なシーンだけど!!!
さらに他の映画との差別化。
原作の特性を活かし、R15指定にするのが近年のトレンドになりつつあったりもする。
『デッドプール』『デッドプール』いろいろバレあり感想!最高にCoolでCrazyな映画だ!!! - 高速回転する方舟の片隅で。
R15指定史上最高の大ヒット。
「俺ちゃんなら当然だよな!!」
『ローガン』ヒュー・ジャックマンの引退作にしてようやくウルヴァリンの本質をフルに活かした傑作。
武器と性質上&本人の性格上、これが大正解。
…などなど、とにかくアメコミ映画と一口に言っても多様化が激しくなっている。
しかしそんなことなどとうの昔に通過していたヒーローが1人。
それが「パニッシャー」だ。
現在までに3度の映画化。
しかもそのどれもが繋がりなし。
リセットに次ぐリセットの被害者でもある。
さらに今回書き殴る『パニッシャー:ウォー・ゾーン』は3回目の実写化にしてR15指定を食らった、というデップーちゃんの8年前にやらかしている奇跡。
時代を先取りしすぎたアダルトヒーローであることは確実だ。
ちなみに本作の公開年は2008年。
DC映画史上最高傑作との呼び声高い『ダークナイト』
さらに現在敵なしの最強シリーズMCUのトップバッター『アイアンマン』
がそれぞれ公開された年でもある。
その中での本作。
同年公開のアメコミ映画の中では「最も浅い」と言われがちだ。
事実『ダークナイト』では「ヒーローの是非」を
『アイアンマン』では「戦争」を
それぞれテーマにしていた。
ひきかえ本作は
「悪人、殺しまくり!」
と行儀の悪さだけは一丁前な有様。
リセット回数といい、公開時期といい不遇に次ぐ不遇だが
「そんなことは知らん!やりたいようにやろう!」
という監督の漢気が見てとれる傑作だ。
ちなみに監督は女性。漢気に性別は関係ない!
とりあえずあらすじの前に「パニッシャー」とはどのようなヒーローか軽く紹介させてもらおう。
「地獄の断頭台」パニッシャー。
本名フランク・キャッスル。
元海兵隊員にして家族を愛する普通の男。
善良な市民として平和に暮らしていたとある日。
家族とピクニックに出かけるも
そこで突然ギャングの抗争が勃発。
フランクの命は助かるものの、巻き添えになった最愛の妻と2人の子供は死亡してしまう。
絶望のドン底に叩き落とされたフランクは悪そのものを恨むようになる。
失うものはもうなにもない。
心にあるのは憎しみと怒り。
かくしてフランクは軍隊仕込みの殺人術を使いこなし、街の悪人達を無慈悲にサーチアンドデストロイする処刑人(パニッシャー)となるのであった。
…というもの。
ヒーローにしては珍しい完全殺戮型な戦闘スタイル。
そして髑髏が描かれたTシャツを着こなすファッションセンス。
さらに素顔を隠すことすらない。
もう漢気の体現者としかいえない。
ちなみに上記にて挙げたヒーローとは妙な縁があったりする。
パニッシャーの初出は『スパイダーマン』のコミックにて。悪人サイドとして初登場するも
その過激なスタイルから人気に火がついて…というパターンだ。
そして「バットマン」とは会社が違うものの
「共に家族を殺されたために立ち上がった」という共通点があるためか『パニッシャー vs バットマン』というコミックが出版されている。ジョーカー嬉しそうだなぁ!!
両者とも原動力は「家族を失った哀しみ」という共通点。
しかしバットマンは「悪人でも絶対に殺さない」
対してパニッシャーは「悪人なら絶対に殺す」
という決定的な違いが浮き彫りになる名作。
殺意を押し殺すバットマンと殺意を奮い立たせるパニッシャーの対比が見事だ。
さらにデップーやウルヴァリンとはそれぞれ
「殺しを厭わないヒーロー」として交流がある。
絶対敵に回したくないなぁ!!
とにかくその過激さとは裏腹に、いやその過激さゆえにかなりの人気ヒーローである。
そのため短いスパンで幾度も実写化されているわけだが
1度目。主演はドルフ・ラングレン。もはやプライベートスタイル。
2度目。相手にジョン・トラボルタ。主役を差し置いてポスターに!!
…とまぁ作品の性質上、エクスペンダブルズな俳優たちを活かすための土台にしかなっていなかった側面がある。
しかし待望の3度目となる本作。
2作目の続編という話を蹴る!
さらに設定もコミックに忠実に!
興行収入も気にせず「R15指定」に!
そこにはまさに「シンプルイズベスト」な圧倒的暴力の権化がいた!!
三度目の正直とはよく言ったものだ!!
前置きが長くなったがそんな本作。
無慈悲で爽快なあらすじ。
今日も今日とていきなりマフィアの談合を襲うパニッシャー。
お年寄りでも容赦なく皆殺しにするサバサバしたヒーロー活動に勤しんでいた。まさに血のサプライズパーティ。
さらには活きのいい若頭“男前”ビリーを工場の粉砕機に突っ込む始末。「そこまでしますかぁ?!」
間違ってもアベンジャーズでは見られないジャスティス感溢れるヒーロー活動を見せつける。
そして「よし、今日も殺したわ」と住所:下水道な我が家に帰るも
実は先ほどのヒーロー活動にて1人の若者潜入捜査官を勢いで殺してしまっていたことが判明。
順風満帆だった悪即斬生活に影が灯り出す。
一方。粉砕機にブチ込まれたビリー。
その自慢の顔面がズタズタになりながらも生きていた。
当然こんな目に遭わせてくれたパニッシャーを恨みに恨みにまくる。
そこで精神病棟に隔離されていた人喰いが趣味の弟「ジミー」を解き放つ。
かくして名前を「ジグソウ」と改め、狂暴にも程がある弟とパニッシャー殺害を企てるのであった。
顔がパズルみたいだからジグソウ。
なかなかお茶目な面もある。
そしてなにより弟想い。
その弟。変人ジミー。
イカれすぎているため非常に危険。
しかし兄には素直。兄弟愛は見所だ!!
その頃。パニッシャー。
「ミスもしちゃったし処刑人辞めよっかなぁ…」とか一瞬悩むものの
件の潜入捜査官の家族に魔の手が忍び寄っている、との噂を耳にする。
さすがにここでなんの罪もない母娘を見捨てるのは漢じゃない。
自分でやらかした失敗。
自分で尻拭いしてこそ大人だ。
地獄のベビーシッター誕生。
追っ手を秒殺し、その影に暗躍するジグソウのことも知る。
「もうこれジグソウの一味皆殺しにしてカタをつけよう!」とパニッシャー継続を即決。
途中でいつの間にか仲間になっていた刑事と共に廃ビルのアジトに真っ向から殴り込む。
「作戦は?」
「アジトに入って皆殺しだ」
文字通りの「血祭り」開催!!
…というもの。
前知識がなければアメコミ映画とは思えないほどの殺伐感。
間違ってもデートムービーには向いてないであろう本作。
しかし他のヒーロー映画とは一線を画すポイントが多々ある。
前述した通り「R15指定」ならではのハードさはもちろんだが
例えば通常アメコミ映画の一作目ではその誕生となる「オリジン」が描かれることが多い。
『アイアンマン』にしろ『スパイダーマン』にしろ
「平和な日常があり、それを脅かすなにかがあり、そしてヒーローとして立ち上がる」という黄金パターンだ。
しかしこれは「早くヒーローが見たい」というせっかちさんからしたら悩ましいポイントでもある。
「日常があるからこそヒーローパートが輝く」ともいえるが、個人的には五分といえよう。
しかし本作。
パニッシャーとなった経緯はオープニングでダイジェストばりのタイト編集で説明される。
もう本編始まったら即!パニッシャー!という潔さ。
なかなか真似できる芸当ではない。
さらに「正義とはなにか」という点においても。
ヒーローとは「善悪」の物語である。
しかし「パニッシャー」においてはそれが非常に曖昧だ。
あくまで悪人限定だが躊躇なく殺している時点で自身も凶悪な犯罪者。
実際、作中でも警察に追われまくってる背景がある。
さらにそのポリシーゆえ、正義の立場であった潜入捜査官も死んでしまう悲劇。
もしこれが他のヒーローだったら。
例えば『シビル・ウォー』では
正義感の違いでヒーロー達が対立してしまった。
それによって悲劇も起きた。
ことメンタル面では俺らとおなじくなにかと弱いこともある。
もし彼らが同じミスを犯したら即引退だろう。
しかしパニッシャーは違う。
「善悪は関係ない」
「所詮俺も犯罪者だ」
「悩んでる暇はない」
ともう開き直りな境地の意志の強さ。
「潜入捜査官とその家族には申し訳ない」
「しかしそれはそれ!これはこれ!」
という精神ですぐに立ち上がる潔さ。
ヒーローに有給休暇は存在しないのだ。
「うだうだ悩んでる暇があるなら引き金を引け!」
この圧倒的な強メンタル。
観ているこっちからすれば
これほど気持ちの良いアクティブさもない。
とにかくどこを切ってもアメコミ映画とは思えない漢気満載な本作。
観賞後の後味はむしろステイサム作品に近いほどだ。
アメコミに詳しくない人はMARVEL出身とは思えないだろう。
個人的には「一切文句なしの完璧な実写化」であると信じて疑わないのだが
「ライバル達の影響」「R15指定」という絞った客層の影響もあり興行収入は振るわなかった本作。
哀しいことに続編もつくられてない現状だ。
しかし天下はアメコミバブル。
そんな状態でMARVELがこんな人気キャラを放っておくわけもなかった。
なんと近年、Netflixにて復活を果たした。
『デアデビル』シーズン2より。
リブートされキャストや細かい設定は変わっているものの、その漢気は相変わらず。
晴れて当時ライバルであった『アベンジャーズ』シリーズの一員となった。
つまりは「スパイダーマン」と同世界上に存在する奇跡。
蜘蛛坊やには荷が重いだろうが!
さらにNetflixの性質上、これ以上ないほどハードでダークにシリアスに。
加えてその人気さゆえに今秋には単独ドラマ化が決定。
本家を喰らうほどのスピンオフを期待してるぞ!
処刑人の休まる日は当分来なさそうだ!!
アガる他ない予告↓
うだつのアガらないtwitter↓